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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月9日読了 7 分7 分7 分

民事執行法 第31条(反対給付又は他の給付の不履行に係る場合の強制執行)

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  1. 債務者の給付が反対給付と引換えにすべきものである場合においては、強制執行は、債権者が反対給付又はその提供のあつたことを証明したときに限り、開始することができる。
  2. 2.債務者の給付が、他の給付について強制執行の目的を達することができない場合に、他の給付に代えてすべきものであるときは、強制執行は、債権者が他の給付について強制執行の目的を達することができなかつたことを証明したときに限り、開始することができる。

この条文の基本情報

反対給付又は他の給付の不履行に係る場合の強制執行とは何ですか?

定義反対給付又は他の給付の不履行に係る場合の強制執行とは、民事執行法第31条に定められた規定で、「債務者の給付が反対給付と引換えにすべきものである場合においては、強制執行は、債権者が反対給付又はその提供のあつたことを証明したときに限り、開始することができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事執行法第31条(反対給付又は他の給付の不履行に係る場合の強制執行)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
  2. 民事執行法第31条の条文原文は「債務者の給付が反対給付と引換えにすべきものである場合においては、強制執行は、債権者が反対給付又はその提供のあつたことを証明したときに限り、開始することができる。」で始まります。
  3. 民事執行法第31条は第一節 総則に置かれています。
  4. 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
  5. 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事執行法第31条の前の条は民事執行法第30条です。
  7. 民事執行法第31条の次の条は民事執行法第32条です。
  8. 民事執行法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第31条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
  • 本サイト収録民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/31
裁判例 1件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事執行法31条は、引換給付判決による強制執行は、債権者が反対給付またはその提供を証明したときに限り開始できると定める規定。相手の受領は不要で、提供の証明で足りる。

Q · 勝訴判決を取ったのに、なんですぐ強制執行できないんですか?

引換給付判決は反対給付の提供を証明するまで執行が始まらないからです

判決主文が「◯◯と引換えに」となっている引換給付判決だからです。民事執行法31条1項は、あなたが反対給付(自分が渡すべき金や物)を提供し、その事実を証明したときに限り、強制執行を開始できると定めています。重要なのは、相手が現実に受け取る必要はなく、弁済の提供や供託を証明すれば足りる点です。相手が受領を拒んでも、供託書を添えれば執行は進みます。代償請求付きの判決なら、まず本来の給付の執行を試み、それが不奏功だった証明を得てから金銭執行に移ります。

解説

勝訴判決を握りしめて執行の申立てに行ったのに、窓口で「反対給付の証明がまだですね」と止められる。これが引換給付判決の落とし穴だ。あなたが「立退料と引換えに明け渡せ」「代金の支払と引換えに引き渡せ」という判決を得た場合、判決文には確かに請求が認められている。だが民事執行法31条1項は、あなたが反対給付(自分が先に、または同時に相手へ渡すべき金や物)を提供し、その事実を証明しない限り、強制執行を一歩も開始させない。しかも重要なのは、相手が現実に受け取る必要はなく、弁済の提供や供託を証明すれば足りる点だ。相手が受領を拒んでも執行は進められる。2項はその応用型で、特定物の引渡しができないときの代わりの金銭請求(代償請求)については、先に本来の給付の執行が失敗したことを証明せよと定める。判決を得た後の「もう一段の関門」を知っているかどうかで、執行が半年遅れることもある。

法的な位置づけ

民事執行法31条は引換給付の執行開始要件を定める規定である。債務者の給付が反対給付と引換えにすべきものである場合、強制執行は債権者が反対給付またはその提供のあったことを証明したときに限り開始できる。2項は代償請求につき、本来の給付について強制執行の目的を達せなかったことの証明を執行開始の要件とする。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.判決主文の「引換えに」を真っ先に確認 判決書を受け取ったら、主文に「◯◯と引換えに」の文言があるか確認する。あれば31条1項の関門がかかり、反対給付を提供・証明するまで執行は開始できない
  2. 2.反対給付を現実に提供する 自分が渡すべき金銭や物を相手に現実に提供する。相手が受領するなら受取書を取得し、拒むなら弁済の提供(民法493条)や供託(494条)をして証拠を作る
  3. 3.証明文書を添えて執行を申し立てる 受取書または供託書など反対給付提供の証明文書を添付して強制執行を申し立てる。執行文自体は先に無条件で付いているため、証明は執行開始の場面で提出する
  4. 4.代償請求は本来の給付の執行を先に試みる 代償請求(引渡し不能なら金◯円)付きの判決では、まず本来の給付の引渡執行を試み、執行不能調書など目的を達せなかった証明を得てから金銭執行に移る(31条2項)

よくある質問 AI による整理

Q1引換給付判決とは何ですか?

「反対給付と引換えに履行せよ」と命じる判決です。同時履行の抗弁(民法533条)が認められた場合などに出され、主文に「引換えに」の文言を含みます。

Q2反対給付の証明はいつ必要ですか?

執行文をもらう段階ではなく、強制執行を申し立てる段階です。民事執行法31条1項の執行開始要件であり、執行文自体は先に無条件で付きます。

Q3民事執行法31条と27条の違いは何ですか?

27条は条件成就執行文の付与要件、31条は執行開始の要件です。反対給付の証明は31条の問題で、執行文付与では審査されません。混同すると窓口とタイミングを間違えます。

Q4立退料を供託するにはどうすればいいですか?

相手が受領を拒む場合、現実の提供(民法493条)をしたうえで供託所に供託し(民法494条)、供託書の交付を受けます。この供託書が反対給付提供の証明になります。

Q5引換給付の執行異議はいつまでに申し立てますか?

31条自体に期間の定めはありませんが、開始要件の欠缺を争う執行異議(民事執行法11条)は執行処分の存する間に申し立てる必要があり、手続が進むと事実上争えません。

Q6代償請求はいきなり金銭を差し押さえられますか?

できません。民事執行法31条2項により、まず本来の給付の執行を試み、目的を達せなかったこと(執行不能調書など)を証明してから金銭執行に移ります。

Q7引換給付判決でも執行文は無条件で付きますか?

付きます。反対給付の証明は執行文付与(27条)ではなく執行開始(31条)の要件のため、執行文は反対給付の履行と関係なく先に付与されます。

Q8反対給付の提供を証明する書類は何ですか?

相手が受領した場合は受取書、拒む場合は弁済の提供を示す証拠や供託書です。額不足や目的物違いなど提供が形式だけだと、要件を満たしません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1裁判で勝ったのに、なんで役所ですぐ差押えしてくれないんですか?

判決主文が「◯◯と引換えに」となっている引換給付判決だからです。民事執行法31条1項は、あなたが反対給付(自分が渡すべき金や物)を提供し、その事実を証明するまで執行を開始させません。実務のポイント:この証明は執行文をもらう段階ではなく、執行を申し立てる段階で出します。だから執行文は先に無条件で付いている。書類を出す窓口とタイミングを間違えると、丸ごと二度手間になる。

Q2相手がわざと立退料を受け取ってくれないんですが、詰みですか?

詰みません。反対給付は相手が現実に受け取る必要はなく、「提供」したことを証明すれば足ります(31条1項)。相手が受領を拒むなら、現実の提供(民法493条)や供託(494条)をして、その証明書を執行申立てに添えれば関門を突破できます。実務のポイント:受領拒否は債務者側の時間稼ぎの常套手段。供託書一枚で無力化できると知っている人は、相手の受取拒否に一喜一憂せず淡々と供託へ進む。

Q3「引き渡せ、無理なら代わりに◯円払え」という判決、いきなりお金を差し押さえられますか?

できません。それは代償請求で、民事執行法31条2項が本来の給付(引渡し)の執行が目的を達せなかったことの証明を先に求めます。まず引渡執行を試み、執行不能の調書などを得てから、初めて金銭執行に移れます。実務のポイント:順序を飛ばして金銭執行を申し立てると却下される。逆に債務者側は、引渡執行を本気でやらないまま金銭に飛んだ相手の手続的な穴を突ける。

間違えやすい点 AI による整理

  • 「判決に勝ったのだから、あとは執行を申し立てるだけ」という問いの立て方そのものがずれている。引換給付判決では、執行申立ての前に「自分が反対給付を提供した」という別の事実を作り、証明する作業が挟まる。ゴールだと思った地点は、実は次のステージの入口だった
  • 反対給付は執行文をもらう段階でチェックされる、と思われがちだが違う。反対給付の証明は執行文付与(民事執行法27条)ではなく執行開始(31条)の要件。だから執行文は先に無条件で付く。ここを混同すると、証明書類を出す窓口とタイミングを二度も間違える
  • 「同時履行の抗弁が出て引換給付判決になった=自分は一部負けた」と受け止める人が多い。負けてはいない。だが深刻なのはその先で、この判決を現実の給付に変えるには、自分から先に金や物を動かす負担を背負う点だ。勝訴の中身が、無条件の勝ちとは別物になっている
比較の観点この条文ほかの条文
規律する場面民執31条:反対給付の提供の証明を執行開始要件とする民執27条:条件成就等を執行文付与の要件とする
民執30条:確定期限の到来を執行開始要件とする
審査の段階執行開始(申立て)の段階執行文付与の段階(開始より前)
執行開始(申立て)の段階
証明の対象債権者が反対給付またはその提供をしたこと条件成就・担保提供など執行文付与条件
確定期限が到来したこと
欠缺を争う手段民執11条 執行異議で開始要件の欠缺を主張執行文付与に対する異議・付与の訴え
民執11条 執行異議で開始要件の欠缺を主張

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
強制執行法第4条第2項

台湾も対待給付の証明を執行開始要件とする点で日本31条とほぼ同一の構造。債権者が給付を提供したことの証明後に執行を開始できる

韓国
민사집행법 제41조

韓国も反対義務の履行または履行の提供の証明を執行開始要件とする。日本法を継受した構造で規律内容が近い

ドイツ
ZPO § 756・§ 765

ドイツはZug-um-Zug給付の執行につき、反対給付の提供を執行官が確認するか公証書で証明する仕組みをとる

アメリカ
—

米国には引換給付執行の統一規定はなく、concurrent conditionsを含む判決の履行は個別の執行手続で処理される

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • テナントを退去させる訴訟に勝ち、「立退料300万円と引換えに明け渡せ」の判決を得た。だが立退料を提供して証明しないと、明渡しの強制執行は申し立てられない。この一手順を飛ばすと、執行官は現場に出向いてくれない。金を用意しないまま日程だけ組むと、すべて空回りする
  • もし相手が立退料の受取を頑として拒んだら、執行は永遠に始められないのか? いや、現実の提供や供託をして、その証明書を出せば執行は進む。受領拒否は関門にならない。相手の「受け取らない作戦」は、供託書一枚で崩せる
  • あなたが引換給付判決の債務者側。相手が反対給付をまだ提供していないのに執行を申し立ててきた。開始要件を欠く申立てなら、執行異議(民事執行法11条)で止められる。動けるのは執行手続が進み切る前まで。証明の穴を今日のうちに突く
  • 「その絵画を引き渡せ、引渡しができないときは代金500万円を払え」という代償請求付きの判決。いきなり500万円の差押えはできない。まず絵画の引渡執行を試み、それが空振りだったことを証明して初めて金銭執行に移れる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 判決主文に「引換えに」の文言があるか確認、あれば31条1項の関門がかかる2. 反対給付を現実に提供する。相手が受領するなら受取書、拒むなら弁済の提供(民法493条)や供託(494条)で証拠を作る3. その証明文書を添えて執行の申立てをする(執行文自体は無条件で付いている) 4. 代償請求付きなら、まず本来の給付の執行を試み、執行不能調書など「目的を達せなかった」証明を得てから金銭執行へ移る

訴えられた側:1. 相手の執行申立書に反対給付提供の証明が付いているか確認、なければ開始要件を欠く2. 執行が開始されたら執行異議(民事執行法11条)を申し立て、反対給付の提供・証明がないことを主張して停止を求める3. 提供が形式だけで実体がない(額不足・目的物違い)なら、その不備を具体的に指摘4. 代償請求の金銭執行なら、本来の給付の執行が本当に不奏功だったかを争う

時効(請求できる期限):31条自体に期間の定めはない。ただし開始要件の欠缺を争う執行異議(民事執行法11条)は執行処分の存する間に申し立てる必要があり、手続が進むと事実上争えなくなる。反対給付の提供・証明は執行申立ての前提であり、証明できるまで執行は着手されない

学説

通説:反対給付またはその提供の証明は、執行文付与(民執27条)の要件ではなく執行開始(31条1項)の要件であるとするのが通説。したがって引換給付判決にも執行文は無条件で付与され、反対給付の証明は執行申立ての段階で審査される。相手の現実の受領は不要で、弁済の提供や供託の証明で足りる。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法の制定に伴い、旧民事訴訟法の強制執行規定を独立の法律に整理・移行。引換給付の執行開始要件を31条として明文化した。

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民事執行法の全文を見る所属する編章節を開く:第一節 総則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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