保険業法 第271条の25(保険持株会社に係る業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等)
クイックジャンプ
- 保険持株会社は、事業年度ごとに、当該保険持株会社及びその子会社等の業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを当該保険持株会社及び当該子会社等につき連結して記載した説明書類を作成し、当該保険持株会社の子会社である保険会社の本店及び支店その他これに準ずる場所として内閣府令で定める場所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。
- 2.前項の説明書類は、電磁的記録をもって作成することができる。
- 3.第一項の説明書類が電磁的記録をもって作成されているときは、保険持株会社の子会社である保険会社の本店及び支店その他これに準ずる場所として内閣府令で定める場所において、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。この場合においては、同項の説明書類を同項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。
- 4.前三項に定めるもののほか、第一項の説明書類を公衆の縦覧に供する期間その他これらの規定の適用に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
- 5.保険持株会社は、第一項に規定する事項のほか、当該保険持株会社の子会社である保険会社の保険契約者その他の顧客が当該保険持株会社及びその子会社等の業務及び財産の状況を知るために参考となるべき事項の開示に努めなければならない。
この条文の基本情報
保険持株会社に係る業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等とは何ですか?
定義保険持株会社に係る業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等とは、保険業法第271条の25に定められた規定で、「保険持株会社は、事業年度ごとに、当該保険持株会社及びその子会社等の業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを当該保険持株会社及び当該子会社等につ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第271条の25(保険持株会社に係る業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第271条の25の条文原文は「保険持株会社は、事業年度ごとに、当該保険持株会社及びその子会社等の業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを当該保険持株会社及び当該子会社等につ…」で始まります。
- 保険業法第271条の25は第三款に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第271条の25の前の条は保険業法第271条の24です。
- 保険業法第271条の25の次の条は保険業法第271条の26です。
- 保険業法第271条の25には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の25 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の25(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/271_25
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法271条の25は、保険持株会社に対し、グループを連結した説明書類を作成し、子会社である保険会社の本店・支店等に備え置いて公衆の縦覧に供することを義務づける規定である。
Q · 保険会社の親会社であるグループ全体の数字って、契約者でなくても見られるんですか?
契約者でなくても、保険会社の支店で誰でも縦覧できます
見られます。保険業法271条の25第1項は、保険持株会社に対し、事業年度ごとに持株会社と子会社等を連結した説明書類を作成し、子会社である保険会社の本店・支店その他内閣府令が定める場所に備え置いて、公衆の縦覧に供することを義務づけています。対象は「公衆」であり、契約者であることも、氏名や理由を告げることも要件ではありません。電磁的記録で作成し3項の電子的措置をとった場合は備置・縦覧をしたものとみなされますが、4項の縦覧期間が終われば閲覧できなくなります。
解説
保険の契約者は、自分が契約した保険会社単体の数字しか見られないと思い込んでいる。実際は違う。親会社である保険持株会社は、毎事業年度、持株会社と子会社等を連結した説明書類を作り、子会社である保険会社の本店・支店その他内閣府令が定める場所に備え置き、公衆の縦覧に供する義務を負う。公衆、つまりあなたが契約者でなくても、身分証も理由も要らない。電磁的記録で作り、不特定多数が情報の提供を受けられる状態に置けば備置とみなされるが、開示義務そのものが消えるわけではない。さらに5項は、法定事項を超えて契約者の参考になる情報の開示に努めよと命じる。単体が健全に見えても、グループの傷は連結側にしか出ない。運転席だけ点検してエンジンルームを開けないまま、保険料を払い続けるかどうかを決めていることになる。
法的な位置づけ
保険業法271条の25は、保険持株会社の連結開示義務を定める規定である。持株会社は事業年度ごとに、自社および子会社等の業務・財産の状況に関する内閣府令所定の事項を連結して記載した説明書類を作成し、子会社である保険会社の本店・支店等に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。記載事項および縦覧期間は内閣府令に委任される。
手順
- 1.契約先の保険会社の親会社(持株会社)を特定する 保険証券、約款、保険会社の会社概要ページで、親会社が保険持株会社かどうかを確認する。持株会社が存在しない保険会社には本条の連結説明書類は存在しないため、この確認が出発点になる
- 2.保険会社の本店・支店で「271条の25の縦覧」と指名する 窓口で「保険持株会社の連結説明書類の縦覧」と告げる。契約者であることも氏名も理由も要件ではない。制度を知らない担当者に当たった場合は、保険業法271条の25と条番号を添えて依頼する
- 3.電子開示ページを同時に確認し、日付入りで保存する 3項の電子的措置がとられている場合はウェブ上で閲覧できる。ただし差し替えと削除が容易で、4項の縦覧期間が終われば消える。閲覧できるうちに PDF を取得日つきで保存する
- 4.単体と連結を並べ、差の大きい項目を洗い出す 保険会社単体の説明書類(111条)と持株会社の連結説明書類を並べ、自己資本、ソルベンシー・マージン比率、子会社等の一覧を突き合わせる。単体と連結の差が大きいほど、営業資料が単体だけを示す傾向がある
よくある質問 AI による整理
Q1保険持株会社とは何ですか?
保険会社を子会社として支配することを主たる事業とする持株会社です。自らは保険を引き受けず、グループの経営管理を担います。設立等には内閣総理大臣の認可が必要とされています。
Q2連結説明書類には何が書いてありますか?
保険持株会社とその子会社等の業務および財産の状況に関する事項で、内閣府令が定めるものです。具体的な記載項目は保険業法施行規則に委任されているため、最新の府令をご確認ください。
Q3説明書類の縦覧期間はいつまでですか?
271条の25第4項により、縦覧に供する期間は内閣府令で定められます。期間が終われば窓口でも電子開示でも閲覧できなくなるため、必要な記載は期間内に保存しておくのが安全です。
Q4説明書類に虚偽記載があったら罰則はありますか?
保険業法には説明書類の虚偽記載等に対する過料の規定が置かれています。条番号や金額は改正で動くため、適用の可否は最新の条文と当局の対応をご確認ください。
Q5電磁的記録での開示はいつ備置とみなされますか?
3項の措置、すなわち本店・支店等において電磁的方法により不特定多数の者が情報の提供を受けられる状態に置いたときです。この場合、紙の備置と縦覧をしたものとみなされます。
Q6連結ソルベンシー・マージン比率とは何ですか?
保険グループ全体の支払余力を示す監督上の指標です。単体の比率が高くても連結で低い場合があるため、持株会社の連結説明書類で両方を突き合わせる意味があります。
Q7「子会社等」にはどこまで含まれますか?
保険業法上の定義に従い、子会社のほか、実質的な支配・影響が及ぶ会社が含まれます。範囲は定義規定および内閣府令で定まるため、具体的な該当性は最新の条文で確認が必要です。
Q8説明書類はどの場所に備え置かれますか?
保険持株会社の子会社である保険会社の本店および支店、その他これに準ずる場所として内閣府令が定める場所です。持株会社の本社ではなく、保険会社の窓口が起点になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1支店に行って「見せてください」と言うだけで、本当に見られるんですか?
見られます。271条の25第1項は備え置いたうえで「公衆の縦覧に供しなければならない」と定めており、対象は公衆です。契約者であることも、氏名を名乗ることも、理由を述べることも要件ではありません。実務のポイント:窓口担当者自身が制度を知らず、奥へ確認に行くことが珍しくない。「保険業法271条の25の縦覧です」と一言添えると話が早い。ここで支店には置いていないと言われたら、その事実自体が監督上の論点になる
Q2保険会社が出しているディスクロージャー誌とは別物なんですか?
別物です。保険会社単体の説明書類は111条、持株会社がグループを連結して作るものが271条の25です。単体が健全でも、親会社や兄弟会社が抱えたリスクは連結側にしか現れません。実務のポイント:読むなら単体と連結を並べ、自己資本やソルベンシー・マージン比率の差を見る。差が大きいグループほど、営業の場面では単体の数字だけを持ち出す傾向がある
Q3ウェブに載っているなら、わざわざ支店まで行く必要はないですよね?
そのとおりで、3項の電子的措置を取っていれば備え置いて縦覧に供したものとみなされます。ただし電子開示は差し替えも削除も容易で、4項の縦覧期間が終われば消えます。実務のポイント:乗り換えや保険金請求のトラブルを見据えるなら、閲覧できるうちに PDF を日付入りで保存する。後日、開示当時の記載が争点になったとき、手元に保存版があるかどうかで交渉力が変わる
Q45項の「努めなければならない」って、結局は守らなくていいという意味ですか?
努力義務なので、それ自体に直接の制裁は予定されていません。ただし監督当局は、任意開示の姿勢をグループの健全性やガバナンスを評価する材料として見ています。実務のポイント:任意開示の厚みは自信の裏返しで、都合の悪い期だけ項目が静かに減る会社がある。前年の説明書類と項目を突き合わせ、消えた項目を探す。それが読み慣れた人のやり方だ
間違えやすい点 AI による整理
- 「開示請求すれば見せてもらえるのか」という問いの立て方自体がずれている。本条は請求も申請も前提にしていない。備え置かれたものを黙って見る「縦覧」の制度であり、行政機関に対する情報公開請求(情報公開法)とは仕組みが別である。手続を探しているうちに、見るだけで済む話に時間を費やすことになる
- 電子開示で足りることを知っている人は多いが、その意味の深刻さは理解されていない。3項の措置を取れば紙の備置をしたものとみなされる。裏を返せば、ウェブから消えた瞬間に、あなたが縦覧できる状態も消える。閲覧できるうちに PDF を日付とともに保存しておかなければ、後から「当時こう書いてあった」を立証する手段がない
- あなたから見れば会社案内の延長に見える冊子だが、法律から見れば記載事項が内閣府令で指定された法定開示書類であり、重要な事項の虚偽記載には過料等の制裁が予定されている(最新の改正状況をご確認ください)。この落差が効いてくる。広告の誇張と違い、説明書類の記載は後日の責任追及で使える材料になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 開示主体 | 保険業法271条の25:保険持株会社 | 保険業法111条:保険会社(単体) 会社法440条:株式会社一般 |
| 開示範囲 | 持株会社と子会社等を連結した業務・財産の状況 | 当該保険会社単体の業務・財産の状況 貸借対照表(大会社は損益計算書も) |
| 備置・公表の場所 | 子会社である保険会社の本店・支店その他内閣府令所定の場所 | 当該保険会社の本店・支店その他内閣府令所定の場所 官報・日刊新聞紙・電子公告 |
| 利用者から見た意味 | グループ全体の体力と子会社等の顔ぶれが分かる唯一の法定資料 | 契約先単体の健全性が分かるが、親会社の傷は映らない 計算書類の要旨のみで、保険特有の指標は含まれない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は金融持株会社に対し、グループの財務・業務情報の公開と主管機関への申報を求める。保険だけでなく銀行・証券を含む金融グループ横断の枠組みである点が、保険業法内に置かれた日本と異なる
韓国も金融持株会社を単独法で規律し、グループの経営情報の公示と監督当局への報告を定める。保険持株会社も同法の枠組みに取り込まれる構造
EU の Solvency II はグループレベルの Solvabilitäts- und Finanzbericht(SFCR)の公表を求める。開示内容が EU 指令で標準化されている点が、内閣府令に委任する日本との大きな違い
米国は州保険監督官への登録・報告(Form B 等)を中心とし、グループ情報の相当部分は監督当局限りの取扱いとなる。公衆縦覧を正面から義務づける日本とは開示の宛先が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの入っている生命保険会社の親会社が、海外の再保険子会社で巨額の損失を抱えていたら? 保険会社単体のパンフレットには、その傷は一行も出てこない。持株会社が連結で作る説明書類にだけ、グループ全体の自己資本と子会社等の顔ぶれが載る。271条の25は、その一冊を、あなたが歩いて行ける支店の棚に置かせている条文だ
- あなたが保険持株会社の開示担当だとする。連結説明書類を本店にだけ置き、支店を落とした。内容は完璧でも、内閣府令が定める備置場所を外した時点で本条違反になる。当局の検査で最初に見られるのは記載の巧拙ではなく、決められた場所に、決められた期間、実際に置いてあるかどうかである
- 窓口で「グループの連結ディスクロージャー誌を見たい」と告げる。理由を聞かれても答える義務はない。それが縦覧という言葉の意味だ。
- 格下げ報道から5営業日。乗り換えるか据え置くかを判断するのに、単体のソルベンシー・マージン比率だけでは足りない。連結説明書類の後半にある子会社等の一覧とグループ自己資本の内訳を突き合わせる必要がある。次の保険料引き落としまで、あと3週間
- 従業員の団体保険を切り替える総務担当として、三つのグループを比較したい。各社の営業資料はどれも自社に都合のよい指標だけを並べてくる。持株会社の連結説明書類は内閣府令で記載事項が揃えられているため、同じ土俵で並べられる唯一の資料になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約先の保険会社の本店または支店で「グループの連結ディスクロージャー誌の縦覧」と指名する。理由の説明も氏名の告知も不要2. 同時に持株会社のウェブ開示を確認し、PDF をその場で保存する(3項の電子開示は差し替えと削除が容易) 3. 見るべきは連結ソルベンシー・マージン比率、子会社等の一覧、グループ自己資本の内訳4. 備置も電子開示も見当たらない場合は、日時と対応者を記録し、金融庁の金融サービス利用者相談室に事実として申し出る
訴えられた側:1. 内閣府令が定める備置場所の範囲を洗い直す。本店だけでなく支店その他の指定場所を一か所落とせばそれ自体が違反になる2. 電子開示に切り替えるなら、不特定多数が提供を受けられる状態の継続が本体。縦覧期間中のリンク切れと誤削除が最大のリスク3. 記載事項は内閣府令の項目をチェックリスト化し、重要な事項の虚偽記載を排除する4. 5項の努力義務部分は任意開示だが、一度出した項目を翌期に落とすと姿勢を疑われる
時効(請求できる期限):本条自体に権利行使の期間制限はない。縦覧に供する期間は4項により内閣府令で定められ、その期間を過ぎれば窓口でも電子開示でも閲覧できなくなる(最新の改正状況をご確認ください)。説明書類の虚偽記載を理由とする損害賠償請求には特定の時効はなく、一般の不法行為の消滅時効(民法724条、知った時から3年、行為時から20年)が適用される
- 保険業法 第111条保険会社単体の説明書類縦覧義務
- 保険業法 第271条の18保険持株会社の設立等の認可(現行効力を要確認)
- 保険業法 第271条の26持株会社への報告徴求権(現行効力を要確認)
- 保険業法 第271条の27持株会社への立入検査権(現行効力を要確認)
- 保険業法 第333条説明書類の虚偽記載等への過料(現行効力を要確認)
- 金融商品取引法 第24条上場持株会社への法定開示の重畳適用
- 会社法 第440条株式会社一般の決算公告義務との併存
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める