第六条第一項の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。
要点短時間・有期雇用労働法31条は、特定事項(昇給・退職手当・賞与の有無、相談窓口)の文書明示義務に違反した事業主を十万円以下の過料に処すると定める。過料は刑罰ではなく秩序罰である。
Q · パートに労働条件を書面で渡さなかったら、会社はどうなるの?
前科はつかないが、十万円以下の過料が科される行政罰です
短時間・有期雇用労働法31条により、同法6条1項の特定事項(昇給・退職手当・賞与の有無、相談窓口)を文書で明示しなかった事業主は十万円以下の過料に処されます。ただし過料は刑罰ではなく行政上の秩序罰で、前科はつきません。実務では労働局の助言・指導・勧告(18条)が先行し、是正されない場合に簡易裁判所へ過料事件として通知されます。労働者ごとに違反が成立しうるため、雇用人数が多いほどリスクが積み上がります。
アルバイトを一人雇った。労働条件通知書も渡した。これで完璧だと思っているなら、見落としがある。短時間・有期雇用労働法6条1項は、パートや契約社員を雇い入れたとき、労働基準法15条の通常の明示事項に加えて、四つの「特定事項」を文書で渡すことを義務づける。昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無、そして相談窓口。この四つだ。これを書面(本人が希望すればメールやSNSでも可)で明示しなかった事業主は、31条により十万円以下の過料に処される。ここで多くの人が誤解する。過料は「罰金」ではない。前科はつかず、刑事手続でもない。だが行政上の秩序罰として、裁判所から実際に金銭の支払を命じられる。しかも労働者ごとに違反が成立しうるため、雇用人数が多いほどリスクは積み上がる。
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律31条は、同法6条1項の特定事項(昇給・退職手当・賞与の有無、相談窓口)の文書明示義務に違反した事業主に対する制裁を定める規定である。制裁は十万円以下の過料であり、刑罰ではなく非訟事件手続により科される行政上の秩序罰に位置づけられる。
過料は行政上の秩序罰で前科がつかず簡易裁判所が非訟手続で科します。罰金は刑罰で前科がつき刑事手続を経ます。31条は過料、労基法15条違反は罰金(120条)という違いがあります。
昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無、相談窓口の四項目です。労基法15条の通常事項に上乗せして、6条1項が文書での明示を義務づけています。
労働者本人が希望すればFAX・電子メール・SNSメッセージなど書面に出力できる方法でも構いません(施行規則2条)。本人の希望がなければ紙での交付が原則です。
違反した事業主が国に支払います。労働者に直接お金が入るわけではありません。個人経営でも法人でも、明示義務を負う事業主が科される対象です。
十万円以下の過料です。しかも労働者ごとに違反が成立しうるため、パートの人数が多いほど累積リスクが大きくなります。定型テンプレの一つの漏れが全員分に波及します。
18条により企業名公表の対象になりえます。求人サイトや取引先に法令違反の会社と知られるダメージは、十万円の過料より重いと実務では評価されます。
あります。2018年の働き方改革関連法で対象が有期雇用労働者にも拡大され、法律名も改称されました。契約社員にも四項目の文書明示が必要です。
会社に書面での明示を求め、応じなければ都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に無料相談できます。労働局は会社に助言・指導・勧告できます(18条)。
なりません。過料(31条)は刑罰ではなく行政上の秩序罰で、簡易裁判所が非訟事件手続法に基づいて科します。前科にも前歴にもならず、警察の捜査も入りません。業界裏話ヒント:実務で本当に怖いのは過料そのものより、是正勧告に従わなかった場合の企業名公表(18条)です。十万円より、求人サイトや取引先に「法令違反の会社」と知られるダメージの方が経営に響く。だから労働局の指導段階で素直に直すのが鉄則です
渡しているだけでは不十分です。6条1項が求めるのは、労基法15条の通常事項に加えた特定事項(昇給・退職手当・賞与の有無、相談窓口)の明示です。市販のひな型は労基法15条向けで、この四項目が抜けていることが多い。業界裏話ヒント:厚生労働省が無料配布している「パートタイム・有期雇用労働法対応版」の労働条件通知書ひな型を使えば四項目が最初から入っています。自前のテンプレを使い続けている会社ほど、この穴に気付かないまま何年も運用している
違反になりえます。6条1項は文書の交付等による明示を求めており、口頭説明は明示と認められません。ただし労働者本人が希望すれば、FAX・電子メール・SNSメッセージなど書面に出力できる方法でも構いません(施行規則2条)。業界裏話ヒント:「本人が希望すれば」が条件なので、いきなりLINEだけで済ませると、後で「書面が欲しかった」と言われたとき不利になる。希望を確認した記録を残すか、紙で渡すのが安全です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制裁の性質 | 31条:十万円以下の過料(行政上の秩序罰、前科なし) | — |
| 対象となる違反 | 特定事項(昇給・退職手当・賞与・相談窓口)の文書不明示(6条1項) | — |
| 手続の主体 | 簡易裁判所(非訟事件手続法に基づく過料事件) | — |
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