保険業法 第247条の4(被管理会社の経営者の破綻の責任を明確にするための措置)
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- 保険管理人は、被管理会社の取締役、執行役、会計参与、監査役若しくは会計監査人又はこれらの者であった者の職務上の義務違反に基づく民事上の責任を履行させるため、訴えの提起その他の必要な措置をとらなければならない。
- 2.保険管理人は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発に向けて所要の措置をとらなければならない。
この条文の基本情報
被管理会社の経営者の破綻の責任を明確にするための措置とは何ですか?
定義被管理会社の経営者の破綻の責任を明確にするための措置とは、保険業法第247条の4に定められた規定で、「保険管理人は、被管理会社の取締役、執行役、会計参与、監査役若しくは会計監査人又はこれらの者であった者の職務上の義務違反に基づく民事上の責任を履行させるため、訴え…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第247条の4(被管理会社の経営者の破綻の責任を明確にするための措置)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第247条の4の条文原文は「保険管理人は、被管理会社の取締役、執行役、会計参与、監査役若しくは会計監査人又はこれらの者であった者の職務上の義務違反に基づく民事上の責任を履行させるため、訴え…」で始まります。
- 保険業法第247条の4は第二款に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第247条の4の前の条は保険業法第247条の3です。
- 保険業法第247条の4の次の条は保険業法第247条の5です。
- 保険業法第247条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第247条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第247条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/247_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法247条の4は、保険管理人に被管理会社の役員および元役員の職務上の義務違反に基づく民事責任を追及する措置を義務づけ、犯罪を思料するときは告発に向けた措置も求める規定である。
Q · 保険会社が破綻したら、潰した役員の責任は誰が追いかけるの?
保険管理人が法律上の義務として追及する
保険業法247条の4第1項により、保険管理人は被管理会社の取締役・執行役・会計参与・監査役・会計監査人および元役員の職務上の義務違反に基づく民事上の責任を履行させるため、訴えの提起その他の必要な措置をとらなければなりません。「できる」ではなく義務規定です。第2項では、職務遂行により犯罪があると思料するときは告発に向けた所要の措置も求められます。株主代表訴訟は会社が動かないときの補完装置で、破綻局面の第一次的な担い手は保険管理人です。
解説
保険会社が破綻して保険管理人が入ったとき、多くの契約者は「これで自分の保険がどうなるか」だけを心配する。だが本条が向いている先はそこではない。破綻させた側、つまり被管理会社の取締役・執行役・会計参与・監査役・会計監査人、そして既に辞めた元役員たちである。保険管理人は、彼らの職務上の義務違反に基づく民事上の責任を「履行させるため」に訴えの提起その他必要な措置をとらなければならない。ここは「できる」ではなく「なければならない」だ。裁量ではなく義務として書かれている。さらに2項は、職務遂行の過程で犯罪があると思料するときは告発に向けて所要の措置をとれと命じる。あなたが破綻保険会社の契約者・株主・従業員であるなら、責任追及は「誰かが気まぐれでやるかどうか」の話ではなく、法律上必ず検討されるべき工程として組み込まれている。その工程が動いたかどうかを問う立場に、あなたは立てる。
法的な位置づけ
保険業法247条の4は、保険管理人の責任追及義務を定める規定である。第1項は被管理会社の取締役・執行役・会計参与・監査役・会計監査人および元役員の職務上の義務違反に基づく民事責任の履行を求める措置を義務づけ、第2項は犯罪を思料する場合の告発に向けた所要の措置を義務づける。破綻処理における原因者清算の回路を構成する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.保険管理人の公表資料と調査体制を確認 保険管理人の公表資料、契約者集会の招集通知、金融庁の公表文を入手し、役員責任調査委員会が設置されているか、外部弁護士が委員に入っているかを確認する。委員名簿と報告書の公表範囲が本気度の指標になる
- 2.契約者集会で条番号を挙げて質問し議事録に残す 公開の場で「保険業法247条の4に基づく役員責任追及の検討状況」を名指しで質問する。個別問い合わせは一般論でかわされるが、記録が残る場での条番号入りの質問は検討経緯の説明を事実上強制する
- 3.自己固有の損害があれば会社法429条の直接請求を検討 虚偽の説明を受けて契約した等、会社の損害とは別の自己固有の損害があるなら、保険管理人による追及とは別に役員個人への直接請求を検討する。証拠となる勧誘資料・面談記録を保全する
- 4.元役員側は専属弁護士の選任と D&O 保険の事故通知 調査対象となった元役員は、会社側代理人が利益相反の立場にあることを踏まえ自分専属の弁護士を立てる。同時に D&O 保険証券を確認し事故通知を速やかに行う。通知遅延は免責事由となり得る
- 5.在任中の意思決定記録を時系列で保全・再構成 取締役会議事録、稟議書、反対意見の記録、報告を受けた資料を保全する。任務懈怠の否認は「何を知り、何を提案したか」の記録で決まる。経営判断原則を主張するなら意思決定時点の情報量と手続の適正さを時系列化する
よくある質問 AI による整理
Q1保険管理人の責任追及義務とは何ですか?
保険業法247条の4第1項が定める義務です。被管理会社の役員・元役員の職務上の義務違反による民事責任を履行させるため、訴えの提起その他必要な措置をとらなければなりません。
Q2保険会社が破綻したら元役員は訴えられますか?
条文が「これらの者であった者」と明記しており、退任者も射程に入ります。保険管理人が追及主体となりますが、消滅時効の進行が実務上の制約になります。
Q3保険管理人はいつ選任されますか?
保険業法242条により、内閣総理大臣が業務および財産の管理を命ずる処分を行った場合に選任されます。以後、業務執行権と財産管理権が保険管理人に移ります。
Q4会計監査人も責任追及の対象になりますか?
247条の4第1項は会計監査人を明示的に列挙しています。外部の監査法人であっても、監査意見の妥当性が破綻後に追及対象となります。
Q5保険管理人の告発義務はどこまで及びますか?
第2項は「告発に向けて所要の措置をとらなければならない」と定めます。証拠整理や関係資料の保全といった準備行為までを含み、起訴判断は検察官が行います。
Q6役員責任追及と株主代表訴訟はどちらが優先ですか?
会社自身の請求権を行使する第一次的な担い手は保険管理人です。株主代表訴訟(会社法847条)は会社が動かない場合の補完装置として位置づけられます。
Q7役員の任務懈怠責任の時効は何年ですか?
会社に対する任務懈怠責任は債務不履行構成として、権利行使可能時から10年、行使できると知った時から5年(民法166条1項)が原則です。
Q8D&O 保険は破綻後の責任追及にも使えますか?
役員賠償責任保険に加入していれば防御費用や賠償金の原資になり得ます。ただし事故通知の遅延が免責事由となる場合があるため、調査着手段階での通知が重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険管理人って、結局は国が送り込んだ人ですよね? 旧経営陣に本気で切り込むんですか?
保険管理人は内閣総理大臣が選任し(保険業法242条)、業務執行と財産管理の権限を持つ。247条の4が「措置をとらなければならない」と義務形で書かれているのは、まさに追及が甘くなる懸念への立法的な手当てである。実務のポイント:実務上、責任追及は外部の弁護士による調査委員会に委ねられることが多い。その委員名簿と報告書の公表範囲を見れば、本気度はかなり読める
Q2退任してから何年も経った元役員まで訴えられるものなんですか?
条文が「これらの者であった者」と明記しており、退任は責任からの離脱を意味しない。ただし消滅時効(民法166条)は進行するため、実務上は時効との競走になる。実務のポイント:破綻直前に駆け込みで退任する例があるが、退任時期が遅いほど責任の射程に入りやすい一方、破綻の何年も前に辞めた者は因果関係の立証が難しくなる。追及される側から見れば「いつ辞めたか」が最初の防御線になる
Q3告発って、保険管理人が刑事事件にできるということですか?
告発は捜査の端緒に過ぎず、起訴するかどうかを決めるのは検察官である。2項は「告発に向けて所要の措置をとらなければならない」と定めており、証拠の整理や関係資料の保全を含む準備行為までを射程に入れている。実務のポイント:告発が受理されても不起訴になる例は珍しくない。ただし刑事の捜査記録は後の民事訴訟で有力な証拠源になるため、民事の勝ち筋を作るために刑事を先行させる戦略が取られることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険管理人は契約者を守るために入る人」という理解は間違ってはいないが、半分しか見ていない。保険管理人は被管理会社の業務執行権と財産管理権を引き継ぐ立場であり、会社の請求権を行使する主体でもある。つまりあなたを守る側であると同時に、旧経営陣を訴える側でもある。この二面性を知らないと、説明会で何を質問すべきか分からない
- 役員責任の追及は「株主が株主代表訴訟でやるもの」という前提で考える人が多いが、破綻局面ではその問いの立て方自体がずれている。保険管理人が選任されている以上、会社自身の請求権を行使する第一次的な担い手は保険管理人であり、法律上の義務を負っているのも保険管理人だ。株主代表訴訟は、会社が動かないときの補完装置に過ぎない
- 「刑事告発は捜査機関が勝手にやること」と思われているが、本条2項は保険管理人側に告発に向けた措置をとる義務を課している。破綻会社の内部資料にアクセスできるのは保険管理人であり、捜査の端緒を作れる位置にいるのも保険管理人である。あなたから見れば「捜査機関の仕事」だが、法律から見れば「保険管理人の職務」。この落差が、責任追及が動かないまま風化する原因になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 保険業法247条の4:責任追及・告発措置の義務 | 保険業法242条:保険管理人による管理を命ずる処分 保険業法246条:保険管理人の権限と善管注意義務 |
| 義務の性質 | 「措置をとらなければならない」=裁量なき義務 | 内閣総理大臣の行政処分権限(要件裁量あり) 保険管理人の職務遂行上の一般的注意義務 |
| 対象者 | 取締役・執行役・会計参与・監査役・会計監査人および元役員 | 被管理会社そのもの 保険管理人自身 |
| 違反時の帰結 | 追及不履行は保険管理人の職務上の問題として問われ得る | 処分の適法性が行政訴訟で争われ得る 保険管理人の善管注意義務違反として責任が生じ得る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関が接管人を選任し、接管人が会社の権利を行使する構造。負責人の損害賠償責任追及は一般会社法理に依拠し、日本のような明文の追及義務規定の形は異なる
韓国も管理人制度と임원의 회사에 대한 책임(役員の対会社責任)の組合せで処理する。金融機関破綻では예금보험공사が責任追及の主体となる場面が多い
ドイツは BaFin が Sonderbeauftragter を選任する構造。役員責任は AktG 93条2項の一般規定で処理され、保険業法側に追及義務の明文を置く構成ではない
米国は州保険局長が receiver となり、会社の請求権として役員・取締役に対する訴訟を提起する。義務規定というより receiver の権限・信託義務として構成される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約していた生命保険会社が経営破綻し、保険金の削減を通知された。契約者としては泣き寝入りするしかないと思っていたが、旧経営陣の放漫運用が原因なら保険管理人が損害賠償訴訟を起こす法的義務を負っている。契約者説明会で「役員責任の追及状況はどうなっていますか」と質問する根拠が、この条文だ
- もし、あなたが破綻した保険会社の元取締役だったとしたら? 既に退任して別業界に移っていても「これらの者であった者」として明示的に射程に入る。退任が盾にならないことを、本条は条文の文言レベルで封じている
- 監査役として名前を貸しただけで、実質的な業務はしていなかった。取締役会にもほとんど出席していない。だが「何もしなかった」ことこそが監査役の任務懈怠として構成される。会社法423条の責任追及を、破綻局面では保険管理人が担い手として立つ
- 会計監査人として外部の監査法人が入っていた。監査法人は会社の外部者だが、本条は会計監査人を責任追及対象として明記している。監査意見の妥当性が、破綻後に逆照射される
- 破綻から時間が経っている。役員責任の消滅時効は権利行使可能時から原則10年(民法166条1項2号)だが、事案によって起算点の争いがある。残された期間の計算が、追及するかどうかの実務判断を左右する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 破綻会社の契約者・株主であれば、まず保険管理人の公表資料と契約者集会の資料を入手し、役員責任調査委員会の設置有無を確認する2. 説明会では条番号を挙げて責任追及の検討状況を質問し、議事録に残す3. 自分自身に固有の損害(虚偽の説明を受けて契約した等)があるなら、会社への請求とは別に会社法429条による役員個人への直接請求を検討する4. 集団での対応が成立しうる事案なら、弁護団の有無を弁護士会照会で確認する
訴えられた側:1. 元役員として調査対象になったら、単独で回答する前に自分専属の弁護士を立てる。会社側代理人は利益相反の立場にある2. D&O 保険の証券を確認し、事故通知を速やかに行う。通知遅延は免責事由になりうる3. 在任中の取締役会議事録・稟議書・反対意見の記録を保全する。任務懈怠の否認は「何を知り、何を提案したか」の記録で決まる4. 経営判断原則を主張するなら、意思決定時点の情報量と手続の適正さを時系列で再構成する
時効(請求できる期限):役員の会社に対する任務懈怠責任は債務不履行構成として、権利を行使することができる時から10年、行使できることを知った時から5年(民法166条1項)。会社法429条の第三者に対する責任は不法行為類似の性質を巡り解釈が分かれており、実務上、解釈が分かれている論点である。刑事については犯罪類型ごとの公訴時効が別途進行するため、告発の遅れがそのまま時効完成に直結する(最新の改正状況をご確認ください)
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