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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

保険業法 第15条(準備金)

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会社法第四百四十五条第四項(資本金の額及び準備金の額)の規定にかかわらず、剰余金の配当をする場合には、株式会社は、内閣府令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に五分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。

この条文の基本情報

準備金とは何ですか?

定義準備金とは、保険業法第15条に定められた規定で、「会社法第四百四十五条第四項(資本金の額及び準備金の額)の規定にかかわらず、剰余金の配当をする場合には、株式会社は、内閣府令で定めるところにより、当該剰余金の配当…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 保険業法第15条(準備金)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
  2. 保険業法第15条の条文原文は「会社法第四百四十五条第四項(資本金の額及び準備金の額)の規定にかかわらず、剰余金の配当をする場合には、株式会社は、内閣府令で定めるところにより、当該剰余金の配当…」で始まります。
  3. 保険業法第15条は第一節 保険業を営む株式会社の特例に置かれています。
  4. 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
  5. 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 保険業法第15条の前の条は保険業法第14条です。
  7. 保険業法第15条の次の条は保険業法第16条です。
  8. 保険業法第15条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式保険業法(平成七年法律第百五号)第15条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105
  • 本サイト収録保険業法(平成七年法律第百五号)第15条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/15

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点保険業法15条は、保険会社が剰余金の配当をする場合、会社法の十分の一ではなく、減少する剰余金の額の五分の一を準備金として計上する義務を定める。契約者保護の配当規制である。

Q · 保険会社の配当って、普通の会社と何が違うんですか?

普通の会社の2倍、五分の一を積まないと配れません

保険業法15条により、保険会社である株式会社が剰余金の配当をするときは、会社法445条4項の十分の一ではなく、配当により減少する剰余金の額に五分の一を乗じて得た額を、資本準備金又は利益準備金として計上しなければなりません。具体的な計上方法は内閣府令の定めによります。配当そのものは禁止されませんが、配当するほど社内に固定すべき額も増えるため、配当可能な原資は他業種より構造的に狭くなります。数十年先の保険金支払に備える契約者保護の仕組みです。

解説

保険会社の株主として配当を受け取るとき、その裏側で何が起きているかを知る人は少ない。通常の株式会社なら、会社法445条4項に従い、配当額の10分の1を準備金として積み立てれば足りる。ところが保険業法15条は、その原則を明確に排除し、配当により減少する剰余金の額に「5分の1」を乗じた額の積立てを命じている。倍率にして2倍。あなたが保険会社の株を持っているなら、同じ利益水準でも他業種より配当可能な原資が構造的に絞られていることを意味する。なぜか。保険会社が支払うべき相手は株主だけではないからだ。数十年後に保険金を受け取る契約者が、会社の背後に何百万人も立っている。この条文は、株主への現金流出を法律の力で堰き止め、その分を会社内部に残す仕組みである。配当性向が低いと見えた保険株の数字は、経営陣の保守性ではなく、条文が設計した結果かもしれない。

法的な位置づけ

保険業法15条は、保険業を営む株式会社の準備金計上義務を定める規定である。会社法445条4項の一般則を排除し、剰余金の配当により減少する剰余金の額の五分の一を、内閣府令の定めるところにより資本準備金又は利益準備金として計上することを義務付ける。配当の自由を残しつつ内部留保を連動して厚くする配当規制として機能する。

手順

  1. 1.配当原資の性質を特定する 配当により減少する剰余金が「その他資本剰余金」か「その他利益剰余金」かを確定する。この区分により資本準備金へ積むか利益準備金へ積むかが変わるため、機械的に利益準備金へ計上しない
  2. 2.五分の一基準で計上額を検算する 会社法445条4項の十分の一ではなく、保険業法15条の五分の一で計上額を再計算する。親会社や一般事業会社の経理マニュアルを流用していないかを同時に確認する
  3. 3.内閣府令・監督指針と突合する 計上額の具体的計算方法は内閣府令に委任されているため、現行の施行規則および保険会社向けの総合的な監督指針の記載と突合する。条文本文のみで結論を出さない
  4. 4.上程前に分配可能額の上限を確定する 剰余金の額から準備金計上額を差し引いた残額が実際の配当上限となる。取締役会・株主総会への上程前にこの上限を確定し、算定根拠を議事資料として文書化する

よくある質問 AI による整理

Q1保険業法15条とは何ですか?

保険会社である株式会社が剰余金の配当をするとき、減少する剰余金の額の五分の一を資本準備金又は利益準備金として計上させる規定です。会社法445条4項の一般則を明示的に排除しています。

Q2保険会社の準備金はいくら積み立てる必要がありますか?

配当により減少する剰余金の額に五分の一を乗じた額です。一般の株式会社の十分の一の二倍に当たります。具体的な計算方法は内閣府令の定めによります。

Q3準備金の計上を怠るとどうなりますか?

計算書類の記載が法令に適合しない状態となり、決算の訂正に波及しえます。計上不足により分配可能額を超える配当をした場合、会社法462条により取締役等が会社への支払義務を負う可能性があります。

Q4準備金は資本金の四分の一に達したら積立て不要ですか?

会社法445条4項では準備金が資本金の四分の一に達すれば積立てが不要になりますが、保険業法15条は同項を排除して独自の規律を置いています。上限の扱いは内閣府令の定めを確認する必要があります。

Q5少額短期保険業者にも保険業法15条は適用されますか?

本条は保険会社である株式会社を名宛人とします。少額短期保険業者への適用関係は保険業法第3編の準用規定を個別に確認する必要があり、親会社の会社法ベースのマニュアルを流用すると誤ります。

Q6銀行にも同じ五分の一のルールがありますか?

銀行法にも会社法445条4項を排除して同趣旨の準備金計上を求める規定が置かれています。長期・不確実な債務を負う金融機関に共通する規制設計であり、保険業法固有の制度ではありません。

Q7計上した準備金は後から取り崩せますか?

会社法では株主総会決議による準備金の額の減少が認められますが、保険会社の場合は健全性規制と監督上の着眼点が絡みます。取崩しを検討する際は内閣府令と監督指針の確認が前提になります。

Q8準備金と責任準備金は何が違いますか?

保険業法15条の準備金は純資産の部の計数区分で、配当を制限する規制です。責任準備金(同法116条)は将来の保険金支払に備えて負債側に積む見積り計上であり、制度系統が異なります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1なんで保険会社だけ2倍も積まないといけないんですか

保険会社の債務は、株主への配当より遥かに長期で不確実だからである。終身保険や年金保険は数十年先の支払を約束しており、その間に経済環境が激変しても払えなければならない。会社法445条4項の一般ルールでは足りないと立法者が判断した結果が本条の5分の1である。実務のポイント:この積立てはソルベンシー・マージン比率とは別の規制であり、比率が十分でも本条の積立義務は消えない。二つを混同した説明をする担当者は、規制の全体像を把握していない可能性が高い

Q2資本準備金と利益準備金、どっちに積むかは会社が自由に選べるんですか

自由選択ではない。配当により減少する剰余金がその他資本剰余金であれば資本準備金へ、その他利益剰余金であれば利益準備金へ計上するのが原則であり、具体的な計算方法は本条が委任する内閣府令に定められている。実務のポイント:その他資本剰余金を原資とする配当は保険会社では稀だが、組織再編後や資本政策の一環として発生することがある。この場面で経理担当が利益準備金へ機械的に計上する誤りは実際に起きており、監査で必ず見られる論点である

Q3相互会社の生命保険には、この条文は関係ないんですか

本条の名宛人は「株式会社」であり、株式会社形態の保険会社に適用される。相互会社には剰余金の配当に関する別の規律が保険業法上に置かれている。実務のポイント:日本の大手生命保険には相互会社形態が残っており、同じ「生命保険会社」でも適用条文が異なる。相互会社には株主がおらず、剰余金は契約者配当として社員である契約者へ還元される構造であるため、株式会社の配当規制をそのまま当てはめて比較すると分析を誤る

間違えやすい点 AI による整理

  • 「準備金の積立ては会社法で決まっているから、保険会社も10分の1」と考えるのは、参照する条文そのものを間違えている。本条は冒頭で会社法445条4項を名指しして「かかわらず」と排除しており、保険業を営む株式会社には5分の1が適用される。一般の会社法の知識をそのまま持ち込むと、出発点から誤る
  • 積立てが「利益準備金」だけの話だと理解している人は多いが、条文は「資本準備金又は利益準備金」と並べている。配当の原資がその他資本剰余金なのかその他利益剰余金なのかによって、どちらに積むかが変わる。減少する剰余金の性質を無視して機械的に利益準備金へ計上すると、貸借対照表の純資産の部の区分が誤る
  • 株主から見れば「配当を減らされる規制」だが、契約者から見れば「自分の保険金の支払原資を守る防波堤」である。この非対称を理解していないと、株主総会で配当増額を求める声と、金融庁が求める健全性維持の要請が、なぜ正面衝突するのかが見えない。保険会社の経営が常にこの二つの視線に挟まれている構造こそが本条の実像だ
  • 「準備金は現金で別口座に積んである」と想像する人がいるが、これは前提が誤っている。準備金は貸借対照表の純資産の部における計数上の区分であり、金庫に現金が積まれるわけではない。実質的な効果は「その分だけ株主に配れなくなる」という配当規制であって、資産の隔離ではない
比較の観点この条文ほかの条文
積立割合保険業法15条:減少する剰余金の額の五分の一会社法445条4項:配当により減少する剰余金の額の十分の一
保険業法116条:責任準備金(割合ではなく将来債務の見積り)
計上先資本準備金又は利益準備金(純資産の部)資本準備金又は利益準備金(純資産の部)
責任準備金(負債の部)
制度目的配当による現金流出の抑制と内部留保の確保債権者一般のための最低限の内部留保
個々の保険契約の将来支払に対する引当
適用対象保険業を営む株式会社株式会社一般
保険会社(株式会社・相互会社とも)

他国ではどう定めているか 5 か国

台湾
公司法第237条・保険法第145条

台湾では会社一般の法定盈余公積(配当時10分の1相当)が適用され、保険業について配当連動で倍率を引き上げる特則は置かれていない。保険業の健全性は責任準備金と主管機関(金管会)の監督で担保する設計である。

韓国
상법 제458조・보험업법 제120조

韓国も商法上の利益準備金(10分の1)が一般則であり、保険業法は責任準備金の積立てを中心に規律する。日本のように配当連動の倍率特則を置く構造ではない点が対照的である。

中国
中華人民共和国保険法 第98条・第99条

中国は保険法で責任準備金と法定公積金の積立てを義務付ける。公積金の割合は会社法一般の規律に依拠し、配当連動の特別倍率という手法は採られていない。

ドイツ
AktG § 150・VAG §§ 89 ff.

ドイツは株式法の法定準備金に加え、Solvency II を国内化した VAG の自己資本要件で健全性を担保する。配当制限はソルベンシー要件を通じた間接的な制約として働き、配当額に一定割合を掛ける方式ではない。

アメリカ
NAIC Model Insurance Holding Company System Regulatory Act 等の州保険法

米国は州ごとの保険法で、剰余金や前年利益を基準とする extraordinary dividend の事前承認制を採る。積立比率の強制ではなく、配当の水準そのものを監督官庁の承認に係らせる規制手法である。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 保険会社の株を買おうとして配当利回りを比べたら、他の金融株より明らかに低い。IR資料を読んでも「健全性を重視」としか書いていない。その低さの一部は経営判断ではなく、保険業法15条が法律として強制している積立ての結果である。銘柄比較で「配当性向が低い=株主軽視」と読むと、判断を誤る
  • 少額短期保険業者や新設の保険子会社で、経理担当になったばかりのあなたが、親会社の経理マニュアル(会社法ベース、10分の1)をそのまま使って配当議案の計算書を作った。剰余金配当に伴う準備金計上額が法定額の半分になる。株主総会に諮る前に監査法人が指摘すれば済むが、通れば計算書類の記載が法令違反になり、決算の訂正まで波及しうる
  • もし保険会社が資本準備金と利益準備金の合計が資本金の4分の1に達していたら、それでも5分の1の積立ては必要なのか。会社法445条4項では準備金が資本金の4分の1に達すれば積立て不要になるが、本条は「同項の規定にかかわらず」として独自のルールを置いている。この上限の扱いは内閣府令の定めるところによる部分が大きく、条文だけを読んで結論を出すと外す
  • 配当議案の役員会まであと3日。取締役として、配当可能額の計算根拠を確認する立場にある。剰余金の額から準備金計上額を差し引いた残りが本当の配当可能上限であり、この計算を誤って過大配当をすれば、会社法462条により取締役自身が会社に対して支払義務を負う可能性がある。「経理が作った数字だから」では免責されない

取るべき行動

被害を受けた側:保険会社の株主として配当水準に疑問を持ったなら、まず計算書類の株主資本等変動計算書で、剰余金の配当額と資本準備金・利益準備金の増加額の比率を確認する。5分の1に届いていなければ法定計上額の不足が疑われ、株主総会での質問事項になる。逆に比率が合っていれば、低い配当性向は法令遵守の結果であって経営の怠慢ではないと判断できる。個別の適否は弁護士または公認会計士に確認すること

訴えられた側:計上額不足を監督当局や監査法人から指摘された場合、まず配当により減少した剰余金がその他資本剰余金かその他利益剰余金かを特定し、どちらの準備金へ計上すべきだったかを整理する。次に内閣府令の計算方法との突合を行い、単純な計算誤りか解釈の相違かを切り分ける。解釈の相違であれば根拠を文書化して当局と協議する余地があるが、過大配当に至っていれば会社法462条の責任問題に発展しうるため、早期に弁護士を関与させる

時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限規定はない。ただし配当議案は定時株主総会または取締役会の決議時点で計上額が確定するため、実務上の期限は決議日である。計上不足に起因する過大配当があった場合の取締役等の会社に対する責任は、会社法462条により生じ、その責任追及に係る債権の消滅時効は一般の債権時効(民法166条、権利行使可能時から5年または権利発生時から10年)による(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:本条は会社法445条4項の特則であり、保険会社の超長期・不確実な債務構造に対応するため配当連動型の内部留保強制を選択したものと解される。責任準備金(116条)やソルベンシー規制(130条)とは別系統の規律であり、健全性基準を満たしていても本条の積立義務は免れない。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法の全部改正により現行の保険会社規制体系が整備され、株式会社形態の保険会社に対する会社法(当時は商法)の特則群の中に準備金計上の特則が置かれた。
  2. 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備により、引用条文が商法から会社法445条4項へ改められ、「利益の処分」から「剰余金の配当」概念への整理が反映された。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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