要点雇用保険法 61 条の 5 は、不正受給者に対し以後の介護休業給付金を支給しないと定める。ただし、やむを得ない理由がある場合や、新たに介護休業を開始した場合には支給される。
Q · 介護休業給付金で不正受給を指摘されたら、もう二度と給付は受けられないんですか?
以後の給付は止まるが、新たな介護休業を始めれば支給される
雇用保険法 61 条の 5 第 1 項は、偽りその他不正の行為により介護休業給付金を受け、又は受けようとした日以後、介護休業給付金を支給しないと定めます。「受けようとした」で足りるため、振込前に発覚しても制裁は発動します。ただし同項ただし書は、やむを得ない理由がある場合に全部又は一部の支給を認め、さらに 2 項は、給付制限を受けた者が新たに介護休業を開始して受給資格を満たした場合、その介護休業に係る給付金を支給すると定めています。永久追放ではありません。
父の介護のために介護休業を取り、ハローワークに給付金を申請する。その申請書の「休業中に事業主から支払われた賃金」の欄に、実際には月8万円の手当を受け取っていたのに何も書かなかった。それだけで雇用保険法61条の5が起動する。この条文が定めるのは、偽りその他不正の行為で介護休業給付金を受けた、あるいは受けようとした日以後、介護休業給付金を一切支給しないという遮断だ。怖いのは「受けようとした」で足りる点で、振込前に発覚しても制裁は発動する。だが同じ条文の中に、二つの出口が組み込まれている。一つは1項ただし書の「やむを得ない理由」による全部または一部の支給、もう一つは2項で、新たに介護休業を開始して受給資格を満たせば、その休業に係る給付金は支給される。永久追放ではない。1項だけ読んで諦める人と、2項を印刷して窓口に立つ人では、手元に残る金額が変わる。
雇用保険法 61 条の 5 は、介護休業給付金の不正受給に対する給付制限を定める規定である。偽りその他不正の行為により支給を受け、又は受けようとした者には、その日以後の介護休業給付金を支給しないものとし、やむを得ない理由がある場合の裁量的支給と、新たな介護休業の開始による支給の再開を例外として置く。
休業中に支払われた賃金の不記載、介護の実態がない日を含めた申請など、事実と異なる内容で給付金を請求する行為です。雇用保険法 61 条の 5 は「受けようとした」段階でも制裁の対象としています。
1 項は「受け、又は受けようとした日以後」と定めるだけで終期がありません。ただし 2 項により、新たに介護休業を開始して受給資格を満たせば、その休業分は支給されます。
必要です。見舞金や特別手当でも、休業中に支払われた賃金として支給申請書に記載します。一定割合以上の支払いがあると減額・不支給となり、不記載は不正受給の入口になります。
ハローワークが事業主提出の賃金台帳・出勤簿と申請内容を突き合わせます。事業主への照会、同僚からの情報提供、他制度との重複チェックからも判明します。
処分がゼロになるわけではありませんが、実務上、調査で発覚した場合と自主申告の場合とでは、ただし書の「やむを得ない理由」や納付命令額の判断で扱いが変わります。
1 項ただし書の裁量的支給を認める要件ですが、条文に具体的基準はなく行政の運用に委ねられています。故意の有無、介護の実態、申告の経緯などが評価対象になります。
処分を知った日の翌日から 3 か月以内に審査請求(雇用保険法 69 条)。その決定にも不服なら労働保険審査会へ再審査請求します。期限を過ぎると争う土俵が消えます。
消えません。雇用保険は被保険者番号で個人に紐づくため、退職・転職しても給付制限の記録は残ります。次の勤務先で介護休業を取るときも 2 項の適用可否が問題になります。
誰が書いたかではなく、申請者本人に「偽りその他不正の行為」があったと評価できるかで決まります。事実と違うと知りながら提出すれば本条の射程です。事業主側の虚偽記載は雇用保険法83条の罰則等で別に処理されます(条番号は現行効力を要確認)。業界裏話ヒント:調査で最初に確認されるのは申請書の作成経路と押印の実態。本人は押印しただけというケースは、指摘される前に文書で経緯を申し出ておくと悪質性の評価が変わることが多い
そうではありません。61条の5第2項が、制限を受けた者が新たに介護休業を開始して受給資格を満たした場合には、その介護休業に係る給付金を支給すると定めています。無期限の追放ではありません。業界裏話ヒント:不支給決定の通知書に2項の説明が書かれることはほとんどない。次の介護休業に入る前にハローワークへ書面で照会し、回答を保管しておくと窓口対応が一段速くなる
終わらない可能性があります。雇用保険法10条の4は返還命令に加えて不正受給額の2倍以下の納付を命じることができると定めており、合計で最大3倍。悪質な事案では刑法246条の詐欺罪も問題になります。業界裏話ヒント:納付命令は「命ずることができる」という裁量規定で、自主申告や即時全額返還、介護の実態があった等の事情で運用に幅がある。争点は返すかどうかではなく、2倍部分をどこまで抑えられるか
この条文に関連づけられた条文はまだありません。
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。