受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

保険業法 第272条の10(取締役等の兼職制限)

クイックジャンプ
  1. 少額短期保険業者の常務に従事する取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)は、他の会社の常務に従事する場合には、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。
  2. 2.内閣総理大臣は、前項の承認の申請があったときは、当該申請に係る事項が当該少額短期保険業者の業務の健全かつ適切な運営を妨げるおそれがあると認める場合を除き、これを承認しなければならない。

この条文の基本情報

取締役等の兼職制限とは何ですか?

定義取締役等の兼職制限とは、保険業法第272条の10に定められた規定で、「少額短期保険業者の常務に従事する取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)は、他の会社の常務に従事する場合には、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 保険業法第272条の10(取締役等の兼職制限)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
  2. 保険業法第272条の10の条文原文は「少額短期保険業者の常務に従事する取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)は、他の会社の常務に従事する場合には、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。」で始まります。
  3. 保険業法第272条の10は第一節に置かれています。
  4. 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
  5. 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 保険業法第272条の10の前の条は保険業法第272条の9です。
  7. 保険業法第272条の10の次の条は保険業法第272条の11です。
  8. 保険業法第272条の10には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式保険業法(平成七年法律第百五号)第272条の10
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105
  • 本サイト収録保険業法(平成七年法律第百五号)第272条の10(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/272_10

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点保険業法272条の10は、少額短期保険業者の常務取締役が他社の常務を兼ねる際に内閣総理大臣の承認を求める規定。業務の健全かつ適切な運営を妨げるおそれがなければ、承認しなければならない。

Q · ミニ保険の役員が他の会社の役員を兼ねるとき、金融庁の承認って本当に必要なの?

必要です。ただし支障がなければ承認しなければなりません

保険業法272条の10第1項により、少額短期保険業者の常務に従事する取締役(指名委員会等設置会社では執行役)が他の会社の常務に従事するには、内閣総理大臣(窓口は金融庁)の承認が必要です。もっとも第2項は、その事項が当該少額短期保険業者の業務の健全かつ適切な運営を妨げるおそれがあると認める場合を除き、承認しなければならないと定めています。つまり原則承認・例外不承認であり、断る側が支障の具体的な中身を示す構造になっています。

解説

少額短期保険業者、いわゆるミニ保険会社の常務取締役が、別の会社の常務取締役を兼ねようとする。それだけで内閣総理大臣(実際の窓口は金融庁)の承認が要る。ここであなたが握っておくべきは第2項のほうだ。「業務の健全かつ適切な運営を妨げるおそれがあると認める場合を除き、これを承認しなければならない」。つまり承認は役所の自由裁量ではなく、拒否できる理由が法定で絞られた羈束的な処分である。この一文があるおかげで、金融庁は「なんとなく心証が悪い」では断れない。断るなら、どの業務にどういう支障が出るのかを示す責任を負う。承認しない処分が出れば行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)なので、審査請求も取消訴訟もできる。ミニ保険を立ち上げる起業家が、本業の会社の代表を続けられるかどうかは、この二項構造の読み方で決まる。

法的な位置づけ

保険業法272条の10は、少額短期保険業者の役員兼職承認を定める規定である。常務に従事する取締役(指名委員会等設置会社にあっては執行役)が他の会社の常務に従事するには内閣総理大臣の承認を要し、第2項は、当該事項が業務の健全かつ適切な運営を妨げるおそれがあると認める場合を除き承認しなければならないとして、承認を羈束的な処分として構成している。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.対象者かどうかを実態で判定する 肩書ではなく実態で、その人物が少額短期保険業者の常務に従事する取締役(指名委員会等設置会社では執行役)に当たるかを判定する。決裁権限規程と取締役会議事録で、日常的な業務執行への関与の範囲を書面で確認する
  2. 2.兼職先の業務内容と利益相反を洗い出す 兼職先の事業内容、保険業務との競合の有無、顧客情報の共有経路を整理する。同種の保険や保険代理業を営む先であれば、職務範囲の限定や情報遮断の体制を先に設計しておく
  3. 3.株主総会の選任日より前に承認申請を出す 保険業法施行規則および少額短期保険業者向けの監督指針に従い、申請書と添付書類を金融庁(財務局)へ提出する。選任後に申請すると、承認が下りるまでが未承認の兼職期間として残る
  4. 4.不承認なら理由の具体性を精査して次の手を選ぶ 処分通知の理由欄が、どの業務にどういう支障が生じるとしているかを特定する。抽象的なら理由提示の不足を指摘し、審査請求・取消訴訟か、条件を付した再申請かを選択する

よくある質問 AI による整理

Q1少額短期保険業者とは何ですか?

保険業法に基づく登録を受け、保険金額や保険期間が少額・短期に限定された保険のみを引き受ける事業者です。いわゆるミニ保険で、保険会社の免許制とは別の登録制が採られています。

Q2保険業法272条の10の承認は誰が出すのですか?

条文上は内閣総理大臣ですが、実際の窓口は権限の委任を受けた金融庁(財務局を含む)です。申請の提出先も処分通知の名義も、このラインで動きます。

Q3承認を受けずに兼職したらどうなりますか?

直ちに選任が無効になるわけではありませんが、監督上は未承認の兼職状態として扱われます。立入検査での指摘や、業務改善命令(保険業法272条の23)の端緒になり得ます。

Q4指名委員会等設置会社では誰が承認の対象ですか?

取締役ではなく執行役が対象です。条文が括弧書きで明記しており、機関設計を変更すると申請義務を負う人物そのものが入れ替わります。

Q5監査役も承認が必要ですか?

本条の対象は常務に従事する取締役(指名委員会等設置会社では執行役)です。業務執行を担わない監査役は、本条の兼職承認の対象には含まれません。

Q6承認申請から処分までどのくらいかかりますか?

法定の処理期限はなく、金融庁が公表する標準処理期間が目安になります。株主総会の選任日から逆算して余裕をもって申請するのが実務です。最新の公表内容をご確認ください。

Q7保険会社の役員兼職と同じ規制ですか?

異なります。保険会社は保険業法8条で、認可を受けた場合を除き兼職を禁止する形式です。272条の10は少額短期保険業者向けに承認制を採り、第2項で拒否理由を限定しています。

Q8承認申請は兼職を始める前に必要ですか?

本条は他の会社の常務に従事する場合に承認を受けなければならないと定めており、兼職開始前に承認を得る建て付けです。就任後の事後申請では未承認期間が記録に残ります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1常勤じゃない社外取締役なら、この承認っていらないんですか?

対象は「常務に従事する取締役」なので、日常的な業務執行に関与しない社外取締役は原則として対象外です。ただし肩書ではなく実態で判断されます。実務のポイント:非常勤と称しながら週数回出社して稟議決裁に関与しているケースは、実質的に常務従事と見られるリスクがあります。取締役会議事録と決裁権限規程で、誰がどの範囲の業務執行に関与しているかを書面で整理しておくと、後の検査で説明がぶれない

Q2承認されなかったら、もう兼職は諦めるしかないんですか?

諦める必要はありません。第2項が拒否要件を「業務の健全かつ適切な運営を妨げるおそれ」に限定しているため、その支障を解消する設計を示して再申請する道があります。実務のポイント:実務では正面から争うより、兼職先での職務範囲を限定する、利益相反取引を取締役会承認事項にする、情報遮断の体制を書面化する、といった条件を自ら提示して再申請するほうが早く通ることが多い。争点は可否ではなく、おそれの打ち消し方にある

間違えやすい点 AI による整理

  • 「金融庁の承認だから、気に入られないと通らない」と思われがちだが、第2項は「妨げるおそれがあると認める場合を除き、これを承認しなければならない」と書いている。原則承認、例外不承認の構造であり、拒否する側が理由を負う。心証や印象で落とせる制度ではない
  • 兼職制限の存在は知っていても、その射程の深刻度が見落とされている。対象は「常務に従事する取締役」であり、名ばかりの非常勤取締役ではなく日常業務を執行する者を指す。指名委員会等設置会社では執行役が対象になる。自社の機関設計によって誰が申請義務を負うかが入れ替わるため、機関設計変更のたびに兼職の棚卸しが必要になる
  • 「承認を取り忘れても登記は通るのだから実害はない」という発想は、問いの立て方が誤っている。会社法上の選任の効力と、保険業法上の監督上の適法性は別レイヤーで動く。登記が通ることは適法性の証明にならず、後日の立入検査や業務改善命令の場面で未承認が指摘される
比較の観点この条文ほかの条文
規制の形式272条の10:承認制(第2項で拒否理由を限定)8条:認可を受けた場合を除き兼職を禁止する禁止形式
272条の4:登録の拒否要件(参入段階の適格審査)
対象者・対象局面少額短期保険業者の常務従事取締役・執行役の他社兼職保険会社の常務従事取締役・執行役の他社兼職
少額短期保険業者になろうとする者そのもの
行政庁の裁量の幅おそれがなければ承認しなければならない(羈束的)認可の要否・可否の判断枠組みが別途置かれる
法定の拒否事由に該当すれば登録を拒否
違反・未取得時の帰結未承認の兼職として検査で指摘、業務改善命令(272条の23)の端緒無認可兼職として監督上の是正対象
登録拒否により事業を開始できない

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
保險業法および保險業負責人應具備資格條件準則

台湾には少額短期保険業者という独立した業態区分がなく、微型保險は商品類型として扱われる。役員の兼職は負責人資格の準則で制限され、承認制ではなく資格要件と欠格事由の形式で処理される点が日本と異なる

韓国
금융회사의 지배구조에 관한 법률 제10조、보험업법

韓国は金融会社共通の支配構造法で常勤役員の兼職を制限し、例外を当局の承認等で処理する。少額短期の専門保険会社制度も保険業法上に置かれており、業態別ではなく金融業横断で兼職を規律する構造になっている

ドイツ
VAG § 24、§ 211

ドイツは Geschäftsleiter の適格性要件の一部として兼職を規律し、保有できる監査役・業務執行の数を制限する形式をとる。小規模保険事業者の特則は置かれるが、個別兼職ごとの承認処分という日本型の設計ではない

アメリカ
州保険法、NAIC Insurance Holding Company System Regulatory Act

米国は連邦の統一規制ではなく州ごとの保険法で役員の利益相反と関連者取引を規律する。事前の兼職承認ではなく、開示と関連当事者取引の審査を中心に据える点が構造的な違いになる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • ペット保険や家財保険のミニ保険を立ち上げたスタートアップ創業者。本体の IT 会社の代表取締役も続けたい。登記さえ済ませればいいと思っていたら、金融庁から「272条の10の承認は取りましたか」と照会が来る。承認なしの兼職状態が続けば、業務改善命令の引き金になりうる
  • もし、あなたが少額短期保険業者の常務取締役で、親会社から関連会社の取締役を兼ねてくれと言われたら? 断る理由が思いつかず引き受けたとして、その関連会社が同種の保険代理業を営んでいた場合、利益相反のおそれとして承認が下りない可能性がある。引き受け返事の前に確認すべき一項目がここにある
  • 承認申請を出したのに三か月音沙汰なし。株主総会の選任日が迫る。行政手続法の標準処理期間の公表を確認し、処分がされないこと自体を不作為の違法確認訴訟や審査請求で争える。待つだけの人と、期間の根拠を示して催促できる人では結果が変わる
  • 金融庁が承認を拒否した。理由は「おそれがある」の一言だけ。あなたは理由提示(行政手続法8条)が不十分だと主張できる。第2項が拒否理由を限定している以上、抽象的な一言は理由として不足する

取るべき行動

被害を受けた側:1. 不承認または長期未処理に直面したら、まず処分通知の理由欄を確認し、どの業務にどういう支障が生じるとされたかを特定する2. 理由が抽象的なら行政手続法8条の理由提示義務を根拠に説明を求める3. 承認しない処分は行政処分なので、審査請求(行政不服審査法)または取消訴訟(行政事件訴訟法)の対象4. 処分自体がされない場合は標準処理期間の公表内容を確認し、不作為の違法確認訴訟も選択肢に入る

訴えられた側:1. 未承認の兼職を指摘されたら、事実関係(就任日、常務従事の実態、他社での職務内容)を時系列で整理する2. 直ちに承認申請を行い、あわせて社内の役員兼職管理規程を整備する3. 検査対応では「知らなかった」ではなく「発見後の是正措置」を主張の軸にする4. 兼職先の業務内容が保険業務と競合しない点、利益相反を防ぐ内部統制を具体的に示す

時効(請求できる期限):承認申請そのものに法定の申請期限はないが、兼職開始前に承認を得る建て付けである。不承認処分を争う場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は同じく6か月以内(行政事件訴訟法14条)。標準処理期間は金融庁の公表内容による(最新の公表状況をご確認ください)

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成17年(2005年) 新設:無認可共済問題への対応として保険業法が改正され、少額短期保険業者の登録制度が創設された。本条もこの一連の規定群の一部として設けられ、保険会社の兼職規制を小規模事業者向けに組み替えた形をとる。
  2. 2.平成26年(2014年) 改正:会社法改正に伴う用語の整理により、条文中の機関名称が「指名委員会等設置会社」「執行役」の表記に対応した。対象者の実質的な範囲そのものを広げる趣旨の改正ではない。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

保険業法の全文を見る所属する編章節を開く:第一節

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›