要点雇用保険法 63 条は、政府が能力開発事業として職業訓練への助成、公共職業能力開発施設の運営、技能検定経費の負担等を行うことができると定める。原資は事業主のみが負担する二事業分の保険料である。
Q · 会社の研修費用を国から助成してもらえる法律の根拠って、どこにあるんですか?
雇用保険法 63 条の能力開発事業が根拠です
雇用保険法 63 条は、政府が「能力開発事業」として職業訓練への助成や公共職業訓練施設の運営などを行うことができると定めています。人材開発支援助成金は同条 1 項 1 号・5 号を根拠とし、原資は事業主のみが負担する雇用保険二事業分の保険料です。ただし本条は「行うことができる」という授権規定であり、事業主や労働者に支給請求権を与えるものではありません。支給要件は厚生労働省令(雇用保険法施行規則)で定められ、訓練開始前の計画届出など事前手続が必須です。
給与明細の雇用保険料を見ても、この条文の事業に対してあなたは一円も払っていない。労働者負担率と事業主負担率の差額、いわゆる雇用保険二事業分が原資であり、そこから職業訓練への助成、ポリテクセンターの運営、技能検定、キャリアコンサルティングの機会確保が動いている。読み取るべき事実は二つ。第一に、会社が従業員に研修を受けさせるとき、その費用の一部を国から取り戻す道が制度として用意されている(人材開発支援助成金の法的根拠が本条 1 項 1 号・5 号)。第二に、あなたが求職中なら公共職業訓練を原則無料で受けられる根拠もここにある。ただし 63 条は「政府は…行うことができる」と書いた授権規定であって、あなたに受給権を与えた条文ではない。待っていても何も届かない。配線を自分でつなぎに行った者だけが受け取る構造である。
雇用保険法 63 条にいう能力開発事業とは、被保険者等の職業生活の全期間を通じた職業能力の開発及び向上を促進するため、政府が行うことができる事業をいう。事業主等の職業訓練への助成、公共職業能力開発施設及び職業能力開発総合大学校の設置・運営、求職者等への講習、技能検定経費の負担等が含まれ、雇用安定事業と併せて雇用保険二事業を構成する。
雇用保険法 63 条に基づき政府が行う事業で、事業主の職業訓練への助成、公共職業訓練施設の運営、求職者向け講習、技能検定経費の負担などを含みます。雇用安定事業と並ぶ雇用保険二事業の一つです。
雇用保険法 63 条 1 項 1 号・5 号が法律上の根拠で、具体的な支給要件は雇用保険法施行規則(125 条前後)で定められています。省令改正で要件が毎年動く点に注意が必要です。
していません。二事業分の保険料は事業主のみが負担します。労働保険徴収法 31 条により、被保険者負担額の算定から二事業分が除外される仕組みになっています。
公共職業能力開発施設の訓練は 63 条 1 項 2 号を根拠に運営され、受講料は原則無料(教材費等は自己負担)です。受講資格の判定はハローワークが行います。
人材開発支援助成金は訓練開始前の計画届出が要件で、支給申請にも訓練終了後の期限があります。期限を 1 日でも過ぎた申請は受理されず、全額不支給となります。
あります。63 条 1 項 4 号が、職業能力開発促進法 10 条の 4 第 2 項の有給教育訓練休暇を与える事業主への助成・援助を政府の事業として定めています。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構です。63 条 3 項により、政府は同条 1 項各号の事業の一部を同機構に行わせるものとされています。
争えます。二事業の助成金不支給は雇用保険法 69 条の審査請求の対象外と解されるため、行政不服審査法の審査請求(原則 3 か月以内)または取消訴訟(原則 6 か月以内)によります。
関係あります。63 条 1 項 5 号は、訓練を受ける労働者への交付金と、訓練期間中も通常の賃金を払い続ける事業主への助成を定めています。つまり「給料を止めずに学ばせる会社」ほど得をする設計です。業界裏話ヒント:社員側から「この研修、人材開発支援助成金の対象らしいです」と資料を添えて持ち込むと稟議が通りやすくなる。会社の持ち出しが減るからで、受講交渉の材料になります
できます。ただしルートに注意が必要です。雇用保険法 69 条の雇用保険審査官への審査請求は失業等給付等に関する処分が対象で、二事業である 63 条の助成金の不支給決定は実務上そこに含まれないと解されています。行政不服審査法に基づく審査請求(原則 3 か月以内)または取消訴訟(原則 6 か月以内)で争うことになります。業界裏話ヒント:不支給の理由は口頭で告げられることが多い。書面での理由提示を求めた瞬間に争点が特定され、勝負できる形になります
受けられる可能性があります。63 条 1 項 2 号の公共職業訓練は失業給付の受給者向けが基本ですが、雇用保険の対象外だった人には求職者支援制度(雇用保険法 64 条の就職支援法事業)が別に用意され、要件を満たせば月 10 万円の職業訓練受講給付金もあります(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:窓口では「訓練を受けたい」ではなく「どちらの制度の受給資格があるか判定してほしい」と切り出すと、正しい側に振り分けられます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 事業の性格と目的 | 雇用保険法 63 条:能力開発事業。職業能力の開発・向上を促進する | — |
| 財源の負担者 | 事業主のみが負担する二事業分の保険料 | — |
| 支給・助成の宛先 | 原則として事業主・訓練実施者・都道府県(一部、訓練を受ける労働者への交付金あり) | — |
| 権利性 | 「行うことができる」授権規定。個人に支給請求権なし | — |
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