民事執行法 第88条(期限付債権の配当等)
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- 確定期限の到来していない債権は、配当等については、弁済期が到来したものとみなす。
- 2.前項の債権が無利息であるときは、配当等の日から期限までの配当等の日における法定利率による利息との合算額がその債権の額となるべき元本額をその債権の額とみなして、配当等の額を計算しなければならない。
この条文の基本情報
期限付債権の配当等とは何ですか?
定義期限付債権の配当等とは、民事執行法第88条に定められた規定で、「確定期限の到来していない債権は、配当等については、弁済期が到来したものとみなす。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第88条(期限付債権の配当等)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第88条の条文原文は「確定期限の到来していない債権は、配当等については、弁済期が到来したものとみなす。」で始まります。
- 民事執行法第88条は第二目 強制競売に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第88条の前の条は民事執行法第87条です。
- 民事執行法第88条の次の条は民事執行法第89条です。
- 民事執行法第88条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第88条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第88条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/88
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法88条は、期限が未到来の債権も配当では弁済期到来とみなすと定める。無利息債権は配当日から期限までの法定利率による中間利息が控除される。
Q · 返済期限がまだ先の貸金でも、相手の家が競売にかかったら配当ってもらえるの?
期限前でも配当を受けられます。無利息なら中間利息が引かれます
民事執行法88条1項により、確定期限が未到来の債権も配当等については弁済期が到来したものとみなされ、期限を待たずに配当に参加できます。ただし2項により、その債権が無利息のときは、配当日から期限までの法定利率による中間利息相当額が控除され、控除後の額で配当額が計算されます。さらに配当要求の終期(同法49条)までに配当要求と債権計算書を出さなければ、今回の売却代金からは回収できません。
解説
あなたが友人に貸した300万円、返済期限は来年の3月で、まだ期限は来ていない。ところがその友人の自宅が、別の債権者の申立てで競売にかけられた。多くの人は「自分の貸金はまだ期限前だから、今回の競売とは関係ない」と思い込む。だがそれは違う。民事執行法88条1項は、確定期限の到来していない債権も、配当については弁済期が到来したものとみなすと定める。つまりあなたは、期限を待たずに今この競売の配当に手を挙げられる。ただし落とし穴がある。あなたの貸金が無利息だった場合、本来は来年まで待つはずの金を今受け取るのだから、配当日から期限までの法定利率による利息相当額が差し引かれる。これが中間利息控除だ。利息を付けて貸していれば目減りしにくいが、無利息なら額面より減る。貸すときに書いた一行が、回収できる金額を左右する。
法的な位置づけ
民事執行法88条は、強制執行の配当手続における期限付債権の扱いを定める規定である。1項は確定期限が未到来の債権を配当上は弁済期到来とみなし、2項は無利息債権について配当日から期限までの法定利率相当額を控除する中間利息控除を定める。配当の一回的清算と債権者間の公平を両立させる趣旨を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.期限前債権を裏づける書類を揃える 相手の財産に競売開始の兆しがあれば、契約書・借用書・請求書など、確定期限が未到来の債権であることと金額を裏づける資料を準備する。無利息か利息付きかも確認する
- 2.配当要求の終期を確認する 裁判所書記官に配当要求の終期(民事執行法49条)を確認する。この期日を一日でも過ぎると、みなし弁済期の権利があっても今回の売却代金からは回収できないため、最優先で押さえる
- 3.配当要求と債権計算書を提出する 終期までに配当要求または債権届出を行い、債権計算書を提出する。無利息債権は88条2項の中間利息控除後の額を自分で試算し、控除後の額で記載する
- 4.配当表に疑義があれば配当異議を出す 配当期日で配当表を確認し、中間利息控除の漏れや過大配当など疑義があれば配当異議の申出を行い(89条)、一週間以内に配当異議の訴えを提起する(90条)
よくある質問 AI による整理
Q1中間利息控除とは何ですか?
将来受け取るはずの金を期限より前に受け取るとき、その期間分の法定利率による利息相当額を差し引く仕組みです。民事執行法88条2項が無利息債権の配当計算に適用します。
Q2配当要求の終期はいつまでですか?
裁判所書記官が定めます(民事執行法49条)。この終期までに配当要求と債権計算書を出さないと、期限前債権のみなし弁済期の権利があっても今回の売却代金からは回収できません。
Q3民事執行法88条をわかりやすく教えてください
返済期限がまだ来ていない貸金でも、相手の財産が競売になれば配当を受けられるという規定です。ただし無利息なら中間利息控除で額面より減ります。
Q4期限付債権の配当手続きの流れは?
契約書等で債権を裏づけ、配当要求の終期までに配当要求または債権届出を行い、債権計算書を提出します。無利息なら控除後の額を自分で試算しておきます。
Q5配当異議の申出はいつ出しますか?
配当期日において配当表に対して申し出ます(民事執行法89条)。その後一週間以内に配当異議の訴えを提起しないと異議は失効します(同法90条)。
Q6中間利息控除の利率は何%ですか?
配当等の日における法定利率です(民法404条)。2020年の民法改正で固定5% から変動制(当初3%)となったため、時点により率が異なります。最新の率をご確認ください。
Q7債権計算書はどう書きますか?
元本・利息・費用の内訳と合計を記載します(民事執行規則60条)。無利息債権は88条2項の中間利息控除後の額で計算する必要があります。
Q8期限前の売掛金でも競売の配当に参加できますか?
参加できます。88条1項により配当上は弁済期到来とみなされます。ただし無利息の売掛金は中間利息控除で額面より目減りします。
この条文についての質問 AI による整理
Q1返済期限がまだ先の貸金でも、本当に競売の配当をもらえるんですか?
もらえます。民事執行法88条1項が、確定期限の到来していない債権も配当については弁済期が到来したものとみなすと定めているからです。期限前を理由に排除されることはありません。実務のポイント:ただし配当要求の終期(同法49条)までに手続をしないと今回の売却代金からは回収できません。弁護士は債務者の資産に競売の気配を感じた瞬間に終期を確認しますが、これを教えられない一般の債権者は「まだ期限前だから」と様子見して機会を逃す。動くのは期限ではなく終期基準です
Q2無利息で貸したお金は、配当で額面どおり取れないってどういうことですか?
民事執行法88条2項の中間利息控除です。無利息債権を期限より前に配当で受け取ると、配当日から期限までの法定利率による利息相当分が差し引かれ、その控除後の額で配当が計算されます。実務のポイント:利息を付けて貸していればこの控除は働きにくい。つまり「情で無利息にした」ことが、相手が倒れた局面で回収額の目減りとして跳ね返る。低率でも利息の定めを一行入れておくかどうかで、非常時の手取りが変わります(最新の法定利率をご確認ください)
Q3この中間利息控除って、交通事故の賠償金の計算と同じ仕組みなんですか?
考え方は同じ将来価値の現在価値への引き直しです。交通事故の逸失利益(民法417条の2)でも、将来分を一時金で受け取るときに法定利率(民法404条)で中間利息が控除されます。民事執行法88条2項はこれを配当の場面に持ち込んだものです。実務のポイント:法定利率は2020年に固定5% から変動制(当初3%)へ下がりました。率が下がると控除額も小さくなるため、同じ無利息債権でも改正前後で手取りが変わる。いつ時点の率かを必ず確認します
間違えやすい点 AI による整理
- 「期限が来ていない債権は、今回の競売では請求できない」と多くの人が思っているが、逆である。88条1項により配当上は弁済期が到来したとみなされ、期限前でも堂々と配当に参加できる。知らずに手を引くと、回収の機会を自分から捨てることになる
- 配当に参加できることは知っていても、その「参加できる金額」が額面どおりだと思っている人が多い。無利息債権では88条2項の中間利息控除が働き、配当日から期限までの利息相当額が引かれる。参加できる事実は知っていても、いくら引かれるかを知らないと、想定した回収額と現実がずれる
- 「利息を取るか取らないかは、返してもらうときの利益の問題」と考えがちだが、問いの立て方がずれている。真に効くのは相手が倒れて競売になった局面だ。無利息だと中間利息控除で目減りするため、利息の定めは平時の儲けではなく、非常時の回収防御として機能する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 民執88条:期限前債権を弁済期到来とみなし配当額を確定(無利息は中間利息控除) | 民執49条:配当要求の終期を画し参加期限を定める 民執87条:配当等を受けるべき債権者の範囲を定める |
| 作用のタイミング | 配当額の計算段階(みなし弁済期・現在価値への引き直し) | 参加の入口(終期までに動かないと排除) 参加資格の判定段階 |
| 不服・是正の手段 | 計算誤りは配当異議の申出(89条)→ 配当異議の訴え(90条) | 終期経過後は次の執行機会を待つほかない 範囲外なら配当を受けられない |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も破産手続で附期限債権を宣告時に到期とみなし、無利息債権は宣告時から到期までの法定利息を控除する。日本の88条と同型の処理。
韓国の統合倒産法も破産宣告時に期限付債権を弁済期到来とみなし、無利息債権に中間利息控除を行う。日本と構造が近い。
中国の企業破産法は破産申立受理時に未到期債権を到期とみなし、付利息債権は受理時から起算を停止する。中間利息控除の思想は明文の方式が異なる。
ドイツ倒産法は未到期債権を到来とみなし、無利息債権は法定利率で割り引く(Abzinsung)。本条の直接の系譜にあたる規律。
米連邦破産法は請求債権を申立日基準で確定し、未経過利息(unmatured interest)を不許容とする。現在価値化の発想は共通するが方式は異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが分割払いで機械を売り、残代金200万円は来年まで12回に分けて回収する契約だった。相手企業の工場が差し押さえられ競売に。期限未到来の残代金全額を、期限が来たものとみなして配当に組み込める。分割の各期日を待つ必要はない
- もし、あなたの取引先が来月・再来月に支払う予定の売掛金を残したまま、その本社ビルが競売にかけられたとしたら? 支払日前でも配当に加われるが、無利息の売掛なら中間利息控除で額面より減る。利息の定めがある請求書とない請求書で、回収額に差が出る
- 親戚に無利息で貸した金がある。相手の土地が競売に。配当は受けられるが、無利息ゆえに満額は取れない。情で利息を付けなかったツケが、ここで数字になって返ってくる
- あなたに残された時間は配当要求の終期まで。期限前債権を持っていても、この日までに配当要求と債権計算書を出さなければ、今回の売却代金からは一円も回収できず、次の機会を待つことになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手の財産に競売開始の兆しがあれば、あなたの期限前債権を裏づける契約書・借用書・請求書を揃える2. 配当要求の終期(民事執行法49条)を裁判所書記官に確認、その期日までに配当要求または債権届出を行う3. 債権計算書を提出し、無利息債権なら88条2項の中間利息控除後の額を自分で試算しておく4. 満額回収できないと見込まれる場合、不足分について相手の他の財産への執行も並行検討する
訴えられた側:1. あなたが債務者、または他の配当参加債権者で、期限前債権者が過大な配当を受けそうなら、その債権が無利息にもかかわらず中間利息控除(88条2項)が適用されているかを配当表で確認2. 控除漏れや期限の存否に疑義があれば、配当期日で配当異議の申出を行う(民事執行法89条) 3. 申出後は一週間以内に配当異議の訴えを起こす(民事執行法90条)、これを怠ると異議は失効する
時効(請求できる期限):配当要求は配当要求の終期まで(民事執行法49条、終期は裁判所書記官が定める)。配当表への不服は配当期日における配当異議の申出、その後一週間以内に配当異議の訴えを提起しなければならない(民事執行法90条)
学説
通説:88条は配当の一回的清算を実現するため期限前債権にも参加を認めつつ、2項の中間利息控除により将来価値を現在価値へ引き直し、弁済期到来済みの債権者との間の公平と債務者の期限の利益に配慮するものと解される。
改正沿革 AI による整理
- 令和2年(2020年)4月1日 施行 民法(債権関係)改正に伴い、第2項の中間利息控除が固定5% の法定利率から、配当等の日における変動法定利率(当初3%)を用いる方式に整合された。ただし本条自体の文言改正の有無と過去の改正回数は要人的検証
改正の年表
- 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法の制定に伴い本条が置かれ、配当手続における期限付債権のみなし弁済期(1項)と無利息債権の中間利息控除(2項)が定められた。※制定沿革の詳細は要人的検証。
- 2.令和2年(2020年) 改正:民法(債権関係)改正に伴い法定利率が固定5% から変動制(当初3%)へ移行し、2項の中間利息控除に用いる利率が配当等の日における法定利率に整合された。本条文言自体の改正の有無は要人的検証。
- 民事執行法 第49条配当要求の終期、期限前債権者の参加期限を画する
- 民事執行法 第51条配当要求、債権者が配当に加わる手続
- 民事執行法 第85条配当の順位及び額、本条で確定した債権額の位置づけ
- 民事執行法 第87条配当等を受けるべき債権者の範囲
- 民事執行法 第89条配当異議の申出、計算への不服手続
- 民法 第404条法定利率、中間利息控除に用いる利率の基準
- 民法 第417条の2損害賠償における中間利息控除、同一の現在価値算定思想
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