保険業法 第271条の15(保険主要株主に対する改善計画の提出の要求等)
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- 内閣総理大臣は、保険主要株主(保険会社の総株主の議決権の百分の五十を超える議決権の保有者に限る。以下この条において同じ。)の業務又は財産の状況(保険主要株主が会社その他の法人である場合にあっては、当該保険主要株主の子会社その他の当該保険主要株主と内閣府令で定める特殊の関係のある会社の財産の状況を含む。)に照らして、当該保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該保険主要株主に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、当該保険会社の経営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその必要の限度において監督上必要な措置を命ずることができる。
- 2.内閣総理大臣は、保険主要株主に対し前項の規定による命令をした場合において、当該命令に係る措置の実施の状況に照らして必要があると認めるときは、当該保険主要株主がその総株主の議決権の百分の五十を超える議決権の保有者である保険会社に対し、その業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要な措置を命ずることができる。
この条文の基本情報
保険主要株主に対する改善計画の提出の要求等とは何ですか?
定義保険主要株主に対する改善計画の提出の要求等とは、保険業法第271条の15に定められた規定で、「内閣総理大臣は、保険主要株主(保険会社の総株主の議決権の百分の五十を超える議決権の保有者に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第271条の15(保険主要株主に対する改善計画の提出の要求等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第271条の15の条文原文は「内閣総理大臣は、保険主要株主(保険会社の総株主の議決権の百分の五十を超える議決権の保有者に限る。」で始まります。
- 保険業法第271条の15は第二款に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第271条の15の前の条は保険業法第271条の14です。
- 保険業法第271条の15の次の条は保険業法第271条の16です。
- 保険業法第271条の15には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の15 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の15(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/271_15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法271条の15は、議決権50% 超を持つ保険主要株主に対し、内閣総理大臣が改善計画の提出や監督上必要な措置を命じられると定める。実施状況次第で保険会社にも措置命令が及ぶ。
Q · 保険会社の株を半分より多く買うと、金融庁から自分あてに命令が来るんですか?
議決権50% 超なら、株主本人が改善計画の名宛人になります
保険業法271条の15第1項により、保険会社の総株主の議決権の50% を超えて保有する保険主要株主は、その業務又は財産の状況に照らして保険契約者等の保護のため特に必要と認められれば、内閣総理大臣から改善計画の提出や監督上必要な措置を命じられます。判断材料には、当該株主の子会社や内閣府令で定める特殊の関係のある会社の財産状況も含まれます。さらに同条第2項により、命令に係る措置の実施状況次第では、保険会社本体に対しても必要な措置が命じられます。
解説
株主は本来、出資した金額を超える責任を負わない。会社が傾いても手元の株券が紙切れになるだけである。その常識が通用しない場所がここにある。保険会社の議決権を50% 超保有すると、あなた自身(法人でも個人でも)が監督の名宛人に変わる。内閣総理大臣は、あなたの業務や財産の状況、さらにあなたの子会社や内閣府令で定める特殊の関係のある会社の財産状況まで見たうえで、保険契約者等の保護のため特に必要と認めれば、講ずべき事項と期限を示して「改善計画を出せ」と命じられる。しかも本当の牙は第2項だ。命令に係る措置の実施状況が足りないと判断されれば、今度は保険会社の側に必要な措置が命じられる。親の状況を理由に、子が処分を受ける構造である。保険会社を買うという行為は、株を買うことではなく、監督関係に自ら入る手続だと考えたほうが実態に近い。
法的な位置づけ
保険業法271条の15は、保険主要株主のうち保険会社の総株主の議決権の50% を超える保有者を対象とする監督規定である。内閣総理大臣は、当該株主及びその子会社等の業務又は財産の状況に照らし、保険契約者等の保護のため特に必要と認める限度において、改善計画の提出若しくは変更又は監督上必要な措置を命ずることができる。第2項は、その実施状況に応じて保険会社本体への措置命令を認める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.命令書の到達日と期限を同日に確定する 命令書を受領したら、到達日・提出期限・示された「措置を講ずべき事項」を一枚に落とす。審査請求(3か月)や取消訴訟(6か月)の起算点も到達日なので、法務・経営企画・IR の三部署で同じ日付を共有する
- 2.定例を待たず臨時取締役会を招集する 改善計画は株主側の意思決定機関の承認を要する重い文書であり、定例取締役会のサイクルは期限に合わない。招集通知の発出と社外取締役の日程確保を受領当日に着手する
- 3.グループ全体の財産状況を棚卸しする 第1項は主要株主本人だけでなく子会社その他内閣府令で定める特殊の関係のある会社の財産状況も判断材料にする。保険子会社への配当要求、グループ内貸付、ブランド使用料など資金流出経路を洗い出し、数字で示す
- 4.数値目標・責任者・検証時点を明記した計画を提出する 抽象的な決意表明は第1項後段の変更命令を招く。措置ごとに数値目標、実施責任者、検証時点を特定し、命令書の「措置を講ずべき事項」と一対一で対応させた構成にする
- 5.実施状況の自主報告チャネルを先に設ける 第2項の保険会社本体への措置命令は、命令に係る措置の実施状況を理由に発動する。提出後は四半期等の定期報告を自ら設計し、未達が出た時点で理由と是正策を添えて報告する経路を作る
よくある質問 AI による整理
Q1保険主要株主とは?
保険会社の議決権を主要株主基準値以上保有し、認可を受けた株主を指します。保険業法271条の15の改善計画命令はそのうち議決権50% 超の保有者に限って適用されます。
Q2改善計画の提出期限はいつまで?
法律に一律の日数はなく、命令書に示された期限が期日そのものです。取締役会の開催サイクルを理由に延びる性質のものではないため、受領直後の社内手配が前提になります。
Q3保険会社の買収に金融庁の認可は必要?
主要株主基準値以上の議決権を取得する場合、保険業法271条の10により事前の認可が必要です。認可は到達点ではなく、その後の報告・検査・措置命令を含む監督関係の入口です。
Q4議決権50% 超かどうかはどう数える?
自己の名義分だけでなく、共同保有者や特殊の関係にある者の議決権が合算されます。分母である総株主の議決権も自己株式の消却等で動くため、買い増ししなくても比率は変動します。
Q5保険主要株主に立入検査はある?
保険業法271条の13により、保険会社の業務・財産の状況に関し必要な限度で主要株主への報告徴求や立入検査が予定されています。改善計画命令はその情報収集の先にある処分です。
Q6改善計画の命令は公表される?
金融庁は行政処分事例を公表する運用を採っていますが、公表の要否や範囲は処分の種類と時期によって異なります。最新の公表方針は金融庁サイトでご確認ください。
Q7銀行にも同じ主要株主規制がある?
あります。銀行法にも銀行主要株主に対する認可・報告徴求・措置命令の枠組みが置かれており、構造は保険業法と対応しています。具体的な条番号は原典でご確認ください。
Q8外国法人でも保険主要株主になれる?
法文上、保険主要株主は「会社その他の法人」を含み国籍で排除されていません。ただし子会社や特殊の関係のある会社の財産状況まで判断材料になるため、海外グループの状況も射程に入ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ちょうど50% なら対象外ってことですか?
第1項は「百分の五十を超える議決権の保有者に限る」と書いているので、ちょうど50% は本条の改善計画命令の対象外です。ただし主要株主基準値以上を保有すれば保険主要株主として認可(271条の10)や立入検査(271条の13)の対象になります。実務のポイント:議決権には合算ルールがあり、共同保有者や特殊の関係にある者の持分が足し上げられます。名義を分けただけでは想定した比率に落ち着かないことがある
Q2改善計画って、出したら終わりですよね?
終わりません。第1項後段は提出後の変更命令を用意し、第2項は実施状況に照らして保険会社本体への措置命令へ進む道を開いています。評価されるのは提出時点ではなく実施の進捗です。実務のポイント:実務で当局の温度を決めるのは計画書そのものより、その後のフォローアップ報告の精度です。初回報告で数字が甘いと、以後の監督の密度が一段上がる
Q3うちは保険と関係ない事業会社なのに、なぜ財産状況まで見られるんですか?
第1項が判断材料として、主要株主の業務・財産の状況に加え、その子会社や内閣府令で定める特殊の関係のある会社の財産状況まで明記しているからです。親の資金繰りは、保険会社への増資余力と資金流出圧力に直結します。実務のポイント:実務で真っ先に見られるのは、親会社への配当要求、グループ内貸付、ブランド使用料の三点。保険子会社からの資金吸い上げの痕跡が最大の論点になる
Q4命令を無視したらどうなるんですか?
保険主要株主に対する監督上の処分として、認可の取消し等が別途用意されています(271条の16、最新の改正状況をご確認ください)。取り消されれば、議決権を処分しなければならない立場に置かれます。実務のポイント:認可取消しまで進む例は稀で、その手前の段階で株主が自ら売却を決める。処分事例として公表されないため、外部からは何が起きたのか見えないまま株主だけが入れ替わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「株主は有限責任だから、最悪でも出資金を失うだけ」と考えている人が多い。だが有限責任は民事上の債務の話であって、行政監督はまったく別レイヤーで動く。金銭の損得とは無関係に、あなたは行政処分の名宛人という立場を負う
- 「保険会社の経営に問題がなければ命令は来ないはず」という問いの立て方そのものが誤っている。第1項が見るのは主要株主側の業務・財産の状況であり、保険会社の健全性は結果として守るべき対象にすぎない。子は無傷でも、親が原因で手続は始まる
- 「保険主要株主になるには認可が必要」という知識は持っていても、その深刻度を測り損ねている人が多い。認可は到達点ではなく監督関係の入口である。20% で認可・報告・検査の圏内、50% 超で改善計画命令と保険会社への波及命令の圏内、と段が一つ上がる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 名宛人 | 保険業法271条の15:議決権50% 超の保険主要株主(第2項で保険会社にも波及) | 保険業法271条の13:保険主要株主(報告・検査の名宛人) 保険業法132条:保険会社本体 |
| 発動の判断材料 | 主要株主及びその子会社・特殊の関係のある会社の業務又は財産の状況 | 保険会社の業務・財産の状況に関し必要があると認められること 保険会社自身の業務又は財産の状況 |
| 処分の内容 | 改善計画の提出・変更命令、監督上必要な措置命令 | 報告徴求・立入検査(処分の前段階の情報収集) 業務改善命令等(保険会社の健全性確保のための措置) |
| 50% の線との関係 | 50% 超が適用の前提(ちょうど50% は対象外) | 主要株主基準値以上で適用(50% 未満でも射程) 持株比率と無関係に保険会社の状況で発動 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾も同一人・同一関係人による保険会社株式の一定比率以上の保有に申報・核准を課す。監督の焦点が「持株比率の線」にある点は日本と共通するが、支配株主本人への改善計画命令という形での明文は構成が異なる
韓国は業法ではなく横断的な支配構造法で大株主変更承認と大株主への監督を規律する。保険業法単体に置く日本と条文配置が異なる
中国は法律ではなく監督当局の規章で株主を持株比率に応じて分類し、支配株主に厳格な要件を課す。行政規則レベルで運用される点が日本と構造的に異なる
ドイツは EU の Solvency II を国内化した所有者管理手続として、BaFin が重要な持分保有者に対し議決権行使の禁止等を命じうる。命令の型が議決権そのものの凍結に寄る点が日本と対照的
フランスは保険会社の支配取得について ACPR の事前承認を要求する。入口規制が中心で、支配株主本人への改善計画提出命令という継続監督の型は日本ほど明示的でない
米国は州保険庁が Form A により支配取得を審査し、保険持株会社システム全体に報告義務を課す。連邦一元ではなく州ごとの審査である点が日本と根本的に異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 投資ファンドとして保険会社の議決権を60% 取得した。翌年、ファンドが抱える別の物流子会社が減損で債務超過に陥る。保険会社の数字は一つも悪化していないのに、改善計画の提出を求める文書が届く。本条の発動要件は保険会社の状況ではなく、主要株主側の業務・財産の状況だからだ
- もし、保有する保険会社の議決権比率が、自己株式の消却によって49% から51% へ自動的に上がってしまったら? 一株も買い増していないのに、本条の適用圏に足を踏み入れることになる。分母が動いて支配比率が変わる場面は、買収よりはるかに頻繁に起きる
- 命令書に書かれた提出期限は30日。定例取締役会は45日後。この一行が、臨時取締役会の招集と社外取締役の日程調整を今日中に走らせる。
- 改善計画を出して半年、実施状況の報告が二回続けて未達。残る猶予はおよそ一四半期。次に来る局面は第2項、つまり保険会社本体への措置命令であり、そこまで進むと開示・報道・格付の三方向に同時に波及する
- 保険会社の経営企画部にいるあなたに、親会社の財務問題を理由とした当局対応の指示が降りてくる。自社のソルベンシー・マージン比率には何の問題もないのに、なぜ自社が措置を命じられるのか腑に落ちない。第2項がその答えであり、親への命令の実施状況が子への命令の引き金になっている
取るべき行動
被害を受けた側:契約者として親会社の異変に気付いたら、1. 保険会社の開示資料でソルベンシー・マージン比率と基礎利益の推移を確認2. 保険契約者保護機構の補償は責任準備金の一定割合にとどまり商品ごとに扱いが違うので、約款と機構の公表資料を照合(最新の制度内容をご確認ください) 3. 解約返戻金が元本割れする商品は多く、予定利率の高い既契約を手放す損失が補償より大きいことがある4. 判断に迷うなら金融サービス利用者相談室へ照会し、行政側の認識を確認する
訴えられた側:名宛人になった主要株主側の動き:1. 命令は行政処分なので審査請求や取消訴訟の対象になりうるが、実務では争うより実施で信頼を回復する経路が選ばれる2. 期限は命令書で確定し、取締役会のサイクルを理由に延びない。臨時取締役会の招集を即日決める3. 計画には数値目標・実施責任者・検証時点を明記する。抽象的な決意表明は第1項後段の変更命令を招く4. 第2項で保険会社本体へ命令が飛ぶ前に、実施状況の自主報告チャネルを先に設ける
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。動く期限は二つ。第一に、改善計画の提出期限は命令書で個別に示された期日そのもの(実務では1か月前後が示されることが多い)。第二に、命令に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。起算点はいずれも命令書の到達日
改正沿革 AI による整理
- 保険主要株主規制の導入期(要検証) 金融機関の主要株主に対する監督規制の導入に伴い新設された条文と解されるが、新設年・その後の改正回数・条番号の移動について確証が取れないため、施行年月日と改正履歴は原典(e-Gov 法令検索)での人的検証が必要
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