保険業法 第265条の4(脱退等)
クイックジャンプ
- 会員は、次に掲げる事由によって脱退する。
- 一免許の取消し
- 二免許の失効
- 2.会員は、前項各号に掲げる事由による場合又は内閣総理大臣及び財務大臣の承認を受けて他の機構の会員となる場合を除き、機構を脱退することができない。
- 3.会員は、機構を脱退した場合においても、次に掲げる資金の借入れに係る債務の履行のために当該機構が負担することとなる費用があるときは、当該会員の負担すべき費用の額として内閣府令・財務省令で定めるところにより当該機構が算定した額を負担金として納付する義務を負う。
- 一その脱退の日までに当該機構が行うことを決定した第二百六十五条の二十八第一項第三号から第七号まで並びに同条第二項第一号から第三号までに掲げる業務を実施するために第二百六十五条の四十二の規定によりした資金の借入れ
- 二その脱退の日までに当該機構が行うことを決定した第二百六十五条の二十八第一項第三号から第七号まで並びに同条第二項第一号から第三号までに掲げる業務を実施するために第二百六十五条の四十二の規定によりすることとなる資金の借入れ
- 4.内閣総理大臣及び財務大臣は、第二項の承認の申請があったときは、当該申請に係る会員が次に掲げる要件を満たしている場合でなければ、その承認をしてはならない。
- 一当該会員が、その脱退しようとする機構に対し会員として負担する債務を完済していること。
- 二当該会員が、前項の規定により同項に規定する算定した額を負担金として納付する義務を履行することが確実と見込まれること。
- 三当該会員が、他の機構に会員として加入する手続をとっていること。
この条文の基本情報
脱退等とは何ですか?
定義脱退等とは、保険業法第265条の4に定められた規定で、「会員は、次に掲げる事由によって脱退する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第265条の4(脱退等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第265条の4の条文原文は「会員は、次に掲げる事由によって脱退する。」で始まります。
- 保険業法第265条の4は第二目に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第265条の4の前の条は保険業法第265条の3です。
- 保険業法第265条の4の次の条は保険業法第265条の5です。
- 保険業法第265条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第265条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第265条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/265_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法265条の4は、保険契約者保護機構の会員の脱退を免許の取消しと失効に限定し、両大臣の承認による他機構への移籍を除き脱退を禁じる。脱退後も一定の負担金義務が残る。
Q · 保険会社は「負担金が重い」という理由で保険契約者保護機構から抜けられるんですか?
抜けられません。免許を失う以外に出口はありません
保険業法265条の4第1項は、会員の脱退事由を免許の取消しと免許の失効に限定し、第2項はそれ以外の脱退を禁じています。唯一の例外は、内閣総理大臣及び財務大臣の承認を受けて他の機構の会員となる場合ですが、その承認には第4項の三要件(機構に対する債務の完済、第3項の負担金納付が確実と見込まれること、他機構への加入手続)が必要です。さらに第3項により、脱退後も、脱退の日までに機構が実施を決定した業務に係る借入れ費用の負担金は請求されます。
解説
保険の契約書を比べるとき、多くの人は保険料と保障内容しか見ない。だが本当の分水嶺は、その引受会社が保険契約者保護機構の「会員」かどうかにある。265条の4は、会員である保険会社が機構から抜ける方法を二つしか認めていない。免許の取消しと免許の失効、つまり事実上の退場だけである。それ以外は、内閣総理大臣と財務大臣の承認を得て他の機構へ移る場合を除き、脱退は不可能だ。あなたにとって何を意味するか。日本で保険業の免許を持つ会社は、例外なく全社がこのセーフティネットに強制加入しているということである。「うちは保護機構に入らない分、保険料が安い」という商品は制度上存在しえない。さらに3項は、脱退した会社にも、脱退日までに機構が実施を決めた業務の借入れ費用について負担金を納めさせる。抜けたら払わなくていい、という逃げ道は塞がれている。
法的な位置づけ
保険業法265条の4は、保険契約者保護機構の会員の脱退を規律する規定である。会員は免許の取消し又は免許の失効によって脱退し、それ以外は内閣総理大臣及び財務大臣の承認を得て他の機構の会員となる場合を除き脱退が認められない。脱退後も、脱退の日までに機構が実施を決定した業務に係る資金の借入れについて、内閣府令・財務省令の定めによる負担金の納付義務が存続する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証券の「引受主体」の表記を確認する 保険証券・申込書・パンフレット最終ページの引受主体欄を見て、「○○生命保険株式会社」「○○損害保険株式会社」なのか、「少額短期保険業者」「共済」なのかを確認する。保険業法の免許業者であれば265条の4により全社が機構の会員である
- 2.金融庁の免許業者一覧と突き合わせる 金融庁が公表する保険会社の免許業者一覧に引受会社名が載っているかを確認する。外国保険会社等であっても、日本で免許を受けて営業していれば日本における契約は保護対象になる
- 3.網の外の契約を仕分けて記録する 共済、少額短期保険、海外保険会社との直接契約は機構の保護が及ばない。保障額・払込総額とあわせて一覧にし、家計全体のどれだけが網の外にあるかを可視化する
- 4.破綻報道が出ても即解約しない前提を決めておく 機構の保護は契約を維持したまま受ける仕組みであり、更生手続中の解約は削減率や早期解約控除で不利になりやすい。事前に「報道だけでは解約しない、機構・更生管財人の通知を待つ」という行動ルールを決めておく
よくある質問 AI による整理
Q1保険契約者保護機構とは何ですか?
保険会社が破綻したときに、資金援助や契約の引受けによって契約者を保護する法人です。保険業法265条の4により、免許を受けた保険会社は全社が会員で、自ら脱退することはできません。
Q2少額短期保険は保護機構の対象ですか?
対象外です。少額短期保険業者は登録制で保険業法上の免許業者ではなく、265条の4の会員ではありません。備えの中心は供託金と再保険になります。
Q3損害保険にも保護機構はありますか?
あります。生命保険と損害保険で別の機構が設けられています。損害保険は保険種類ごとに補償割合が異なり、自賠責保険や家計地震保険は全額補償とされています。最新の公表内容をご確認ください。
Q4保険会社の免許が取り消されたら契約はどうなりますか?
免許の取消しは265条の4第1項の脱退事由ですが、契約が即座に消えるわけではありません。破綻処理では機構の資金援助や救済保険会社への契約移転により、契約の受け皿が作られます。
Q5保護機構の負担金は誰が払っているのですか?
会員である保険会社が払います。原資は最終的に保険料に含まれるため、契約者が間接的に業界全体の相互扶助を支えている構造です。脱退を封じた265条の4がその入口を固定しています。
Q6脱退した保険会社にも負担金の請求は来ますか?
来ます。265条の4第3項により、脱退の日までに機構が実施を決定した業務に係る資金の借入れ費用は、内閣府令・財務省令の定めで算定された額を負担金として納付する義務が残ります。
Q7生命保険と損害保険で保護機構は別ですか?
別です。保険業法は生命保険と損害保険のそれぞれに機構を置いています。265条の4第2項が「他の機構の会員となる場合」を想定しているのは、この複数機構の存在が前提です。
Q8保護機構の会員かどうかはどこで確認できますか?
金融庁が公表する免許業者一覧と、証券・パンフレットの「引受保険会社」欄を突き合わせれば確認できます。免許業者であれば例外なく会員です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が潰れたら、払った保険料は戻ってくるんですか?
戻るのは払込保険料ではありません。生命保険であれば責任準備金の原則90% が補償の基準で、高予定利率契約は補償率が下がります。その原資を全会員から集める仕組みの入口が265条の4と265条の33です。実務のポイント:90% が維持されても、破綻処理では予定利率が引き下げられるため、満期や年金の受取額は90% どころではなく大幅に減った過去の事例があります。「90% 補償」の一語だけを根拠に長期の貯蓄性保険を選ぶのは危ない
Q2共済って、保険と同じようなものじゃないんですか?
保障の中身は似ていても根拠法が違います。保険会社は保険業法の免許を受け265条の4により全社が機構の会員ですが、共済は農業協同組合法や消費生活協同組合法などに基づく制度で、機構の会員ではありません。実務のポイント:共済にも連合会の再保険や支援スキームはありますが、法律で全業界に強制された相互扶助ではない。掛金の差は非営利性や加入者層の限定など複数の要因によるもので、この制度コストの差もその一つとされる
Q3うちの保険、外資系の会社なんですけど対象外になりませんか?
日本で保険業免許を受けて営業している外国保険会社等の、日本における契約は保護対象です。免許がある以上265条の4の会員制度に組み込まれるためです。海外の保険会社と直接契約した場合は対象外になります。実務のポイント:外資系の日本法人か、外国会社の日本支店かで会社形態は違っても、判断基準は日本の免許の有無だけ。証券の「引受保険会社」欄と金融庁が公表する免許業者一覧を突き合わせれば、その場で確認できる
Q4負担金が重いから脱退したい、という選択肢は保険会社側にありますか?
ありません。2項は、免許の取消し・失効の場合と、内閣総理大臣及び財務大臣の承認を受けて他の機構の会員となる場合を除いて脱退を禁じ、4項は承認に債務完済を含む三要件を課しています。実務のポイント:仮に脱退できても3項の負担金は消えない。脱退日までに機構が実施を決定した業務の借入れ費用が追いかけてくるため、「破綻処理が本格化する直前に身軽になって負担を逃れる」という設計は制度上塞がれている
間違えやすい点 AI による整理
- 「保護機構があるから安心」までは知っている人が多い。だが知られていないのは、補償の基準が払込保険料ではなく責任準備金の原則90% だという点、そしてそれ以上に、破綻処理では予定利率が引き下げられるため、将来の受取額は90% どころではなく大きく目減りしうるという点である。90% は元本保証の意味ではない
- 「どの保険会社なら保護機構に入っているか」を調べようとした時点で、問いの立て方が誤っている。免許を受けた保険会社は265条の4により全社が会員で、そこに選ぶ余地はない。正しい問いは「この商品の引受主体は、保険会社なのか、少額短期保険業者なのか、共済なのか」である
- 外資系だから日本の機構の外だと思われがちだが、日本で保険業免許を受けて営業している外国保険会社等の日本での契約は保護対象に入る。逆に、海外の保険会社と直接契約した場合は対象外。会社が外資かどうかではなく、日本の免許があるかどうかで線が引かれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 保険業法265条の4:機構からの脱退(出口) | 保険業法265条の3:会員資格と機構への加入(入口) 保険業法133条:免許の取消し(脱退事由の発生源) |
| 当事者の選択の余地 | 原則ゼロ。免許の取消し・失効か、両大臣の承認による他機構への移籍のみ | 免許を受ければ自動的に会員となり、加入を拒む余地がない 行政処分であり、会社側から選んで発動できるものではない |
| 金銭的効果 | 脱退後も、脱退日までに実施決定された業務に係る借入れ費用の負担金義務が残る(3項) | 会員である間の負担金納付義務が継続的に発生する 免許喪失により営業自体が終了し、清算・更生手続へ移行する |
| 契約者側から見た意味 | 免許業者であれば全社が網の中にいるため、「機構に入っていない保険会社」を探す必要がない | 免許取得=保護対象化。商品選択の判断軸は引受主体の種別に集約される 免許取消し後も契約は機構の資金援助や契約移転で受け皿が作られる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険業者に基金への強制拠出を課し、破綻時の契約者保護の原資とする。運営主体は財団法人であり、監督官庁が拠出率を定める点で日本と近い構造を持つ
韓国は銀行預金と保険契約を同一の預金保険公社(KDIC)が一元的に保護する。日本のように生命保険・損害保険ごとに独立の機構を置く方式とは制度設計が異なる
ドイツは生命保険・健康保険について法定の Sicherungsfonds への強制加入を定める。損害保険分野には同等の法定基金が置かれていない点で、日本の二機構体制と守備範囲が異なる
米国は州単位の guaranty association への強制加入方式で、補償限度額や対象範囲が州ごとに異なる。全国一律の法定機構を置く日本とは、制度の統一度に大きな差がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、20年払い続けてきた生命保険の引受会社が破綻したらどうなる? 契約は消えない。機構が資金援助や契約引受けで受け皿を作り、責任準備金の原則90% が補償の基準になる(高予定利率契約は補償率が下がる。最新の改正状況をご確認ください)。その原資を全業界から強制的に集める入口が、脱退を封じた265条の4である
- 保険会社の経営企画部で「保護機構の負担金が毎年重い、脱退できないか」という議題が出る。答えは2項で終わっている。免許を失うか、両大臣の承認で他の機構へ移るか、その二つしか出口がない。しかも承認には4項の三要件、機構への債務完済、3項の負担金納付見込み、他機構への加入手続が揃っている必要がある
- ペット保険の引受会社が少額短期保険業者だった。破綻しても機構は動かない。会員ではないからだ
- 経営不安の報道が出た夜、契約者の間で解約の話が一斉に回り始める。窓口が開くまであと12時間。だが更生手続に入った後の解約には削減率や早期解約控除が働き、待った側より不利になることがある。過去の破綻事例では、解約の殺到そのものが破綻の進行を早めた
- 親が県民共済に長年入っていると聞いて、保険会社の商品と同じつもりでいる。根拠法が違い、機構の会員ではない。同じ「保障」という言葉で括られている二つの商品が、破綻時に別の世界へ分岐する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 手元の証券を並べ、引受主体が「保険会社」「少額短期保険業者」「共済」のどれかで仕分ける。機構の会員かどうかはここで決まる2. 破綻報道が出ても即解約に走らない。機構の保護は契約継続を前提とし、手続中の解約は削減率や早期解約控除で不利になりやすい3. 機構や更生管財人からの通知は必ず開封し保管、契約条件変更の説明会や回答書面の期限を確認4. 保障が網の外の商品に偏っていれば、一部を保険会社の商品へ分散させる
訴えられた側:1. 脱退は2項で原則不可能、免許の取消し・失効か、両大臣の承認による他機構への移籍しか出口がない2. 承認を狙うなら4項の三要件、機構への債務完済、3項負担金の納付見込み、他機構への加入手続を同時に整える3. 脱退後も、脱退日までに機構が実施を決定した265条の28所定の業務に係る借入れ費用は追いかけてくる。機構の業務実施決定日と脱退日の前後関係が負担額を左右するため、日付の記録と議事の証跡を精査する
時効(請求できる期限):脱退そのものに申請期限はない。分水嶺は日付の前後関係で、3項の負担金義務は「脱退の日までに機構が実施を決定した業務」に係る借入れが基準になる。負担金債権自体に特定の時効規定はないが、一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年または権利を行使できる時から10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 平成10年(1998年)保険業法改正 保険契約者保護機構制度の創設に伴い、会員の脱退事由、脱退の原則禁止、脱退後の負担金義務、他機構への移籍の承認要件を定める規定として新設されたもの。以後の中央省庁再編に伴う主務大臣表記の改正等については人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成10年(1998年) 新設:保険契約者保護機構制度の創設に伴い、会員の脱退事由、脱退の原則禁止、脱退後の負担金義務、他の機構への移籍の承認要件を定める規定として新設された。以後の中央省庁再編に伴う主務大臣表記の改正等については人的検証が必要
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める