民事執行法 第37条(終局判決における執行停止の裁判等)
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- 受訴裁判所は、執行文付与に対する異議の訴え又は請求異議の訴えについての終局判決において、前条第一項に規定する処分を命じ、又は既にした同項の規定による裁判を取り消し、変更し、若しくは認可することができる。この裁判については、仮執行の宣言をしなければならない。
- 2.前項の規定による裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
この条文の基本情報
終局判決における執行停止の裁判等とは何ですか?
定義終局判決における執行停止の裁判等とは、民事執行法第37条に定められた規定で、「受訴裁判所は、執行文付与に対する異議の訴え又は請求異議の訴えについての終局判決において、前条第一項に規定する処分を命じ、又は既にした同項の規定による裁判を取り消…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第37条(終局判決における執行停止の裁判等)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第37条の条文原文は「受訴裁判所は、執行文付与に対する異議の訴え又は請求異議の訴えについての終局判決において、前条第一項に規定する処分を命じ、又は既にした同項の規定による裁判を取り消…」で始まります。
- 民事執行法第37条は第一節 総則に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第37条の前の条は民事執行法第36条です。
- 民事執行法第37条の次の条は民事執行法第38条です。
- 民事執行法第37条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第37条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第37条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/37
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法37条は、請求異議等の訴えの終局判決で執行停止の裁判を確定させる規定。この裁判には仮執行の宣言が付され、2項により不服申立てはできない。
Q · 強制執行を止める判決が出たら、相手はもう文句を言えないの?
止める判決の『停止部分』は勝者も敗者も抗告できません
民事執行法37条により、受訴裁判所は請求異議の訴え等の終局判決で執行停止の裁判を命じ・取消し・変更・認可します。この裁判には必ず仮執行の宣言が付くため、判決確定を待たず即座に効力が生じます。そして2項により、この停止裁判だけを狙った不服申立て(抗告)は債権者・債務者いずれもできません。争いたければ本体の終局判決を控訴するしかありません。
解説
給料や預金がある日いきなり差し押さえられた。だが、その借金はもう返し終わっている、あるいは相手が主張する債権はそもそも存在しない。そう思ったあなたが打てる手が請求異議の訴え(民事執行法35条)だ。ただし訴えを起こしても差押えは自動では止まらない。そこで裁判所に暫定的な執行停止を求める(同36条)。37条が効くのは、その決着の瞬間である。裁判所は終局判決の中で執行停止を命じ、あるいは既に出していた停止決定を取り消し、変更し、認可する。しかもこの裁判には必ず仮執行の宣言が付く。判決確定を待たず即座に効力が出るということだ。そして2項の隠し玉、この執行停止に関する裁判には一切不服を申し立てられない。勝っても負けても、その停止判断だけを狙って抗告することはできず、争いたければ本体の判決そのものを控訴するしかない。手続の入口でこの構造を知らないと、無駄な不服申立てに時間と費用を溶かす
法的な位置づけ
民事執行法37条は、請求異議の訴えおよび執行文付与に対する異議の訴えの終局判決において、受訴裁判所が執行停止等の処分を命じ、または既にした裁判を取り消し・変更・認可できる旨を定める規定である。当該裁判には仮執行の宣言が必ず付され、2項によりこれに対する独立の不服申立ては認められない。争う手段は本体たる終局判決の控訴に一本化される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.根拠となった債務名義を特定する 差押えの通知が届いたら、まずその根拠が確定判決か公正証書か調停調書かを特定する。債務名義の種類によって使える訴え(請求異議か執行文付与異議か)が変わるため、ここを誤ると初動全体がずれる
- 2.請求異議または執行文付与に対する異議の訴えを提起する 債権が既に消滅・不存在なら請求異議の訴え(35条)、公正証書の執行文に瑕疵があれば執行文付与に対する異議の訴え(34条)を、対象の強制執行が終了する前に提起する
- 3.同時に執行停止の申立てを担保付きで行う 訴え提起だけでは差押えは止まらない。36条の執行停止の申立てを同じ日に出し、命じられる担保を積んで暫定停止を勝ち取る。預金や給料が相手に渡る前に動くほど効く
- 4.終局判決後は不服の道を本体控訴に一本化する 終局判決で37条の停止裁判が出ても、その停止部分だけを抗告で争うことは2項により不可。相手が『抗告する』と息巻いても慌てず、争うなら本体判決を判決送達から2週間以内に控訴する
よくある質問 AI による整理
Q1執行停止とは何ですか?
進行中の強制執行を暫定的または終局的に止める裁判上の手続です。民事執行法では、訴え係属中の暫定停止(36条)と、終局判決での停止裁判(37条)の二段階で判断されます。
Q2強制執行を止めるにはどうすればいいですか?
債権が消滅・不存在なら請求異議の訴え(35条)、執行文に瑕疵があれば執行文付与に対する異議の訴え(34条)を提起し、同時に執行停止の申立て(36条)を行います。訴え提起だけでは止まりません。
Q3請求異議の訴えはいつまでに起こす必要がありますか?
対象となる強制執行が終了する前に提起しなければ実益がありません。取立てが完了した後は、原則として不当利得返還などの別手続に移ることになります。
Q4執行停止に担保金は必要ですか?いくらですか?
36条・37条の停止裁判では担保を命じられるのが通常です。額は事案により請求債権額のかなりの割合に達することがあり、担保の目処が立たないと停止を勝ち取れないことがあります。
Q5公正証書による給料の差押えは止められますか?
止められる余地があります。公正証書の執行文に瑕疵があれば執行文付与に対する異議の訴え(34条)、債権が消滅していれば請求異議の訴え(35条)を提起し、37条の枠組みで停止裁判を求めます。
Q6執行文付与に対する異議の訴えとは何ですか?
債務名義に付された執行文の付与が違法・不当であると主張して、その効力を争う訴えです(34条)。この訴えの終局判決でも37条の執行停止裁判の構造が働きます。
Q7差押えの通知が届いたら最初に何をすべきですか?
まず根拠となった債務名義(確定判決か公正証書か調停調書か)を特定します。種類によって使える訴えが変わり、預金・給料が相手に渡る前に執行停止の申立てを急ぐことが肝心です。
Q8請求異議で勝訴すれば払ったお金は戻ってきますか?
執行が完了して相手に金銭が渡った後では、停止を勝ち取っても回収済み分は自動では戻らず、不当利得返還などの別手続が必要になります。だからこそ執行完了前の停止申立てが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1強制執行を止める訴えを起こせば、差押えは自動的に止まりますか?
止まりません。請求異議の訴え(35条)を提起しただけでは差押えは進行し続け、別に36条の執行停止の裁判を勝ち取る必要があります。37条はその停止裁判を終局判決で確定させる段階を定めています。実務のポイント:執行停止の裁判では担保金を積むよう命じられるのが通常で、額は事案により請求債権額のかなりの割合に達することがある。この担保を用意できないと、訴えを起こしても現実には差押えが進んでしまう。だから弁護士は訴状より先に担保の目処を計算する
Q2終局判決で執行停止が認められたのに、相手が不服申立てできないってどういうことですか?
37条2項が、この執行停止に関する裁判に対する不服申立てを一切封じているためです。停止裁判は本体の終局判決に付随するものなので、それだけを取り出して抗告する道を認めず、争うなら本体判決を控訴せよという設計です。実務のポイント:この不服不可は債権者・債務者の双方に等しく及ぶ。停止判断だけを狙った抗告は却下されるので、実務家は最初から控訴で本体を叩く前提で組み立てる。相手が『抗告する』と脅してきても、それが空手形だと見抜けるかどうかで交渉力が変わる
Q3仮執行の宣言が付くと、私にとって何が変わるんですか?
判決の確定を待たずに、その執行停止の裁判が即座に効力を持ちます(37条1項後段)。相手が控訴しても停止効力は動きません。実務のポイント:民事の判決は確定まで時間がかかるが、仮執行宣言が付くと待たずに効く。停止を勝ち取った債務者にとっては即座に取立てが止まる盾になり、逆に停止された債権者にとっては控訴しても回収が動かない足枷になる。この即効性を知らずに『控訴すれば執行を再開できる』と誤解する当事者は多い
間違えやすい点 AI による整理
- 『訴えを起こせば差押えは止まる』と信じている人が多い。実際は訴え提起と執行停止は別物で、36条の停止決定を勝ち取らない限り差押えは淡々と進む。しかも停止には担保を積む必要があることが多い
- 『不服申立てできないなら不利だ』という問いの立て方自体がずれている。2項の不服不可は債権者にも債務者にも等しく及び、停止裁判だけを狙った抗告合戦で手続が長引くのを防ぐための設計だ。争う道は本体判決の控訴に一本化されている
- 仮執行の宣言が付くことを『形式的な文言』と軽く見ている人がいる。だがこれが付くからこそ、判決確定を待たずに停止が即効力を持つ。逆に言えば、相手が控訴しても停止効力は動かない、その威力を知らないと交渉で足元を見られる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割・位置づけ | 37条:終局判決で執行停止の裁判を確定(命令・取消し・変更・認可) | 35条:請求異議の訴え本体(債権の消滅・不存在を争う) 36条:訴え係属中の暫定的な執行停止の裁判 |
| タイミング | 終局判決の段階 | 訴え提起の段階 訴訟係属中の暫定処分 |
| 不服申立て | 不可(2項)。争うなら本体判決を控訴 | 終局判決に対する控訴が可能 暫定裁判ゆえ本体判決で最終決着 |
| 効力の発生 | 仮執行の宣言が付き、確定を待たず即効 | 判決確定により効力 暫定・担保付きで即時に停止効 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も原則として執行提起だけでは停止せず、担保提供等の要件のもとで裁判所が停止を命じる構造で、日本と発想が近い
韓国も異議の訴えとは別に暫定処分(집행정지)を要し、担保を条件に停止する点で日本の36条・37条の二段階と類似
ドイツは Vollstreckungsgegenklage(執行反対の訴え)に伴い、裁判所が担保を条件に強制執行の一時停止を命じる。日本の執行救済制度が継受した源流にあたる
米国連邦民訴規則62条は判決執行の停止を supersedeas bond(保証金)付きで認める。担保を条件に停止する点は共通するが、大陸法系のような請求異議訴訟の体系はとらない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 完済したはずの借金で、ある朝いきなり給料が差し押さえられた。会社に差押命令が届き、来月の手取りが激減する。請求異議の訴えを起こすだけでは止まらない、執行停止の申立てを担保付きで急がないと、次の給料日が来てしまう
- もし請求異議の訴えで勝訴し、終局判決で執行停止が命じられたのに、相手が『納得いかない』と抗告してきたら? 答えは、その抗告は2項で封じられている。相手が争えるのは本体判決の控訴だけだ
- あなたが貸した金を回収するため差押えをかけた側。相手が請求異議で執行停止を勝ち取った。だがその停止裁判に抗告はできない。本体判決を控訴するしかない。
- 友人の借金の連帯保証人として署名した公正証書。友人が飛んで、あなたの口座が差し押さえられた。公正証書の執行文に瑕疵があれば執行文付与に対する異議の訴え、そこでもこの37条の停止裁判の枠組みが働く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 差押えの通知が来たら、その根拠となった債務名義(確定判決か公正証書か調停調書か)をまず特定する2. 債権が既に消滅・不存在なら請求異議の訴え(35条)、公正証書の執行文に問題があれば執行文付与に対する異議の訴え(34条)を提起3. 同時に執行停止の申立て(36条)を出す。訴え提起だけでは差押えは止まらない、担保を積んで暫定停止を勝ち取る4. 終局判決で37条の停止裁判が出ても、その部分だけを抗告で争うのは不可。不服があれば本体判決を控訴する
訴えられた側:1. 相手が請求異議・執行文付与異議を起こしてきたら、債権の存在・未弁済の事実を立証する準備を固める2. 相手の執行停止申立てには、担保額の妥当性や停止の必要性を争う3. 終局判決で執行停止が認可・命令されても、その裁判自体には不服申立てできない(2項)。争うなら本体判決を控訴する4. 仮執行の宣言が付くため停止は即効、控訴しても執行は止まったまま進む点を戦略に織り込む
時効(請求できる期限):請求異議・執行文付与に対する異議の訴えは、対象となる強制執行が終了する前に提起しなければ実益がない(執行完了後は不当利得返還等の別手続へ)。37条の停止裁判自体は不服申立て不可(2項)。本体の終局判決に対する控訴は判決送達の日から2週間以内(民事訴訟法285条)
学説
通説:37条の停止裁判は本体たる終局判決に付随するものであり、2項の不服申立て禁止は債権者・債務者双方に等しく及ぶ。独立の抗告を封じることで停止判断のみを狙った手続の蒸し返しを防ぎ、救済は本体判決の控訴に一本化されると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法の制定により、従来民事訴訟法・競売法に分散していた強制執行救済の規定を統合。請求異議・執行文付与異議の終局判決における執行停止裁判の枠組みを整備した。
- 民事執行法 第34条執行文付与に対する異議の訴え、本条の対象訴訟
- 民事執行法 第35条請求異議の訴え、本条の対象訴訟
- 民事執行法 第36条訴え係属中の暫定的執行停止の裁判(前条)
- 民事執行法 第38条第三者異議の訴え、同種の執行救済類型
- 民事執行法 第39条強制執行の停止・取消しの要件(執行停止文書)
- 民事訴訟法 第259条仮執行の宣言の一般規定(普通法)
- 民事訴訟法 第285条控訴期間、本体判決を争う一般手続(普通法)
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