保険業法 第193条の2(顧客の利益の保護のための体制整備)
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- 外国保険会社等は、当該外国保険会社等、当該外国保険会社等を所属保険会社等とする兼業特定保険募集人(第百条の二の二第二項に規定する兼業特定保険募集人をいう。以下この項において同じ。)又は当該外国保険会社等の親金融機関等若しくは子金融機関等が行う取引に伴い、当該外国保険会社等、当該兼業特定保険募集人又は当該子金融機関等が行う保険関連業務に係る顧客(当該兼業特定保険募集人にあっては、当該外国保険会社等から委託を受けた業務に係る顧客に限る。)の利益が不当に害されることのないよう、内閣府令で定めるところにより、当該保険関連業務に関する情報を適正に管理し、かつ、当該保険関連業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備その他必要な措置を講じなければならない。
- 2.前項の「親金融機関等」とは、外国保険会社等の総株主等の議決権の過半数を保有している者その他の当該外国保険会社等と密接な関係を有する者として政令で定める者のうち、保険会社、銀行、金融商品取引業者その他政令で定める金融業を行う者をいう。
- 3.第一項の「子金融機関等」とは、外国保険会社等が総株主等の議決権の過半数を保有している者その他の当該外国保険会社等と密接な関係を有する者として政令で定める者のうち、保険会社、銀行、金融商品取引業者その他政令で定める金融業を行う者をいう。
この条文の基本情報
顧客の利益の保護のための体制整備とは何ですか?
定義顧客の利益の保護のための体制整備とは、保険業法第193条の2に定められた規定で、「外国保険会社等は、当該外国保険会社等、当該外国保険会社等を所属保険会社等とする兼業特定保険募集人(第百条の二の二第二項に規定する兼業特定保険募集人をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第193条の2(顧客の利益の保護のための体制整備)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第193条の2の条文原文は「外国保険会社等は、当該外国保険会社等、当該外国保険会社等を所属保険会社等とする兼業特定保険募集人(第百条の二の二第二項に規定する兼業特定保険募集人をいう。」で始まります。
- 保険業法第193条の2は第二節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第193条の2の前の条は保険業法第193条です。
- 保険業法第193条の2の次の条は保険業法第194条です。
- 保険業法第193条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第193条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第193条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/193_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法193条の2は、外国保険会社等に対し、グループ内の取引で顧客の利益が不当に害されないよう、情報の適正管理と業務監視の体制整備を義務づける規定である。
Q · 銀行の窓口で外資系の保険を勧められたら、法律上どう扱われるの?
利益相反の管理対象です。会社側に体制整備義務があります
保険業法193条の2は、外国保険会社等に対し、自社や兼業特定保険募集人(銀行等の代理店)、親金融機関等・子金融機関等の取引に伴って顧客の利益が不当に害されないよう、情報の適正管理と業務実施状況の監視体制を整備する義務を課しています。ポイントは「不当に害されることのないよう」という文言で、実際に損害が生じたかどうかを問わず、体制そのものが行政上の検証対象になる点です。顧客側は損害の立証に入る前に、公表されている利益相反管理方針との食い違いを指摘する道があります。
解説
外資系の保険会社が日本で商売をするとき、単体で動いているとは限らない。同じグループに銀行があり、証券会社があり、その銀行はあなたの預金残高も住宅ローンの返済状況も握っている。193条の2が名指しで規制しているのは、まさにその構造だ。外国保険会社等は、自分自身だけでなく、自分を所属保険会社等とする兼業特定保険募集人(銀行のように他の本業と兼ねて保険を売る代理店)や、親金融機関等・子金融機関等が行う取引によって顧客の利益が不当に害されないよう、情報を適正に管理し、実施状況を監視する体制を整えなければならない。効いてくるのは「不当に害されることのないよう」という文言である。実際に損害が出たかではなく、体制そのものが問われる。つまりあなたが被害を立証しきる前に、会社側には整備義務違反という別の土俵がすでに用意されている。
法的な位置づけ
保険業法193条の2は、外国保険会社等の利益相反管理体制に関する規定である。外国保険会社等、その兼業特定保険募集人、親金融機関等または子金融機関等が行う取引に伴い、保険関連業務に係る顧客の利益が不当に害されることのないよう、内閣府令の定めるところにより情報の適正管理と業務実施状況の監視体制の整備その他必要な措置を講ずべき義務を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.勧誘の場と相手が知っていた情報を記録する いつ、どこで、誰が同席し、相手が自分のどの情報(融資審査の状況、口座残高、家族構成など)を前提に話していたかを日時つきでメモに残す。この記録が情報管理体制の実態を問う出発点になる
- 2.保険会社と勧誘した金融機関のグループ関係を確認する 保険会社の会社概要・有価証券報告書・グループ体制図から、勧誘した銀行等が親金融機関等または子金融機関等に該当するか(議決権の過半数保有など密接な関係があるか)を確認する
- 3.公表されている利益相反管理方針の概要と突き合わせる 各社サイトに公表されている「利益相反管理方針の概要」を印刷し、実際の勧誘と食い違う箇所(情報遮断、対象取引の特定、担当者の分離など)に線を引く
- 4.本部のコンプライアンス窓口へ書面で申し入れる 担当者個人ではなく本部のコンプライアンス部門宛に、保険業法193条の2の体制整備義務を明示した書面を出す。窓口対応から社内記録が残る扱いに切り替わる
- 5.解決しなければ指定紛争解決機関へ申し立てる 社内対応で解決しない場合、生命保険協会・そんぽ ADR センター等の指定紛争解決機関へ申立てを行う。並行して損害賠償請求権および取消権の時効・除斥期間を確認する
よくある質問 AI による整理
Q1利益相反管理体制とは何ですか?
金融グループ内の取引で顧客の利益が不当に害されないよう、対象取引を特定し、情報を遮断・管理し、実施状況を監視する社内の仕組みです。保険業法193条の2が外国保険会社等に義務づけています。
Q2兼業特定保険募集人とはどういう意味ですか?
保険募集を本業以外の事業と兼ねて行う特定保険募集人で、銀行等の代理店が典型です。保険業法100条の2の2第2項に定義があり、193条の2がこれを明示的に引用しています。
Q3親金融機関等・子金融機関等の範囲はどう決まりますか?
総株主等の議決権の過半数を保有する者など、政令で定める密接関係者のうち、保険会社・銀行・金融商品取引業者等の金融業を行う者に限られます(同条2項・3項)。
Q4利益相反管理方針はどこで確認できますか?
各社サイトの会社情報やコンプライアンス欄に「利益相反管理方針の概要」として公表されています。公表されるのは概要のみで、対象取引の具体的類型や管理手法は非公表です。
Q5体制整備義務に違反したらどうなりますか?
顧客に損害が生じていなくても、行政上の是正対象になります。報告徴求や業務改善命令の対象となり、処分の公表文は当局サイトに残り続けます。
Q6外国保険会社等にも日本と同じ規制がかかりますか?
かかります。193条の2は、国内保険会社に課される利益相反管理の規律を、日本に拠点を置く外国保険会社等にも同趣旨で課す条文です。
Q7銀行で勧められた保険で損をした場合、何を調べればいいですか?
まず保険会社と勧誘した金融機関が同一グループ(親金融機関等・子金融機関等)かを確認し、次に公表されている利益相反管理方針と実際の勧誘の食い違いを洗い出します。
Q8本条違反だけで損害賠償を請求できますか?
できません。本条は行政上の義務です。ただし体制不備は説明義務違反や適合性原則違反を基礎づける事情として、民法709条等の請求と組み合わせて使えます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1銀行で保険を勧められただけで、そんな大げさな話になるんですか?
なります。193条の2は「取引に伴い顧客の利益が不当に害されることのないよう」体制を整備せよと定めており、融資と保険募集が同一グループ内で並行する場面はその中心例です。実務のポイント:多くの金融機関は利益相反管理方針の概要をサイトに公表しています。苦情の場でその文言を引用すると、対応部署が窓口から本部に切り替わることが多い
Q2利益相反管理方針って、どこで見られるんですか?
各社サイトの会社情報やコンプライアンス欄に「利益相反管理方針の概要」として掲載されています。本条第1項が内閣府令に細目を委ねているためです。実務のポイント:公表されるのは概要だけで、対象取引の具体的類型や管理手法は非公表。だからこそ「概要のこの記載と実際の勧誘が違う」という指摘は、会社側が社内で確認せざるを得ない性質の質問になる
Q3体制が不備だったら、私は損害賠償をもらえるんですか?
本条違反が直ちに賠償請求権を生むわけではありません。行政上の義務だからです。ただし体制不備は説明義務違反や適合性原則違反を基礎づける事情として使え、民法709条や金融サービス提供法上の賠償規定と組み合わせます。実務のポイント:行政処分の公表文は監督当局のサイトに残り続けるため、同種処分歴のある相手との交渉では引用するだけで温度が変わる
Q4外国保険会社等の日本拠点は、本国のグループ方針をそのまま使ってはいけないんですか?
そのままでは足りません。第2項・第3項の親金融機関等・子金融機関等は日本の政令が画する範囲であり、本国の conflicts policy とは対象範囲がずれます。実務のポイント:検査で最初に見られるのは方針の立派さではなく、対象取引の特定記録とモニタリング結果の日付。方針だけ整い記録が薄い拠点が、最も指摘を受けやすい
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「銀行員が親身に勧めてくれた提案」だが、法律から見れば「親金融機関等の取引に伴い顧客の利益が害されうる場面」として最初から管理対象に指定されている。この落差に気付かないまま、人は自分の意思で選んだと信じ込む
- 利益相反という言葉自体は広く知られているが、本条が求めているのが「起きた後の賠償」ではなく「起きる前の体制」だという点は見落とされやすい。深刻なのは、体制不備が損害の有無と無関係に行政上の是正対象になることで、顧客が黙っていても会社側の危険は消えない
- 「外資系だから日本の規制は緩いのでは」という問いの立て方自体が的を外している。193条の2は国内保険会社に課される規律を、日本に拠点を置く外国保険会社等にも同趣旨で課す条文である。問うべきは緩いか厳しいかではなく、日本の拠点に監視の実体が本当にあるかどうかだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 名宛人 | 保険業法193条の2:外国保険会社等(日本拠点) | 保険業法100条の2の3:国内保険会社(同旨の体制整備義務) 銀行法13条の3の2:銀行およびそのグループ |
| 規律の対象 | 自社・兼業特定保険募集人・親金融機関等・子金融機関等の取引に伴う顧客利益 | 自社・兼業特定保険募集人・親銀行等・子銀行等の取引に伴う顧客利益 銀行・グループ会社の取引に伴う顧客利益 |
| 求められる措置 | 情報の適正管理+実施状況の監視体制の整備その他必要な措置(内閣府令に細目委任) | 同旨(内閣府令に細目委任) 同旨(内閣府令に細目委任) |
| 違反時の帰結 | 報告徴求・業務改善命令等の行政処分(外国保険会社等に対する監督規定) | 報告徴求・業務改善命令等の行政処分 報告徴求・業務改善命令等の行政処分 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も金融持株会社体制下での共同行銷における顧客情報利用を制限し、利益衝突防止の内部規範整備を求める。体制整備を主軸に置く点で日本と発想が近い
韓国は金融会社のガバナンス法制で利益相反管理体制を横断的に規律し、内部統制基準への組み込みを求める
ドイツは保険監督法の業務組織規定と証券法の利益相反規定が並立し、EU 指令(Solvency II・MiFID II・IDD)の国内実施として体制整備を要求する
米国は州保険法レベルで保険持株会社グループ内の関係会社間取引を事前届出・承認制で規律し、体制整備よりも個別取引の審査に重心がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 住宅ローンの本審査中に、同じ銀行の窓口で外資系生保の一時払終身保険を勧められたとしたら? 融資の可否を握る相手からの提案を、あなたは対等な立場で断れるか。この「断りにくさ」こそ193条の2が想定する利益相反の典型であり、融資情報と保険募集を遮断する体制が求められている場面である
- あなたが外国保険会社等の日本支店でコンプライアンスを担当している。本国の親銀行が日本の事業会社と大型融資交渉に入り、同じ時期に支店側がその会社へ企業保険を提案している。対象取引の特定が一件漏れただけで、後の検査では「体制が機能していない」と評価される。顧客に損害が出ていなくても、である
- 代理店の担当者が、あなたの口座の入出金を知っている前提で話しかけてきた。誰から聞いたのか。その情報の流れ自体が本条の情報管理の射程内にある
- 金融庁から報告徴求命令が届き、回答期限まであと2週間。利益相反管理方針の改定履歴、対象取引の特定記録、モニタリング結果、この三点が揃わない支店は業務改善命令のラインに乗る。今から作った記録は作成日時で見抜かれる
- 友人が「銀行で勧められた外貨建て保険で損をした」と相談してきた。あなたが最初に聞くべきは利回りではなく、その保険会社と銀行が同じグループかどうかだ。グループ内なら、公表されている利益相反管理方針の記載と実際の勧誘の食い違いを突く道が開く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 勧誘の場に誰がいたか、どの情報を相手が知っていたかを、日時つきでメモに残す2. その保険会社と勧誘した金融機関が同一グループか(親金融機関等・子金融機関等の関係か)を調べる3. 各社が公表している利益相反管理方針の概要を印刷し、実際の勧誘と食い違う箇所に線を引く4. 苦情は担当者ではなく本部のコンプライアンス窓口へ、本条の体制整備義務を明示して書面で出す5. 解決しなければ生命保険協会・そんぽADRセンター等の指定紛争解決機関へ申立て、並行して損害賠償の時効を確認する
訴えられた側:1. 方針の文言を磨く前に、対象取引の特定記録とモニタリング結果の日付を点検する。検査で最初に見られるのはそこだ2. 本国のグローバル conflicts policy をそのまま使わず、日本の政令が定める親金融機関等・子金融機関等の範囲に合わせて対象範囲を引き直す3. 兼業特定保険募集人(銀行等の代理店)については委託業務に係る顧客が範囲であることを確認し、委託契約と情報遮断の運用を突き合わせる4. 不備を自ら発見した場合は、事後の作り込みではなく発見時点の記録を残したうえで是正計画を提示する
時効(請求できる期限):本条の体制整備義務自体に時効はなく、行政上の是正を求める権限にも期間制限はない。あなたが金銭を取り戻す側で動くなら、不法行為構成は損害および加害者を知った時から3年・行為時から20年(民法724条)、契約責任構成は権利行使できると知った時から5年(民法166条)。誤認による契約の取消しを狙う場合、消費者契約法の取消権は追認できる時から1年・契約締結時から5年(同法7条1項)と最も短いので、違和感を覚えた日を起算点として最初に動くべきはここになる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
監督法上の通説的理解:本条は行為規制ではなく体制整備義務であり、違反が直ちに私法上の無効や損害賠償請求権を生むものではない。もっとも、体制不備は説明義務違反・適合性原則違反を基礎づける間接事実として民事責任論に接続しうると理解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成20年(2008年)金融商品取引法等改正 銀行・証券・保険間のファイアーウォール規制緩和と引き換えに、グループ内の利益相反を管理する体制整備義務が金融各業法へ導入された流れの中で、外国保険会社等にも同趣旨の規律が置かれた。兼業特定保険募集人を対象に取り込む文言は後年の改正によるものとみられ、改正年次および新設・改正の別は人的検証を要する
- 保険業法 第100条の2の2兼業特定保険募集人の定義元(本条が明示引用)
- 保険業法 第100条の2の3国内保険会社に対する同旨の体制整備義務(現行条番号を要確認)
- 保険業法 第193条外国保険会社等の業務運営に関する措置(現行効力を要確認)
- 保険業法 第185条外国保険業者の免許、本条の名宛人を画定
- 保険業法 第204条外国保険会社等に対する業務改善命令等の処分根拠(現行効力を要確認)
- 金融商品取引法 第36条証券側の利益相反管理体制、並行規定(現行項番号を要確認)
- 銀行法 第13条の3の2銀行側の利益相反管理体制、グループ横断の対応規定(現行効力を要確認)
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第6条説明義務違反時の賠償責任、民事救済の受け皿(通称 金融サービス提供法、現行効力を要確認)
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