要点労働者派遣法 40 条は、派遣先に派遣労働者の苦情処理・教育訓練の実施・食堂等三施設の利用提供を義務づける。2020 年改正で配慮義務から明確な義務へ強化された。
Q · 派遣先の社員食堂や更衣室を派遣社員に使わせないのは違法ですか?
原則違法。三施設は派遣先の利用提供義務です
労働者派遣法 40 条 3 項と施行規則により、給食施設(食堂)・休憩室・更衣室の三施設は、派遣先が派遣労働者にも利用の機会を与える義務があります。2020 年 4 月の同一労働同一賃金改正で、従来の「配慮義務」から明確な「義務」へ強化されました。正社員だけに開放し派遣社員を排除する運用は、原則として本条違反となり、行政指導・是正勧告の対象になりえます。保養所やスポーツ施設などは 4 項の配慮義務止まりで、三施設とは義務の強さが異なります。
派遣社員として働くあなたが、職場のパワハラやサービス残業に苦情を言いたいとき、誰に向かって言えばいいのか。雇い主は派遣会社(派遣元)だが、実際に指揮命令して働かせているのは派遣先の上司だ。この板挟みの構造に決着をつけるのが本条である。派遣先は、あなたから苦情を受けたら派遣元に通知し、誠意をもって遅滞なく処理しなければならない(1項)。さらに 2020 年 4 月の同一労働同一賃金改正で、それまで「配慮すればよい」程度だった教育訓練(2項)と、食堂・休憩室・更衣室の利用(3項)が、はっきりと「与えなければならない」義務に格上げされた。つまり、正社員しか入れない社員食堂、派遣には開放されない更衣室、こうした線引きは今や違法の可能性がある。あなたが「派遣だから仕方ない」と飲み込んできた待遇格差の多くは、この一条が崩しにかかる対象だ。
労働者派遣法 40 条は、派遣先が講ずべき措置を定める規定である。指揮命令下で就業させる派遣労働者に対し、苦情の適切迅速な処理(1 項)、業務に必要な教育訓練の実施(2 項)、給食施設・休憩室・更衣室の利用機会の付与(3 項)を義務づけ、就業環境の維持その他の便宜供与(4 項)および待遇情報提供への協力(5 項)を配慮義務として課す。
AI 輔助整理,以條文原文為準
派遣先・派遣元の両方に申し立てられます。労働者派遣法 40 条 1 項は派遣先自身に苦情処理義務を課しているため、「雇い主じゃない」と突き返すのは違法です。記録を残すと対応が改善します。
40 条違反に直接の罰則はありませんが、行政指導・是正勧告の対象です。悪質な場合は企業名公表や、改善命令違反で罰則に至る場合もあります。
原則違法です。更衣室は 40 条 3 項と施行規則が定める三施設の一つで、派遣先に利用提供義務があります。給湯室で着替えを強いる運用は是正対象です。
2020 年 4 月の同一労働同一賃金改正で、40 条 2 項の教育訓練が配慮義務から明確な義務へ強化されました。派遣元の求めに応じ派遣先も実施義務を負います。
30 条の 3 が定める待遇決定方式で、派遣先の正社員と比較して派遣社員の待遇を均等・均衡に揃えます。比較のため派遣先が待遇情報を提供します(40 条 5 項)。
30 条の 4 が定める待遇決定方式で、派遣元と過半数代表が労使協定を結び、統計上の一般賃金水準を基準に待遇を決めます。多くの派遣会社が採用しています。
給食施設(食堂)・休憩室・更衣室の三つを指します。40 条 3 項と施行規則 32 条の 3 が定め、派遣社員にも利用機会を与える義務があります。
まず 40 条 1 項に基づき派遣先と派遣元に苦情を申し立て、改善されなければ労働局の派遣相談窓口に申告できます。日付・内容・相手の記録が交渉力を左右します。
原則使えます。3 項と施行規則が定める福利厚生施設は、給食施設(食堂)・休憩室・更衣室の三つで、これらは派遣社員にも利用の機会を与える義務があります(2020 年 4 月施行の改正で配慮義務から義務へ強化)。業界裏話ヒント:この三施設は法令で明確に列挙されているため、現場が「派遣はダメ」と断る根拠はほぼありません。逆に保養所やスポーツ施設などは 4 項の「配慮」止まりで義務の強さが違う。三施設なのかそれ以外なのかで、要求できる強さが変わることを知っておくと交渉が有利になります
1 項は派遣先に誠実な苦情処理を義務づけており、苦情を理由とする不利益な扱いは本条の趣旨に反します。報復的な契約打ち切りは別途、不法行為や公序良俗違反として争える余地があります。業界裏話ヒント:派遣の現場では「言わずに次へ移る」のが暗黙の処世術になりがちですが、苦情の事実と派遣先の対応を書面で残しておくと、後で派遣元・労働局に持ち込んだとき派遣先側が一気に守りに入ります。記録の有無が、泣き寝入りか是正かの分岐点です
普通ではありません。2 項は、派遣元の求めに応じ、その業務に必要な能力を付与する教育訓練を、派遣社員が既にその能力を持つ場合などを除き派遣先も実施する義務を定めます(30 条の 2 の派遣元の教育訓練義務とセット)。業界裏話ヒント:教育訓練は「派遣元がやるもの」と思われがちですが、業務遂行に必要な実地訓練は派遣先しか提供できない場合が多く、だからこそ法は派遣先にも義務を課しました。研修から外され続けているなら、派遣元経由で 2 項を根拠に申し入れるのが正攻法です
可能性があります。派遣の均等・均衡待遇は 30 条の 3(派遣先均等・均衡方式)と 30 条の 4(労使協定方式)で決まり、本条 5 項は派遣先が自社労働者の待遇情報を派遣元に提供する協力義務を定めています。業界裏話ヒント:実務では多くの派遣会社が労使協定方式を選んでおり、この方式だと派遣先正社員との直接比較ではなく統計上の一般賃金が基準になります。自分の賃金がどちらの方式で決まっているかを派遣元に確認するのが第一歩。方式によって交渉の土俵がまるで違います(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 義務を負う主体 | 40 条:派遣先(指揮命令する側) | — |
| 教育訓練の中身 | 40 条 2 項:業務遂行に必要な実地訓練の実施義務 | — |
| 待遇情報の流れ | 40 条 5 項:派遣先が正社員待遇情報を派遣元へ提供(協力義務) | — |
| 義務の強さ | 1〜3 項は明確な義務、4・5 項は配慮義務 | — |
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