要点労働者派遣法 32 条は、派遣元が労働者を派遣労働者として雇い入れる際の事前明示と、既存社員を新たに派遣対象とする際の明示・同意取得を義務づける規定である。
Q · 正社員で入ったのに『来月から派遣に行って』と言われたら、断れるの?
断れます。派遣への転換には本人の同意が必要です
労働者派遣法 32 条 2 項により、すでに直接雇用している労働者を新たに派遣の対象とするには、事前の明示に加えて本人の同意が必要です。就業規則に包括的な業務命令条項があっても、派遣への転換は別枠で、同意なしには命じられません。また 1 項は、最初から派遣労働者として雇い入れる場合の事前明示義務を定めます。紹介予定派遣ならその旨の明示も必要です。
正社員として経理で入った会社で、ある日上司から「来月から取引先に派遣で行ってもらう」と言われた。断れると思うだろうか。労働者派遣法 32 条は、まさにこの場面であなたを守る。条文は二つの場面を分けている。第一に、最初から派遣労働者として雇われるとき、派遣会社は「あなたは派遣スタッフですよ」と事前に明示しなければならない。第二に、すでに雇われているあなたを新たに派遣の対象にするときは、明示だけでは足りず、あなたの同意が必要だ。つまり、直接雇用で入った人を、本人の納得なしに派遣要員へ回すことはできない。同意なき派遣化は、この条文に反しうる。「派遣は嫌だ」と言う権利が、法律であなたに与えられている。さらに紹介予定派遣(数か月の派遣を経て直接雇用を予定する形態)の場合は、その旨まで明示が要る。あなたが署名する前に、その紙に何が書かれていないかを見抜く目を、この条文がくれる。
労働者派遣法 32 条は派遣労働者に対する明示・同意に関する規定であり、派遣元事業主が労働者を派遣労働者として雇い入れる際の事前明示義務と、既存の雇用労働者を新たに派遣の対象とする際の明示および同意取得義務を定める。紹介予定派遣に係る場合は、その旨の明示も含む。
AI 輔助整理,以條文原文為準
撤回は容易ではありません。同意は契約条件の変更を伴うため、いったん書面で同意すると覆しにくくなります。打診の段階で即答せず、書面で条件を確認してから返答するのが安全です。
『雇い入れようとするとき』『新たに派遣の対象としようとするとき』、すなわち行為に着手する前にあらかじめ行う必要があります。事後の説明では明示義務を果たしたことになりません。
実務では労働条件通知書など明確な形での明示が求められます。曖昧な口頭説明だけでは、明示があったと認められないことがあり、後の紛争で不利になります。
明示・同意取得を欠くと、都道府県労働局による行政指導や是正指導の対象となります。悪質な場合は事業改善命令につながる可能性もあります。
32 条の明示・同意取得義務は派遣元事業主に課されます。派遣先は別途、就業条件の確保や均衡待遇など別の義務を負います。
必要です。登録型・常用型を問わず、派遣労働者として雇い入れる以上、雇入れ時の事前明示義務が及びます。
対象業務、派遣先、派遣期間、紹介予定派遣かどうか、同意を拒否した場合の取扱いを確認します。曖昧な点は持ち帰り、書面で回答を得てから判断します。
同意拒否を理由とする不利益取扱いは、別の労働紛争に発展しうる問題です。32 条は同意を要件とするため、拒否自体は正当な権利行使です。
断れます。派遣法 32 条 2 項は、すでに雇用している労働者を新たに派遣の対象にするには本人の同意が必要と定めています。就業規則に包括的な業務命令条項があっても、派遣への転換は別枠で、同意なしには命じられません。業界裏話ヒント:会社は『就業規則に書いてある』と押してくることが多いが、働き方の根本を変える派遣化は包括的同意でカバーされないと解されています。個別の明確な同意を求められたら、それは断れるサインだ。
32 条 1 項の明示義務違反の可能性があります。派遣元は雇い入れ時に派遣労働者である旨を事前明示しなければなりません。違反は行政指導の対象で、悪質なら事業改善の命令にもつながります。業界裏話ヒント:明示がなかった事実は、後で『これは偽装請負・違法派遣では』と争うときの強力な入口になる。気づいた時点でメール等に残しておくと、時系列の証拠として効く。
紹介予定派遣は、一定期間派遣で働いた後に派遣先での直接雇用を予定する仕組みです(派遣法 2 条で定義)。32 条はこの場合『紹介予定派遣である旨』まで明示を義務づけます。普通の派遣と違い、将来の直接雇用が前提になっている点が核心です。業界裏話ヒント:紹介予定派遣は派遣先が事前面接できる例外類型。だが『紹介予定』と明示されていなければ、その前提が崩れる。求人票や契約書に『紹介予定派遣』の文言があるか必ず確認を。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる場面 | 32 条 1 項:派遣労働者として新たに雇い入れるとき | — |
| 必要な手続 | 派遣労働者である旨の事前明示(紹介予定派遣ならその旨も) | — |
| 同意の要否 | 明示のみで足り、同意は不要 | — |
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