保険業法 第271条の16(保険主要株主に係る認可の取消し等)
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- 内閣総理大臣は、保険主要株主が法令若しくは法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき又は公益を害する行為をしたときは、当該保険主要株主に対し監督上必要な措置を命じ、又は当該保険主要株主の第二百七十一条の十第一項若しくは第二項ただし書の認可を取り消すことができる。この場合において、同条第一項の認可のうち設立に係るものは、当該認可を受けて設立された会社その他の法人である保険主要株主に対して与えられているものとみなす。
- 2.保険主要株主は、前項の規定により第二百七十一条の十第一項又は第二項ただし書の認可を取り消されたときは、内閣総理大臣が指定する期間内に保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
この条文の基本情報
保険主要株主に係る認可の取消し等とは何ですか?
定義保険主要株主に係る認可の取消し等とは、保険業法第271条の16に定められた規定で、「内閣総理大臣は、保険主要株主が法令若しくは法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき又は公益を害する行為をしたときは、当該保険主要株主に対し監督上必要な措置を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第271条の16(保険主要株主に係る認可の取消し等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第271条の16の条文原文は「内閣総理大臣は、保険主要株主が法令若しくは法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき又は公益を害する行為をしたときは、当該保険主要株主に対し監督上必要な措置を…」で始まります。
- 保険業法第271条の16は第二款に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第271条の16の前の条は保険業法第271条の15です。
- 保険業法第271条の16の次の条は保険業法第271条の17です。
- 保険業法第271条の16には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の16 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の16(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/271_16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法271条の16は、保険主要株主が法令違反や公益を害する行為をしたとき、内閣総理大臣が監督上必要な措置を命じ、または主要株主認可を取り消せると定める規定である。
Q · 保険会社の大株主が不祥事を起こしたら、株主側の認可はどうなるのですか?
取り消されます。さらに期限内に議決権を減らす義務も生じます。
保険業法271条の16第1項により、保険主要株主が法令若しくは法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき、または公益を害する行為をしたときは、内閣総理大臣は監督上必要な措置を命じるか、第271条の10第1項・第2項ただし書の認可を取り消すことができます。取り消された場合、同条第2項により、保険主要株主は内閣総理大臣が指定する期間内に、主要株主基準値以上の議決権の保有者でなくなるよう所要の措置を講じなければなりません。処分の名宛人は保険会社ではなく、株主本人です。
解説
保険業法の規制対象は保険会社である、と誰もが思っている。271条の16はその思い込みを正面から壊す。ここで名指しされているのは会社ではなく、その株を握っている「人」のほうだ。保険会社の議決権を主要株主基準値(原則20%、一定の場合15%)以上保有するには、あらかじめ内閣総理大臣、実際に動くのは金融庁の認可が要る。そして法令違反や公益を害する行為があれば、その認可は取り消される。取り消されて終わりではない。2項が続く。認可を失った株主は、金融庁が指定する期間内に、基準値未満まで議決権を落とす措置を講じなければならない。保有株の売却や議決権の処分を、期限付きで強制されるということである。株主であるあなたに、国家が直接「持ち分を減らせ」と命じる条文が、日本の法律には確かに存在する。
法的な位置づけ
保険業法第271条の16は、保険主要株主に対する監督処分を定める規定である。保険主要株主が法令等に違反し、又は公益を害する行為をしたときは、内閣総理大臣は監督上必要な措置を命じ、又は第271条の10の認可を取り消すことができる。認可を取り消された者は、指定期間内に議決権を主要株主基準値未満とする措置を講じる義務を負う。
よくある質問 AI による整理
Q1保険主要株主とは何ですか?
保険会社の議決権を主要株主基準値(原則20%、一定の場合15%)以上保有し、内閣総理大臣の認可を受けた者をいいます。認可の根拠規定は保険業法271条の10です。
Q2主要株主基準値は何パーセントですか?
原則は総株主の議決権の20%です。一定の場合は15%に引き下げられます。単独保有だけでなく、共同保有者などの議決権も合算して判定される点に注意が必要です。
Q3保険主要株主の認可取消しは誰が決めるのですか?
条文上は内閣総理大臣です。実際の検査・監督は金融庁が担います。処分の名宛人は保険会社ではなく主要株主本人であり、会社を経由せず株主に直接届きます。
Q4認可取消しの前に聴聞は開かれますか?
認可取消しは不利益処分にあたるため、行政手続法13条1項により聴聞手続が予定されています。期日までに是正計画を提示できるかが処分の重さを左右します。
Q5認可取消しに不服がある場合はどうしますか?
審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は6か月以内です。争っている間も2項の指定期間は進むため、売却準備を必ず並行させます。
Q6議決権を減らす期限は法律で決まっていますか?
決まっていません。271条の16第2項は「内閣総理大臣が指定する期間」とのみ定め、事案ごとに設定されます。期間の協議そのものが実務上の主戦場になります。
Q7保険持株会社の場合も同じ規定が適用されますか?
保険持株会社については別系統の規定が置かれており、本条は保険会社の主要株主を対象とする規定です。適用範囲は現行条文で必ずご確認ください。
Q8監督上必要な措置と認可取消しはどちらが先ですか?
条文は両者を選択的に並べており、順序は法定されていません。実務上は監督上必要な措置の命令が先行し、重大・継続的な事案で取消しへ進むと理解されています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1株をたくさん持ってるだけなのに、どうして金融庁に口を出されるんですか?
保険会社の議決権を主要株主基準値(原則20%、一定の場合15%)以上保有するには、あらかじめ内閣総理大臣の認可が必要である(保険業法271条の10)。経営を左右できる立場そのものが、契約者保護のリスクになるからだ。実務のポイント:議決権は単独保有だけで数えない。共同保有者や実質的な支配関係にある者の分が合算される。単独で19% に抑えたつもりが、グループ合算で基準値を超えている例は珍しくない
Q2「公益を害する行為」って、結局なにをしたらアウトなんですか?
条文に定義はなく、実務上、解釈が分かれている。反社会的勢力との関係、保険会社の資産を私的に流用させる働きかけなど、法令違反に至らない著しく不適切な関与が想定される。実務のポイント:判断の着眼点は法律ではなく金融庁の「保険会社向けの総合的な監督指針」に書かれている。当局が何を見るかを知りたい実務家は、条文より先に監督指針を開く
Q3指定された期間内に株を売れなかったら、どうなりますか?
2項の措置義務違反となり、さらに監督上必要な措置を命じられる対象になりうる(271条の16第1項)。期間そのものは法定されておらず、内閣総理大臣が事案ごとに指定する。実務のポイント:非上場の保険会社株は買い手が限られ、期限が短いほど足元を見られる。処分が視野に入った段階で売却先の目星をつけられるかどうかが回収額を左右する(罰則の有無は最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 規制の相手は保険会社であって、株主である自分は最悪でも株を売れば抜けられる、と考えている人が多い。271条の16の名宛人は保険会社ではなく保険主要株主本人である。処分は会社を経由せず、あなたの会社に直接届く
- 認可が取り消されうることは知っていても、取消しが終点ではないことを知らない。2項は取消しの後に、期限付きの議決権縮減義務を新たに発生させる。取り消されて自由になるのではなく、取り消されてから期限が走り始める
- 「どの法令に違反したらアウトなのか」という問いの立て方自体がずれている。条文は法令違反と並べて「公益を害する行為」を独立の事由として置いた。違反していないという立証をいくら積み上げても、この受け皿は残る。問うべきは違反の有無ではなく、保険契約者保護の観点から当局があなたの関与をどう評価するかである。なお、この文言の外延は実務上、解釈が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される局面 | 保険業法271条の16:認可取得後の監督・処分段階 | 保険業法271条の10:基準値以上の議決権を取得する前の事前認可 行政手続法13条:不利益処分を行う前の手続保障 |
| 名宛人 | 保険主要株主本人(保険会社ではない) | 認可を申請する取得予定者 不利益処分を受ける者一般 |
| 法的効果 | 監督上必要な措置の命令、または認可取消し+2項の議決権縮減義務 | 認可の付与または拒否(認可なく基準値以上を保有できない) 聴聞または弁明の機会の付与 |
| 時間軸 | 保有中いつでも発動しうる(違反・公益侵害があったとき) | 基準値を超える取得の前(事前規制) 処分決定の直前 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は一定比率以上の保有について申告義務と大株主適格性の審査を置き、適格性を欠く場合に議決権行使を制限する構成をとる。議決権の行使制限を前面に出す点が日本と異なる
韓国は業法ごとの規制を金融会社支配構造法に統合し、大株主の変更承認と定期的な適格性審査を制度化している。日本が保険業法内に規定を置くのと対照的である
ドイツは EU の Solvency II を国内法化し、重要な持分取得の届出と、適格性を欠く場合の議決権行使禁止命令を監督当局に与える。認可取消しより議決権凍結を主たる手段とする
米国は州保険監督官が Form A 手続で支配取得を事前審査する。10% 以上の保有で支配が推定され、州ごとに運用が異なる点が単一当局の日本と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが役員を務める事業会社が保険子会社の議決権を25% 握っていて、親会社側で独占禁止法違反の排除措置命令を受けたとしたら? 違反の舞台が保険と無関係でも、条文の「法令に違反したとき」は保険業法違反に限定されていない。ただし実務上、いきなり認可取消しに飛ぶことは少なく、まず監督上必要な措置の命令が選ばれる。その分岐点に立たされるという意味である
- 投資ファンドが保険会社を買収し、あなたはその運用会社の責任者である。後日、ファンドの資金の出し手に不適切な関係が判明した。処分の名宛人は買収された保険会社ではなく、主要株主であるファンド側だ。保険会社の経営陣を守っても、自分の認可は守れない
- 金融庁から聴聞の通知が届く。宛先は保険会社ではなく、あなたの会社だ。名宛人が誰かを最初に見落とすと、防御の設計を丸ごと間違える
- 認可取消しの処分書と同時に、議決権を基準値未満へ落とす期限が通知された。非上場の保険会社株を20% 超、指定期間内に引き取る相手を探すことになる。売り手が期限に追われていることを、買い手は必ず察知する。値引きの幅は残り時間に反比例して広がっていく
- あなたが保険会社の少数株主または社外取締役で、大株主が資産運用方針に無理を通し始めた。会社法の手段だけを考えているなら、手札を一枚見落としている。金融庁が大株主本人へ直接処分を打てる経路が、この条文で開いている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 主要株主による不当な影響が疑われるなら、まず事実を記録する。取締役会議事録、株主からの要請文書、資産運用方針の変更履歴2. 保険会社の取締役であれば、善管注意義務(プロとして当然払うべき注意のレベル)の観点から反対意見を議事録に残す3. 金融庁の監督部局および金融サービス利用者相談室への情報提供を検討する4. 少数株主なら会社法上の帳簿閲覧請求や責任追及の訴えと並行して進める
訴えられた側:1. 聴聞の通知が届いたら、期日前に是正計画を組む。役員派遣の解消、議決権行使の自制、コンプライアンス体制の再構築2. 監督上必要な措置の命令で止まるか認可取消しまで行くかは、この段階で分かれる3. 取消処分が出たら、2項の指定期間と売却シナリオを同時に設計する4. 処分自体を争うなら審査請求または取消訴訟。ただし争っている間も期限は進むため、売却準備は必ず並行させる
時効(請求できる期限):認可取消しは不利益処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)であり、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)、いずれも処分の日から1年を経過すると原則として提起できない。2項の議決権縮減の期限は法定されておらず、内閣総理大臣が事案ごとに指定する期間による
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年)前後の金融機関主要株主規制の導入 銀行法の主要株主規制と歩調を合わせ、保険会社の主要株主に対する認可制と監督処分の枠組みが保険業法に整備されたとされる。ただし本条の新設年次、その後の改正回数および改正内容については人的検証が必要である
改正の年表
- 1.平成13年(2001年)前後 新設:銀行法の主要株主規制と歩調を合わせ、保険会社の主要株主に対する認可制と監督処分の枠組みが保険業法に整備されたとされる。本条の新設年次およびその後の改正内容は人的検証が必要である
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