民事執行法 第49条(開始決定及び配当要求の終期の公告等)
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- 強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合(その開始決定前に強制競売又は競売の開始決定がある場合を除く。)においては、裁判所書記官は、物件明細書の作成までの手続に要する期間を考慮して、配当要求の終期を定めなければならない。
- 2.裁判所書記官は、配当要求の終期を定めたときは、開始決定がされた旨及び配当要求の終期を公告し、かつ、次に掲げるものに対し、債権(利息その他の附帯の債権を含む。)の存否並びにその原因及び額を配当要求の終期までに執行裁判所に届け出るべき旨を催告しなければならない。
- 一第八十七条第一項第三号に掲げる債権者
- 二第八十七条第一項第四号に掲げる債権者(抵当証券の所持人にあつては、知れている所持人に限る。)
- 三租税その他の公課を所管する官庁又は公署
- 3.裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、配当要求の終期を延期することができる。
- 4.裁判所書記官は、前項の規定により配当要求の終期を延期したときは、延期後の終期を公告しなければならない。
- 5.第一項又は第三項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
- 6.第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
この条文の基本情報
開始決定及び配当要求の終期の公告等とは何ですか?
定義開始決定及び配当要求の終期の公告等とは、民事執行法第49条に定められた規定で、「強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合(その開始決定前に強制競売又は競売の開始決定がある場合を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第49条(開始決定及び配当要求の終期の公告等)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第49条の条文原文は「強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合(その開始決定前に強制競売又は競売の開始決定がある場合を除く。」で始まります。
- 民事執行法第49条は第二目 強制競売に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第49条の前の条は民事執行法第48条です。
- 民事執行法第49条の次の条は民事執行法第50条です。
- 民事執行法第49条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第49条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第49条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/49
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法49条は、強制競売の差押えの効力が生じた場合に、裁判所書記官が配当要求の終期を定めると規定する。この終期までに配当要求しなければ、判決があっても配当を受けられない。
Q · 他人が始めた債務者の家の競売に、自分の判決で相乗りするにはどうすればいいの?
締切である配当要求の終期を過ぎると判決があっても配当はゼロです
民事執行法49条により、強制競売の差押えの効力が生じると、裁判所書記官は物件明細書の作成までに要する期間を考慮して「配当要求の終期」を定めます(第1項)。他人の競売に相乗りして回収したい一般債権者は、この終期までに債務名義を添えて配当要求をしなければ、家がいくらで売れても配当を受けられません。終期は公告されますが(第2項)、登記された担保権者や租税官署と違い、単なる判決を持つ一般債権者には個別の催告が来ないことが多く、自分で公告を追って締切を掴む必要があります。終期は特に必要があれば延期されることもあります(第3項)。
解説
あなたが貸した金を返してもらえず、裁判で勝って判決正本を握っている。ところが債務者はのらりくらりと払わない。そんなとき、別の債権者が債務者の自宅を差し押さえて競売にかけたと知る。「よし、その売却代金から回収できる」と思うだろう。だがそこに落とし穴がある。競売開始の差押えの効力が生じると、裁判所書記官は「配当要求の終期」という締切を設定する(第1項)。この日までに配当要求を出さなければ、家が何千万円で売れても、あなたの取り分はゼロだ。書記官は開始決定と終期を公告し、登記された抵当権者・仮差押債権者や税務署には個別に催告する(第2項)。しかし単なる判決を持つ一般債権者のあなたには、個別の催告が来ないことが多い。締切は自分で公告を追いかけて掴むしかない。他人が始めた競売にあなたが滑り込めるかどうか、その改札口がこの一条だ。
法的な位置づけ
民事執行法49条は配当要求の終期を定める規定であり、強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合に、裁判所書記官が物件明細書の作成までに要する期間を考慮して、配当要求を受け付ける最終期限を設定する手続を規律する。終期は公告され、特に必要があるときは延期される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.債務者の不動産の登記を確認する 回収したい相手の不動産について登記事項証明書を取得し、他の債権者による強制競売開始決定の差押登記が入っていないかを確認する。一般債権者には個別催告が来ないため、日頃から定期的に登記をチェックしておくことが唯一の防衛線になる
- 2.配当要求の終期を確認する 差押登記が入っていれば、その事件番号を手がかりに、裁判所の公告または不動産競売物件情報サイト(BIT)で配当要求の終期を確認する。終期は事件ごとに異なり、延期されることもあるため延期後の終期も見落とさない
- 3.債務名義を確保する 一般債権者は債務名義がないと配当要求できない。確定判決正本、仮執行宣言付支払督促、和解調書、調停調書などの債務名義を最優先で確保する。まだ判決を取っていない場合は取得を急ぐ
- 4.終期までに配当要求書を提出する 配当要求の終期までに、債務名義の正本を添えて配当要求書を執行裁判所に提出する。終期を一日でも過ぎると、その売却手続では原則として効力を持たない(民執51条)
- 5.配当段階で配当表を精査する 終期が締まった後の配当段階で、誰がいくら配当要求・交付要求したかを確認する。過大・不当な債権が含まれていれば配当異議を申し出る
よくある質問 AI による整理
Q1配当要求とは何ですか?
他人が申し立てた強制執行手続に加わり、売却代金から自分の債権の弁済を受けるよう求める手続です。民事執行法51条に基づき、配当要求の終期までに行う必要があります。
Q2配当要求の終期は誰がいつ決めますか?
裁判所書記官が、強制競売の差押えの効力が生じた後、物件明細書の作成までに要する期間を考慮して事件ごとに定めます(民執49条1項)。事件により終期は異なります。
Q3一般債権者が配当要求するには何が必要ですか?
確定判決正本や仮執行宣言付支払督促などの債務名義が必要です。債務名義のない一般債権者は、原則として配当要求できません(民執51条)。
Q4競売物件の情報や終期はどこで調べられますか?
裁判所の掲示による公告のほか、裁判所が運営する不動産競売物件情報サイト(BIT)で事件情報として確認できます。一般債権者には個別催告が来ないため自分で確認します。
Q5配当要求の終期が延期されるのはどんなときですか?
裁判所書記官が特に必要があると認めるときに延期できます(民執49条3項)。延期後の終期は改めて公告されます(同条4項)。
Q6税金を滞納している債務者の競売で、私の配当はどうなりますか?
租税官署は催告を受け(民執49条2項)、交付要求してきます。租税は一定範囲で優先されるため、一般債権者の配当は後回しになる可能性があります。
Q7自分で競売を申し立てるのと配当要求で相乗りするのは、どちらが費用を抑えられますか?
配当要求で相乗りする方が安上がりです。自分で競売を申し立てると予納金として数十万〜百万円単位の負担が必要ですが、配当要求ならその費用を負わずに配当を受けられます。
Q8二重開始決定とは何ですか?
既に競売の開始決定がある不動産に、別の債権者の申立てで重ねて開始決定がされることです。この場合の終期設定は民執49条1項の括弧書で枠組みが変わります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1配当要求の終期って、どこで確認できるんですか?
執行裁判所が公告します(第2項)。裁判所の掲示のほか、裁判所が運営する不動産競売物件情報サイト(BIT)でも事件情報として確認できます。登記された抵当権者・仮差押債権者や税務署には個別の催告が届きますが、単なる判決を持つ一般債権者には催告が来ないことが多い。実務のポイント:回収したい相手がいるなら、その人の不動産登記を定期的にチェックしておくのが実務の鉄則。差押登記が入った瞬間に気づけば終期前に動けるが、気づくのが遅れれば公告を見た時には終期が過ぎている
Q2終期を過ぎてから配当要求したら、もう完全にダメですか?
原則として、終期後の配当要求はその売却手続では効力を持ちません(配当要求は民事執行法第51条、終期までに行う必要があります)。ただし書記官が特に必要と認めれば終期は延期されることがあり(第3項)、延期後の終期までなら間に合う場合もあります。実務のポイント:売却が不成立になって再度売却される等の事情で、実際には終期が動くことがある。終期を過ぎたからと即座に諦めず、事件の進行状況を執行裁判所に確認する価値はある。ただし当てにはできないので、最初の終期に間に合わせるのが基本
間違えやすい点 AI による整理
- 「判決さえ取れば、いつでも債務者の財産から回収できる」と考えて動きを後回しにする人がいる。だが問いの立て方が違う。競売手続で回収できるかどうかは、判決の有無ではなく、配当要求の終期までに手を挙げたかどうかで決まる。判決は入場券であって、終期はその券が使える最終時刻だ
- 配当要求という手続の存在は知っていても、その終期がどれほど短くなりうるか、しかも延期されうること(第3項)までは意識していない人が多い。当初の公告だけを見て安心していると、書記官が終期を延期した場合の延期後の終期を見落とし、逆に短い当初終期には間に合わず脱落する。終期は一点ではなく動きうる線だと知っているかどうかで対応が変わる
- 「競売開始が登記されれば裁判所が自分にも通知してくれる」と思いがちだが、個別の催告を受けられるのは登記された担保権者・仮差押債権者や官公署に限られる(第2項各号)。単なる判決を持つ一般債権者には催告が来ない。終期は自分で公告を追って掴むしかない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 民執49条:配当要求の締切(終期)を書記官が設定・公告する | 民執51条:終期までに行う配当要求そのものの要件 民執87条:配当を受けるべき債権者の範囲・催告対象の画定 |
| 対象・機能 | 手続に締切を設けて参加者を区切り、手続を前に進める | 誰がどう手を挙げれば配当に参加できるかを定める 手を挙げた者・登記上の権利者のうち誰が配当にあずかるかを画定する |
| 一般債権者の動き方 | 公告を自分で追い、終期を掴む | 終期までに債務名義を添えて配当要求する 催告対象(登記担保権者・仮差押債権者・租税官署)でなければ届出は自発的に行う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も他の債権者が参与分配を声明できる終期を定める。声明の期限を過ぎると当該手続での分配を受けられない点で日本と近い
韓国民事執行法も配当要求の終期を裁判所が決定・公告する。締切までに手を挙げない債権者は配当から脱落する構造は日本と類似
ドイツの強制競売法(ZVG)は、競売期日での権利の届出(Anmeldung)を求める。届出のタイミングが配当上の地位を左右する点で機能的に対応する
米国は連邦統一の配当要求制度を持たず、判決リーエンの登録時期による優先順位(first in time)や州ごとの執行売却手続で処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 貸金の判決を取ったあなたが、たまたま登記を見たら債務者の家に別の債権者による競売開始決定の差押登記が入っていた。配当要求の終期まで何日残っているか、公告を確認しないと分からない。物件明細書の作成に要する期間次第で終期は事件ごとに違い、思ったより短いこともある。今日調べなければ間に合わない可能性がある
- 家賃を半年滞納したまま出て行った元入居者に、あなたは判決を取っている。その人が別に持っていた不動産が競売にかかった。終期までに債務名義を添えて配当要求すれば、売却代金から回収できる
- あなたが競売を申し立てた側だとしても、この終期は他の債権者を呼び込む号砲になる。終期までに次々と配当要求や税務署の交付要求が入り、自分の取り分が薄まっていく。誰がいくら要求してきたかは、終期が締まってから配当段階で確認することになる
- もし債務者に税金の滞納があったら? 租税を所管する官公署は催告を受け(第2項)、租税債権を交付要求してくる。租税は一定範囲で優先されるため、あなたの配当は後ろに回る。相手にどれだけ滞納があるかで、同じ売却代金からの回収見込みが大きく変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 債務者の不動産の登記事項証明書を取得し、他の債権者による競売開始決定の差押登記が入っていないか確認する2. 入っていれば、その事件の配当要求の終期を裁判所の公告や不動産競売物件情報サイト(BIT)で確認する3. 終期までに、確定判決正本・仮執行宣言付支払督促などの債務名義を添えて配当要求書を執行裁判所に提出する4. 一般債権者は債務名義がないと配当要求できない点に注意、債務名義の取得を最優先で急ぐ
訴えられた側:1. 差し押さえられた債務者側は、公告や催告で手続進行を把握し、過大・不当な債権が配当要求されていないか配当段階で精査、必要なら配当異議を申し出る2. 書記官が定めた終期の設定・延期の処分に不服があれば、執行裁判所に異議を申し立てられる(第5項、第6項で第10条を準用) 3. 自分の事件に先行する競売や二重開始決定(第1項括弧書)があるかで終期設定の枠組みが変わるため、どの立場かを確認する
時効(請求できる期限):配当要求の終期そのものが締切。書記官が物件明細書の作成までに要する期間を考慮して事件ごとに定める(第1項)ため、公告で個別に確認するしかない。終期経過後の配当要求は原則としてその売却手続では効力を持たない。書記官の終期設定・延期の処分に対する執行裁判所への異議(第5項)に法定の期間制限はないが、手続進行を止めないため速やかに行うべき(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:配当要求の終期は、手続の迅速・安定と債権者平等の折り合いをつける制度的締切であり、終期経過後の配当要求はその売却手続において効力を生じないと解される。平成16年改正で終期設定権限が執行裁判所から裁判所書記官へ移された点も、手続迅速化の趣旨に沿うものと評価される。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)改正(施行 平成17年) 配当要求の終期を定める権限を執行裁判所から裁判所書記官へ移し、書記官の処分に対する執行裁判所への異議(第5項・第6項)を整備した。手続の迅速化と書記官権限の拡大が狙い
改正の年表
- 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法制定により、旧民事訴訟法の強制執行編から独立した執行手続として整備。配当要求の終期制度を導入し、手続参加の締切を明確化
- 2.平成16年(2004年) 改正:配当要求の終期を定める権限を執行裁判所から裁判所書記官へ移し、書記官の処分に対する執行裁判所への異議(第5項・第6項)を整備。手続の迅速化と書記官権限の拡大が狙い
- 民事執行法 第51条配当要求の要件、終期までに行うべき手続
- 民事執行法 第87条配当を受けるべき債権者の範囲、本条の催告対象
- 民事執行法 第62条終期設定の基準となる物件明細書の作成
- 民事執行法 第47条第1項括弧書が除外する二重開始決定の場合
- 民事執行法 第10条第5項の異議に準用される抗告手続規定
- 国税徴収法 第82条租税債権の交付要求手続、本条の催告先である官公署の権限
- 破産法 第42条債務者破産時の強制競売手続の失効・中止
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