保険業法 第271条の14(保険主要株主に対する措置命令)
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内閣総理大臣は、保険主要株主が第二百七十一条の十一各号に掲げる基準(当該保険主要株主に係る第二百七十一条の十第一項又は第二項ただし書の認可に第三百十条第一項の規定に基づく条件が付されている場合にあっては、当該条件を含む。)に適合しなくなったときは、当該保険主要株主に対し、措置を講ずべき期限を示して、当該基準に適合させるために必要な措置をとるべき旨の命令をすることができる。
この条文の基本情報
保険主要株主に対する措置命令とは何ですか?
定義保険主要株主に対する措置命令とは、保険業法第271条の14に定められた規定で、「内閣総理大臣は、保険主要株主が第二百七十一条の十一各号に掲げる基準(当該保険主要株主に係る第二百七十一条の十第一項又は第二項ただし書の認可に第三百十条第一項の規…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第271条の14(保険主要株主に対する措置命令)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第271条の14の条文原文は「内閣総理大臣は、保険主要株主が第二百七十一条の十一各号に掲げる基準(当該保険主要株主に係る第二百七十一条の十第一項又は第二項ただし書の認可に第三百十条第一項の規…」で始まります。
- 保険業法第271条の14は第二款に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第271条の14の前の条は保険業法第271条の13です。
- 保険業法第271条の14の次の条は保険業法第271条の15です。
- 保険業法第271条の14には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の14 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の14(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/271_14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法271条の14は、保険主要株主が認可基準に適合しなくなったとき、内閣総理大臣が期限を示して必要な措置を命令できると定める。認可条件の違反も命令の根拠になる。
Q · 保険会社の大株主になると、株主なのに金融庁から命令を受けることがあるんですか?
あります。保険業法271条の14の期限付き措置命令です
保険業法271条の14により、内閣総理大臣(実務上は金融庁)は、保険主要株主が271条の11各号の認可基準に適合しなくなったとき、期限を示して必要な措置をとるべき旨を命令できます。認可に310条1項の条件が付されている場合は、その条件不遵守も同じ引き金になります。名宛人は保険会社ではなく主要株主本人であり、命令に従わなければ271条の16の認可取消しへ進む段階的な監督構造になっています。
解説
保険会社の株を20% 以上握った者には、株主でありながら金融庁長官(内閣総理大臣名義)から直接命令が飛んでくる立場が生まれる。本条はその命令権の条文である。保険主要株主になるには271条の10の認可が要り、その認可の判断基準が271条の11に並んでいる。財産・収支の状況、保険会社の業務の健全・適切な運営を損なうおそれがないこと、そして社会的信用。あなたが認可を取った時点で基準を満たしていたとしても、その後の本業の赤字転落、親会社の信用不安、経営陣の不祥事で基準から外れた瞬間、金融庁は「いつまでに、こうしろ」と期限を切った命令を出せる。しかも認可に310条1項で条件が付いていれば、その条件違反も同じ引き金になる。株主は口を出す側であって出される側ではない、という常識が、保険業界では通用しない。
法的な位置づけ
保険業法271条の14は、保険主要株主に対する措置命令を定める規定である。内閣総理大臣は、保険主要株主が271条の11各号に掲げる認可基準(認可に付された310条1項の条件を含む)に適合しなくなったときに、期限を示して基準適合のために必要な措置を命ずることができる。報告徴求・立入検査と認可取消しの中間に位置する是正段階の処分である。
よくある質問 AI による整理
Q1保険主要株主とは何ですか?
保険会社の議決権を一定割合(原則20%、一定の場合15%)超えて保有する者で、271条の10の認可を受けた被規制主体です。株主でありながら監督対象になります。
Q2保険業法271条の14の命令は誰が出しますか?
条文上は内閣総理大臣ですが、権限は金融庁長官に委任されており、実務上は金融庁が命令書を発出します。名宛人は保険会社ではなく主要株主本人です。
Q3措置命令に従わないとどうなりますか?
271条の16の認可取消事由として評価されます。取消しに至れば認可のない主要株主状態を解消する対応を迫られ、保有株の処分が現実的な選択肢になります。
Q4認可の条件に違反しただけでも命令されますか?
されます。本条のカッコ書きが310条1項に基づく認可条件を基準と同列に扱うため、基準自体は満たしていても条件不遵守だけで命令の根拠が立ちます。
Q5措置命令の期限はどのくらいですか?
条文に定めはなく、命令書に記載される「措置を講ずべき期限」が唯一の時間軸です。事案の性質と是正の難易度に応じて当局が個別に設定します。
Q6措置命令は行政指導ですか?
違います。不利益処分たる行政処分であり、従わない自由はありません。その代わり審査請求や取消訴訟で争う道が開かれています。
Q7銀行の大株主にも同じ規制はありますか?
あります。銀行法52条の13が銀行主要株主への措置命令を定めており、保険業法271条の14と並行する構造になっています。
Q8相続で保険会社の株を取得した場合も対象ですか?
議決権が基準を超えれば主要株主に該当します。相続は認可なく発生しますが、その後の適格性審査や本条の命令対象からは外れません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1議決権を何パーセント持ったら、この命令の対象になるんですか?
保険主要株主の基準は議決権の20%(一定の場合は15%)で、これを超えて取得するには271条の10の認可が必要になる。認可を受けた時点で本条の名宛人になりうる立場が確定する。実務のポイント:閾値は単独保有だけでなく共同保有者の分を合算して判定される。ファンドが複数ビークルに分散させても、実質的に同一の意思で行動していれば合算対象になる。
Q2命令に従わなかったら、いきなり株を売らされるんですか?
本条の命令違反は、直ちに株式処分ではなく271条の16の認可取消事由として評価される。取消しがなされると認可のない主要株主状態が解消されるまでの措置を迫られる構造になっている。実務のポイント:実務上は取消しに至る前に、報告徴求や立入検査(271条の12、271条の13)が段階的に強まる。検査の頻度が上がった時点が、当局側の最後の警告サインである。
Q3認可のときに付いた条件って、そんなに重いものなんですか?
本条のカッコ書きは、310条1項に基づいて認可に付された条件を基準そのものと同列に扱うと明示している。つまり条件違反だけで措置命令の根拠が立つ。実務のポイント:認可条件は個別案件ごとに内容が異なり、公表されない部分もある。買収の途中で主要株主の地位を引き継ぐ場合、前任者に付いていた条件の全文を必ず確認しないと、知らないまま違反状態を承継する。
間違えやすい点 AI による整理
- 「株主は出資しているだけで、規制を受けるのは会社の方だ」という前提そのものが、保険業法では成り立たない。主要株主は認可を受けた被規制主体であり、報告徴求、立入検査(271条の12、271条の13)、そして本条の措置命令まで、会社と並ぶ監督ラインが引かれている。あなたが立てた「自分は規制対象外か」という問いが、最初から誤っている。
- 認可を一度取れば終わり、と理解している人は多い。だが認可は「取得時点の適格性」の証明にすぎず、基準適合性は保有し続ける限り毎日問われ続ける。本条の「適合しなくなったとき」という文言が意味するのは、認可後に発生した事情でも命令の根拠になるという継続的な監督である。取得のハードルばかり調べて、保有中のハードルを調べない買い手が最も危ない。
- 措置命令を「行政指導の一種で、従わなくても法的効果はない」と考える向きがあるが、これは行政指導(役所からのお願いで法的拘束力がないもの)と行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)を混同している。本条の命令は不利益処分であり、違反すれば271条の16の認可取消事由となり、さらに罰則の対象にもなりうる。取消訴訟や審査請求の対象になる代わりに、従わない自由はない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 当局が取る手段 | 271条の14:期限付き措置命令(是正の機会を与える) | 271条の12・13:報告徴求・立入検査(情報収集段階) 271条の16:認可取消し(最終段階) |
| 発動要件 | 271条の11各号の基準(認可条件を含む)への不適合 | 保険会社の業務・財産の状況に照らし必要があるとき 基準不適合の重大性、措置命令違反等 |
| 名宛人への影響 | 期限内の是正義務。株式保有自体は維持できる | 報告・検査受忍義務。保有状態に直接の影響なし 認可の失効。主要株主状態の解消を迫られる |
| 対抗手段 | 期限延長の協議、審査請求・取消訴訟、自主改善計画 | 検査忌避は罰則対象。争う余地は限定的 聴聞(行政手続法13条)、取消訴訟 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険会社の大株主に適格性審査と主管機関(金融監督管理委員会)の処分権を置く。持株比率の届出・承認閾値と是正命令の構造が日本と類似する
韓国も金融委員会による大株主変更承認制を採り、適格性要件を欠いた場合の是正命令・議決権制限といった段階的措置を用意している
ドイツは bedeutende Beteiligung の取得に BaFin への届出と審査を課し、保有者が適格性を欠く場合には議決権行使の禁止等の措置を命じうる
米国は州単位で Form A による支配取得の事前承認制を敷き、州保険長官が支配株主に対して是正命令や承認撤回を行う。連邦一律の規制ではない点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 事業会社が中堅の生命保険会社を買収し、主要株主として認可を得た。三年後、本業の海外事業で巨額の減損が出て自己資本が毀損する。保険会社自体は健全経営なのに、親である自分に対して業務改善的な措置命令が飛んでくる。命令の名宛人は保険会社ではなく、あなたの会社だ。
- 投資ファンドが保険会社の議決権25% を取得。認可の際に「保有期間中は財務指標を四半期ごとに報告すること」という条件が310条1項で付されていた。報告を二期怠った。基準そのものは満たしているのに、条件不遵守だけで本条の命令対象になる。カッコ書きの一文が、そのまま制裁の入口になっている。
- もし主要株主が外国法人で、その本国で当局から処分を受けたら? 社会的信用の基準に響き、日本の金融庁が期限付きの是正命令を出しうる。国境をまたいでも、日本の保険契約者を守る糸は切れない。
- 命令書に「三か月以内に資本増強を完了せよ」と書かれている。あと30日。資本市場は冷え込み、増資の引受先も見つからない。期限を守れなければ次に来るのは271条の16の認可取消しであり、保有株の処分を迫られる。ここで効いてくるのは、命令を受ける前にどれだけ当局と対話の実績を積んでいたかだ。
取るべき行動
被害を受けた側:保険契約者や取引先の立場で主要株主の信用不安を察知した場合、まず金融庁の免許・許認可等業者一覧で主要株主の認可状況を確認する。保険会社自体の健全性は契約者保護機構(保険業法259条以下)で一定程度守られており、株主の問題が直ちに契約の失効を意味しない。不安を感じたら解約を急ぐ前に、解約返戻金の減額リスクと保護機構の補償範囲を比較して判断する。
訴えられた側:命令を受けたら三本を同時に走らせる。第一に、指定された期限と措置内容を分解し、実現可能性を財務・法務で検証する。第二に、期限内の完遂が難しい部分は放置せず、当局に進捗報告と期限延長の協議を早期に申し入れる。第三に、命令の前提となった基準不適合の認定自体に争う余地があるなら、審査請求または取消訴訟の期間を押さえる。是正努力と不服申立ては両立する。
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはなく、命令書に記載された「措置を講ずべき期限」が唯一の時間軸である。命令に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から三か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は六か月以内(行政事件訴訟法14条)。いずれも命令書の教示欄の記載が起算点の手がかりになる(最新の改正状況をご確認ください)。
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