保険業法 第196条(定款等の備付け及び閲覧等)
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- 外国保険会社等の日本における代表者は、定款若しくはこれに準ずる書類(外国相互会社にあっては、これらの書類及び日本における社員の名簿)又はこれらの電磁的記録を、日本における主たる店舗に備え置かなければならない。
- 2.外国保険会社等の日本における代表者は、前条に規定する書類又は電磁的記録を、同条の規定により提出した日の翌日から起算して五年を経過する日まで、内閣府令で定めるところにより、日本における主たる店舗に備え置かなければならない。
- 3.外国保険会社等の日本における代表者は、内閣府令で定めるところにより、日本における事業年度に係る毎決算期に次に掲げる書類及び附属明細書を作成し、その計算の基礎となった日本における事業年度終了の日の翌日から起算して五年を経過する日まで、日本における主たる店舗に備え置かなければならない。
- 一日本における保険業の貸借対照表
- 二日本における保険業の損益計算書
- 三日本における保険業の事業報告
- 4.前項の書類は、電磁的記録をもって作成することができる。
- 5.外国保険会社等の保険契約者、保険金額を受け取るべき者その他の債権者及び被保険者は、外国保険会社等の業務を行うべき時間内は、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該外国保険会社等の定めた費用を支払わなければならない。
- 一第一項から第三項までの書類が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
- 二前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
- 三第一項から第三項までの書類が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
- 四前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって外国保険会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
この条文の基本情報
定款等の備付け及び閲覧等とは何ですか?
定義定款等の備付け及び閲覧等とは、保険業法第196条に定められた規定で、「外国保険会社等の日本における代表者は、定款若しくはこれに準ずる書類(外国相互会社にあっては、これらの書類及び日本における社員の名簿)又はこれらの電磁的記録を、日…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第196条(定款等の備付け及び閲覧等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第196条の条文原文は「外国保険会社等の日本における代表者は、定款若しくはこれに準ずる書類(外国相互会社にあっては、これらの書類及び日本における社員の名簿)又はこれらの電磁的記録を、日…」で始まります。
- 保険業法第196条は第二節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第196条の前の条は保険業法第195条です。
- 保険業法第196条の次の条は保険業法第197条です。
- 保険業法第196条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第196条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第196条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/196
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法196条は、外国保険会社等に日本における主たる店舗での書類備置きを義務付け、保険契約者や被保険者に閲覧請求権を認める。謄本交付は費用が必要。
Q · 外資系の保険会社の決算書を、契約者が見せてくれと言うことはできますか?
請求できる。閲覧だけなら条文上は費用も不要
保険業法196条5項により、外国保険会社等の保険契約者、保険金額を受け取るべき者その他の債権者及び被保険者は、業務を行うべき時間内に、日本における主たる店舗で書類の閲覧を請求できます。対象は定款等、第195条により提出した書類、日本における保険業の貸借対照表・損益計算書・事業報告です。ただし費用の支払いが必要なのは同項但書が指定する第2号(謄本・抄本の交付)と第4号(電磁的方法による提供等)であり、第1号・第3号の閲覧そのものは費用の対象として規定されていません。
解説
外資系の保険会社と契約している人は、実はほとんど気付いていない権限を一つ持っている。日本支店の主たる店舗に出向いて、その会社の日本事業の貸借対照表・損益計算書・事業報告を「見せてください」と請求する権利である。保険業法196条5項は、保険契約者、保険金受取人、その他の債権者、そして被保険者に対して、閲覧請求権と謄本・抄本の交付請求権を与えている。株主でもないのに、経営数値の開示を求められる。これは保険という商品の特殊性から来る。あなたが払った保険料の対価は「30年後に確実に支払われる約束」であり、その約束が履行されるかどうかは、その会社の日本での財務健全性に完全に依存している。しかも本条3項は、これらの書類を決算期の翌日から5年間備え置くよう義務付ける。5年分をさかのぼって並べれば、その会社の日本事業が伸びているのか、静かに撤退準備をしているのかが見える。ただし請求できるのは日本における保険業の計算書類であって、本国本社の連結決算ではない。この線引きが、この権利の限界でもある
法的な位置づけ
保険業法196条は、外国保険会社等の日本における代表者に課される書類備置義務と、利害関係者の閲覧請求権を定める規定である。備置対象は定款等、第195条の提出書類、日本における保険業の計算書類であり、備置期間は原則として5年、備置場所は日本における主たる店舗に限定される。
手順
- 1.契約先が外国保険会社等かを確認する 保険証券と約款で、契約先が外国保険会社等(外国の法令に準拠して設立され日本で免許を受けた事業者)か、日本法人形態の保険会社かを確認する。日本法人であれば本条ではなく別の開示規律が適用される
- 2.日本における主たる店舗を特定し、請求の類型を決める 備置場所は日本における主たる店舗である。あわせて5項のどの号で請求するかを決める。第1号(書面の閲覧)・第3号(電磁的記録の表示の閲覧)は条文上費用の対象ではなく、第2号(謄本・抄本の交付)・第4号(電磁的方法による提供等)は費用が必要となる
- 3.請求権者であることを疎明できる資料を準備する 保険契約者、保険金額を受け取るべき者その他の債権者、被保険者のいずれに該当するかを示す資料を揃える。保険証券、本人確認書類、団体保険なら被保険者であることが分かる加入者票等を用意し、事前に来店予約を入れる
- 4.根拠条文を明記した書面で請求する 保険業法196条5項および該当する号数を明記した書面で請求する。業務を行うべき時間内に行う必要がある。口頭のみの請求は経緯が残らず、後日の検証に使えない
- 5.5年分を通して推移で読む 3項の計算書類は5年間備え置かれている。1期分だけを見て帰るのではなく、日本における保険業の貸借対照表・損益計算書・事業報告を5期分並べ、単年度の変動か継続的な方向性かを判別する
よくある質問 AI による整理
Q1外国保険会社等とは何ですか?
外国の法令に準拠して設立され、日本で保険業の免許を受けて営業する事業者を指します。日本法人形態の外資系保険会社とは区別され、本条の備置義務は日本における代表者が負います。
Q2保険業法196条の備置期間はいつまでですか?
2項の書類は提出した日の翌日から起算して5年、3項の計算書類は計算の基礎となった日本における事業年度終了の日の翌日から起算して5年です。起算点が異なります。
Q3保険会社の決算書は誰でも見られますか?
本条の閲覧請求権者は、保険契約者、保険金額を受け取るべき者その他の債権者、被保険者に限られます。無関係な第三者は5項に基づく請求はできません。
Q4閲覧請求はどこでできますか?
日本における主たる店舗です。1項から3項の書類はそこに備え置くことが義務付けられており、支店窓口一般で当然に閲覧できるわけではありません。
Q5電磁的記録で作成された書類も閲覧できますか?
できます。5項3号により、電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧を請求できます。4項は電磁的記録での作成を認めています。
Q6保険業法196条は日本の保険会社にも適用されますか?
適用されません。本条は外国保険会社等に関する規定です。国内の保険会社については同法111条の業務報告書等の縦覧制度など、別の開示規律が働きます。
Q7閲覧できる書類の種類は何ですか?
1項の定款等(外国相互会社は日本における社員の名簿を含む)、2項の第195条により提出した書類、3項の日本における保険業の貸借対照表・損益計算書・事業報告と附属明細書です。
Q8本国の親会社の財務は閲覧できますか?
できません。3項が備置を義務付けるのは日本における保険業の計算書類であり、本国本社の連結決算は対象外です。本国の開示制度を別途確認する必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1外資系の保険に入っているんですが、本社の決算書も見せてもらえるんですか?
見られない。196条3項が備置を義務付けるのは「日本における保険業」の貸借対照表・損益計算書・事業報告であり、本国本社の財務諸表ではない。日本支店が黒字でも本社が傾いていれば影響は及ぶ。実務のポイント:本国本社の状況は、その保険会社が本国で上場していれば本国の開示制度で取れることが多い。日本の閲覧権と本国の開示情報を突き合わせるのが、実務でリスク評価をする人の標準的な手順である
Q2被保険者ってだけで見せろと言えるんですか。保険料は会社が払っているんですが
言える。196条5項は請求権者として「保険契約者、保険金額を受け取るべき者その他の債権者及び被保険者」を並列で規定しており、保険料の負担者かどうかは要件になっていない。実務のポイント:団体保険の被保険者が個人で閲覧請求をしてくる想定を、保険会社側の窓口は持っていないことが多い。条文の号数まで示して請求すると手続がスムーズに進む
Q3見せてくれと言ったのに断られたら、どうすればいいんですか?
196条5項は請求権者の請求に応じる義務を定めており、正当な理由のない拒否は法令違反となる。金融庁への情報提供のほか、保険業法上の監督権限の発動を求める道がある。実務のポイント:いきなり当局に持ち込む前に、請求の根拠条文(保険業法196条5項各号)を明記した書面で再請求するだけで、現場判断の誤りであれば大抵は解決する。書面に残すこと自体が、後で当局に説明する際の資料にもなる
Q4閲覧って、行くだけでお金を取られるんですか?
条文上、費用の支払いが必要なのは5項但書が指定する第2号(書面の謄本・抄本の交付)と第4号(電磁的方法による提供またはその事項を記載した書面の交付)に限られる。第1号と第3号の閲覧そのものは費用の対象として規定されていない。実務のポイント:現場では「一律に手数料をいただきます」と案内されることがあるが、条文の建て付けは請求の類型で分かれている。何を請求するのかを最初に特定して伝えるかどうかで、実際の負担が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「財務諸表を見られるのは株主だけ」という前提そのものが、保険の世界では通用しない。会社法の計算書類閲覧権は株主・債権者の制度だが、保険業法196条5項は保険契約者と被保険者にまで請求権者を広げている。被保険者は契約当事者ですらないのに、閲覧できる。保険という商品が、契約者の一生分の生活設計を預かるものだからだ
- 備置義務があることは知っていても、その期間の意味を軽く見ている人が多い。3項は5年間の備置を義務付ける。この5年という数字は、単年度の数字では会社の方向性が読めないという前提に立っている。1年分の赤字は事故かもしれないが、5年分の推移は戦略である。閲覧に行くなら1期分だけ見て帰るのは、権利を半分しか使っていない
- 「閲覧請求にはお金がかかるから面倒」と思われがちだが、条文を正確に読むと違う。5項但書が費用を要求しているのは第2号(書面の謄本・抄本の交付)と第4号(電磁的方法による提供またはその事項を記載した書面の交付)だけ。第1号の書面閲覧と第3号の電磁的記録の表示閲覧は、費用の対象外である。現地に行って見るだけなら、会社が定めた費用の支払いは条文上は要らない
- あなたから見れば「保険会社の財務なんて金融庁が監督しているのだから、個人が見る必要はない」と感じる。だが法律から見れば、監督当局のチェックと契約者自身のチェックは別のレイヤーとして設計されている。監督は公益のため、閲覧権は個々の契約者が自分の資産防衛のために動くための手段である。この落差を放置すると、行政が動く頃には既に契約条件の変更や移転が終わっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用対象 | 保険業法196条:外国保険会社等(日本における代表者が義務を負う) | 保険業法111条:国内の保険会社 会社法442条:株式会社一般 |
| 請求権者 | 保険契約者、保険金額を受け取るべき者その他の債権者、被保険者 | 業務報告書等の縦覧制度として広く公衆の閲覧に供される建て付け 株主および債権者(契約者・被保険者という属性では請求できない) |
| 対象書類 | 定款等、195条の提出書類、日本における保険業の貸借対照表・損益計算書・事業報告 | 業務および財産の状況に関する説明書類等 計算書類および附属明細書等 |
| 場所・期間 | 日本における主たる店舗、原則5年(起算点は項ごとに異なる) | 本店・支店等での縦覧 本店・支店での備置き |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では外国保険業の分公司規制は保険法と主管機関の管理弁法に置かれ、章程・簿冊の備置きと閲覧請求は公司法の一般制度が受け皿となる。請求権者を保険契約者・被保険者にまで広げる日本型の設計とは建て付けが異なる
韓国も外国保険会社の国内支店について書類の備置きと公示を義務付ける。具体的な条番号と備置期間は現行法の確認が必要
ドイツでは第三国保険会社の国内支店に対し監督当局への報告と公示が課される。EU 域内会社は単一パスポート制により本国監督が原則となり、域外会社とで規律が二層化している点が日本と異なる
米国は州ごとの監督であり、alien insurer には州内での信託基金の積立てと年次報告の提出が課される。開示は州保険局経由が中心で、契約者個人が支店で直接閲覧請求する日本型の制度とは経路が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 外資系生保の終身保険に加入して8年目。担当営業が三人立て続けに替わり、支店の統廃合の噂も聞こえてきた。この会社、日本から撤退するのではないか。あなたには196条5項に基づいて日本における損益計算書の閲覧を請求する権利がある。5年分並べて赤字幅が拡大していれば、契約継続か払済保険への変更かを判断する材料になる
- 外資系損保に多額の企業向け保険を掛けている中小企業の経理担当者。あなたは保険契約者として、この条文の閲覧請求権者に該当する。取引先の与信管理と同じ手続で、保険会社の日本事業の財務も確認できることを、多くの経理担当者は知らない
- 支払われるはずの保険金が支払われず、あなたは今「債権者」の立場にある。196条5項の請求権者には「保険金額を受け取るべき者その他の債権者」が明記されている。交渉や訴訟の準備段階で、相手方の日本における財務状況を正式ルートで入手できる
- もし、外資系保険会社が日本市場から撤退を発表したとしたら? 契約は包括移転されるのが通常だが、移転先が決まるまでの間、あなたは自分の契約の裏付けとなる財務基盤を確認したくなる。ただし閲覧できるのは日本における保険業の計算書類のみ。本国本社が傾いていても、日本支店の帳簿だけでは見えない場合がある
- 友人から「外資系の保険って大丈夫なの」と相談された。あなたは、日本における主たる店舗に備え置き義務があること、契約者本人なら閲覧請求できること、費用がかかるのは謄本交付と電磁的方法での提供の場合だけで閲覧自体は無料であることを、その場で説明できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保険証券で契約先が外国保険会社等(外国の保険会社の日本支店等)かを確認、日本法人形態なら本条ではなく会社法・保険業法の別条の適用になる2. 日本における主たる店舗の所在地を特定、閲覧は原則そこで行う3. 事前に電話で来店予約と請求権者であることの疎明資料(保険証券、本人確認書類)を確認4. 閲覧するのは1項の定款等、2項の195条提出書類、3項の日本における貸借対照表・損益計算書・事業報告。5年分を通して推移で見る5. 謄本・抄本が必要なら費用が発生する(5項但書)、閲覧のみなら条文上は費用の対象外
訴えられた側:1. 外国保険会社等の日本における代表者は、1項から3項の書類を日本における主たる店舗に備え置く義務を負う、備置場所の分散は義務違反のリスク2. 3項の計算書類は決算期ごとに内閣府令の定めるところにより作成、備置期間は事業年度終了日の翌日から5年、2項の書類は提出日の翌日から5年で起算点が異なる点に注意3. 電磁的記録での作成・備置は4項で認められるが、5項3号の表示方法は内閣府令の定めに従う必要がある4. 請求者が請求権者(保険契約者、保険金受取人その他の債権者、被保険者)に該当するかの確認手続を社内規程化しておく、過度な確認要求は閲覧拒否と評価されうる
時効(請求できる期限):備置期間は、2項が195条により提出した日の翌日から5年、3項が計算の基礎となった日本における事業年度終了の日の翌日から5年。この期間を過ぎると閲覧の対象が失われるため、5年より古い期の資料を求めても応じられない。閲覧請求そのものに特定の時効はないが、備置期間が事実上の期限として機能する
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正(平成七年法律第百五号)により、外国保険会社等に関する章の一部として本条が設けられ、日本における主たる店舗での書類備置義務と利害関係者の閲覧請求権が規定された
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