要点借地借家法 18 条は、更新後に残存期間を超える建物を新築するやむを得ない事情があり地主が承諾しないとき、裁判所が借地権者の申立てで承諾に代わる許可を与えられると定める。
Q · 更新後の借地に建つ実家、地主が建て替えを認めてくれません。もう諦めるしかない?
諦め不要。裁判所に承諾に代わる許可を申し立てられる
借地借家法 18 条により、契約の更新後に残存期間を超える建物を新築するやむを得ない事情があるのに地主が承諾しないとき、借地権者は裁判所に申し立てて地主の承諾に代わる許可を得られます。裁判所は許可と同時に、借地期間の延長や承諾料(財産上の給付)も一括で定められます。ただし地主が地上権消滅請求・解約申入れをしない旨を定めた場合は適用されず、また建物の状況や双方の土地使用の必要性など一切の事情が考慮されるため、必ず許可されるわけではありません。
親から受け継いだ家が建つ土地は、実は借地だった。契約はとっくに更新済み、だが築五十年の木造はもう限界で、建て替えたい。ところが地主が「更新後の建て替えは認めない」と首を縦に振らない。ここで多くの借地人は泣き寝入りする。地主の承諾がなければ建て替えられない、と思い込むからだ。借地借家法 18 条はその思い込みを覆す。更新後であっても、残存期間を超えて建つ建物を新築するやむを得ない事情があり、地主が承諾しないとき、あなたは裁判所に申し立てて「地主の承諾に代わる許可」を得られる。裁判所はあなたの申立てで、地主の意思を飛び越えて許可を出せる。しかも借地期間の延長や、地主への金銭給付(承諾料に相当)まで一括で決めてくれる。地主の一言であなたの数千万円の建物投資が止まる、その壁を裁判所が壊す条文だ。
借地借家法 18 条は、借地契約の更新後における建物の再築につき、地主の承諾に代わる裁判所の許可を定める規定である。借地権者が残存期間を超えて存続する建物を新築するやむを得ない事情があり、地主が承諾しないとき、裁判所は借地権者の申立てにより許可を与え、併せて期間の延長や財産上の給付を命じることができる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
借地に関する地主との争いを、通常訴訟ではなく非訟事件手続で裁判所に判断してもらう制度です。借地借家法 18 条の再築許可や 19 条の譲渡許可がこれに当たり、土地所在地の地方裁判所に申し立てます。
原則として借地の所在地を管轄する地方裁判所です(借地借家法 41 条)。借地非訟事件として扱われ、鑑定委員会の意見を聴いたうえで裁判所が許可の可否と承諾料を判断します。
違います。更新前は 7 条で再築による期間延長が定められますが、更新後は 18 条により、やむを得ない事情があり地主が承諾しない場合に裁判所の許可を要する点でハードルが上がります。
原則として着工前に申し立てるべきです。無断で新築を進めると地主に 8 条の解約申入れ・地上権消滅請求の口実を与えるため、許可を取ってから着工するのが鉄則です。
建物の老朽化や耐震性不足、火災などで残存期間を超える建物を建てる必要が客観的にある場合です。耐震診断書や修繕見積もりなどの資料で立証の厚みを増すことが重要です。
考慮されます。18 条 2 項は、建物の状況や借地の従前の経過、地主・借地人双方が土地の使用を必要とする事情その他一切の事情を裁判所が考慮すると定めます。地主に強い自己使用の必要があれば許可されないこともあります。
借地非訟事件で裁判所に意見を述べる専門家の合議体です。承諾料の額や許可の相当性について鑑定し、裁判所はその意見を参考に判断します。中立的な算定がなされる点が借地権者に有利に働くことがあります。
増改築許可(17 条)は既存建物の増改築を制限する特約がある場合の許可、再築許可(18 条)は更新後に建物を新築する場合の許可です。18 条は 17 条 5 項・6 項の手続規定を準用します。
裁判所が財産上の給付として命じる承諾料(18 条 1 項後段)は、一般に更地価格の数%(更新後の建て替えで概ね数%前後)が目安ですが、事案ごとに鑑定委員会が算定します(最新の相場状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:任意交渉で地主が提示する承諾料は、裁判所の相場より高いことが多い。借地非訟になれば中立の鑑定委員会が額を決めるので、地主が法外な額を吹っかけてきたら「なら裁判所に決めてもらいます」が効く一言になる
そうとは限りません。18 条 1 項は、地主が地上権消滅請求や解約申入れをしない旨を定めた場合を除き、と規定します。逆に言えば単なる「建て替え禁止特約」だけなら、裁判所の許可で乗り越えられる余地があります。業界裏話ヒント:借地借家法は借地人保護を基本思想とし、借地人に一方的に不利な特約は無効と判断されることがある。「建て替え禁止」の一文を額面通り諦める前に、その特約が本当に有効か、18 条の許可で乗り越えられないかを弁護士に確認する価値がある
必ずではありません。18 条 2 項は、建物の状況、滅失があれば滅失に至った事情、借地の従前の経過、地主・借地人双方が土地の使用を必要とする事情その他一切の事情を裁判所が考慮すると定めます。地主側に強い自己使用の必要があれば許可されないこともあります。業界裏話ヒント:許可の可否は「やむを得ない事情」の立証の厚みで決まる。老朽化の客観資料(耐震診断・修繕見積もり)を揃えた申立てと、口頭の主張だけの申立てでは結論が変わる。申立て前の証拠固めが勝負どころ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用場面 | 18 条:更新後の建物の再築(新築) | — |
| 地主の承諾 | 承諾不要だが、不承諾時は裁判所の代諾許可が必要 | — |
| 裁判所の関与 | やむを得ない事情を要件に承諾に代わる許可+期間延長+承諾料 | — |
| 無断実行のリスク | 8 条の解約申入れ・地上権消滅請求の口実を与えうる | — |
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