保険業法 第258条(合併等の手続の実施の命令)
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- 内閣総理大臣は、前条第一項の場合において同項の他の保険会社又は保険持株会社等があっせんに係る条件に同意したときは、同項のあっせんに係る破綻保険会社に対し、当該条件に従い合併等を実行するために必要な手続をとることを命ずることができる。
- 2.第二百四十五条の規定は、前項の場合(管理を命ずる処分を受けている場合を除く。)について準用する。この場合において、同条ただし書中「保険管理人」とあるのは、「当該破綻保険会社」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
合併等の手続の実施の命令とは何ですか?
定義合併等の手続の実施の命令とは、保険業法第258条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、前条第一項の場合において同項の他の保険会社又は保険持株会社等があっせんに係る条件に同意したときは、同項のあっせんに係る破綻保険会社に対し、当該条…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第258条(合併等の手続の実施の命令)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第258条の条文原文は「内閣総理大臣は、前条第一項の場合において同項の他の保険会社又は保険持株会社等があっせんに係る条件に同意したときは、同項のあっせんに係る破綻保険会社に対し、当該条…」で始まります。
- 保険業法第258条は第三節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第258条の前の条は保険業法第257条です。
- 保険業法第258条の次の条は保険業法第259条です。
- 保険業法第258条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第258条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第258条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/258
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法258条は、あっせん条件に受け皿保険会社が同意した場合、内閣総理大臣が破綻保険会社に合併等の実行手続を命じられると定める。245条準用で株主総会も代替される。
Q · 保険会社が破綻したら、国が「合併しろ」と命令できるんですか?
できる。受け皿が条件に同意した時点で命令権が発動する
保険業法258条1項により、257条のあっせんで示した条件に受け皿となる他の保険会社または保険持株会社等が同意した場合、内閣総理大臣は破綻保険会社に対し、その条件に従って合併等を実行するために必要な手続をとることを命じることができます。さらに第2項が245条を準用するため、管理を命ずる処分を受けている場合を除き、株主総会の決議に代わる裁判所の許可を得て手続を進める道が開かれます。契約者保護という公益のために、会社の自律的意思決定を後退させた特別規定です。
解説
保険会社が破綻したとき、契約者を救う手段は「他社への引き継ぎ」しかない。だが引き継ぐ側と破綻した側の交渉は、破綻会社の経営陣が保身に走った瞬間に止まる。保険業法258条は、その停滞を国が力づくで押し切る条文である。金融庁(内閣総理大臣)が257条であっせんした合併・事業譲渡の条件に、受け皿となる保険会社や保険持株会社等が同意した。この時点で、破綻保険会社側に拒否権はほぼ残らない。内閣総理大臣は破綻会社に対し、その条件どおりに合併等を実行する手続をとれと命令できる。しかも第2項が245条を準用することで、本来なら株主総会の特別決議が必要な場面でも、裁判所の代替許可という抜け道が開く。あなたが保険契約者なら、自分の契約が移る先と条件は、あなたの知らないところでこの命令一本によって確定していく。あなたが破綻会社の株主なら、あなたの議決権はこの瞬間に事実上無力化される。
法的な位置づけ
保険業法258条は合併等の実行命令を定める規定であり、内閣総理大臣によるあっせん(257条)の条件に受け皿側の保険会社または保険持株会社等が同意した場合に、破綻保険会社へ当該条件どおりの合併等の実行手続を命じる権限を規定する。第2項は245条を準用し、株主総会決議の代替許可を可能とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.あっせん段階で条件交渉のレバレッジを使い切る 受け皿候補の立場なら、257条のあっせん条件に同意する前に資産査定の前提、保険契約者保護機構の資金援助額、引継ぎ対象契約の範囲を確定させる。同意した瞬間に258条の命令権が発動し、条件は事実上固定される
- 2.命令書を受領したら範囲と期限を特定する 破綻保険会社側は「合併等を実行するために必要な手続」が具体的に何を指すか(取締役会決議、契約締結、公告、債権者保護手続等)を書面で確認し、命令書に記載された履行期限を最優先で押さえる
- 3.245条準用ルートの要否を判断する 管理を命ずる処分を受けているかを確認する。受けていなければ2項の準用により、株主総会決議に代わる裁判所の許可を申し立てる。受けている場合は準用対象外で、保険管理人が権限を持つ
- 4.保険契約移転の公告・異議申述手続を並行させる 合併等と並行して、保険契約の移転については135条以下の公告と契約者への異議申述機会を確保する。移転条件(予定利率引下げ等)の詳細資料を期間内に公表する
- 5.不服がある場合の争訟ルートを期限内に選ぶ 命令に不服なら、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内。執行停止申立てを同時に検討し、判断過程は取締役会議事録に残す
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法258条とは何ですか?
内閣総理大臣が破綻保険会社に対し、あっせん条件どおりの合併等を実行する手続を命じられる規定です。受け皿側の同意が発動の前提条件になります。
Q2合併等の実行命令はいつ出せますか?
257条1項のあっせんを受けた他の保険会社または保険持株会社等が、その条件に同意した時点です。同意がなければ命令権は発動しません。
Q3命令の相手方は誰ですか?
あっせんに係る破綻保険会社です。受け皿側は同意した当事者であり、命令の名宛人にはなりません。
Q4保険業法258条2項の読み替えとは何ですか?
245条ただし書の「保険管理人」を「当該破綻保険会社」と読み替えます。管理を命ずる処分を受けている場合は準用対象から除かれます。
Q5合併等の命令に従わないとどうなりますか?
監督上の行政処分の対象となり得るほか、取締役個人の任務懈怠責任(会社法423条、429条)を問われる材料にもなります。
Q6破綻保険会社とはどういう会社ですか?
保険業法上、保険金等の支払を停止するおそれがある等の状態にある保険会社を指します。定義規定と破綻処理章の各条文を併せて確認が必要です。
Q7合併等の命令に不服がある場合はどうしますか?
行政不服審査法による審査請求、または行政事件訴訟法による取消訴訟を検討します。執行停止が認められない限り手続は進行します。
Q8保険契約者は合併等の手続に関与できますか?
合併等自体への同意権はありませんが、保険契約の移転については135条以下で公告と異議申述の機会が別途用意されています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国が民間企業に「合併しろ」って命令できるんですか?
保険業に限っては可能である。258条1項は、257条のあっせん条件に相手方が同意した場合、内閣総理大臣が破綻保険会社に実行手続を命じられると定める。契約者保護という公益を理由に、私的自治を後退させた特別規定である。実務のポイント:この命令が実際に発動された例は極めて少ない。理由は、発動前の行政指導の段階で事実上決着するからだ。命令が表に出た時点で、水面下の交渉はすでに終わっている
Q2株主総会を飛ばせるって本当ですか?
第2項が準用する245条により、株主総会の決議に代わる裁判所の許可を得る道が開かれる。ただし管理を命ずる処分を受けている場合は除かれ、その場合は保険管理人が権限を持つ。準用時は「保険管理人」を「当該破綻保険会社」と読み替える。実務のポイント:この読み替え規定は、管理人が付いていない破綻会社を想定した条文である。つまり管理処分の有無で、誰が主体として動くかが完全に入れ替わる。手続書面の名義を間違えると、最初からやり直しになる
Q3契約者の同意はいらないんですか?
合併等の手続自体に個々の契約者の同意は要求されない。ただし保険契約の移転については、契約者に対する公告・異議申述の機会が別途135条以下で用意されており、一定割合以上の異議があれば移転できない仕組みがある。実務のポイント:この異議割合のハードルは実務上ほぼ越えられない。異議を出すこと自体より、異議申述期間中に公表される移転条件の詳細資料を読み込み、条件変更の合理性を検証する方が実益がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「破綻した保険会社でも、合併するかどうかは会社が決めるはずだ」という前提そのものが、この局面では成り立たない。あっせん条件に相手方が同意した時点で、破綻会社の選択権は行政命令の対象へと転化する。問うべきは「同意するか」ではなく「あっせんの条件設定段階で自社の主張をどこまで入れ込めたか」である
- 行政命令だから形式的なもので実害はない、と軽く見る向きがあるが、深刻度はそこではない。第2項が245条を準用することで、株主総会決議という会社法の中核手続が裁判所の許可で置き換わりうる。株主にとっては、議決権という財産的権利の行使機会そのものが失われる場面である
- 契約者から見れば「保険会社同士の話で自分は蚊帳の外」に見えるが、法律から見ればこの手続は契約者保護のために設計されている。移転される契約の条件変更、保険契約者保護機構(265条以下)の資金援助の有無、これらはすべてこの手続の中で決まる。蚊帳の外だと思って情報を追わなかった人が、結果として最も不利な条件を黙って受け入れることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 行政の関与の強さ | 258条:条件どおりの合併等実行を命令できる(強制) | 257条:あっせんを行う(調整・非強制) 256条:破綻会社側からあっせんを申し込む(申請) |
| 発動の前提条件 | 受け皿側があっせん条件に同意したこと | 破綻保険会社からの申込み等があること 合併等の相手方を見つけられない状況 |
| 名宛人 | あっせんに係る破綻保険会社 | 破綻保険会社と受け皿候補の双方(調整対象) 内閣総理大臣(申込みの受け手) |
| 株主総会決議の扱い | 2項が245条を準用、裁判所の許可で代替可能 | 通常どおり会社法の手続による 通常どおり会社法の手続による |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関(金融監督管理委員会)が保険業に対し監管・接管・合併命令等の処分を行える。行政による強制的な破綻処理という構造は日本と共通
韓国は契約移転(계약이전)を中心に不良保険会社を整理する。金融委員会の関与のもとで移転が進む点で日本のあっせん・命令と機能的に近い
ドイツは BaFin が支払不能のおそれがある保険会社に対し給付の引下げや処分禁止等の措置を取る。合併の実行を直接命じる構成ではなく、監督措置型
米国は州保険監督官が receiver となり rehabilitation / liquidation を裁判所の監督下で進める。行政命令ではなく管財型のため、主体構造が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約していた中堅生保の破綻報道が出た。半年後、契約は別の生保に移り、予定利率は引き下げられていた。誰が決めたのか。あっせん(257条)で条件が固まり、258条の命令で手続が走り、あなたは結果だけを通知で受け取った。この流れを知っているかどうかで、契約条件変更に異議を述べる窓口と期限の探し方が変わる
- あなたが破綻保険会社の少数株主だとしたら? 株主総会で合併に反対票を投じる準備をしていても、245条準用によって裁判所の許可で決議が代替されうる。総会当日に会場で反対を叫ぶ戦略は、そもそも総会が開かれない可能性の前で無意味になる
- 受け皿側の保険会社の経営企画にいる。あっせん条件に同意する稟議書にハンコを押す直前、この同意が持つ意味を確認しておきたい。同意した瞬間、相手方に対する国の実行命令のスイッチが入る。条件交渉のレバレッジが残っているのは、同意する前の一瞬だけである
- 破綻会社の取締役として、命令を受けた。従わなければどうなるか。あと数日で回答期限が来る。命令違反は行政処分の対象となり、さらに経営責任として役員個人の損害賠償責任(会社法423条、429条)の材料にもなる。板挟みの中で時間だけが減っていく
取るべき行動
被害を受けた側:保険契約者の立場なら、1. 破綻公表後は金融庁と保険契約者保護機構の公表資料を定点で確認、あっせん・移転先・契約条件変更の三点を追う2. 契約条件の変更(予定利率引下げ等)については、更生手続や移転手続の中で意見を述べる機会と期限が個別に設定されるため、通知書の期限欄を最優先で読む3. 早期解約は補償率と解約控除の両面で不利になりうるため、条件が確定するまでの解約は慎重に判断する
訴えられた側:命令を受けた破綻保険会社の側なら、1. 命令の範囲を特定、「必要な手続」が具体的に何を指すか書面で確認2. 245条準用による裁判所の許可申立てが必要かを直ちに判断、管理を命ずる処分を受けている場合は準用対象外である点を確認3. 命令に不服がある場合は行政不服審査法による審査請求または行政事件訴訟法による取消訴訟を検討、ただし執行停止が認められなければ手続は進む4. 取締役個人の責任リスク(会社法423条、429条)を見据え、判断過程を議事録として残す
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間制限はない。ただし命令に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。命令自体の履行期限は命令書に個別に記載される(最新の改正状況をご確認ください)
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