保険業法 第193条(外国相互会社)
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- 外国相互会社は、日本において取引を継続してしようとするときは、日本における代表者を定めなければならない。この場合において、その日本における代表者のうち一人以上は、日本に住所を有する者でなければならない。
- 2.会社法第八百十八条(登記前の継続取引の禁止等)及び第八百十九条(貸借対照表に相当するものの公告)の規定は、外国相互会社について準用する。この場合において、同条第一項中「外国会社の登記をした外国会社(日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるものに限る。)」とあるのは「外国相互会社の登記をした外国相互会社」と、「第四百三十八条第二項」とあるのは「保険業法第五十四条の六第二項」と、同条第二項中「第九百三十九条第一項第一号又は第二号」とあるのは「保険業法第二百十七条第一項第一号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
外国相互会社とは何ですか?
定義外国相互会社とは、保険業法第193条に定められた規定で、「外国相互会社は、日本において取引を継続してしようとするときは、日本における代表者を定めなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第193条(外国相互会社)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第193条の条文原文は「外国相互会社は、日本において取引を継続してしようとするときは、日本における代表者を定めなければならない。」で始まります。
- 保険業法第193条は第一節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第193条の前の条は保険業法第192条です。
- 保険業法第193条の次の条は保険業法第193条の2です。
- 保険業法第193条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第193条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第193条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/193
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法193条は、外国相互会社が日本で取引を継続するには日本における代表者を置き、うち一人以上は日本に住所を有する者でなければならないと定める。
Q · 海外の保険会社ともめたら、結局その国まで行かないと訴えられないんですか?
日本にいる代表者を相手に、日本の裁判所で争えます
保険業法193条により、外国相互会社が日本で取引を継続するには日本における代表者を定める必要があり、うち一人以上は日本に住所を有しなければなりません。そのため送達先と交渉窓口が国内に確保され、本国まで出向かずに請求や提訴ができます。さらに同条2項が会社法818条を準用するため、登記前に継続取引をした者は会社と連帯して債務を負い、取引をした個人・法人を直接追及する余地も残ります。
解説
海外の保険会社が日本人に保険を売るとき、どこにハンコを押す人間がいるのか。保険業法193条は、外国相互会社(外国の法令に基づく、契約者が社員となる相互会社形態の保険会社)が日本で取引を継続しようとするなら「日本における代表者」を必ず置き、そのうち一人以上は日本に住所を持つ者でなければならないと定める。あなたにとっての意味は単純だ。契約でトラブルになったとき、訴える相手の住所が本国のパリやロンドンではなく、日本国内にある。訴状の送達も、仮差押えも、日本の裁判所から届く。さらに2項で会社法818条が準用され、登記前に取引を継続した者は相手方に対して会社と連帯して債務を負う。つまり登記していない外国相互会社と契約してしまっても、あなたは取引した個人を直接追える。「相手が海外だから泣き寝入り」という前提そのものが、この条文で崩れる。
法的な位置づけ
保険業法193条は、外国相互会社が日本において取引を継続して行う場合の組織的要件を定める規定である。同条1項は日本における代表者の選任を義務づけ、うち一人以上に日本での住所を要求する。2項は会社法818条・819条を準用し、登記前の継続取引の禁止と貸借対照表に相当するものの公告義務を外国相互会社に及ぼす。
手順
- 1.相手方が外国相互会社かどうかを特定する 契約書・保険証券の相手方欄と、金融庁が公表する免許業者の一覧を突き合わせ、株式会社形態の外国保険会社なのか、契約者が社員となる外国相互会社なのかを確定させる。適用される条文の枝分かれはここで決まる
- 2.登記事項証明書で日本における代表者を押さえる 日本における代表者の住所地または営業所所在地を管轄する登記所で登記事項証明書を取得し、代表者の氏名・住所、登記年月日、公告方法を控える。登記年月日は後の連帯責任の判断に直結する
- 3.公告で相手の財務状態を確認する 会社法819条の準用による貸借対照表に相当するものの公告を、登記された公告方法(官報・電子公告など)に沿って検索する。営業資料に載らない数字が取れるうえ、公告が出ていなければ管理体制のシグナルになる
- 4.日本における代表者を名宛人に請求する 支払い拒否や契約不履行があれば、日本における代表者を名宛人として内容証明郵便に配達証明を付けて請求する。送達先が国内にあるため、応答がなければそのまま国内での提訴に移行できる
- 5.登記がない場合は取引をした者への追及を検討する 登記が存在しない、または問題の取引が登記より前だった場合は、会社法818条の準用により取引をした者へ連帯責任を追及できるか弁護士と検討する。名刺・メール・契約交渉記録が立証の柱になる
よくある質問 AI による整理
Q1日本における代表者はどこで調べられますか?
法務局で外国相互会社の登記事項証明書を取得すれば、日本における代表者の氏名と住所が確認できます。オンラインの登記情報提供サービスでも閲覧可能です。
Q2外国相互会社が代表者を置かないとどうなりますか?
代表者を定めないと登記ができず、日本で継続して取引をすることが許されません。それでも取引を続けた場合、会社法818条の準用により取引をした者が会社と連帯して債務を負います。
Q3会社法818条の準用で責任を負うのは誰ですか?
登記前に外国相互会社の名で継続取引をした者です。会社と連帯して、相手方に対し取引によって生じた債務を弁済する責任を負います。窓口担当というだけでは免れません。
Q4外国相互会社の財務状況はどこで確認できますか?
会社法819条の準用により、貸借対照表に相当するものの公告義務があります。登記された公告方法に従って官報や電子公告で開示されるため、契約前に確認できます。
Q5海外の保険会社と契約する前に何を確認すべきですか?
保険業法185条の免許の有無、日本での登記の有無、日本における代表者の氏名と住所、公告の実施状況の四点です。いずれも契約前に外部から確認できます。
Q6外国相互会社の登記はどこの法務局でするのですか?
日本における代表者の住所地、日本に営業所を設けた場合はその所在地を管轄する登記所で行います。管轄が分かれば登記事項証明書の請求先も特定できます。
Q7外国相互会社を日本で訴えることはできますか?
日本における代表者が国内にいるため、訴状の送達先が国内に確保されます。本国まで出向かず、日本語で日本の裁判所において手続を進められる可能性が高くなります。
Q8保険業法193条は保険契約者にどんな意味がありますか?
紛争時に掴める相手が必ず国内に残るという意味です。支払い拒否に遭っても、国際訴訟を覚悟する前に国内の代表者へ請求するという選択肢が確保されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1外国相互会社って、普通の外国の保険会社と何が違うんですか?
相互会社は株主ではなく保険契約者自身が社員となる組織形態で、外国の法令に基づいて設立されたものが外国相互会社です。株式会社形態の外国保険会社とは組織原理が違うため、保険業法193条は会社法の外国会社規定(818条、819条)を読み替えて準用する形を取っています。実務のポイント:この読み替え構造のせいで、条文だけ読んでも義務の全体像がつかめません。実務では会社法の該当条文を横に並べて読むのが基本で、それをやっていない相手方の担当者は交渉で押し込める余地がある
Q2日本における代表者って、日本人じゃないとダメなんですか?
国籍要件ではありません。193条1項が求めるのは、代表者のうち一人以上が「日本に住所を有する者」であることです。外国籍でも日本に住所があれば要件を満たします。実務のポイント:この住所要件の実質的な狙いは、訴訟の送達先と行政の監督窓口を国内に固定することにあります。だから住所が形骸化していないか、実際に連絡がつくかが紛争時の勝負どころになる。契約前に代表者宛てに一度書面を送って反応を見ておくと、相手の本気度が測れる
間違えやすい点 AI による整理
- 「日本における代表者」は本社が送り込む名目上のポストだと思われがちだが、実際は登記事項であり、その者を通じて訴訟の送達も受けられる。一人以上が日本に住所を有することを義務づけているのは、まさに「国内に実体的な連絡先を確保する」ためだ。連絡がつかない、では済まされない構造になっている
- 外国相互会社は「相互会社だから株式会社より緩い規制」と誤解されやすい。だが2項が会社法の外国会社規定を準用し、読み替えて適用する構造を取っている以上、規制の骨格は外国会社と同じ土俵に乗る。緩いのではなく、相互会社という組織形態に合わせて条文を翻訳しているだけである
- あなたから見れば「海外の保険会社と契約した」だけだが、法律から見れば「日本で継続取引をする外国相互会社」という規制対象と契約したことになる。この落差が効いてくるのは支払い拒否のときだ。前者の認識でいると国際訴訟を覚悟して諦めるが、後者の認識なら日本の代表者を相手に日本で動ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 保険業法193条:日本で取引を継続する外国相互会社の組織要件 | 保険業法185条:日本で保険業を行う外国保険業者の免許 保険業法54条の6:相互会社の貸借対照表の公告 |
| 課される義務 | 日本における代表者の選任、うち一人以上は日本に住所を有すること | 内閣総理大臣の免許を受けること 決算に係る貸借対照表の公告を行うこと |
| 違反したときの効果 | 登記ができず、登記前の継続取引をした者は会社と連帯責任(会社法818条準用) | 無免許営業として行政処分・刑事罰の対象 公告の懈怠による過料の対象 |
| 契約者側の使いどころ | 国内の送達先・交渉窓口を特定できる | そもそも適法な事業者かを事前に確認できる 相手の財務状態を外部から確認できる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も外国公司に対し中華民国境内での訴訟・非訟代理人の指定を義務づけ、その者を境内における会社負責人とする。外国保険業の営業には主管機関の許可を要する点も日本の185条と並ぶ
韓国商法も外国会社が韓国で営業する際に代表者を定め、代表者のうち一人以上が韓国内に住所を有することを求める。日本法と条文構造が非常に近い
ドイツは第三国の保険会社に対し、国内に住所を持つ Hauptbevollmächtigter(総代理人)の選任を義務づける。監督当局との窓口を国内に固定する発想は本条と同じ
米国は連邦統一法ではなく州ごとの保険法で、alien insurer に州保険長官等を service of process の代理人として指定させる。代表者ではなく送達代理人を置かせる点で手法が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海外駐在から帰任した会社員が、現地で加入した相互会社形態の生命保険の給付を日本から請求したい。保険金支払いが渋られたとき、その保険会社が日本で継続取引をしているなら日本における代表者が存在し、日本語で、日本の裁判所で争える。まず金融庁の免許・登記情報でその代表者を特定するところから始まる
- もし、日本で登記していない外国相互会社の代理人があなたの会社に営業をかけてきて、契約後に本社が支払いを拒否したらどうなる? 会社法818条の準用により、登記前に継続取引をした者は本人と連帯責任を負う。営業してきた個人・法人そのものが債務者になる。「窓口は取次だけです」という言い逃れは通らない
- 外国相互会社の日本における代表者に選任された。名刺の肩書きが一つ増えただけと思っていたら、登記され、貸借対照表相当の公告義務(会社法819条準用)を負う立場になっている。公告を怠れば過料。あなたは飾りではなく、日本の法秩序に対する責任窓口だ
- M&A のデューデリジェンスで、対象会社が外国相互会社と再保険契約を結んでいるのが出てきた。契約書に相手方の日本における代表者の記載がない。登記の有無を法務局で確認するまで、あと3日。登記されていなければ、その契約の相手方は誰なのかという根本問題がクロージング前に浮上する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手の外国相互会社が日本で登記されているか法務局の登記事項証明書で確認、日本における代表者の氏名・住所を押さえる2. 登記があれば、その代表者を名宛人として内容証明郵便で請求、送達先が国内にあるため訴訟移行も日本で完結する3. 登記がない、または登記前の取引だった場合は、会社法818条準用により取引をした者に連帯責任を追及できるか検討4. 保険契約の内容自体に争いがあるなら、金融庁・保険業界の指定 ADR 機関への申立ても並行して検討する
訴えられた側:1. 日本における代表者として請求を受けたら、まず自分の登記上の地位と、問題の取引が登記の前か後かを確認する2. 登記後の取引であれば会社が責任主体、個人の連帯責任は原則生じない旨を明確に主張3. 公告義務違反を指摘されている場合は、直ちに公告を実施して是正、継続的な違反状態を断つ4. 本社の法務部門と日本の弁護士を早期に接続、本国の判断待ちで国内の期限を徒過しないよう社内の意思決定ルートを先に確保する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。保険給付請求権は保険法95条により3年(保険料返還請求権も3年)。会社法818条準用に基づく取引相手方への責任追及は、一般の債権として民法166条(知った時から5年、権利行使可能時から10年)による。登記義務・公告義務の懈怠は、履行するまで違反状態が継続する
学説
通説(準用構造の読み方):193条2項は会社法の外国会社規定を相互会社向けに読み替えて準用する構造であり、規制が緩和されているのではなく、組織形態の差を吸収するための翻訳規定と理解されている。義務の全体像は会社法818条・819条と併読して初めて確定する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正により制定。外国保険業者に関する規律の一環として、外国相互会社に日本における代表者の選任と国内住所要件を課す規定が置かれた
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備により、準用先が旧商法の外国会社規定から会社法818条・819条へ改められ、読み替え先も保険業法54条の6第2項・217条1項1号に整理された
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