保険業法 第271条の13(保険主要株主に対する立入検査)
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- 内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため、第百二十九条第一項の規定による保険会社に対する立入り、質問又は検査を行う場合において、特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に当該保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である保険主要株主の事務所その他の施設に立ち入らせ、当該保険会社若しくは当該保険主要株主の業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は当該保険主要株主の帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 2.前項の規定による立入り、質問又は検査をする職員は、その立入り、質問又は検査の相手方にその理由を示さなければならない。
この条文の基本情報
保険主要株主に対する立入検査とは何ですか?
定義保険主要株主に対する立入検査とは、保険業法第271条の13に定められた規定で、「内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため、第百二十九条第一項の規定による保険会社に対する立入り、質問又は検査を行…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第271条の13(保険主要株主に対する立入検査)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第271条の13の条文原文は「内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため、第百二十九条第一項の規定による保険会社に対する立入り、質問又は検査を行…」で始まります。
- 保険業法第271条の13は第二款に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第271条の13の前の条は保険業法第271条の12です。
- 保険業法第271条の13の次の条は保険業法第271条の14です。
- 保険業法第271条の13には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の13 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の13(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/271_13
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法271条の13は、保険会社への立入検査に際し特に必要があるとき、必要の限度で保険主要株主の事務所へ立ち入り、質問・帳簿検査を行える規定。職員は理由を示す義務を負う。
Q · 保険会社の株を持っているだけの会社に、金融庁の検査官が来ることはありますか?
保険会社への検査中に限り、主要株主の事務所も検査対象になります
保険業法271条の13により、内閣総理大臣は129条1項による保険会社への立入検査を行う場合に、特に必要があると認めるときは、その必要の限度で、主要株主基準値以上の議決権を有する保険主要株主の事務所その他の施設へ職員を立ち入らせ、当該保険会社または当該主要株主の業務・財産の状況を質問させ、帳簿書類等を検査させることができます。免許を持たない一般事業会社や投資ファンドでも対象になります。ただし発動は保険会社への検査に随伴する場面に限られ、2項により職員は相手方に検査の理由を示さなければなりません。
解説
金融庁の検査は保険会社の建物の中で終わる。多くの出資者がそう思い込んでいる。271条の13は、その思い込みを正面から壊す条文だ。保険会社に129条1項の立入検査が入っているとき、特に必要があると認められれば、検査官はその保険会社の主要株主、つまり議決権の20%(一定の場合は15%)以上を握るあなたの会社の事務所にまで立ち入り、質問し、帳簿書類を検査できる。あなたは保険会社ではない。免許も持っていない。それでも、株を持っているというその一点で検査の射程に入る。ただし条文は三重の鍵をかけている。保険会社への検査が現に行われていること、特に必要があること、必要の限度にとどまること。そのうえで2項は、検査官に相手方へ理由を示す義務を課した。玄関先で告げられたその理由が、その日の検査範囲の輪郭になる。聞き流せば、輪郭は消える。
法的な位置づけ
保険業法271条の13は、保険会社に対する129条1項の立入検査に随伴して、保険主要株主の事務所その他の施設への立入り、当該保険会社または当該主要株主の業務・財産の状況に関する質問、帳簿書類その他の物件の検査を認める規定である。発動には特に必要があると認められることを要し、権限は必要の限度に限られる。2項は検査を行う職員に理由提示義務を課す。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出資先の保険会社に検査が入った時点で自社の射程を確認 保険会社への金融庁検査の一報を受けたら、自社の議決権保有比率が主要株主基準値(原則20%、一定の場合15%)以上かを株主名簿と議決権計算で確定させる。基準値以上なら271条の13の射程内であり、自社オフィスへの立入りが現実の可能性になる
- 2.資料を「当該保険会社・自社の業務財産に関するか」で事前仕分け 検査官が来る前に、保険会社への出資判断資料、資金の出所、投資委員会議事録、役員派遣記録などを射程内候補として整理し、保険事業と無関係な他事業部門の資料と物理的・論理的に分離しておく。当日「全部出すか全部拒むか」の二択を避けるための唯一の準備
- 3.玄関先で身分証明書と2項の理由提示を記録 検査官が到着したら、身分証明書の提示を受け、271条の13第2項に基づく理由の提示をその場で受ける。示された理由・担当者氏名・所属・時刻を復唱しながら書き取る。この記録が、後に検査範囲を争うときの唯一の同時代証拠になる
- 4.窓口を一本化し、射程外に見える要求は理由との関係を確認 各部署が個別に資料を出す状態を止め、対応窓口を一本化する。射程外に見える資料要求には、拒絶する前に「先ほど示された理由との関係を教えてください」と確認する。拒否・妨害・虚偽答弁は罰則の対象であり、感情的な拒絶は最悪手
- 5.初日から金融規制に精通した弁護士を関与させる 検査初日の段階で外部弁護士を関与させ、質問への回答方針、提出資料の範囲、記録の残し方について助言を受ける。後日の行政処分や刑事責任の議論は、初日の対応記録の質で決まる
よくある質問 AI による整理
Q1保険主要株主とは何ですか?
保険会社の主要株主基準値以上の議決権を保有する者を指します。基準値は保険業法2条で定義され、原則20%、一定の場合は15%です。法人・個人・ファンドを問いません。
Q2保険業法271条の13の検査はいつ発動できますか?
129条1項による保険会社への立入検査が現に行われている場面に限られます。主要株主だけを単独で狙い撃ちにする立入検査は、本条の射程外です。
Q3主要株主への立入検査はどこまで見られますか?
当該保険会社または当該保険主要株主の業務・財産の状況に関する事項に限られます。無関係な事業部門の資料まで無制限に対象となるわけではありません。
Q4立入検査を拒否したらどうなりますか?
保険業法上の罰則の対象となり得ます。形式は任意調査でも罰則による間接強制の構造であり、拒否した事実自体が刑事手続の入口になります。法定刑は最新の改正状況をご確認ください。
Q5検査官は理由を説明する義務がありますか?
あります。271条の13第2項は、立入り・質問・検査をする職員に、相手方へその理由を示さなければならないと明記しています。省略は認められません。
Q6株を買い増していなくても主要株主になりますか?
なり得ます。保険会社が自己株式を取得して発行済株式総数が減れば、保有株数が同じでも議決権比率が上昇し、基準値を超える場合があります。
Q7銀行の主要株主にも同じ規定がありますか?
銀行法にも主要株主に対する報告徴求・立入検査の規定が置かれており、業態横断的に類似の枠組みが整備されています。詳細は各業法の現行条文をご確認ください。
Q8保険主要株主になるには認可が必要ですか?
保険業法271条の10により、主要株主基準値以上の議決権保有には認可が必要とされています。認可の先に、本条による立入検査の射程が待っています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1令状も持ってないのに、断ったらまずいんですか?
刑事責任の追及を目的としない行政調査には原則として令状が不要とされ(最大判昭和47.11.22、川崎民商事件)、さらに拒否・妨害には保険業法の罰則が用意されている。形式は任意でも実質は間接強制である。実務のポイント:拒否の可否より、2項の理由提示を受けたその場で理由を書き取り、担当者名と時刻を残すことのほうが後で効く。範囲を争えるのは、その記録が存在する場合だけだ
Q2うちは株を持っているだけで、経営には一切関与していません。それでも検査対象ですか?
関与の度合いではなく、主要株主基準値(20%、一定の場合15%、保険業法2条)以上の議決権保有という形式基準で決まる。ただし検査できるのは当該保険会社または主要株主の業務・財産の状況に関する事項に限られ、無関係な事業部門まで無制限に広がるわけではない。実務のポイント:射程外に見える資料を求められたとき、その場で拒むより「先ほど示された理由との関係を教えてください」と聞くほうが実務では通る。理由の外だと検査官側が認識した瞬間、要求は引っ込む
間違えやすい点 AI による整理
- 金融庁の検査対象は免許を受けた金融機関だけだと考えられているが、本条は免許を持たない一般事業会社や投資ファンドの事務所にも検査官を立ち入らせる。規制の対象は「業を営む者」ではなく、この場面では「議決権を握る者」である
- 行政の立入検査に令状が不要であることを知っている人は多い。だがその意味の深さを知る人は少ない。拒否・妨害・虚偽答弁には刑事罰が用意されており、形式上は任意でも、実質は罰則による間接強制の構造になっている。「令状がないから断れる」という理解のまま拒めば、断った事実そのものが刑事事件の入口になる(具体的な法定刑は最新の改正状況をご確認ください)
- 「うちは検査を拒否できるのか」という問いの立て方が、そもそも外れている。実務の勝負どころは可否ではなく範囲だ。129条1項の保険会社検査との接続、特に必要性、必要の限度、この三つの外側にある要求をその場で識別できるかどうかに、すべてが懸かっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 検査の相手方 | 271条の13:保険主要株主(免許なし。一般事業会社・ファンドを含む) | 129条1項:保険会社本体(免許事業者) 271条の11:保険主要株主(報告・資料の徴求のみ、立入りなし) |
| 発動の前提 | 保険会社への129条1項検査が現に行われ、かつ特に必要があること | 保険契約者等の保護のため必要があると認めるとき(単独で発動可) 保険会社の業務・財産の状況に関し必要があると認めるとき |
| 権限の強度 | 立入り+質問+帳簿書類その他の物件の検査(必要の限度に限定) | 立入り+質問+検査(保険会社の業務全般が射程) 報告・資料の提出要求(物理的な立入りを伴わない) |
| 手続的な歯止め | 2項の理由提示義務が明文(相手方に理由を示さなければならない) | 犯罪捜査のために認められたものと解してはならない旨の規定 必要性の限定のみ(立入りがないため理由提示の明文なし) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関に保険業への検査権を与え、大株主の持株には報告・認可を要求する。関係者への調査を検査に随伴させる構造は日本と近いが、株主事務所への立入りの明文化の度合いは要確認
韓国は保険業法の検査規定に加え、金融会社支配構造法で大株主適格性の定期審査を制度化しており、株主側への監督が入口段階から常時化されている点が日本と異なる
ドイツは BaFin の情報請求・検査権を広く規定し、重要な持分保有者(bedeutende Beteiligung)を監督の射程に取り込む。EU ソルベンシーII 指令の国内実施として設計されている点が日本と根本的に異なる
米国は州法ベースの保険持株会社システム規制により、支配株主・持株会社への検査権を確保する。連邦単一の監督庁ではなく州保険庁が主体となる分散型である点が最大の相違
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 出資先の保険会社に金融庁検査が入ったという一報が、金曜の夕方に届いたとしたら? 週明けにはあなたの会社の受付に検査官が立つ可能性がある。この週末のうちに、どの資料が当該保険会社または自社の業務・財産の状況に関わるもので、どれが無関係なのかを線引きしておかないと、当日は全部出すか全部拒むかの二択に追い込まれる
- 検査官が会議室に入り、親会社の投資判断資料の提出を求めてきた。あなたには、その要求が保険会社または自社の業務・財産の状況に関するものかを確認する足場がある。2項の理由提示が、その足場だ
- ファンドの投資委員会が、保有する保険会社株を19%から21%へ引き上げる議案を通そうとしている。資料には認可(保険業法271条の10)の話しか書かれていない。その2ポイントの先に、自社オフィスの会議室に検査官が座る日があると説明した者は、まだ誰もいない
取るべき行動
被害を受けた側:契約者・一般投資家の立場なら、1. 契約先保険会社の主要株主構成をディスクロージャー誌や有価証券報告書で確認する2. 主要株主が保険会社の運営を歪めている疑いがあれば、事実関係を時系列で整理し金融庁の金融サービス利用者相談室へ情報提供する(検査の端緒は外部情報から立つことが多い) 3. 健全性はソルベンシー・マージン比率で定点観測する4. 最終的な受け皿として保険契約者保護機構の制度があることを前提に、解約判断を焦らない
訴えられた側:検査を受ける主要株主側なら、1. 検査官の身分証明書と2項の理由提示を必ず確認し、氏名・時刻・示された理由を記録する2. 対応窓口を一本化し、各部署の個別提出を止める3. 求められた資料を「当該保険会社または自社の業務・財産の状況に関するか」で一次仕分けし、外れると思うものは理由との関係を尋ねてから対応する4. 拒否・妨害・虚偽答弁は刑事罰の対象であり、感情的な拒絶は最悪手5. 金融規制に精通した弁護士を初日から関与させる
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。検査権限は保険会社に対する129条1項の検査に随伴するため、時間的射程はその検査の進行に連動する。検査忌避等の罰則については、法定刑に応じ刑事訴訟法250条により公訴時効が決まる(長期5年未満なら3年)。検査に伴う行政上の措置を争う場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月(行政事件訴訟法14条)。ただし立入検査それ自体の処分性は、実務上、解釈が分かれている
学説
通説(行政調査論):罰則により間接強制される行政調査は、形式上は任意調査でも実質的強制を伴うため、法律の定める目的・必要性・限度による厳格な限定に服する。271条の13が保険会社への検査への随伴、特に必要性、必要の限度という三条件を重ねたのは、この限定を条文上に具体化したものと理解される。
改正沿革 AI による整理
- 検証待ち 保険主要株主規制(271条の10以下)の導入時期および本条の新設年、その後の改正履歴は未検証。銀行・保険・証券に横断的な主要株主規制が整備された時期との対応関係を含め、人的検証を要する
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