要点育児・介護休業法8条は、育児休業開始予定日の前日までなら申出を撤回できると定める。ただし通常育休の撤回は取得1回とみなされ、分割枠を1つ消費する。
Q · 育休を申し込んだけど、やっぱりやめたい。撤回したらどうなる?
開始前日まで撤回できるが、通常育休なら分割1回を消費する
育児・介護休業法8条により、育児休業開始予定日の前日までなら申出を撤回できます。ただし通常の育児休業(5条1項)を撤回すると、2項により『一度育休を取得した』とみなされ、分割2回の枠を1回消費します。1歳6か月・2歳までの延長分(5条3項・4項)を撤回すると、厚生労働省令の特別の事情がない限り再申出できません。一方、子の死亡等で養育できなくなった場合(4項)は申出がなかったものとみなされ、回数は消費しませんが、会社への遅滞ない通知義務は残ります。
妻の出産に合わせて育休を申し込んだが、会社の急な異動や家庭の事情で「やっぱり取りやめたい」となった。第8条はその撤回を認める。ただし開始予定日の前日まで、という時間の壁がある。問題はここからだ。第1項で撤回したのが「通常の育児休業(第5条第1項)」だった場合、第2項はあなたを『すでに育休を一度取得した者』とみなす。2022年の改正で育休は2回まで分割して取れるようになったが、撤回はその貴重な1回を消費する。つまり撤回は「白紙に戻す」ではなく「1回使い切る」。さらに延長分(第5条第3項・第4項、1歳6か月・2歳まで)を撤回すると、厚生労働省令の特別な事情がない限り二度と申し込めない。一方、子が亡くなるなど養育できなくなった場合(第4項)は、申出そのものがなかったことになり回数も消費しない。ただし会社への遅滞ない通知義務だけは残る。(最新の改正状況をご確認ください)
育児・介護休業法第8条は、育児休業申出の撤回について定める規定である。労働者は育児休業開始予定日の前日までは申出を撤回できるが、通常の育児休業の撤回は取得1回とみなされ、延長分の撤回は原則として再申出を封じる。子の死亡等の事由が生じた場合は申出がなかったものとみなされ、遅滞ない通知義務が生じる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
育児休業開始予定日の前日までです。事業主の指定日や変更後の開始予定日がある場合はその前日が基準となります。開始日を1日でも過ぎると撤回はできません。
法律上は明文の書式要件はありませんが、実務上は撤回届を書面で提出し、開始予定日の前日までに会社へ到達させるのが確実です。口頭のみは後日の紛争リスクがあります。
別の規定です。出生時育児休業の撤回は9条の4等が規律し、通常育休の8条とは回数管理が異なります。どの制度の撤回かを取り違えないことが重要です。
通常育休なら分割2回の枠を1回消費し、延長分なら再申出が原則できません。さらに実際に休んでいないため育児休業給付金は支給されません。
できません。撤回は労働者の権利です。撤回を理由とする不利益取扱いは10条で禁止されており、拒否や嫌がらせは違法となり得ます。
撤回した側は取得1回を消費するため、後から交代で取り直す世帯計画の前提が崩れることがあります。撤回前に夫婦での取得順序を再設計すべきです。
育児休業の取得要件を満たして申出をしていれば、雇用形態にかかわらず8条の撤回が可能です。撤回の効果(回数消費等)も同様に適用されます。
育休が開始した後は8条の撤回はできません。以後は『育児休業の終了』(9条)という別の手続の問題になり、繰上げ終了等の要件で処理します。
通常の育児休業(第5条第1項)なら、撤回しても第2項で『一度取得した』扱いになるだけで、分割2回の残り枠があれば再申出は可能です。ただし1歳6か月・2歳までの延長分(同条第3項・第4項)を撤回すると、第8条第3項により厚生労働省令の特別の事情がない限り再申出はできません。業界裏話ヒント:会社の総務でも『撤回=白紙』と誤解している担当者は多い。撤回が通常育休か延長分かで結論が真逆になるので、申し出る前にどちらの撤回かを自分で押さえておくと、不利な処理を防げる。(最新の改正状況をご確認ください)
撤回すれば実際には休業していないので、育児休業給付金(雇用保険法)は支給されません。給付金は『現に育児休業を取得していること』が前提だからです。業界裏話ヒント:給付金をあてに収入計画を立てている人ほど、撤回の前にハローワークと会社の双方に影響を確認すべき。撤回ではなく第7条の開始日変更で乗り切れば、給付の権利を温存できる場合がある。撤回は最後の手段にする
第8条第4項により、開始予定日の前日までに子の死亡その他の事由が生じたときは、申出は最初から無かったものとみなされます。労働者は会社に対し、その事由を遅滞なく通知する義務があります。業界裏話ヒント:この第4項ルートは自分から『撤回』するのと法的効果が違い、分割回数を消費しません。つらい状況でも、会社には『撤回します』ではなく『養育できない事由が生じた』と伝える方が、後日の取り直しの権利を守れる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| タイミング | 8条・撤回:開始予定日の前日まで | — |
| 分割回数への影響 | 通常育休の撤回は取得1回とみなす(2項) | — |
| 再取得の可否 | 延長分は特別の事情がない限り再申出不可(3項) | — |
| 育児休業給付金 | 現に休業しないため不支給 | — |
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