民事執行法 第213条(陳述等拒絶の罪)
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
- 一売却基準価額の決定に関し、執行裁判所の呼出しを受けた審尋の期日において、正当な理由なく、出頭せず、若しくは陳述を拒み、又は虚偽の陳述をした者
- 二第五十七条第二項(第百二十一条(第百八十九条(第百九十五条の規定によりその例によることとされる場合を含む。)において準用する場合を含む。)及び第百八十八条(第百九十五条の規定によりその例によることとされる場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定による執行官の質問又は文書の提出の要求に対し、正当な理由なく、陳述をせず、若しくは文書の提示を拒み、又は虚偽の陳述をし、若しくは虚偽の記載をした文書を提示した者
- 三第六十五条の二(第百八十八条(第百九十五条の規定によりその例によることとされる場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定により陳述すべき事項について虚偽の陳述をした者
- 四第百六十八条第二項の規定による執行官の質問又は文書の提出の要求に対し、正当な理由なく、陳述をせず、若しくは文書の提示を拒み、又は虚偽の陳述をし、若しくは虚偽の記載をした文書を提示した債務者又は同項に規定する不動産等を占有する第三者
- 五執行裁判所の呼出しを受けた財産開示期日において、正当な理由なく、出頭せず、又は宣誓を拒んだ開示義務者
- 六第百九十九条第七項において準用する民事訴訟法第二百一条第一項の規定により財産開示期日において宣誓した開示義務者であつて、正当な理由なく第百九十九条第一項から第四項までの規定により陳述すべき事項について陳述をせず、又は虚偽の陳述をしたもの
- 2.不動産(登記することができない土地の定着物を除く。以下この項において同じ。)の占有者であつて、その占有の権原を差押債権者、仮差押債権者又は第五十九条第一項(第百八十八条(第百九十五条の規定によりその例によることとされる場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定により消滅する権利を有する者に対抗することができないものが、正当な理由なく、第六十四条の二第五項(第百八十八条(第百九十五条の規定によりその例によることとされる場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定による不動産の立入りを拒み、又は妨げたときは、三十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
陳述等拒絶の罪とは何ですか?
定義陳述等拒絶の罪とは、民事執行法第213条に定められた規定で、「次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第213条(陳述等拒絶の罪)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第213条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 民事執行法第213条は第五章に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第213条の前の条は民事執行法第212条です。
- 民事執行法第213条の次の条は民事執行法第214条です。
- 民事執行法第213条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第213条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第213条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/213
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法213条は、財産開示期日に正当な理由なく出頭せず、宣誓を拒み、又は虚偽の陳述をした開示義務者を、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
Q · 財産開示の呼び出しを無視したら、本当に前科がつくの?
つく可能性がある。無断欠席・虚偽陳述は刑事罰の対象
民事執行法213条により、財産開示期日に正当な理由なく出頭しない、宣誓を拒む、又は虚偽の陳述をした開示義務者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処されます。2020年4月施行の改正で従来の過料から刑事罰へ変わり、前科がつくため、無視できない圧力になりました。財産がないことを正直に述べる分には罪になりませんが、隠したり嘘をつくと立件されうる点に注意が必要です。
解説
勝訴判決を握りしめても、相手が「金なんかない」と開き直れば一円も取れない。長年、それが日本の債権回収の現実だった。財産開示手続という制度はあったが、無視したときの罰は過料だけ、債務者は平然と欠席し、制度は空回りしていた。213条がその風景を変えた。2020年4月施行の改正で、財産開示期日に正当な理由なく出頭しない、宣誓を拒む、嘘の財産を述べる、これらが六月以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金という刑事罰になった。前科がつく重みが、初めて債務者を法廷に引きずり出す圧力になったのだ。さらに同じ改正は第三者からの情報取得手続も生み、あなたは相手の銀行口座・勤務先・不動産を、裁判所を通じて調べられるようになった。あなたが泣き寝入りしてきた未払いの養育費や貸金は、もう回収不能の代名詞ではない。
法的な位置づけ
民事執行法213条は、財産開示手続および売却基準価額の審尋・現況調査等の場面において、開示義務者や関係者が正当な理由なく不出頭・陳述拒否・虚偽陳述をした場合の刑事罰を定める罰則規定である。六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金を科し、財産開示手続の実効性を制度的に担保する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.債務名義を確認する 確定判決・仮執行宣言付判決・和解調書・調停調書・執行証書(公正証書)など、強制執行の前提となる債務名義があるかを確認する。なければ訴訟や調停で先に取得する
- 2.地方裁判所に財産開示手続を申し立てる 債務者の住所地を管轄する地方裁判所に財産開示手続を申し立てる。過去に実施した強制執行が不奏功だった等の要件を満たすことを疎明する。呼び出す前に内容証明で刑事罰の対象になる旨を伝えると任意弁済に応じることもある
- 3.第三者からの情報取得手続を並行申立て 銀行への預貯金照会、市町村・年金機構への勤務先照会、登記所への不動産照会を申し立てる。給与債権に係る情報取得は原則として財産開示手続の前置が要件のため、順番に注意する
- 4.判明した財産に差押えをかける 開示・照会で判明した預貯金・給与・不動産に対し、債権差押命令や不動産強制競売を申し立てる。相手が期日を無視・虚偽陳述をした場合は、その事実を調書で確保し刑事告発も視野に入れる
よくある質問 AI による整理
Q1財産開示手続とは何ですか?
債務者を裁判所に呼び出し、自らの財産を陳述させる手続です。民事執行法196条以下が根拠で、債務名義を持つ債権者が申し立てられます。無視や虚偽陳述は213条で刑事罰の対象です。
Q2財産開示手続を無視するとどうなりますか?
正当な理由なく出頭しない、宣誓を拒む、虚偽を述べると、民事執行法213条で六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処されます。2020年4月から過料でなく刑事罰となり前科がつきます。
Q3第三者からの情報取得手続とは何ですか?
裁判所を通じて銀行に預貯金、市町村・年金機構に勤務先、登記所に不動産を照会できる手続です(民事執行法205条以下)。債権者が自力で財産を探す必要がありません。
Q4養育費が未払いです。給与を差し押さえる方法は?
調停調書などの債務名義を用意し、財産開示手続で相手の勤務先を割り出し、情報取得手続で確認したうえで給与債権を差し押さえます。財産開示を先に起動するのが定石です。
Q5財産開示手続の申立てに必要な書類は何ですか?
確定判決・調停調書・執行証書などの債務名義、その正本・送達証明、当事者目録、請求債権目録などが必要です。詳細は管轄地方裁判所の書式に従います。
Q6財産開示手続は何回でもできますか?
原則として、一度財産開示期日を実施した債務者に対しては、3年以内は再実施が制限されます(例外あり)。最新の改正状況をご確認ください。
Q7本当にお金がない場合も財産開示で罪になりますか?
なりません。213条が罰するのは正当な理由のない不出頭・宣誓拒否・虚偽陳述であって、財産がないこと自体ではありません。正直に無資力を述べれば罪に問われません。
Q8債務名義とは何ですか?
強制執行の前提となる、請求権の存在を公的に証明する文書です。確定判決、仮執行宣言付判決、和解調書、調停調書、執行証書(公正証書)などが該当します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判で勝ったのに相手が払いません。財産開示って本当に効果あるんですか?
2020年4月から効果が激変しました。それまでは財産開示を無視しても罰は過料30万円以下で、債務者は平気で欠席していた。今は民事執行法213条で六月以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金、つまり前科がつく刑事罰です。実務のポイント:多くの債務者は呼出状が届いた段階で慌てて弁護士に駆け込み、期日前に任意の支払いや分割に応じる。呼び出すこと自体が回収の圧力になる、これは実務家がよく使う手だ。(最新の改正状況をご確認ください)
Q2相手の銀行口座も勤務先も分からないんですが、どうやって差し押さえるんですか?
第三者からの情報取得手続(民事執行法205条以下)で、裁判所が銀行に預貯金、市町村・年金機構に勤務先、登記所に不動産を照会してくれます。あなたが探偵になる必要はない。実務のポイント:勤務先(給与債権)の情報取得は、原則として先に財産開示手続を経ていることが要件。だから順番として財産開示を先に起動しておくのが定石で、逆順だと勤務先照会でつまずく。
Q3呼び出されたけど、本当にお金がないんです。正直に言えば罪にはならないですよね?
その通り、正直に無資力を述べれば罪にはなりません。213条が罰するのは正当な理由のない不出頭・宣誓拒否・虚偽陳述であって、財産がないこと自体ではない。実務のポイント:怖いのは中途半端に隠すこと。少額でも口座を隠して「ない」と述べると、後で情報取得手続に残高が出た瞬間、虚偽陳述の材料になる。無い袖は振れないが、ある袖を隠すと前科がつく。正直が最良の防御だ。
間違えやすい点 AI による整理
- 「勝訴判決さえあれば、あとは裁判所が勝手に取り立ててくれる」と信じている人が多い。実際は違う。判決は「請求できる権利」を認めるだけで、相手の財産の在りかを探し、差押えを申し立てるのは債権者自身の仕事。財産開示手続は、その最初の一歩を国が手伝う制度にすぎない
- 財産開示を無視すれば罰があることは知っていても、それを「過料」程度と思い込んでいる人が多い。2020年4月以降は六月以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金という刑事罰であり、前科がつく。深刻度が桁違いに上がったことを見落とすと、債務者は判断を誤る
- 「相手が財産を隠していたら、こちらには手の打ちようがない」という諦めは、問いの立て方から間違っている。隠された財産を自力で探し当てる必要はない。第三者からの情報取得手続で、裁判所が銀行・勤務先・登記所に照会してくれる。あなたの仕事は「探す」ことではなく「制度を起動する」ことだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 213条:不出頭・宣誓拒否・虚偽陳述への刑事罰(罰則) | 199条:財産開示期日での陳述義務(本罪が守る中核義務) 205条以下:第三者からの情報取得手続(別ルートの財産把握) |
| 対象となる行為 | 正当な理由のない不出頭・宣誓拒否・虚偽陳述 | 財産の陳述という積極的義務の履行 裁判所による銀行・勤務先・登記所への照会 |
| 債権者側の動き | 義務違反を調書で確保し刑事責任追及の圧力に | 財産開示手続を申し立て陳述を求める 給与照会は原則として財産開示の前置が必要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は債務者に財産報告義務を課し、拒否や虚偽報告には拘提・管収(身柄拘束)で対応する。刑事罰よりも身柄拘束による間接強制を軸とする点が日本と異なる
韓国は재산명시(財産明示)制度を持ち、不出頭や虚偽陳述に対して감치(監置)や刑事処罰を科す。日本の2019年改正はこうした東アジアの実効性確保策と方向性を共有する
ドイツは債務者の財産開示(Vermögensauskunft)を宣誓に準じた保証で担保し、拒否には Erzwingungshaft(強制拘留)で対応する。日本民事執行法の母法であり、制度設計の源流にあたる
米国は判決債権者による debtor's examination(債務者審尋)を認め、応じない場合は法廷侮辱(contempt of court)で拘束・制裁しうる。刑事罰でなく侮辱制裁による点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 離婚した元夫が養育費を半年滞納。調停調書はあるのに払わない。財産開示手続を申し立て、元夫が期日を無視すれば、それだけで刑事罰の対象になる。前科を恐れて重い腰を上げる債務者は、実務では珍しくない
- あなたのもとに財産開示期日の呼出状が届いた。残された猶予はあと数日。「面倒だから行かない」で欠席すれば、それ自体が犯罪だ。かつての過料と違い、拘禁刑もありうる
- もし財産開示期日で「預金はほとんどない」と嘘をついたら、その後どうなる? 第三者からの情報取得手続で銀行に残高が見つかれば、虚偽陳述として立件されうる。嘘は調書に残り、あとから証拠になって返ってくる
- 取引先が売掛金を踏み倒し、「会社に資産はない」の一点張り。法人の代表者を開示義務者として財産開示期日に呼び出せる。代表者が虚偽の陳述をすれば、会社ではなく代表者個人が刑事責任を負う
- 貸した金が返ってこない。相手の勤務先も口座も分からない。財産開示と情報取得を組み合わせれば、探すのは裁判所の仕事になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず債務名義を確認、確定判決・調停調書・執行証書(公正証書)など。2. 相手の住所地を管轄する地方裁判所に財産開示手続を申し立てる(原則、過去に実施した強制執行が不奏功だった等の要件あり)。3. 相手が期日を無視、または虚偽陳述をしたら、その事実を調書で確保し刑事告発も視野に入れる。4. 並行して第三者からの情報取得手続で銀行口座・勤務先・不動産を照会。5. 判明した財産に差押えをかける。順序を守れば回収率が跳ね上がる。
訴えられた側:1. 呼出状が届いたら日付を確認、無断欠席はそれ自体が犯罪になる。2. 出頭できない正当な理由(入院等)があれば、事前に裁判所へ連絡し疎明する。3. 財産は正直に陳述する、嘘は虚偽陳述罪、隠しても情報取得手続で発覚して立件リスクを負う。4. 支払い能力がなければ、その実情を誠実に述べたうえで分割弁済の協議を申し入れる。5. 多重債務なら自己破産・個人再生で開示義務ごと立て直す道も、弁護士に相談する。
時効(請求できる期限):213条1項の罪の公訴時効は、法定刑が六月以下の拘禁刑であることから3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は違反行為時、すなわち期日での不出頭・宣誓拒否・虚偽陳述の時点。なお財産開示手続の申立て自体は、原則として過去に実施した強制執行が不奏功等であることが要件で、一度実施すると3年以内の再実施が制限される(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:213条の刑事罰化は、従来の過料による間接強制が財産開示手続の実効性を確保できなかったことへの立法的対応であり、権利実現の実効性と債務者のプライバシーの均衡点に刑事罰を置いたものと評価される。処罰対象は不出頭・宣誓拒否・虚偽陳述であって、無資力それ自体は含まれない点に争いはない。
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)改正、令和2年(2020年)4月1日施行 財産開示手続の実効性確保のため、期日への不出頭・宣誓拒否・虚偽陳述に対する制裁を、従来の過料から刑事罰(六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金)へ格上げした。あわせて第三者からの情報取得手続を新設
- 令和4年(2022年)改正、令和7年(2025年6月1日)施行 「懲役」を「拘禁刑」に統合する刑法改正に伴い、法定刑の文言が「拘禁刑」に変更された
改正の年表
- 1.令和元年(2019年) 改正:財産開示手続の実効性確保のため、期日への不出頭・宣誓拒否・虚偽陳述に対する制裁を、従来の過料から刑事罰(六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金)へ格上げ。あわせて第三者からの情報取得手続を新設。令和2年(2020年)4月1日施行
- 2.令和4年(2022年) 改正:「懲役」を「拘禁刑」に統合する刑法改正に伴い、法定刑の文言が「拘禁刑」に変更。令和7年(2025年)6月1日施行
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