保険業法 第257条(合併等の条件のあっせん)
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- 内閣総理大臣は、前条第一項の場合において、その協議が調わないときは、あらかじめ同項の勧告に係る破綻保険会社及び同項の勧告を受けた他の保険会社又は保険持株会社等の意見を聴取し、条件を示して、必要なあっせんをすることができる。
- 2.前条第二項及び第三項の規定は、前項のあっせんについて準用する。この場合において、同条第二項中「破綻保険会社又は破綻保険会社となる蓋然性が高いと認められる保険会社」とあるのは、「破綻保険会社」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
合併等の条件のあっせんとは何ですか?
定義合併等の条件のあっせんとは、保険業法第257条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、前条第一項の場合において、その協議が調わないときは、あらかじめ同項の勧告に係る破綻保険会社及び同項の勧告を受けた他の保険会社又は保険持株会社等の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第257条(合併等の条件のあっせん)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第257条の条文原文は「内閣総理大臣は、前条第一項の場合において、その協議が調わないときは、あらかじめ同項の勧告に係る破綻保険会社及び同項の勧告を受けた他の保険会社又は保険持株会社等の…」で始まります。
- 保険業法第257条は第三節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第257条の前の条は保険業法第256条です。
- 保険業法第257条の次の条は保険業法第258条です。
- 保険業法第257条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第257条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第257条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/257
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法257条は、256条の勧告で合併等の協議が調わないとき、内閣総理大臣が当事者の意見を聴取し条件を示してあっせんできると定める。対象は破綻保険会社に限られる。
Q · 金融庁が保険会社の合併にあっせんで入ったら、契約している自分の保険はどうなるの?
あっせんが成立すれば救済会社へ契約が移る
保険業法257条により、256条の勧告によっても合併等の協議が調わないとき、内閣総理大臣は当事者の意見をあらかじめ聴取し、条件を示してあっせんを行えます。あっせんが成立すれば救済会社へ契約が移転し、契約自体は継続します。ただし250条の手続で予定利率の引下げなど契約条件の変更が併せて行われることがあります。不成立の場合は、保険契約者保護機構による承継と契約条件の変更が視野に入ります。
解説
生命保険会社が行き詰まったとき、最初に動くのは裁判所ではない。内閣総理大臣(実務上は金融庁)である。256条で「あの会社と合併の協議をしてくれ」と勧告しても、条件で折り合わなければ協議は流れる。そこで出てくるのが257条だ。国が当事者双方の意見を聴いたうえ、自ら条件を示して仲介に入る。注目すべきは読替え規定である。勧告は「破綻する蓋然性が高い会社」にも使えるが、あっせんは「破綻保険会社」に限られる。つまり国が条件を示して踏み込んできた段階に至ったことは、その会社がすでに法的に破綻と扱われていることを意味する。あなたの保険証券の運命は、このあっせんが成立するか否かで分岐する。成立すれば救済会社に契約が移り、失敗すれば保護機構の承継と予定利率引下げの世界に入る。
法的な位置づけ
保険業法257条は、合併等の協議の勧告(同法256条)によっても協議が調わない場合における合併等のあっせんを定める規定である。内閣総理大臣は、破綻保険会社および勧告の相手方の意見をあらかじめ聴取した上で、条件を示してあっせんを行う。準用される読替えにより、対象は破綻保険会社に限られる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.破綻処理のどの段階にいるかを公表文で特定する 金融庁および当該保険会社の公表文を確認し、256条の勧告段階か、257条のあっせん段階かを特定する。あっせんに入っていれば、その会社はすでに破綻保険会社として扱われている
- 2.契約者は証券の予定利率と契約日を確認する 手元の保険証券から契約日と予定利率を読み取る。予定利率の高い古い契約は保護機構の補償でも削減されやすいため、あっせんの成否で失う額が大きくなる
- 3.救済側は意見聴取の段階で前提条件を文書化する 257条1項の「あらかじめ意見を聴取し」の段階で、資本支援の前提、契約条件変更の範囲、人員と拠点、負の部分の切り離しを文書で提出する。条件が示された後の全面的な修正は困難である
- 4.独占禁止法15条の届出を並行して準備する 合併の実行には公正取引委員会への事前届出と待機期間が必要になるため、あっせんの交渉と並行して届出書類の準備を進める。時間軸の管理が引受判断そのものを左右する
- 5.判断記録を善管注意義務の観点から残す 引受けの是非をどの情報に基づきどう判断したかを議事録・取締役会資料として残す。引き受けても断っても株主から問われうるため、判断過程の記録が唯一の防御線になる
よくある質問 AI による整理
Q1合併等のあっせんとは?
保険会社の破綻処理で、国が当事者双方の意見を聴いた上、自ら条件を示して合併等の交渉を仲介する手続です。保険業法257条が根拠で、256条の勧告が不成立に終わった段階で使われます。
Q2保険業法256条と257条の違いは?
256条は「協議してくれ」と促す勧告で、破綻する蓋然性が高い会社にも使えます。257条は国が条件を示して仲介するあっせんで、読替えにより破綻保険会社に限定されます。介入の度合いが一段上がります。
Q3破綻保険会社とはどういう会社?
保険業法上、保険金等の支払を停止した、または停止するおそれがあるとして所定の要件に該当する保険会社を指します。あっせんの対象がこれに限られるため、認定の前提が手続全体の土台になります。
Q4生命保険会社が破綻したら保険金はどうなる?
生命保険契約者保護機構の補償により、責任準備金等の90% が原則として補償されます(最新の改正状況をご確認ください)。ただし予定利率の高い契約は削減幅が大きくなりやすい点に注意が必要です。
Q5あっせんに期限はある?
保険業法257条自体に期間の定めはありません。回答期限は示される条件ごとに個別に設定されるため、救済側は最初に時間軸を確認することが実務上の要点になります。
Q6保険持株会社もあっせんの相手になる?
なります。257条1項は勧告を受けた「他の保険会社又は保険持株会社等」の意見を聴取すると定めており、持株会社レベルでの受け皿づくりも想定されています。
Q7あっせんと保険契約の移転はどう違う?
あっせん(257条)は合併等の交渉を国が仲介する行為です。保険契約の移転と契約条件の変更は250条の手続で行われ、あっせん成立後の実行段階に位置します。
Q8あっせんが不成立だとどうなる?
民間同士の救済で収まらないため、保険契約者保護機構による契約の承継と契約条件の変更の世界に入ります。予定利率の引下げが現実化し、契約者の受取額が下がりうる段階です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの保険会社が合併させられたら、今入ってる保険はそのまま続くんですか?
257条のあっせんが成立して救済会社へ契約が移れば、契約自体は続く。ただし250条の手続で契約条件の変更、つまり予定利率の引下げが併せて行われることがあり、将来の受取額は下がりうる。生命保険契約者保護機構の補償は責任準備金等の90%が原則(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:破綻後に慌てて解約するのが最も損をしやすい。移転手続の前後には早期解約控除が設定される期間があり、待った方が手取りが多いケースが実際にある。
Q2金融庁のあっせんって、断れるものなんですか?
257条1項は「必要なあっせんをすることができる」と定めるだけで、応諾義務は書かれていない。法的には断れる。ただし行政指導的な性質であり、その後の監督関係というコストは残る。処分性の有無は解釈が分かれている。実務のポイント:勝負は条件が示される前、「あらかじめ意見を聴取し」の段階で決まる。ここで前提条件を文書化しなかった会社が、後から条件を覆せた例は乏しい。弁護士が受任直後に確認するのはこの時間軸である。
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「国が仲介に入ってくれるなら安心だ」と映る。だが法律から見れば、257条のあっせんが動いた時点でその会社は既に破綻保険会社として扱われている。勧告は「蓋然性が高い」段階でも打てるが、あっせんは破綻保険会社に限られるという読替えがその証拠である。安心の合図ではなく、最終段階の表示だ。
- あっせんに応諾義務が書かれていないことは、業界では知られている。深刻なのはそこではない。応諾義務がないことと、断るコストが低いことは全く別の問題であり、監督当局との継続的な関係が経営判断を事実上縛る。なお、あっせんが行政指導にとどまるのか処分性を持つのかは、実務上、解釈が分かれている。
- 「あっせんを受けた合併なら契約内容はそのまま引き継がれるはずだ」という問いの立て方そのものがずれている。破綻処理の場面では、契約の移転と同時に契約条件の変更(予定利率の引下げ)が行われうる。守られるのは会社の存続ではなく、契約の一部である。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 国の介入の強さ | 257条:意見聴取の上、条件を示してあっせん(仲介) | 256条:協議を促す勧告(条件提示なし) 241条:業務停止・保険管理人による管理命令(処分) |
| 対象会社 | 破綻保険会社のみ(読替えによる限定) | 破綻保険会社+破綻する蓋然性が高い保険会社 保険金等の支払停止のおそれ等の要件に該当する保険会社 |
| 契約者への直接効果 | 成立すれば救済会社へ契約が移る前提が整う | 協議が流れれば効果なし 業務停止により支払が事実上止まる |
| 相手方の応諾義務 | 条文上の応諾義務なし(監督関係というコストは残る) | 条文上の応諾義務なし 命令であり従う義務がある |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は主管機関が監管・接管・勒令停業清理などの処分を直接打てる構造で、接管人が業務・資産・負債の譲渡を行う。日本の257条のように「条件を示して仲介する」中間段階を独立の条文として置く設計とは異なる
韓国は金融産業構造改善法が業種横断的に適期是正措置と契約移転命令を用意する。日本が保険業法内で完結させるのに対し、韓国は金融機関共通法で処理する点が構造的な違い
ドイツは BaFin が Bestandsübertragung(契約群の移転)を監督下で承認し、§ 314で支払禁止と給付の引下げまで命じられる。日本の「あっせん」に相当する仲介段階よりも、監督官庁の処分権限で直接動かす色が濃い
米国は州保険監督官が rehabilitation / liquidation の裁判所手続を主導し、州ごとの guaranty association が契約者補償を担う。連邦統一法ではなく州法モデルであるため、州により扱いが分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし契約している生命保険会社について、金融庁が合併のあっせんに入ったと報じられたら、あなたの証券はどうなる? あっせんが成立すれば救済会社へ契約が移る。失敗すれば保護機構による承継と契約条件の変更が視野に入る。
- あなたが救済側に指名された保険会社の経営企画にいる。金融庁が条件を示してあっせんに入り、次の取締役会までに賛否を固めなければならない。残された時間は数日。デューデリジェンスの時間は足りず、独占禁止法15条の届出手続も並行して走る。引き受ければ自社の健全性指標が傷み、断れば監督当局との関係がそのまま残る。この板挟みが、あっせんという制度の本当の重さである。
- 破綻保険会社の株主として、あっせんの結果で株式価値が消えた。条文は「あらかじめ意見を聴取し」と書いている。意見聴取がいつ誰に対して行われたかの記録を確認するところから始まる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約者なら、まず証券の予定利率と契約日を確認する。高予定利率契約は補償が薄くなりやすい2. 金融庁・当該会社の公表文で、勧告(256条)段階かあっせん(257条)段階かを特定する3. 破綻後は早期解約控除が設定される期間があるため、慌てて解約しない4. 株主なら、意見聴取の実施有無と時期を記録で確認し、手続的瑕疵の主張余地を残す。保険契約者保護機構の相談窓口と弁護士相談を並行させる。
訴えられた側:あっせんの相手方(救済を求められる保険会社・保険持株会社等)として。1. 意見聴取の段階で、引受条件の前提(資本支援、契約条件変更の範囲、人員と拠点、負の部分の切り離し)を文書で提出する2. 自社のソルベンシー・マージン比率への影響を試算し、取締役の善管注意義務(プロとして当然払うべき注意のレベル)の観点から判断記録を残す3. 独占禁止法15条の届出を並行して準備する4. 条件が示されてからの全面的な修正は困難なため、時間軸を最初に押さえる。
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはなく、あっせんへの回答期限は示される条件ごとに個別設定される。あっせんに関連する行政の判断に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月(行政事件訴訟法14条)が原則だが、あっせんに処分性が認められるかは実務上、解釈が分かれている(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説的理解:257条のあっせんは、応諾義務を課さないことで救済側の経営判断を残しつつ、対象を破綻保険会社に限定する読替えによって健全会社が蓋然性段階で巻き込まれることを防ぐ制度設計と理解される。処分性の有無については解釈が分かれている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法全部改正(平成7年法律第105号)。昭和14年の旧保険業法を全面的に改め、監督規定を再編。破綻処理に関する章立ての基礎が置かれた
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