保険業法 第271条の27(保険持株会社等による報告又は資料の提出)
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- 内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため、第百二十八条第一項の規定により保険会社に対し報告又は資料の提出を求める場合において、特に必要があると認めるときは、当該保険会社を子会社とする保険持株会社、当該保険持株会社の子法人等(子会社その他当該保険持株会社がその経営を支配している法人として内閣府令で定めるものをいう。次項並びに次条第二項及び第四項において同じ。)又は当該保険持株会社から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。次項並びに同条第二項及び第四項において同じ。)に対し、その理由を示した上で、当該保険会社の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
- 2.保険持株会社の子法人等又は当該保険持株会社から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。
この条文の基本情報
保険持株会社等による報告又は資料の提出とは何ですか?
定義保険持株会社等による報告又は資料の提出とは、保険業法第271条の27に定められた規定で、「内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため、第百二十八条第一項の規定により保険会社に対し報告又は資料の提出を求める…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第271条の27(保険持株会社等による報告又は資料の提出)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第271条の27の条文原文は「内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため、第百二十八条第一項の規定により保険会社に対し報告又は資料の提出を求める…」で始まります。
- 保険業法第271条の27は第四款に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第271条の27の前の条は保険業法第271条の26です。
- 保険業法第271条の27の次の条は保険業法第271条の28です。
- 保険業法第271条の27には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の27 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の27(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/271_27
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法271条の27は、内閣総理大臣が理由を示した上で、保険持株会社・その子法人等・委託を受けた者(再委託先を含む)に報告や資料の提出を求められると定める規定である。
Q · 保険会社の孫請けをしているだけの会社にも、金融庁から報告を求められることがあるの?
あります。条文が多段階の再委託先まで射程に入れています
保険業法271条の27第1項は、報告・資料提出を求められる相手として「保険持株会社から業務の委託を受けた者」を挙げ、括弧書きで「二以上の段階にわたる委託を含む」と明記しています。したがって二次請け・三次請けの事業者も射程内です。ただし発動には、128条1項の報告徴求が動いている場面であること、特に必要があると認めること、その理由を示すことが必要です。2項により、子法人等と委託を受けた者は正当な理由があるときに提出を拒むことができますが、保険持株会社本体にこの拒否権はありません。
解説
保険会社のコールセンターやシステム保守を、二次請け・三次請けで担っている従業員二十人の会社。そこに金融庁名義で報告を求める書面が届くことがある。保険業法271条の27は、内閣総理大臣が128条1項で保険会社に報告を求める場面において、特に必要があると認めるときは、その親である保険持株会社、その子法人等、さらに保険持株会社から業務の委託を受けた者にまで報告や資料の提出を求められると定める。条文自身が「二以上の段階にわたる委託を含む」と書いており、孫請け、ひ孫請けまで射程に入る。あなたが握るべき非対称は二つある。第一に、当局は「その理由を示した上で」求めなければならない。理由提示は要件である。第二に、2項の拒否権は子法人等と業務の委託を受けた者にしか与えられておらず、保険持株会社本体は正当な理由を盾に拒めない。同じ一本の条文の中で、立場によって使える札が違う。
法的な位置づけ
保険業法271条の27は、保険会社に対する報告徴求(同法128条1項)に付随する情報収集権限を定める規定である。内閣総理大臣は、特に必要があると認めるときに限り、理由を示した上で、保険持株会社、その子法人等、および保険持株会社からの受託者(多段階の再受託者を含む)へ報告または資料の提出を求めることができ、後二者には正当な理由による拒否権が留保される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.書面の根拠条文と理由記載を最初に確定する 届いた書面が271条の27第1項の報告徴求か、次条271条の28の検査かを特定し、理由記載・対象範囲・提出期限・提出先を一覧化する。根拠が特定できないまま社内に展開すると、後の対応がすべてぶれる
- 2.委託元の保険持株会社へ即日通知する 受領当日に委託元へ通知し、対応窓口、提出内容の整合、作業費用の負担を書面で確認する。委託元が並行して同種の要求を受けている場合、グループ全体で提出物の食い違いを防ぐ必要がある
- 3.理由・対象範囲が不明確なら書面で具体化を求める 1項が理由提示を要件としている以上、範囲の具体化を書面で照会するのは拒否ではなく手続的な照会である。この一往復で提出範囲が絞られ、実務上の期限も調整されることがある
- 4.提出資料の版管理を一元化する 提出前に数値の出典日と版を揃え、更新前の古い数値の混入を防ぐ。単純ミスであっても、提出物の食い違いは報告徴求から検査へ切り替わる分岐点になる
- 5.拒否を検討する場合は2項の要件で整理する 自社が子法人等または委託を受けた者であることを確認した上で、正当な理由を契約上の秘密保持だけに依拠せず、法令上の守秘義務や第三者の権利侵害など具体的根拠で構成する。拒否の判断と根拠は社内決裁の記録として残す
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法271条の27とは?
保険会社への報告徴求(128条1項)に付随して、保険持株会社・子法人等・業務委託先へも理由を示して報告や資料提出を求められる規定です。多段階の再委託先も対象になります。
Q2報告徴求を拒否できる?
子法人等と業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときに限り拒めます(2項)。保険持株会社本体は列挙されておらず、拒否権はありません。
Q3再委託先も対象になる?
なります。1項の括弧書きが「二以上の段階にわたる委託を含む」と明記しており、二次請け・三次請けの事業者も条文上の名宛人です。
Q4報告要求に理由は必要?
必要です。1項は「その理由を示した上で」と規定しており、理由提示は手続要件です。記載が抽象的な場合は書面で具体化を求める余地があります。
Q5金融庁から書面が届いたらどうする?
まず根拠条文・理由記載・対象範囲・期限を確定し、委託元の保険持株会社へ即日通知して対応窓口と費用負担を書面で確認するのが実務の初動です。
Q6子法人等の範囲は?
子会社のほか、保険持株会社がその経営を支配している法人として内閣府令で定めるものが含まれます(1項括弧書き)。具体的範囲は施行規則を確認してください。
Q7報告を拒むと立入検査される?
条文上は次条271条の28に立入検査の権限が置かれており、報告徴求で解明できない場合の次段階として接続する構造になっています。
Q8秘密保持契約は正当な理由になる?
当事者間の秘密保持契約だけで自動的に正当な理由となるとは限りません。法令上の守秘義務や第三者の権利侵害など、契約外の根拠の整理が求められます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは保険会社じゃなくて、ただのシステム会社です。本当に金融庁から報告を求められるんですか?
求められる。271条の27第1項は「保険持株会社から業務の委託を受けた者」を明示し、括弧で「二以上の段階にわたる委託を含む」としている。再委託でも射程内である。実務のポイント:金融機関の委託先管理では、委託元が当局対応の協力義務を契約に書き込むのが通例。自社の契約書にその条項があるなら、報告要求は想定済みのイベントであり、費用負担を求める根拠にもなる
Q2秘密保持契約があるので出せません、で通りますか?
2項の正当な理由は子法人等と委託先に認められるが、当事者間の秘密保持契約だけで自動的に正当化されるとは限らない。法令上の守秘義務や第三者の権利侵害など、契約外の根拠が求められるのが実務の傾向で、この点は解釈が分かれている。実務のポイント:拒む前に委託元へ書面で開示同意を求めると、多くは即日で同意が返る。拒否した記録は後の検査で必ず読み返される
Q3持株会社の側も、同じように拒めるんですよね?
拒めない。2項が拒否権を与えているのは保険持株会社の子法人等と業務の委託を受けた者だけで、保険持株会社自身は列挙されていない。認可を受けてグループを支配する立場にあるからである(271条の18以下の認可制)。実務のポイント:この非対称を知っていると、グループ内で最終的に答える責任を負うのが誰かが一目で分かる
間違えやすい点 AI による整理
- 「自社は金融機関ではないので金融庁の権限は及ばないのでは」という問いの立て方そのものが的を外している。本条が見ているのは相手の業種ではなく、保険会社との距離である。保険持株会社から業務を受けたという一点で、業種を問わず射程に入る
- 2項に拒否権があることを知っている人でも、その狭さまでは知らない。正当な理由を持ち出せるのは子法人等と業務の委託を受けた者だけで、保険持株会社本体は列挙されていない。さらに、当事者間で結んだ秘密保持契約が自動的に正当な理由になるわけでもない
- あなたから見れば任意の協力依頼だが、法律から見れば法定の報告徴求である。理由提示の要否、拒否の可否、次条の立入検査への入口が、すべて条文に書き込まれている。任意の依頼だと思って雑に返した記録が、後で委託先管理体制の評価材料として読まれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 名宛人 | 271条の27:保険持株会社・子法人等・委託を受けた者(再委託先含む) | 128条:保険会社本体 271条の28:保険持株会社等(立入検査の対象) |
| 権限の内容 | 報告または資料の提出を求める(書面ベース) | 報告または資料の提出を求める(書面ベース) 立入り、質問、帳簿書類の検査 |
| 発動要件 | 128条1項の報告徴求が動いている場面 + 特に必要 + 理由提示 | 保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保する必要 同様に必要性の判断(詳細は次条を確認) |
| 拒否の可否 | 子法人等・委託先のみ正当な理由で拒否可(2項)/持株会社本体は不可 | 保険会社本体に拒否権の規定なし 検査への対応義務(詳細は次条を確認) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も金融持株会社本体だけでなく子会社・受託機関へ資料提出と検査の権限を及ぼす構造をとる。多段階の再委託を条文上明示するかは日本法と比較検討を要する
韓国も金融持株会社グループを一体として監督し、金融監督院が子会社等に資料提出を求める枠組みを持つ
ドイツは BaFin の監督権限が保険持株会社および機能・業務の委託先(Auslagerungsunternehmen)に及ぶ旨を規定し、委託によって監督が空洞化しない建付けをとる
米国は州保険庁による holding company system の登録・報告・検査制度をとり、州ごとにモデル法の採用状況が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、保険会社の基幹システムを二次請けで保守しているあなたの会社に、理由を記した報告要求が届いたとしたら? 対象は障害ログと再委託体制の一覧、期限はあと10日。委託元に確認してから動こうと構えているうちに期限が来る。秘密保持契約があるから出せない、が2項の「正当な理由」に当たるとは限らない
- 保険持株会社の経理部にいるあなたに、傘下保険会社の資産評価に関する資料提出の要求が来た。持株会社本体に2項の拒否権はない。出すか、出さずに行政上の措置を受けるかの二択である
- あなたはグループ内部監査で、傘下の保険会社に不利な内容の報告書を書いた。役員はそれを外に出したくない。だが当局が本条で資料を求めてきた局面で握り潰す判断は、次条271条の28の立入検査を呼び込み、あなた自身の立場を最も危険な位置に置く
- 委託先として提出した資料に、更新前の古い数値が混じっていた。悪意はない。ただ金融規制の世界では、単純ミスと虚偽報告の境界は提出側の版管理体制で判定される。提出物の食い違いが見つかった場面こそが、報告徴求から検査へ切り替わる分岐点である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 書面の理由記載、対象範囲、期限、根拠条文(271条の27第1項か、次条の検査か)を最初に確定する2. 委託元の保険持株会社へ即日通知し、対応窓口と費用負担を書面で確認3. 理由や範囲が不明確なら、書面で具体化を求める。これは拒否ではなく手続的な照会である4. 2項の正当な理由を主張するなら、契約上の秘密保持だけを根拠にせず、法令上の守秘義務や第三者の権利侵害など具体的に整理する
訴えられた側:1. 保険持株会社本体に2項の拒否権がないことを前提に、提出の可否ではなく内容の正確性と網羅性で勝負する2. 子法人等と委託先(再委託先を含む)の一覧を平時から維持する。要求が来てから作ると期限に届かない3. 提出資料の版管理を一元化し、古い数値の混入を防ぐ4. 次条271条の28の立入検査に接続する前提で、提出根拠と社内決裁の記録を残す
時効(請求できる期限):本条には法定の時効はなく、提出期限は当局が個別に指定する(実務上は数日から数週間)。求められた行為の性質上、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)の枠組みとは別系統である。不服がある場合は処分性の有無で争い方が分かれるため、行政不服審査法18条の審査請求期間(処分があったことを知った日の翌日から3か月)を起点に検討する(最新の改正状況をご確認ください)
- 保険業法 第128条保険会社への報告徴求、本条発動の前提
- 保険業法 第271条の28保険持株会社等への立入検査、次段階の権限
- 保険業法 第271条の18保険持株会社の認可制、拒否権不付与の根拠
- 保険業法 第132条保険会社への業務改善命令、報告後の措置
- 保険業法 第271条の29保険持株会社に対する監督上の措置(現行効力を要確認)
- 銀行法 第52条の31銀行持株会社等への同趣旨の報告徴求(現行効力を要確認)
- 金融商品取引法 第56条の2金融商品取引業者等と委託先への報告徴求(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第14条理由提示義務、本条の理由明示要件と同一法理
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