事業主は、労働者が第十六条の八第一項(前条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による請求をし、又は第十六条の八第一項の規定により当該事業主が当該請求をした労働者について所定労働時間を超えて労働させてはならない場合に当該労働者が所定労働時間を超えて労働しなかったことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
要点育児介護休業法第16条の10は、所定外労働の制限を請求した労働者を、その請求を理由に解雇その他不利益に取り扱うことを事業主に禁じる規定である。
Q · 育児で残業を断ったら評価を下げられた。これって我慢するしかないの?
いいえ、請求を理由とする不利益取扱いは法律で禁止です
育児介護休業法第16条の10により、所定外労働の制限(残業免除)を請求したこと、または請求どおり残業しなかったことを理由とする不利益取扱いは禁止されています。禁止対象は解雇だけでなく、降格・減給・不利益な配置転換・賞与の不利益査定まで広く含みます。会社が別の口実を並べても、請求と処分の時期の近さから請求を理由とした不利益だと認定されれば、その処分は無効になり得ます。まず都道府県労働局に相談すれば、無料で会社に是正を促せます。
3歳未満の子を育てているあなたは、会社に「所定外労働(残業)をさせないでほしい」と請求できる(第16条の8)。介護でも同じ仕組みが使える(第16条の9で準用)。問題はその先だ。請求したあと、会社が「協調性がない」と評価を下げ、部署を移し、賞与を削ってきたら、あなたは泣き寝入りするしかないのか。第16条の10はそこに線を引く。請求したこと、または請求どおり残業しなかったことを理由に、解雇はもちろん、降格・減給・不利益な配置転換・賞与の不利益査定など、あらゆる不利益取扱いをしてはならない、と。ここで効くのは「理由として」の四文字だ。会社が表向き別の口実を並べても、請求と処分の時期の近さや経緯から育児・介護を理由とした不利益だと認定されれば、その処分はひっくり返る。あなたが守られているのは「残業を断る権利」だけではない。「断ったあとも不利益を受けない」という二段目の盾まで、この条文は用意している。
育児介護休業法第16条の10は、所定外労働の制限の請求又はその請求に基づき残業しなかったことを理由とする不利益取扱いを禁止する規定である。禁止対象は解雇に限らず、降格、減給、不利益な配置転換、賞与の不利益査定等を広く含み、事業主の人事権に対する法的制約として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
3歳未満の子を養育する労働者が請求すれば、事業主は所定労働時間を超えて残業させてはならない制度です(育児介護休業法16条の8)。介護でも準用されます。
解雇のほか、降格、減給、不利益な配置転換、賞与の不利益査定、昇進候補からの除外などが広く含まれます。「クビにしていない」は弁解になりません。
育児の所定外労働の制限は子が3歳に達するまでの間、1回につき1か月以上1年以内の期間で請求できます。回数の制限はなく、更新も可能です。
妊娠・出産・育児を理由とする母親への不利益がマタハラ、育児に関わる父親への不利益がパタハラです。いずれも16条の10等の不利益取扱い禁止に違反し得ます。
厚生労働省の指針(平成21年告示第509号)が、降格・減給・不利益配置転換など該当する行為を列挙しています。これに合致する処分は違法と推認されやすいです。
都道府県労働局雇用環境・均等部(室)の窓口で、紛争解決援助(52条の4)や両立支援に関する調停(52条の5)を無料で利用できます。予約して相談します。
適用されます。所定外労働の制限は一定要件を満たす労働者に認められ、雇用形態を問いません。有期契約の雇止めも育児が理由なら不利益取扱いとして争えます。
処分自体に固有の時効はありません。未払賃金請求は労基法115条で当分の間3年、慰謝料等の不法行為は民法724条で知った時から3年です。証拠が新しいうちが有利です。
評価の引き下げも、それが賞与・昇給・昇格に直結するなら「不利益な取扱い」に当たりえます(第16条の10)。違反は解雇に限りません。業界裏話ヒント:会社は「総合的な評価の結果」と言い張りますが、請求の前後で評価が急落していれば、その時系列を示す一枚のメモが立証の核になります。人事評価シートやその根拠資料の開示を求めるのが効く
受けられます。所定外労働の制限は一定の要件を満たす労働者に認められ、雇用形態を問いません。請求や残業免除を理由とする不利益取扱いの禁止も同じく及びます(第16条の8、第16条の10)。業界裏話ヒント:有期契約の「雇止め」も、理由が育児・介護なら不利益取扱いとして争えます。「契約満了だから」の一言で諦める前に、更新の経緯と理由を確認すること
裁判の前に、都道府県労働局による紛争解決援助(第52条の4)や両立支援に関する調停(第52条の5)が使えます。いずれも無料で、会社に是正を促せます。業界裏話ヒント:労働局の助言・指導が入っただけで会社が態度を一変させるケースは多い。訴訟は最後の手段で、その前の行政ルートを知っているかどうかで、かかる時間と金が桁違いに変わる
そう簡単ではありません。会社が表向きの理由を並べても、請求と処分の時期の近さや前後の経緯から、実質的に請求を理由とした不利益だと認定されれば違反になります(第16条の10)。業界裏話ヒント:厚生労働省の指針が不利益取扱いの具体例を列挙しており、これに合致する処分は「合理的理由なし」と推認されやすい。会社側の口実の不自然さを突くのが定石です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 守られる権利の本体 | 16条の10:所定外労働の制限(残業免除)の請求 | — |
| 禁止される不利益の範囲 | 解雇・降格・減給・不利益配置転換・賞与査定等を広く含む | — |
| 対象事由 | 育児(16条の8)・介護(16条の9で準用) | — |
| 共通の争点 | 「理由として」の因果関係(時期の近接性で推認) | — |
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