民事執行法 第199条の3(映像等の送受信による通話の方法による開示義務者の陳述)
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- 執行裁判所は、次に掲げる場合であつて、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によつて、開示義務者に第百九十九条第一項の規定による陳述をさせることができる。
- 一開示義務者の住所、年齢又は心身の状態その他の事情により、開示義務者が執行裁判所に出頭することが困難であると認める場合
- 二事案の性質、開示義務者の年齢又は心身の状態、開示義務者と申立人本人又はその法定代理人との関係その他の事情により、開示義務者が執行裁判所及び申立人が在席する場所において陳述するときは圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認める場合
- 三申立人に異議がない場合
この条文の基本情報
映像等の送受信による通話の方法による開示義務者の陳述とは何ですか?
定義映像等の送受信による通話の方法による開示義務者の陳述とは、民事執行法第199条の3に定められた規定で、「執行裁判所は、次に掲げる場合であつて、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をするこ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第199条の3(映像等の送受信による通話の方法による開示義務者の陳述)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第199条の3の条文原文は「執行裁判所は、次に掲げる場合であつて、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をするこ…」で始まります。
- 民事執行法第199条の3は第一節に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第199条の3の前の条は民事執行法第199条の2です。
- 民事執行法第199条の3の次の条は民事執行法第200条です。
- 民事執行法第199条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第199条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第199条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/199_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法199条の3は、出頭困難・精神的圧迫のおそれ・申立人の異議なしのいずれかで相当と認めるとき、映像と音声の送受信による方法で財産開示の陳述をさせることができると定める。
Q · 財産開示で相手と同じ法廷に座らずに済ませる方法はありますか?
民事執行法199条の3でウェブ会議による陳述が可能です
民事執行法199条の3により、執行裁判所が相当と認めるときは、映像と音声の双方向送受信による方法で財産開示期日の陳述をすることができます。適用場面は三つで、住所・年齢・心身の状態などにより出頭が困難な場合(一号)、申立人が在席する場所での陳述により圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがある場合(二号)、申立人に異議がない場合(三号)です。一号・二号は申立人の同意を要件としないため、相手が異議を述べても認められる余地があります。
解説
財産開示手続で「あの人と同じ部屋に座らなければならない」という前提は、もう法律上の前提ではない。民事執行法199条の3は、開示義務者(財産を開示させられる債務者側)が執行裁判所に出頭せず、映像と音声を双方向でやり取りする方法、つまりウェブ会議で陳述することを認める。適用の入口は三つ。遠方・高齢・心身の状態で出頭が困難な場合、申立人(あなたを追いかけてくる側)と同じ場所にいると精神の平穏を著しく害されるおそれがある場合、そして申立人が異議を述べない場合。二号がとりわけ重い。DV や虐待の加害者が債権者として財産開示を申し立ててくるケースで、被害者側が顔を合わせずに済む逃げ道がここに書かれている。ただし「相当と認めるとき」という執行裁判所の裁量が乗るので、黙って待っていると通常どおり出頭を命じられる。申し出るのは、あなたの側だ。
法的な位置づけ
民事執行法199条の3は、財産開示期日における陳述の実施方法に関する特則である。執行裁判所は、出頭困難、精神の平穏を害されるおそれ、申立人の異議なしのいずれかに該当し相当と認めるときは、映像と音声の送受信により相互に相手の状態を認識しながら通話する方法で開示義務者に陳述させることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.呼出状の期日を確認し逆算する 呼出状に記載された財産開示期日を確認し、2週間以上の余裕があるかを逆算する。裁判所は接続方法と実施場所の調整に時間を要するため、余裕がないと要件を満たしても相当性が否定されうる
- 2.該当する号を特定する 住所・年齢・心身の状態で出頭が困難なら一号、申立人と同席すると圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあるなら二号、申立人が異議を述べないなら三号。三号だけに頼らず、一号・二号の事情を必ず併記できるか検討する
- 3.裏付け資料を揃える 一号なら診断書、通院記録、居住地から執行裁判所までの距離と所要時間の資料。二号なら過去の被害記録、相談記録、保護命令や調停の記録など当事者関係を示す資料を収集する
- 4.実施場所の候補を併せて上申する 執行裁判所の担当書記官に、映像等の送受信による陳述を希望する旨を上申する。心情ではなく「圧迫下では正確な陳述ができない」という手続上の構成で書き、自宅・最寄りの裁判所・入所施設など実施場所の候補まで記載して調整の往復を減らす
- 5.認められなかった場合も出頭を確保する 申出が認められなかった場合でも、出頭自体を放棄しない。正当な理由のない不出頭や陳述拒否は刑事罰の対象になる(民事執行法213条)。付添人の同行や待合室の分離など、代替の配慮を裁判所に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1財産開示手続とは何ですか?
債権者の申立てにより、債務者本人を裁判所に呼び出し、宣誓のうえ自己の財産を陳述させる手続です。民事執行法196条以下が定め、強制執行の対象財産を把握するために使われます。
Q2財産開示のウェブ会議はどう申し出ますか?
執行裁判所の担当書記官に、映像等の送受信による陳述を希望する旨を上申します。該当する号と裏付け資料、実施場所の候補を併せて示すと調整が早く進みます。
Q3財産開示に出頭しないとどうなりますか?
正当な理由なく出頭せず、または宣誓・陳述を拒めば刑事罰の対象となります(民事執行法213条、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)。放置は最も不利な選択です。
Q4財産開示のウェブ会議はいつまでに申し出るべきですか?
本条自体に期限はありませんが、裁判所は接続方法と実施場所の調整に時間を要します。実務上は期日の2週間以上前の上申が安全です。直前申出は却下されうる点に注意してください。
Q5DV 加害者が申立人でもウェブ会議はできますか?
二号は事案の性質と当事者の関係から精神の平穏を著しく害されるおそれがある場合を要件とし、保護命令の存在を条件にしていません。過去の関係を示す資料を添えて上申できます。
Q6財産開示のウェブ会議は自宅からできますか?
実施方法は最高裁判所規則の定めによります。実務では最寄りの裁判所など環境の整った場所からの接続が用いられることが多く、自宅接続が当然に認められるとは限りません。
Q7ウェブ会議を希望すると財産隠しを疑われますか?
条文が正面から認める方法であり、それ自体が不利な心証となる筋合いはありません。上申書に陳述義務を果たす意思を明記すれば、協力的な当事者として扱われます。
Q8財産開示は同じ相手に何度もできますか?
実施の日から3年以内は、原則として同一債務者について再実施できません(民事執行法197条3項)。財産の状況に変動があるなど例外事由がある場合に限られます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ウェブでやりたいって言ったら、財産隠してると思われませんか?
条文が正面から認めた方法なので、それ自体が不利な心証になる筋合いはない。199条の3の一号・二号は出頭困難や精神的圧迫という客観的事情を要件にしており、隠匿の推認とは無関係である。実務のポイント:むしろ上申書に「陳述義務は果たす意思がある」と明記しておくと、裁判所は協力的な当事者として扱う。不出頭のまま放置した場合との心証差は決定的に大きい
Q2自宅から接続できるんですか?それとも結局どこかに行くんですか?
実施の具体的な方法は最高裁判所規則の定めによる。実務上は最寄りの裁判所など環境の整った場所からの接続が用いられることが多く、自宅からの接続が当然に認められるとは限らない。実務のポイント:この点は事前に書記官と詰める価値がある。「出頭が困難」と主張しているのに遠方の裁判所を指定されては意味がないので、上申の段階で実施場所の候補まで書いておくと、調整が一往復で済む
Q3相手が異議を出したら、もう対面するしかないんですか?
そうとは限らない。申立人の異議がないことは三号の要件だが、一号(出頭困難)と二号(精神の平穏を著しく害されるおそれ)は申立人の同意を要件にしていない。異議があっても、一号・二号に該当し裁判所が相当と認めれば映像通話は認められる。実務のポイント:だからこそ上申は三号だけに頼らず、一号・二号の事情を必ず併記する。三号一本で組むと、相手の一言で構成が崩れる
間違えやすい点 AI による整理
- 「ウェブ会議は本人の希望さえあれば通る」と考えられがちだが、条文は「相当と認めるとき」という裁判所の判断を必ず経由させる。一号から三号のどれかに当たることが必要条件であって、十分条件ではない。診断書、居住地から裁判所までの距離、相手との過去の関係を示す資料、これらを積んで初めて「相当」が動く
- DV 被害の文脈で「相手と会わずに済むのは保護命令が出ている場合だけ」と思われているが、二号は保護命令の存在を要件にしていない。事案の性質、当事者の関係その他の事情から精神の平穏が著しく害されるおそれがあれば足りる。保護命令が出ていないから諦める、という判断は条文の読み違いだ
- あなたから見れば「顔を合わせたくない」という感情の問題だが、法律から見れば「陳述の任意性と正確性を確保できるか」という手続の問題である。この落差が上申書の書き方を左右する。心情ではなく、圧迫下では正確な陳述ができないという構造で書いた方が、裁判所の判断軸に乗る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 民執199条の3:陳述の実施方法(ウェブ会議)の特則 | 民執199条:財産開示期日における陳述義務の本体 民執213条:不出頭・虚偽陳述に対する罰則 |
| 適用の前提 | 一号〜三号のいずれかに該当し、裁判所が相当と認めること | 財産開示手続の実施決定と期日の指定 正当な理由のない不出頭・宣誓拒否・虚偽陳述 |
| 申立人の同意の要否 | 三号は異議なしが要件、一号・二号は同意不要 | 陳述義務自体は当事者の同意と無関係 同意と無関係に刑事手続へ移行しうる |
| 動くタイミング | 呼出しを受けた後、期日の相当期間前に上申 | 期日当日、宣誓のうえ陳述 期日の不出頭・拒否が確定した後 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は債務者に財産状況の報告義務を課すが、遠距視訊による陳述は法院組織法・各級法院の遠距審理運用に依拠し、財産報告手続専用の条文上の特則という形は取っていない
韓国も財産明示期日への出頭と宣誓を求める構成で日本と近い。映像審理は電子訴訟インフラの運用側で発展しており、条文構造は日本と比較しやすい
ドイツは財産情報の提供義務を § 802c で定め、映像と音声の送受信による手続実施は § 128a が一般規定として横断的にカバーする。日本が財産開示に個別の特則を置いたのと対照的な立法技術
米国は判決債務者審尋をディスカバリー手続として構成し、遠隔での実施は Rule 43(a) の good cause 要件と裁判所の裁量に委ねられる。当事者の申立てを起点とする点は日本と共通
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 離婚後、養育費の不払いで元配偶者から財産開示を申し立てられた。相手はかつてあなたに暴力を振るった人物で、法廷で同じ空間に座ると考えるだけで手が震える。二号の「圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれ」はまさにこの状況を想定した条文だ。申し立てる側ではなく、陳述する側から裁判所に上申できる
- 北海道の実家で寝たきりに近い状態の親が、保証債務で財産開示の呼出しを受けた。東京地裁まで移動できるはずがない。一号の「住所、年齢又は心身の状態」がそのまま当てはまる。診断書と移動距離の資料を添えて上申すれば、ウェブ会議での陳述が認められる余地がある
- もしあなたが債権者側で、債務者から「ウェブでやらせてほしい」と言われたらどうする? 三号は申立人の異議がないことを独立の要件にしている。異議を出せば裁判所は三号では認められない。ただし一号・二号は申立人の同意と無関係に成立するので、異議を出せば必ず対面になるわけではない
- 呼出状が届いた。期日まであと10日。ウェブ会議での実施を求めるなら、最高裁判所規則の定める手続に沿って早めに申し出る必要がある。期日直前の申出は、裁判所側の設備調整が間に合わず却下されうる
- 会社の元代表として財産開示の対象になった。介護施設に入所中で外出は職員の付添いが必須。施設の一室から接続できるか、裁判所と事前に詰めることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 呼出状の期日を確認し、逆算して2週間以上の余裕を確保2. 自分がどの号に当たるか特定:遠方・高齢・心身の状態なら一号、相手との関係で精神的圧迫があるなら二号3. 裏付け資料を揃える:診断書、通院記録、居住地と裁判所の距離、過去の相談記録や被害の記録4. 執行裁判所の担当書記官に映像通話による陳述を希望する旨を上申、実施場所(自宅、最寄りの裁判所、施設等)の候補も併せて相談5. 認められなかった場合でも、出頭自体を放棄しないこと。不出頭は刑事罰の対象になる
訴えられた側:1. 債権者側として異議を検討する場合、三号での異議は自由だが、一号・二号該当性を否定する具体的事情がなければ結論は変わらない2. 相手が遠方または高齢であることが明らかな事案では、異議を出さず手続を進めた方が財産情報の取得は早い3. 開示の実効性を懸念するなら、異議ではなく、質問事項の事前準備と資料提出の求めに労力を割く方が回収に直結する4. 手続後の第三者からの情報取得手続(民事執行法205条以下)との併用も検討
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限はない。実務上の期限は財産開示期日そのもので、上申は期日の相当期間前に行う必要がある。なお財産開示手続の申立ては、同一債務者について実施の日から3年以内は原則として再実施できない(民事執行法197条3項)。関連する不出頭等の罰則は213条(6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:本条は2019年改正で強化された財産開示手続の実効性確保と、開示義務者の到達可能性の保障を両立させる規定と解される。映像と音声の双方向性を要件とすることで、直接主義の核を維持しつつ物理的同席のみを外した構成である
- 民事執行法 第199条財産開示期日における陳述義務の本体規定
- 民事執行法 第197条財産開示手続の実施要件と再実施の制限
- 民事執行法 第198条実施決定と開示義務者の呼出し
- 民事執行法 第205条第三者からの情報取得手続、開示手続の補完ルート
- 民事執行法 第213条不出頭・虚偽陳述に対する罰則
- 民事訴訟法 第204条映像等の送受信による証人尋問の一般規律
- 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律 第10条加害者と被害者の接触回避、二号適用の背景事情(通称 DV 防止法)
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