要点特定商取引法57条は、業務提供誘引販売業者に対し主務大臣が2年以内の業務停止を命じられると定める。個人事業者には役員就任禁止も併せて命じられ、命令は公表される。
Q · 「在宅ワークを紹介する」と言われて高額な教材を買わされた業者、国が止めてくれるの?
国が最長2年、業者の取引を止められます。返金は別ルートです
特定商取引法57条により、主務大臣(執行は消費者庁)は業務提供誘引販売業を行う者に対し、2年以内の期間を限って取引の全部又は一部の停止を命じることができます。対象は不実告知や書面交付義務違反などで取引の公正が著しく害されるおそれがある場合、または56条の指示に従わない場合です。事業者が個人なら同一期間の役員就任禁止(1項後段)、家族やダミーを使った特定関係法人での同一業務停止(2項)まで命令が及びます。命令は必ず公表されますが、返金は命じられません。返金はクーリング・オフ(58条)や不実告知の取消し(52条)で別途請求します。
「スマホだけで月20万」「この教材を買えば在宅ワークを紹介する」。そう言われて数十万円のキットやツールを買ったのに、約束された仕事は来ない、来ても報酬は雀の涙。この手口を法律は業務提供誘引販売取引と呼び、いわゆる内職商法・副業商法の正体だ。特定商取引法57条は、その業者に国(主務大臣=消費者庁)が最長2年間の業務停止命令を下せると定める。ポイントは2016年改正で加わった二段構え。第一に、社長が個人なら、同じ業務を担う別法人の役員になることまで禁じられる。第二に、家族やダミーを使った特定関係法人での同一業務も止められる。つまり、会社を畳んで看板を替える逃げ道を、この条文は先回りして塞いでいる。あなたが被害に遭ったとき、返金とは別に、この行政処分が業者の息の根を止める。
特定商取引法57条は、業務提供誘引販売業に対する業務停止命令を定める規定である。主務大臣は、禁止行為違反により取引の公正と相手方の利益が著しく害されるおそれがある場合、又は指示に従わない場合に、2年以内の期間を限り取引の全部又は一部の停止を命ずることができる。個人事業者に対する役員就任禁止命令および特定関係法人での同一業務停止命令を併せて命ずることができ、命令は公表される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
仕事を提供するので収入が得られると勧誘し、その仕事に必要だとして商品や役務を有償で購入させる取引です(特商法51条)。内職商法・モニター商法・副業商法がこれにあたります。
業務提供誘引販売業を行う者に対しては2年以内です(57条1項)。電子メール広告受託事業者に対する停止命令は1年以内(同3項)と期間が異なります。2016年改正前の上限は1年でした。
主務大臣は命令をしたときに公表しなければならないと定められています(57条4項・5項)。消費者庁の公表資料や報道発表で、社名・代表者名・処分理由・停止期間を確認できます。
指示(56条)は違反の是正を求める処分で営業自体は続けられますが、業務停止命令(57条)は取引そのものを最長2年止めます。指示に従わないことが57条の発動事由の一つです。
事業者が個人の場合に、停止と同一期間、同種業務を営む法人の当該業務担当役員になることを禁じる命令です(57条1項後段)。会社を作り直して再開する逃げ道を塞ぐ趣旨の規定です。
事業者本人やその役員・使用人(命令日前1年以内に役員等であった者を含む)が事業経営を実質的に支配する法人など、政令で定める法人です(57条2項)。ダミー法人対策の概念です。
命令違反は特定商取引法の罰則規定により刑事罰の対象とされています。法定刑は罰則章の該当条文をご確認ください。命令の存在と違反の事実は、公表資料からも追跡できます。
されます。業務提供誘引販売取引電子メール広告受託事業者が54条の4等に違反した場合、1年以内のメール広告業務の停止を命じられます(57条3項)。この命令も公表されます。
業務停止命令(57条)は行政が業者を市場から排除する処分で、それ自体はあなたへの返金を命じません。返金は別ルート、20日以内ならクーリング・オフ(58条)、実績の誇張など不実告知があれば取消し(52条)で自分から請求します。業界裏話ヒント:消費者庁の処分は返金を保証しないが、処分事実は「この業者は違法勧誘をしていた」という公的なお墨付き。返金交渉や少額訴訟で、処分の公表資料をそのまま証拠として突きつけられる
かつてはそうでしたが、2016年改正でその抜け道は塞がれました。社長が個人なら同一業務を営む別法人の役員になることを禁じられ(57条1項後段)、家族やダミーを使った特定関係法人での同一業務も止められます(同2項)。業界裏話ヒント:それでも実務では名義を借りた復活例が絶えず、消費者庁は「特定関係法人」の実質支配を追う。だからこそ、代表者名・関連会社名まで控えた通報情報が行政の武器になる
連鎖販売取引(33条)は人を勧誘して組織を広げて利益を得る仕組み、業務提供誘引販売取引(51条)は「仕事を提供するから」と商品や役務を買わせる内職商法・モニター商法型です。見た目は似ていても規制条文が別で、停止命令も別建て(連鎖は39条、業務提供誘引は57条)。業界裏話ヒント:どちらに当たるかで主張すべき禁止行為・クーリング・オフ期間が変わる。相談時に「仕事を紹介すると言われて買った」のか「人を誘えと言われた」のかを正確に伝えるだけで、対応の初手が変わる
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|---|---|---|
| 処分・救済の性質 | 57条:行政処分(取引の全部又は一部の停止命令) | — |
| 誰が発動するか | 主務大臣(執行は消費者庁、権限委任先も含む) | — |
| 業者への効果 | 最長2年の取引停止+個人なら役員禁止・特定関係法人の同一業務停止+公表 | — |
| 消費者の返金に直結するか | 直結しない。返金は命じられない | — |
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