要点借地借家法 17 条は、地主が借地条件の変更や増改築を拒んでも、協議が調わなければ裁判所が承諾に代わる許可を出せると定める。裁判所は対価として承諾料を命じることが多い。
Q · 契約書に『木造に限る』『増改築は地主の承諾が必要』と書いてあったら、もう建て替えはできないの?
いいえ。地主が拒んでも裁判所が代わりに許可を出せます
借地借家法 17 条により、借地条件の変更(1 項)や増改築(2 項)について地主との協議が調わないときは、土地の所在地を管轄する裁判所に借地非訟を申し立てれば、裁判所が地主の承諾に代わる許可を出せます。多くの場合、裁判所は対価として承諾料(財産上の給付)の支払いを命じます(3 項)。裁判所は借地権の残存期間や土地の状況など一切の事情を考慮し(4 項)、原則として鑑定委員会の意見を聴いて判断します(6 項)。契約書の禁止条項は最終決定ではありません。
築四十年の木造家屋が建つ借地。あなたはそこを二世帯の鉄筋住宅に建て替えたい。だが契約書には「木造に限る」「増改築には地主の承諾を要す」と書いてある。地主に頼んでも返ってきたのは『ダメだ』の一言。多くの借地人はここで肩を落として諦める。だが借地借家法17条は、まったく別の通路を用意している。地主が首を縦に振らなくても、裁判所が地主の承諾に代わる許可を出せるのだ。借地条件そのものの変更(1項)、増改築の許可(2項)、どちらも当事者の協議が調わないとき、土地の所在地を管轄する裁判所に申し立てれば道が開く。代わりに裁判所は地主への「財産上の給付」、いわゆる承諾料の支払いを命じることが多い。それでも、地主の機嫌ひとつで自分の借地が永久に塩漬けにされる事態は避けられる。あなたの借地は、地主の一存で価値が決まる土地ではない。
借地借家法 17 条は、建物の種類・構造・用途や増改築を制限する借地条件について、当事者の協議が調わない場合に、裁判所が借地条件の変更または地主の承諾に代わる許可を与える借地非訟手続を定める規定である。裁判所は利益の衡平を図るため財産上の給付を命じ、借地権の残存期間その他一切の事情を考慮して判断する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
借地に関する一定の争いを、通常の民事訴訟ではなく裁判所が後見的に妥当な解決を決める非訟手続です。借地条件変更や増改築の代諾許可もこの手続で行われます(借地借家法 41 条以下)。
土地の所在地を管轄する地方裁判所に申し立てます(借地借家法 41 条)。借地非訟事件として扱われ、簡易裁判所ではなく地方裁判所が窓口になります。
条件変更(1 項)は木造限定などの建物制限そのものを変える手続、増改築許可(2 項)は禁止特約の下での個別の増改築に地主の承諾に代わる許可を得る手続です。
本人申立ても可能ですが、承諾料の額や土地利用の相当性が争点になり鑑定委員会も関与するため、実務上は弁護士に依頼するのが一般的です。
裁判所が許可や条件変更を決める前に意見を述べる専門委員会で、承諾料(財産上の給付)の適正額や土地利用の相当性を客観的に算定・評価します(17 条 6 項)。
付近の土地利用状況の変化など条件変更の必要性が認められない場合や、残存期間が短く土地利用上相当でないと判断された場合です(17 条 1 項・4 項)。
申し立てられます。転借地権が設定されている場合、転借地権者が転借地権とともに借地権について裁判所の判断を求められます(17 条 5 項)。
申立て自体に出訴期間や時効はありません。ただし残存期間が短いほど許可が下りにくくなるため、期間が十分残るうちの申立てが有利です(17 条 4 項)。
増改築の承諾料は更地価格のおおむね三パーセント前後、木造から鉄筋への条件変更だと一割前後まで上がることもあります(17条2項・3項の「財産上の給付」)。額は鑑定委員会が個別事情で算定するので幅があります(最新の相場はご確認ください)。業界裏話ヒント:地主が自分から提示してくる承諾料は相場より高いことが多い。借地非訟を申し立てれば鑑定委員会が客観的に算定するので、結果的に安くなるケースがある。地主の言い値で即決しないことが肝心
借地非訟は通常の民事訴訟ではなく非訟事件で、勝ち負けを争うより裁判所が後見的に妥当な解決を決める手続です(借地借家法41条以下)。期間は事案により半年から一年程度が目安で、鑑定委員会の評価を挟む分、争点の多い訴訟より見通しが立てやすい。業界裏話ヒント:非訟だから地主が一切応じなくても手続は進む。地主の無視は借地人にとってむしろ好都合なことがあり、協議が調わない事実さえ示せれば前に進められる
完全には拒否できません。借地人が17条の要件、たとえば土地の通常の利用上相当な増改築などを満たせば、裁判所は地主の承諾に代わる許可を出せます(2項)。ただし地主は承諾料の額や他の条件変更を主張できます(3項)。業界裏話ヒント:地主が『鑑定委員会の意見を聴く前に和解しよう』と持ちかけてくる場合、相場より高い承諾料を狙っていることがある。鑑定委員会の意見(6項)を待ってから判断した方が、適正額に落ち着きやすい
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる行為 | 17 条:制限条件下での借地条件の変更・増改築 | — |
| 申立権者 | 1 項は当事者、2 項は借地権者(5 項は転借地権者) | — |
| 裁判所が命じる対価 | 財産上の給付(承諾料)+ 他の借地条件の変更(3 項) | — |
| 共通する手続根拠 | 借地非訟事件(借地借家法 41 条以下) | — |
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