要点雇用保険法 62 条は、政府が雇用安定事業として、労働者を休業させる事業主や高年齢者の雇用を延長する事業主に助成を行えると定める。財源は事業主のみが負担する二事業分の保険料である。
Q · 雇用調整助成金って、私の給料から引かれている雇用保険料が原資なんですか?
違います。事業主のみが負担する二事業分の保険料が原資です
雇用保険法 62 条の雇用安定事業は、事業主のみが負担する雇用保険二事業分の保険料を財源とします(労働保険の保険料の徴収等に関する法律 31 条)。労働者負担分の保険料は失業等給付および育児休業給付に充てられ、雇用調整助成金や特定求職者雇用開発助成金などの助成の原資にはなっていません。62 条は事業の根拠を置くだけで支給要件を一切書かず、実施基準は厚生労働省令(雇用保険法施行規則)と支給要領に委任されているため、制度内容は年度ごとに改定されます。
給与明細の雇用保険料の欄を見てほしい。そこから天引きされている金額は、失業給付と育児休業給付にしか流れない。雇用調整助成金も、高年齢者を雇い続ける会社への助成も、障害者を雇い入れた会社への助成も、財源はまったく別の財布である。事業主だけが上乗せで払う保険料(一般の事業で賃金の3.5/1000、令和7年度。最新の改正状況をご確認ください)、それが第62条の雇用安定事業の原資だ。ここが分かると景色が変わる。経営側なら、これは毎月自分が払っている金の回収であり、使わなければ他社に流れていくだけの金である。働く側なら、会社が休業を選ぶか解雇を選ぶかの分岐点に、国が置いた資金が存在すると分かる。そして重要なのは、62条自体が具体的な支給要件を一つも書いていないことだ。要件はすべて厚生労働省令(雇用保険法施行規則)と支給要領に委ねられ、年度ごとに書き換わる。去年の知識のまま動く者が、最初に落ちる。
雇用保険法 62 条は雇用安定事業を定める規定であり、政府が失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大その他雇用の安定を図るため、労働者を休業させる事業主、離職者の再就職を支援する事業主、高年齢者の雇用を延長する事業主等に対して助成および援助を行う事業の法的根拠を置く。実施に必要な基準は厚生労働省令に委任され、事業の一部は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が実施する。
雇用保険法 62 条に基づき、政府が失業の予防と雇用の安定を目的に事業主へ助成・援助を行う事業です。雇用調整助成金や特定求職者雇用開発助成金などの根拠になっています。
62 条の雇用安定事業と 63 条の能力開発事業の総称です。失業等給付とは財源も目的も別で、事業主のみが負担する保険料で運営され、支給先は労働者ではなく事業主です。
支給申請は判定基礎期間の末日の翌日から原則 2 か月以内とされています。期限は支給要領で定められ 1 日の遅れでも原則不支給のため、着手前に当該年度版の要領で確認してください。
原則として休業を開始する前に休業等実施計画届を提出する制度です。休業を始めてから申請しても遡って対象にできないのが原則で、初月分の休業手当が自己負担で確定します。
事業主のみが上乗せで負担する二事業分の料率が設定され、業種と年度により異なります。料率は法令改正で変動するため、必ず厚生労働省が公表する当該年度の雇用保険料率表で確認してください。
高年齢者、障害者、就職困難者などを継続雇用労働者として雇い入れる事業主が対象です。原則としてハローワーク等の紹介による雇入れが要件で、自己応募や有料職業紹介経由は対象外となることが多いです。
62 条 1 項 3 号が、定年引上げ、継続雇用制度の導入、高年齢者就業確保措置の実施等を行う事業主への助成を根拠づけています。具体的なコースと要件は厚生労働省令と支給要領で定まります。
62 条の雇用安定事業は「今の雇用を維持・確保する」ための助成、63 条の能力開発事業は「職業訓練で能力を高める」ための事業です。財源は同じ二事業分の保険料ですが、目的と支給メニューが異なります。
性質が違う。厚生労働省の雇用関係助成金は62条・63条に基づく雇用保険二事業が財源で、要件を満たせば原則支給され、採択枠を奪い合う競争ではない。経済産業省系の補助金は審査と採択を経る。業界裏話ヒント:ただし年度替わりの4月に支給要領が改定され、コース自体が廃止されることがある。前年度の記事を見て計画を立てると、着手した頃には制度が消えている。必ず当該年度版の要領で確認する
かかる。法人税法上は益金(雑収入)に算入され、消費税は不課税である。返済不要だが非課税ではない。業界裏話ヒント:休業手当は支払った期の損金、助成金は支給決定した期の益金になるため、決算期をまたぐと帳簿上の利益が膨らみ、資金は入っていないのに税負担だけ先に立つことがある。申請時点で顧問税理士に計上期をすり合わせておく
62条の雇用安定事業の財源は、事業主のみが負担する二事業分の保険料である(労働保険の保険料の徴収等に関する法律31条)。労働者負担分は失業等給付と育児休業給付に充てられ、助成金の原資にはなっていない。業界裏話ヒント:この構造を知っていると労使交渉の景色が変わる。二事業の財源が枯渇すれば事業主負担率が引き上げられ、コロナ後に実際に引き上げられた。助成金は労働者から取った金ではなく、事業主の相互扶助の資金である
労働局の実地調査で賃金台帳、出勤簿、生産指標の原本が突合され、雇用保険の資格記録とも照合される。加えて従業員からの通報が発端になるケースが多い。業界裏話ヒント:最も多い端緒は「休業日として申請されているのに出勤させられた」という現場からの通報である。休業日に1時間でも働かせれば、その日は不正受給になる。実質的に、申請内容を最もよく知っているのは現場の社員であるという前提で制度設計されている
この条文に関連づけられた条文はまだありません。
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。