民事執行法 第167条の14(債権執行の規定の準用)
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- 第百四十六条から第百五十二条まで、第百五十五条、第百五十六条(第三項を除く。)、第百五十七条、第百五十八条、第百六十四条第五項及び第六項並びに第百六十五条(第三号及び第四号を除く。)の規定は、少額訴訟債権執行について準用する。この場合において、第百四十六条、第百五十五条第四項から第六項まで及び第八項並びに第百五十六条第四項中「執行裁判所」とあるのは「裁判所書記官」と、第百四十六条第一項中「差押命令を発する」とあるのは「差押処分をする」と、第百四十七条第一項、第百四十八条第二項、第百五十条、第百五十五条第一項、第六項及び第七項並びに第百五十六条第一項中「差押命令」とあるのは「差押処分」と、第百四十七条第一項及び第百四十八条第一項中「差押えに係る債権」とあるのは「差押えに係る金銭債権」と、第百四十九条中「差押命令が発せられたとき」とあるのは「差押処分がされたとき」と、第百五十五条第七項中「決定」とあるのは「裁判所書記官の処分」と、第百六十四条第五項中「差押命令の取消決定」とあるのは「差押処分の取消決定若しくは差押処分を取り消す旨の裁判所書記官の処分」と、第百六十五条(見出しを含む。)中「配当等」とあるのは「弁済金の交付」と読み替えるものとする。
- 2.第百六十七条の五第六項から第八項までの規定は、前項において読み替えて準用する第百五十五条第六項の規定による裁判所書記官の処分がされた場合について準用する。
この条文の基本情報
債権執行の規定の準用とは何ですか?
定義債権執行の規定の準用とは、民事執行法第167条の14に定められた規定で、「第百四十六条から第百五十二条まで、第百五十五条、第百五十六条(第三項を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第167条の14(債権執行の規定の準用)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第167条の14の条文原文は「第百四十六条から第百五十二条まで、第百五十五条、第百五十六条(第三項を除く。」で始まります。
- 民事執行法第167条の14は第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第167条の14の前の条は民事執行法第167条の13です。
- 民事執行法第167条の14の次の条は民事執行法第167条の15です。
- 民事執行法第167条の14には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第167条の14 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第167条の14(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/167_14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法167条の14は、少額訴訟債権執行に通常の債権執行の規定を準用し、裁判所書記官が差押処分で相手の給料や預金などの金銭債権を差し押さえられるようにする読み替え規定である。
Q · 少額訴訟で勝ったのに払ってくれない。もう一度裁判をやり直すの?
やり直し不要。書記官に差押処分を申し立てて回収します
裁判のやり直しは不要です。民事執行法167条の14は通常の債権執行の規定を少額訴訟債権執行に準用し、判決を出した簡易裁判所の裁判所書記官が「差押処分」で相手の給料や銀行預金などの金銭債権を差し押さえます。地裁の執行部に出向く必要はなく、原則として弁護士も不要です。ただし押さえられるのは金銭債権に限られ、給料は原則として手取りの4分の3が差押禁止です(152条準用)。差押処分は相手の勤務先や銀行へ直接送達されます。
解説
少額訴訟で勝訴判決を手にした。だが相手は一円も払わない。ここで大半の人が「もう一度、地方裁判所で強制執行をやり直すのか」と諦めかける。その思い込みが損をさせる。民事執行法167条の14は、通常の債権執行のルール(差押え、第三債務者への取立て、供託、弁済金の交付)を、少額訴訟債権執行にそっくり持ち込む準用規定である。核心は読み替えにある。「執行裁判所」は「裁判所書記官」に、「差押命令」は「差押処分」に置き換わる。つまり判決を出したのと同じ簡易裁判所の書記官が、相手の給料や銀行口座(金銭債権)を差し押さえてくれる。地裁の執行部に出向く必要も、原則として弁護士も要らない。勝訴判決が紙切れで終わるか、実際に金が動くかは、この読みにくい条文が開ける近道を知っているかどうかで決まる。
法的な位置づけ
民事執行法167条の14は、少額訴訟債権執行に通常の債権執行の規定を準用する読み替え規定である。第146条から第165条までの差押え・取立て・供託・配当等の手続を、「執行裁判所」を「裁判所書記官」、「差押命令」を「差押処分」と読み替えて適用し、簡易裁判所の書記官による金銭債権の差押えを可能にする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.差し押さえる金銭債権を特定する 相手の勤務先(給料)、取引銀行と支店(預金)、売掛先(売掛金)など、押さえられる金銭債権を具体的に特定する。第三債務者が分からないと差押処分は空振りするため、この特定が最重要のステップ
- 2.相手の財産が不明なら情報取得手続を先に使う 銀行名や勤務先が不明な場合、財産開示・第三者からの情報取得手続(民執197条以下、最新の運用を確認)で、金融機関や勤務先の情報を裁判所経由で入手する。銀行は分かるが支店が不明なケースも情報取得で残高まで開示される
- 3.簡易裁判所の書記官に差押処分を申し立てる 判決を出した簡易裁判所の裁判所書記官に差押処分を申し立てる(167条の14が準用する146条)。書式は書記官に相談すれば案内される。弁護士なしの本人申立てが可能な設計
- 4.第三債務者への送達後、取立てまたは供託を待つ 差押処分が第三債務者(勤務先・銀行)に送達されたら、原則1週間の経過後に自ら取り立てる(155条準用)。第三債務者が供託した場合は弁済金の交付を受ける。動産や不動産しかない相手にはこの手続は使えない点に注意
よくある質問 AI による整理
Q1少額訴訟債権執行とは何ですか?
60万円以下の少額訴訟で得た判決をもとに、地裁ではなく判決を出した簡易裁判所の書記官が差押処分で相手の金銭債権を回収する簡易・迅速な執行手続です。根拠は民執167条の2以下、準用規定が167条の14です。
Q2差押処分と差押命令はどう違うのですか?
内容はほぼ同じですが、通常の債権執行では裁判官が「差押命令」を発するのに対し、少額訴訟債権執行では裁判所書記官が「差押処分」を行います。167条の14がこの読み替えを定めています。
Q3給料はいくらまで差し押さえられますか?
原則として手取りの4分の3が差押禁止で、差し押さえられるのは4分の1が上限です(民執152条準用)。手取りが高額な場合は例外があり、最新の政令額で範囲が変わります。
Q4少額訴訟債権執行の費用はどれくらいですか?
申立手数料は数千円程度の収入印紙と、送達に使う予納郵券が中心です。本人で申立てできる設計のため、弁護士費用をかけずに手続を進められる点が特徴です。
Q5差押処分に不服があるときはどうすればいいですか?
書記官の処分なので執行異議を申し立てられます。まず差押禁止範囲(給料の4分の3等)を超えていないか確認し、生活を圧迫する場合は差押禁止範囲の変更を裁判所に申し立てられます。
Q6少額訴訟債権執行はどこの裁判所に申し立てますか?
原則として少額訴訟の判決を出した簡易裁判所の裁判所書記官に申し立てます。地方裁判所の執行部に出向く必要はありません。
Q7差し押さえた後、いつお金を受け取れますか?
差押処分が第三債務者(勤務先・銀行)に送達され、原則1週間が経過すると自ら取り立てられます(155条準用)。第三債務者が供託した場合は弁済金の交付を受けます。
Q8少額訴訟債権執行が通常の執行に移行するのはどんなときですか?
配当が必要になるなど手続が複雑化した場合、裁判所の決定で地方裁判所の通常の債権執行手続へ移行します(民執167条の5)。少額・簡易の枠を超えた処理が必要な場面です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1少額訴訟で勝ったのに相手が払いません。もう一度裁判しないとダメですか?
裁判のやり直しは不要です。勝訴判決(債務名義)があれば、判決を出した簡易裁判所の裁判所書記官に差押処分を申し立てるだけ(民執167条の14が準用する146条)。相手の給料や銀行口座を直接押さえられます。実務のポイント:弁護士は『少額なら費用倒れになる』と受任を渋りがちだが、少額訴訟債権執行は本人でも申立てできる設計。書記官に相談すれば書式も案内してくれる。弁護士に断られた=回収不能、ではない。
Q2相手の口座や勤務先が分からないんですが、どうやって差し押さえるんですか?
差押えには第三債務者(銀行・支店名、勤務先)の特定が必須で、不明なら空振りします。ただし財産開示・第三者からの情報取得手続(民執197条以下、最新の運用をご確認ください)で、銀行や勤務先の情報を裁判所経由で入手できます。実務のポイント:銀行名は分かるが支店が不明、というケースが多い。金融機関への第三者情報取得を使えば、どの支店にいくら残高があるかまで開示される。これを知らずに諦める債権者が非常に多い。
間違えやすい点 AI による整理
- 「勝訴判決さえ取れば、あとは裁判所が勝手に取り立ててくれる」と思っている人が多いが、実際は違う。判決後、あなた自身が改めて差押処分を申し立てなければ、書記官は一円も動かさない。判決は『取り立てる権利の証明書』であって『取り立て代行券』ではない。
- 「相手に財産があるか」を心配する前に、問いが一つ抜けている。少額訴訟債権執行で押さえられるのは金銭債権(給料・預金・売掛金)だけ。相手が現金や動産、不動産しか持っていなければ、この手続は空振りする。問うべきは『財産の有無』ではなく『どんな種類の財産か』だ。
- 給料を差し押さえられること自体は知っていても、その破壊力を知らない人が多い。差押処分は相手の勤務先(第三債務者)に直接届く。つまり金銭トラブルが会社に知られる。この社会的圧力こそ、判決後に相手が急に払い出す最大の理由であり、差押えの真の武器は金額ではなく『職場に伝わる』という点にある。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の担い手 | 少額訴訟債権執行(167条の14準用):簡易裁判所の裁判所書記官が差押処分 | 通常の債権執行:地方裁判所(執行裁判所)が差押命令 移行後(167条の5):地方裁判所の通常手続で処理 |
| 対象財産 | 金銭債権(給料・預金・売掛金)に限定 | 各種の債権・その他の財産権 移行により通常執行の対象範囲に拡大 |
| 利用の前提 | 少額訴訟(60万円以下)の債務名義があること | 確定判決・和解調書など各種の債務名義 配当等の複雑処理が必要になった場合 |
| 債務者保護 | 差押禁止債権(152条)・取立て等(155条〜165条)をそのまま準用 | 同じく152条以下が直接適用 通常執行の手続保障が全面適用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は小額訴訟(10万台湾ドル以下)と強制執行法の金銭債権執行を組み合わせる。日本のように執行主体を書記官に移す簡易化はなく、法院が執行機関となる点が異なる
韓国も少額事件審判法で簡易な裁判を用意し、民事執行法の채권압류(債権差押え)で回収する。手続の簡易化の思想は日本と近いが、書記官への読み替え構造は日本固有
ドイツは Rechtspfleger(司法補助官)が Pfändungs- und Überweisungsbeschluss を発する。裁判官以外の官が金銭債権差押えを担う点で日本の書記官差押処分と機能的に近い
米国は少額裁判所(small claims court)の判決後、garnishment で給料・預金を差し押さえる。連邦法(CCPA)で給料差押えの上限が定められ、日本の差押禁止範囲と類似の債務者保護がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 退去時に敷金を返さない大家を少額訴訟で訴えて勝った。だが大家は払わない。あなたは判決を出した簡易裁判所の書記官に、大家名義の口座や大家が管理会社から受け取る賃料(金銭債権)の差押処分を申し立てられる。「大家は強い、借主は泣くだけ」という力関係が、この段階でひっくり返る。
- もし相手の勤務先が分かっていて、給料を押さえたいと思ったら? 給料は全額は取れず、原則として手取りの4分の1が上限(手取りが高い場合は例外あり、民執152条準用、最新の政令額をご確認ください)。しかも相手が転職すればその勤務先への差押えは空振りになる。動くなら在職中の今しかない。
- あなたが少額訴訟で負けた側だとする。ある日、勤務先の経理から「あなたの給料に裁判所書記官の差押処分が届いている」と告げられる。会社に金銭トラブルが知られる。この段階でも執行異議や分割払いの和解交渉の余地は残っている。
- 友人に貸した30万円を少額訴訟で取り戻したが、友人は「金がない」の一点張り。あなたは友人のネット銀行口座を差押処分で押さえる。相手が気づかないうちに、口座の残高があなたの回収分に回る。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手の金銭債権を特定:勤務先(給料)、取引銀行と支店(預金)、売掛先など。ここが不明だと差押えは空を切る。2. 判決を出した簡易裁判所の裁判所書記官に差押処分を申し立てる(167条の14が準用する146条)。3. 差押処分が第三債務者(会社・銀行)に送達されたら、原則1週間経過後に自ら取り立てるか、供託を待つ(準用155条・156条)。4. 相手の財産が不明なら、財産開示・第三者からの情報取得手続(民執197条以下、最新の運用をご確認ください)で銀行や勤務先を先に特定する。
訴えられた側:1. 差押処分は裁判所書記官の処分なので、不服があれば執行異議を申し立てられる。まず差押禁止の範囲(給料は原則4分の3が差押禁止、民執152条準用)を超えていないか確認する。2. 生活費を圧迫するなら、差押禁止範囲の見直しを裁判所に相談する(準用範囲の確認が必要)。3. 根本策は、取り立てられる前に債権者と分割払いの和解をまとめること。給料差押えは勤務先に通知が届くため、職場への影響を避けたいなら早期の話し合いが最も傷が浅い。
時効(請求できる期限):差押処分の申立て自体に固有の期間制限はないが、少額訴訟の確定判決等で確定した請求権は判決確定時から10年で時効消滅する(民法169条)。相手が転職・口座解約をすれば対象の金銭債権そのものが消えるため、実務上の勝負は判決後の数週間。仮執行宣言が付いていれば確定を待たずに執行できる。
学説
通説:167条の14の準用は、少額債権の簡易・迅速な回収と債務者の生活保障・手続保障の均衡を図る趣旨と解される。手続の担い手を書記官に移して迅速化する一方、差押禁止債権(152条)や取立て・供託・弁済金の交付(155条以下)をそのまま持ち込み、対象を金銭債権に絞る点にその均衡が表れているとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)新設 少額訴訟債権執行の制度(民事執行法167条の2から167条の14)が新設された際に本条も創設されたと解される。その後、令和元年(2019年)の民事執行法改正で準用先の155条(取立権・取立ての届出等)が改められた影響を受けている可能性があるが、改正回数と各改正の詳細は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:少額訴訟債権執行の制度(民事執行法167条の2から167条の14)が新設された際に本条も創設されたと解される。書記官による差押処分と通常の債権執行規定の準用構造が整備された。
- 2.令和元年(2019年) 改正:民事執行法改正で準用先の155条(取立権・取立ての届出等)等が改められた影響を受けている可能性がある。改正の詳細と本条への波及範囲は人的検証が必要。
- 民事執行法 第167条の2少額訴訟債権執行の開始、書記官の差押処分
- 民事執行法 第167条の5通常の債権執行手続への移行
- 民事執行法 第152条差押禁止債権(給料の4分の3等)の準用
- 民事執行法 第155条差押債権者の取立権の準用
- 民事執行法 第165条配当等(弁済金の交付)の実施の準用
- 民事訴訟法 第368条少額訴訟の要件(60万円以下)、債務名義を生む前提手続
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