要点労働者派遣法 44 条は、労働基準法上の使用者責任を派遣元と派遣先に分配する。労働時間・休憩・休日は派遣先、賃金・年次有給休暇は派遣元が責任を負う。
Q · 派遣で残業や休憩のトラブルが起きたら、派遣会社と派遣先のどっちが責任を取るの?
問題の種類で変わる。労働時間や休憩は派遣先、賃金は派遣元。
労働者派遣法 44 条により、労働時間・休憩・休日・年少者や妊産婦の保護は、実際に就業させる派遣先が労働基準法上の使用者とみなされます。一方、賃金の支払いや年次有給休暇は雇用主である派遣元(派遣会社)の責任に残ります。さらに、派遣元が三六協定の上限を超える条件で派遣すること自体が 44 条 3 項違反となり、罰則は派遣元に及びます。問題の種類で申告すべき相手が変わるため、まず責任の所在を切り分けることが重要です。
残業代の相談をすると、派遣会社は「就業時間は派遣先が管理している」と言い、派遣先は「君はうちの社員じゃない」と突き放す。二つの会社の間で宙づりにされた経験はないだろうか。この条文は、その宙づりを法律の力で終わらせる設計図だ。労働者派遣法 44 条は、労働基準法上の責任を派遣元と派遣先に切り分ける。賃金と年次有給休暇は派遣元(あなたを雇っている派遣会社)の責任、だが労働時間、休憩、休日、年少者や妊産婦の保護は、派遣先(あなたが実際に働いている会社)が法律上の「使用者」とみなされる。つまり、サービス残業をさせられた、休憩を取らせてもらえなかった、こうした問題は派遣先の責任であり、あなたは派遣先を相手に労働基準監督署へ申告できる。「派遣だから何も言えない」のではない。誰に言うべきかを、この条文が一行ずつ決めている。
労働者派遣法 44 条は、派遣中の労働者に対する労働基準法上の使用者責任を、派遣元と派遣先に分配する特例規定である。労働時間・休憩・休日・年少者および妊産婦の保護については派遣先を使用者とみなして適用し、賃金支払や年次有給休暇については派遣元に責任を残す。均等待遇等の一部は両者がともに責任を負う構造をとる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
派遣中の労働者について、労働基準法上の使用者責任を派遣元と派遣先に振り分ける特例規定です。労働時間や休憩は派遣先、賃金や年休は派遣元が責任を負います。
休憩を与える義務(労基法 34 条)は派遣先にあります。44 条 2 項で派遣先が使用者とみなされるため、派遣先を相手に所轄の労働基準監督署へ申告できます。
三六協定の締結は派遣元が行います。ただし労働時間の管理責任は派遣先にあるため、上限超過の残業は派遣先が罰せられるという二重構造になっています。
労働時間・休憩・休日・安全衛生は現場を支配する派遣先の責任です。一方、安全配慮義務違反の損害賠償は現場を支配する派遣先に問えます。
労基法 64 条の 3、66 条の母性保護は 44 条 2 項により派遣先の責任です。重量物作業や深夜業の免除は派遣先に直接求められます。
年少者保護(労基法 60〜63 条)は 44 条 2 項で派遣先が使用者とみなされます。違反すれば派遣先に罰則(労基法 118 条以下)が及びます。
はい。労働時間規制(労基法 32 条等)は 44 条 2 項により派遣先が使用者とみなされます。三六協定の上限超過の責任も派遣先が負います。
問題が労働時間・休憩なら派遣先、賃金なら派遣元を相手に、所轄の労働基準監督署へ申告します。申告は無料で、匿名相談も可能です。
賃金(残業代を含む)の支払い義務は派遣元(派遣会社)に残ります。44 条は労働時間の「管理」責任を派遣先に移しましたが、賃金支払い(労基法 24 条)は移していません。だから残業代未払いは派遣会社に請求します。業界裏話ヒント:ただし残業をさせた事実の証拠は派遣先が握っています。派遣会社が「そんな残業は知らない」と逃げる前に、派遣先の入退館記録やタイムカードを自分でも控えておくと、後で動かぬ証拠になる
申告を理由とする解雇や不利益取扱いは労基法 104 条 2 項で禁止されています。ただ現実には「契約を更新しない」という形で報復されるリスクはゼロではありません。業界裏話ヒント:申告は匿名でもできます。労基署に「申告者を伏せてほしい」と伝えれば、監督官が定期監督を装って調査に入る運用があります。いきなり実名で動くより、まず匿名相談で監督署を動かすのが実務上のセオリーです
ハラスメント防止は労基法ではなく男女雇用機会均等法や労働施策総合推進法の領域ですが、派遣先も措置義務を負います(労働者派遣法 47 条の 2 以下)。44 条が扱う労基法上の責任とは別系統ですが、現場を支配する派遣先が責任を負う点は共通です。業界裏話ヒント:派遣のハラスメントは派遣先と派遣元の両方に相談窓口設置義務がある。片方が動かなければもう片方、さらに労働局の紛争解決援助、と三段構えで攻められる。一つの窓口で諦めないこと
変形労働時間制(労基法 32 条の 2 から 32 条の 4)は 44 条 2 項で派遣先が使用者とみなされ適用されます。ただし対応する労使協定や就業規則の整備は派遣元が行う、という複雑な読替えがあります(44 条 2 項)。業界裏話ヒント:派遣会社側でこの協定や規定の整備を怠っていると、派遣先の変形制の適用そのものが揺らぎ、原則の 1 日 8 時間を超えた分が残業代の対象になりうる。自分の派遣会社が協定を結んでいるか確認する価値がある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律対象 | 44 条:労働基準法の適用特例(労働時間・休憩・休日等) | — |
| 派遣先が負う責任 | 労働時間・休憩・休日・年少者・妊産婦保護の使用者責任 | — |
| 派遣元に残る責任 | 賃金支払・年次有給休暇・均等待遇の一部 | — |
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