要点労働者派遣法 53 条は、厚生労働大臣が労働者派遣事業適正運営協力員を委嘱できると定める。協力員は派遣元・派遣先・労働者の相談に無償で応じ、専門的助言を行い、秘密保持義務を負う。
Q · 派遣でトラブったとき、労働局や弁護士の前に相談できる無料の専門家っているの?
いる。国が委嘱する無償・中立の適正運営協力員
労働者派遣法 53 条により、厚生労働大臣は社会的信望と派遣事業の専門知識を持つ者を「労働者派遣事業適正運営協力員」として委嘱できます(1 項)。協力員は派遣元・派遣先・労働者の相談に応じ、専門的助言を行います(2 項)。職務上知り得た秘密は退任後も漏らしてはならず(3 項)、国から報酬を受けない無償の立場です(4 項、実費のみ支給 5 項)。利害に縛られない中立の相談窓口が、労働局や弁護士へ行く前の最初の入口として法律の中に用意されています。
派遣先でパワハラに遭った、契約と違う仕事を延々とさせられている、そんなとき誰に相談すればいいのか。労働局は敷居が高い、弁護士は金がかかる、社内で言えば干される、そう思って飲み込んでいないか。労働者派遣法 53 条は、まさにその隙間に一人の専門家を配置している。厚生労働大臣が、社会的信望と派遣事業の専門知識を併せ持つ者を「労働者派遣事業適正運営協力員」として委嘱する制度だ。この協力員は、派遣労働者だけでなく派遣元・派遣先からの相談にも応じ、専門的な助言を行う。国から報酬を受けず(実費だけ支給)、職務上知った秘密は退任した後も漏らさない義務を負う。つまり、特定の利害に縛られない中立の相談窓口が、法律の条文の中に静かに用意されている。あなたがその存在を知らないだけだ。
労働者派遣事業適正運営協力員とは、厚生労働大臣が社会的信望と派遣事業の専門的知識経験を有する者から委嘱する民間の協力者であり、派遣事業の適正な運営と適正な派遣就業の確保に協力して、派遣元・派遣先・労働者の相談に応じ専門的助言を行う。職務上知り得た秘密を退任後も保持する義務を負い、国から報酬を受けず実費の支給のみを受ける中立的な立場に置かれる。
厚生労働大臣が委嘱する民間の専門家で、派遣事業の適正運営に協力し、派遣元・派遣先・労働者の相談に無償で応じて専門的助言を行う中立の立場の協力者です(派遣法 53 条)。
無料です。協力員は国から報酬を受けず(53 条 4 項)、職務遂行に要する実費の支給を受けるだけです(5 項)。相談者が費用を負担する仕組みではありません。
厚生労働大臣が委嘱します(53 条 1 項)。社会的信望があり、派遣事業の運営や派遣就業について専門的な知識経験を有する者の中から選ばれます。
できます。協力員は派遣をする事業主、派遣先、労働者のいずれの相談にも応じます(53 条 2 項)。労働者専用の窓口ではなく、三者すべてが利用できます。
守られます。協力員は正当な理由がなければ職務上知り得た秘密を漏らしてはならず、退任後も同じ義務が続きます(53 条 3 項)。法律に根拠のある守秘義務です。
監督署は労基法違反の取り締まりが本務です。協力員は派遣特有の三者関係に精通した相談・助言役で、取り締まりではなく事案整理や助言に強みがあります。
トラブルがこじれる前の初期段階が有効です。事実関係を冷静に並べられるうちに相談すると、不満を法的論点に整理してもらえ、その後の申告や弁護士相談が速く正確になります。
国から報酬を受けない無償の委嘱であり(53 条 4 項)、特定の利害に縛られない中立性が制度設計に組み込まれています。行政の手先や派遣会社寄りの立場ではありません。
協力員は厚生労働大臣が委嘱し(53 条 1 項)、実務上は各都道府県労働局を通じて配置されています。まずは管轄労働局の需給調整事業を扱う部門に問い合わせるのが入口です。業界裏話ヒント:この制度は周知が弱く、労働局の総合案内でも自動的には紹介されないことがある。『適正運営協力員に相談したい』と名指しで頼むと、担当部署につないでもらいやすい
協力員には、正当な理由がなければ職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない義務があり、しかも退任後まで続きます(53 条 3 項)。相談内容があなたの不利益に使われない設計です。業界裏話ヒント:それでも不安なら、最初の相談時に『派遣元に伝わると困る』と明示しておく。守秘義務は条文に根拠がある分、現場の口約束よりはるかに強く効く
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 性質 | 53 条:協力員の委嘱(無償・中立の相談・助言) | — |
| 主体 | 委嘱された民間の専門家(社会的信望+専門知識) | — |
| 相手方 | 派遣元・派遣先・労働者の相談に応じる | — |
| 強制力 | なし(任意の相談・助言) | — |
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