要点借地借家法 20 条は、競売・公売で借地上の建物を取得した第三者が地主の承諾を得られないとき、裁判所が承諾に代わる許可を与えられると定める。申立ては代金支払後 2 か月以内に限られる。
Q · 競売で借地上の建物を落札したのに、地主が借地権の譲渡を承諾してくれない。もう住めないの?
裁判所に申し立てれば地主の承諾に代わる許可が得られます
借地借家法 20 条により、競売または公売で借地上の建物を取得した第三者は、地主が借地権の譲渡を承諾しない場合でも、裁判所に承諾に代わる許可を申し立てられます。第三者が借地権を取得しても地主に不利となるおそれがなければ許可が下り、裁判所は公平のため借地条件の変更や承諾料(財産上の給付)の支払を命じることもあります。ただし申立ては建物代金の支払後 2 か月以内に限られ、この期限を過ぎると許可を求められなくなります。
競売物件サイトで相場より安い戸建てを落札した。ところが登記を見ると、その建物は他人の土地の上に建つ借地物件だった。ここで多くの人がつまずく。建物の所有権は手に入っても、土地を使う権利、つまり借地権の譲渡には地主の承諾が要る(民法612条)。地主が「知らない人には貸さない」と承諾を拒めば、せっかく落札した建物に住むことも貸すこともできず、最悪は土地を明け渡して建物を取り壊す羽目にもなりかねない。借地借家法20条は、その崖っぷちにロープを垂らす。地主が承諾しなくても、あなたが借地権を持っても地主に不利になるおそれがないなら、裁判所が地主の承諾に代わる許可を出せる。鍵は時間だ。この申立ては建物の代金を支払った後2か月以内しかできない。この2か月を逃すと、許可を求める道そのものが閉じる。
借地借家法 20 条は、競売または公売により借地上の建物を取得した第三者の救済を定める規定である。第三者が借地権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないのに承諾が得られないとき、裁判所が地主の承諾に代わる許可を与え、必要に応じて借地条件の変更や財産上の給付を命ずる。申立期間は建物代金の支払後 2 か月とされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
借地に関する許可や条件変更を、訴訟ではなく裁判所の後見的判断で処理する非訟事件手続です。借地借家法 20 条の承諾に代わる許可もこの借地非訟で扱われます。
申立手数料のほか、鑑定費用や弁護士費用がかかります。鑑定は借地権価格に応じ数十万円規模になることもあり、承諾料の支払を命じられる可能性も見込む必要があります。
建物が安く出る分、地主の承諾リスクが価格に織り込まれています。20 条の許可が取れる見込みと代金支払後 2 か月の申立期限を事前に確認できれば、割安を利益に変えられます。
20 条 2 項が準用する 19 条 3 項により、地主が裁判所の定める対価で建物と借地権を自ら買い取れる権利です。譲渡許可に対する地主側の対抗手段にあたります。
使えます。20 条は競売だけでなく税金滞納等による公売で借地上の建物を取得した第三者も対象とし、同じく承諾に代わる許可の申立てができます。
土地を貸して借地権を設定した側、つまり地主(土地所有者)を指します。20 条では承諾を求められる相手であり、許可に代えられる承諾権を持つ当事者です。
第三者が借地権を取得すると地主に不利となるおそれがある場合です。賃料不払いの懸念や用法違反のおそれなど、具体的な不利益が立証されると許可は下りにくくなります。
裁判所が当事者間の公平のため、地代の増額や契約期間など借地の条件を調整することです。20 条 1 項に基づき、許可と引き換えに条件変更が命じられることがあります。
いいえ。競売で移るのは建物の所有権だけで、土地を使う借地権の譲渡には地主の承諾が別途必要です(民法612条)。承諾が得られなければ借地借家法20条で裁判所の許可を求めることになります。業界裏話ヒント:借地上の建物が競売で安く出るのは、まさにこの承諾リスクが価格に織り込まれているから。安さの裏に必ず理由があり、20条の許可が取れる見込みを事前に読める人だけが、その割安を本当の利益に変えられる
必ずしも地主の言い値に従う必要はありません。20条1項は、当事者間の利益の衡平を図るため必要なときに裁判所が財産上の給付(承諾料)を命じることができると定めます。つまり金額は最終的に裁判所が判断します。業界裏話ヒント:承諾料は借地権価格の1割前後とされることが多いが、これは交渉と裁判所の裁量で動く。地主の最初の提示額をそのまま飲む必要はなく、借地非訟手続の中で適正額へ落ち着かせるのが定石
建物の代金を支払った後2か月以内です(20条3項)。落札した日でも、売却許可決定の日でもなく、代金を現実に納付した日が起算点です。業界裏話ヒント:この起算点の勘違いで権利を失う人が後を絶たない。納付日を1日でも取り違えると申立て却下のリスクがある。代金を納付した瞬間にカレンダーへ2か月後の期限を書き込み、逆算して動くのが鉄則
原則として拒否は難しいです。20条2項が準用する19条3項により、地主には介入権、つまり裁判所が定める対価で建物と借地権を自ら買い取る権利があります。業界裏話ヒント:介入権は地主の最終防衛ラインだが、買取価格は裁判所が鑑定等で決めるため、地主が安く買い叩くことはできない。落札者から見れば、許可が出ても地主の介入で手放す可能性があると最初から織り込んでおくべき
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用場面 | 20 条:競売・公売で借地上の建物を取得した第三者 | — |
| 申立人・行使主体 | 建物を取得した第三者(買受人) | — |
| 期間制限 | 建物の代金支払後 2 か月以内 | — |
| 地主側の対抗手段 | 介入権(買取)・承諾料・借地条件変更 | — |
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