要点特定商取引法58条の10は、訪問購入の購入業者による不実告知・故意の不告知・威迫困惑を禁止する。物品の引渡しを受けるための同種の行為も第4項・第5項で独立に禁じられる。
Q · 家に来た買取業者が嘘や居座りで品物を出させようとしたら、法律違反になるの?
違反です。8日間は品物を渡さず拒めます
特定商取引法58条の10は、訪問購入の購入業者が、勧誘時またはクーリング・オフを妨げる目的で、物品の性能・購入価格・引渡時期・クーリング・オフや引渡し拒絶に関する事項について不実を告げること(1項)、故意に事実を告げないこと(2項)、人を威迫して困惑させること(3項)を禁止します。さらに4項・5項は「物品の引渡しを受けるため」の不実告知・不告知・威迫困惑を独立して禁じています。違反は指示(58条の12)や業務停止命令(58条の13)の対象です。売主側は58条の15により、クーリング・オフ期間中は引渡しを拒めます。
実家の片付けで「古い着物や貴金属、何でも買い取ります」というチラシの業者を家に呼んだ。その瞬間、あなたは特定商取引法の「訪問購入」の当事者になっている。58条の10は、業者があなたの家に上がって品物を売らせるとき、してはならないことを並べた条文だ。品物の価値について嘘をつく(不実告知)、クーリング・オフできるのに「一度売ったら取り消せない」と偽る、断っても居座って威圧する(威迫困惑)。これらは全て違法で、業務停止命令や刑事罰の対象になる。だが本当の急所は第4項と第5項にある。業者は、嘘や威圧で「品物を今ここで渡させる」こと自体を禁じられている。なぜなら、金やプラチナは一度渡せば溶かされ転売され、8日間のクーリング・オフで契約を戻しても、あなたの母の形見はもう二度と戻らないからだ。渡さないこと、それが全てを決める。
特定商取引法58条の10は、訪問購入における購入業者の禁止行為を定める規定である。売買契約の勧誘時または申込みの撤回・解除を妨げる目的で、物品の性能や購入価格、クーリング・オフおよび引渡し拒絶に関する事項について不実を告げること、故意に事実を告げないこと、人を威迫して困惑させることを禁じ、加えて物品の引渡しを受けるための同種の行為も独立の禁止行為として規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
購入業者が営業所以外の場所、典型的には消費者の自宅で物品を買い取る取引です。特定商取引法58条の4以下が定義し、いわゆる押し買いを規制の対象としています。
金・プラチナなどの貴金属、宝石、ブランド品、着物などが典型です。転売性が高く、渡した後に取り戻せない高価品ほど規制の中心に置かれています。
自動車、家電、書籍など一部の物品は政令で適用除外とされています。除外品目かどうかで、クーリング・オフや引渡し拒絶権が使えるかが変わります。
消費者庁または都道府県による指示(58条の12)、さらに業務停止命令(58条の13)の対象になります。悪質な場合は刑事罰の規定も適用されえます。
訪問購入では不招請勧誘が禁止され、一度断った相手への再勧誘も禁じられています(58条の6)。「査定だけ」と言って上がり込む手口はこの入口規制の回避です。
法定の契約書面を受け取った日から起算して8日間です(58条の14)。書面が交付されていない、記載に不備がある場合は8日のカウントが始まっていません。
業者はクーリング・オフ期間中に第三者へ引き渡す際、その物が解除されうることを通知する義務を負います。ただし溶解・加工後は事実上回復困難です。
消費者ホットライン188(いやや)で最寄りの消費生活センターにつながります。行政処分を求める情報提供は消費者庁または都道府県の担当課が窓口です。
無理ではありません。訪問購入には8日間のクーリング・オフがあり(58条の14)、理由を問わず契約を白紙に戻せます。起算日は契約書面を受け取った日です。業界裏話ヒント:業者が渡す書面に不備があったり、そもそも書面を渡していない場合、8日のカウントはまだ始まっていません。日付だけ見て「もう過ぎた」と諦める人が多いですが、書面の中身を専門家に見せると期間がまだ生きているケースは珍しくない
その説明自体が違法の可能性が高いです。クーリング・オフに関する事項について嘘を告げるのは58条の10第1項5号の不実告知にあたり、契約取消しと行政処分の対象になります。業界裏話ヒント:この手の業者は「これは買取だからクーリング・オフ制度の外」と言い張ることがありますが、訪問購入は法律で明確に8日間のクーリング・オフが定められています。言われた言葉をそのままメモか録音で残しておくと、後でその一言が業者を追い込む決め手になる
だからこそ58条の15の引渡し拒絶権が重要でした。渡す前なら8日間は引き渡さずに済んだのです。既に渡した場合でも、業者はクーリング・オフ期間中に第三者へ引き渡す際、相手にその物がクーリング・オフされうることを通知する義務を負います。業界裏話ヒント:金やプラチナは即日溶解されることが多く、時間との勝負です。渡してしまったと気づいた瞬間に消費者ホットライン188へ電話し、業者に対しては口頭でもいいので即座にクーリング・オフの意思を伝える。数時間の差が現物の生死を分ける
第3項の威迫困惑にあたる可能性があります。人を威圧して困惑させる行為は、品物を売らせたかどうかに関わらず、それ自体が禁止されています。業界裏話ヒント:訪問購入では、そもそも消費者から頼んでいないのに突然訪問して勧誘すること(不招請勧誘)や、一度断った相手への再勧誘も別途禁止されています(58条の6)。「査定だけ」と言って上がり込む手口は、この入口の規制を回避する常套手段。玄関を開ける前に「頼んでいない訪問は違法」と知っているだけで、対応が変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規制の局面 | 58条の10:勧誘時・解除妨害時・引渡しを受ける場面での嘘と威圧 | — |
| 守ろうとしているもの | 売主の判断の自由(歪んだ情報と圧力の排除) | — |
| 違反したときの効果 | 指示(58条の12)・業務停止命令(58条の13)、刑事罰の対象 | — |
| 売主側が使うタイミング | 嘘や威圧があった事実を記録し、後の取消し・通報の根拠にする | — |
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