保険業法 第272条の9(名義貸しの禁止)
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少額短期保険業者は、自己の名義をもって他人に少額短期保険業を行わせてはならない。
この条文の基本情報
名義貸しの禁止とは何ですか?
定義名義貸しの禁止とは、保険業法第272条の9に定められた規定で、「少額短期保険業者は、自己の名義をもって他人に少額短期保険業を行わせてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第272条の9(名義貸しの禁止)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第272条の9の条文原文は「少額短期保険業者は、自己の名義をもって他人に少額短期保険業を行わせてはならない。」で始まります。
- 保険業法第272条の9は第一節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第272条の9の前の条は保険業法第272条の8です。
- 保険業法第272条の9の次の条は保険業法第272条の10です。
- 保険業法第272条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第272条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第272条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/272_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法272条の9は、少額短期保険業者が自己の名義で他人に少額短期保険業を行わせることを禁じる。登録は貸与できず、違反は業務停止や登録取消しの対象となる。
Q · 登録を持っているミニ保険会社の名前を借りて、うちの会社で保険を売ってもいいんですか?
できません。貸した側も借りた側も違法になります
保険業法272条の9は、少額短期保険業者が自己の名義をもって他人に少額短期保険業を行わせることを禁じています。登録業者の看板で商品を出しながら、引受判断・料率決定・リスクの最終負担は無登録の会社が握るスキームは名義貸しに当たります。貸した側は業務停止や登録の取消しが検討され、借りた側は免許も登録もなく保険業を行った側(同法3条1項、272条1項)として扱われます。判定は契約書の題名ではなく、実態で行われます。
解説
スマホの画面割れ保険、ペットの通院保険、結婚式のキャンセル保険。この種のミニ保険を売っているのは、内閣総理大臣(実務上は財務局長)の登録を受けた少額短期保険業者である。ここで新規参入者がよく踏み外す。登録を、持ち運べる看板のようなものだと考えてしまうのだ。272条の9はそれを一行で断つ。自己の名義をもって他人に少額短期保険業を行わせてはならない。登録済みの会社の名前で商品を出し、実際の引受判断・料率設定・リスクの最終負担は無登録のあなたの会社が握る、というスキームは違法である。あなたが商品企画側なら、どこまでが適法な業務委託でどこからが名義貸しかの線を引けなければ、事業そのものが行政処分で止まる。あなたが契約者側なら、その保険を最後に支払う主体が誰かを確認する意味がここにある。少額短期保険業者は保険契約者保護機構の対象外であり、破綻時に頼れる原資は自前の備えしかないからだ。
法的な位置づけ
保険業法272条の9は、少額短期保険業者の名義貸しを禁止する規定である。登録を受けた者が自己の名義を用いて無登録の他人に少額短期保険業を行わせることを禁じ、保険会社に対する同法8条の名義貸し禁止を、登録制の少額短期保険業者にも及ぼしたものである。引受主体の特定可能性を確保する点に趣旨がある。
手順
- 1.三つの権限を一枚の表に棚卸しする 提携スキームについて、引受の最終判断、料率と商品設計の決定、保険リスクの最終負担の三つが、それぞれ登録業者と自社のどちらにあるかを一枚の表に落とす。契約書の題名ではなく、実際の稟議ルートとシステム権限で判定する
- 2.無登録側に移っている権限を登録業者へ戻す 棚卸しの結果、三つの権限のいずれかが無登録側にあるなら、契約書・社内権限規程・システムの承認フローを同時に修正する。書面だけ直してシステム権限が残っていると、実態判定では是正済みと評価されない
- 3.募集業務を保険業法276条の枠内に整える 自社が担う業務を募集に限定し、保険募集人の登録(保険業法276条)を取得または確認する。募集資料、比較表示、意向把握の記録も監督指針の枠に合わせて整備する
- 4.是正の着手日を記録し、当局照会に備える 検査通知の前に自主的に是正へ動いた事実は、処分の重さに直結する。着手日、決裁記録、改訂版契約書の締結日を時系列で保存し、照会が来た日に即日提出できる状態にしておく
よくある質問 AI による整理
Q1名義貸しとは何ですか?
登録や免許を受けた者が、自己の名義を無登録の他人に使わせて事業を行わせることです。保険業法272条の9は、少額短期保険業者についてこれを明文で禁じています。
Q2少額短期保険業者とは?
保険金額と保険期間が政令で限定された保険のみを引き受け、内閣総理大臣(実務上は財務局長)の登録を受けた事業者です。いわゆるミニ保険を扱います。
Q3名義貸しはいつ発覚しますか?
立入検査、当局からの照会、契約者や元従業員からの情報提供が端緒になります。本条に時効の定めはなく、過去に組んだスキームでも実態が判明した時点で対象になります。
Q4ミニ保険を登録なしで販売したら違法?
引受主体が登録業者でなければ違法です。無登録で保険業を行えば保険業法3条1項・272条1項に反し、名義を貸した登録業者も272条の9違反となります。
Q5業務委託と名義貸しの境界はどこ?
引受の最終判断、料率と商品設計の決定、保険リスクの最終負担。この三つが登録業者に残っていれば委託、無登録側に移っていれば名義貸しと判定されます。
Q6保険募集人の登録は何条ですか?
保険業法276条です。募集のみを担う代理店は276条の登録で適法に活動できます。引受を担わない点が、272条の9が禁じる名義貸しとの分岐点になります。
Q7保険業法8条と272条の9の違いは?
8条は免許を受けた保険会社の名義貸しを、272条の9は登録を受けた少額短期保険業者の名義貸しを禁じます。規制対象が異なるだけで、引受主体を特定可能にする趣旨は共通です。
Q8引受会社の登録はどこで確認できますか?
金融庁が公表する少額短期保険業者の登録一覧で確認します。保険証券や重要事項説明書に記載された引受会社の商号と照合するのが確実な手順です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1登録業者と組んで、うちのブランドで保険を売るのはダメなんですか?
ブランドを冠すること自体は禁じられていない。分かれ目は誰が保険を引き受けているかである。引受主体が登録業者で、あなたの会社は保険募集人の登録(保険業法276条)を受けて募集だけを担うなら適法。引受判断やリスク負担が無登録側に移れば272条の9の名義貸しになる。実務のポイント:当局は契約書の題名ではなく、料率決定の稟議が誰の印で回り、支払査定の最終権限が誰にあるかを見る。この二つの所在を議事録に残した会社は、照会が来ても崩れない
Q2名義を貸した側は、実際に何をされるんですか?
中心は行政処分である。業務改善命令、業務の停止命令、最終的には272条1項の登録の取消しまで検討される(同法272条の26、最新の改正状況をご確認ください)。登録が消えれば既存契約の処理と契約者への説明が一斉に発生する。実務のポイント:処分の軽重を左右するのは違反の有無より、発覚前に自主的に是正へ動いていたかどうか。検査通知の後に直しても、その順番は記録に残る
Q3ミニ保険の会社が潰れたら、保険金はどうなりますか?
少額短期保険業者は生命保険契約者保護機構・損害保険契約者保護機構の対象外である。代わりに登録に伴う供託や責任準備金の積立といった自前の備えで対応する構造になっている(保険業法272条の5ほか、最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:だからこそ引受主体が実体を持つかが決定的で、名義貸しスキームの商品は破綻時に払う主体が事実上いない。加入前に引受会社の登録の有無を確かめる契約者は、まだ少数派である
Q4保険と名乗らなければ、登録なしで保証サービスを出せますか?
名称では決まらない。保険業を営むには免許(保険業法3条1項)か少額短期保険業者の登録(同272条1項)が必要で、対価を取って偶然の事故に金銭を給付する設計なら該当しうる。実務上、保証サービスの保険該当性は解釈が分かれている論点である。実務のポイント:判定の鍵は、給付が偶然の事故に連動しているか、対価が危険の大きさに応じて設定されているか。金銭給付ではなく修理役務や現物交換で設計し直すのが、実務でよく使われる整理の仕方である
間違えやすい点 AI による整理
- 「登録業者と組めば、無登録の自社でも保険を売れる」という理解は向きが逆である。名義を貸した側が272条の9違反、借りた側は免許も登録もなく保険業を行った側(保険業法3条1項、272条1項)になる。片方だけが責任を負う構図ではない
- 名義貸しが行政処分の対象であることは知られているが、処分の射程が読み違えられている。登録が取り消されれば、その名義で締結された契約の処理、契約者全員への説明、保険金支払いの受け皿探しが一斉に発生する。損害は自社の事業停止ではなく、契約者数に説明責任を掛けた大きさで返ってくる
- 提携当事者から見れば「業務委託で効率化した」話だが、監督当局から見れば「誰が保険を引き受けているのか特定できない状態」である。この落差が致命的なのは、名義貸しの意図がなくても実態で判定されるからだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制対象 | 272条の9:登録を受けた少額短期保険業者の名義貸し | 8条:免許を受けた保険会社の名義貸し 276条:保険募集人の登録(募集を担う者の資格) |
| 禁じられる行為 | 自己の名義をもって他人に少額短期保険業を行わせること | 自己の名義をもって他人に保険業を行わせること 無登録で保険募集を行うこと |
| 判定の着眼点 | 引受の最終判断・料率決定・リスク負担が誰にあるか | 同左(免許業者版) 募集行為の有無と登録の有無 |
| 違反時の帰結 | 業務改善命令・業務停止命令・登録の取消しが検討される | 業務停止命令・免許の取消しが検討される 無登録募集として行政処分の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には少額短期保険業者に相当する登録制度がなく、微型保險も保險法の枠内で運営される。名義貸しの明文はないが、非保険業者に保険業務を行わせる点は無照経営として規律される
韓国も2021年に소액단기전문보험회사 制度を導入し、許可制の下で少額短期の引受を認める。名義貸しに相当する規律の条番号は要確認
ドイツ VAG には名義貸しの明文がなく、許可の一身専属性と BaFin の監督により同等の帰結を導く。小規模保険事業者には規模に応じた緩和規定がある
米国は州ごとの免許制で、fronting(免許会社の名義で無免許者がリスクを保有する取引)が伝統的な論点。リスクの実質的保有者を基準に規制適合性が判断される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保険テックの起業家として商品設計まで仕上げた。だが登録には資本金と体制整備で一年以上かかると聞き、既存の少額短期保険業者に「名前だけ貸してほしい、運営は全部こちらでやる」と打診した。相手が応じた瞬間、両者が違反側に立つ。貸した側は272条の9違反で登録取消しの検討対象、借りた側は免許も登録もなく保険業を行った側として扱われる
- もし、提携先の少額短期保険業者の商品を自社アプリで売っていて、実は引受基準も支払査定も自社の社員が決めていたとしたら? 契約書の題名が業務委託契約であっても、判定は実態で行われる。当局が見るのは書面の名前ではなく、誰がリスクを負い、誰が引受の最終判断をしているかである
- 代理店として募集だけを担う。それは適法な形である。保険募集人の登録(保険業法276条)を済ませているかどうかが、その境目の一つになる
- 立入検査の事前通知が届き、資料提出期限まであと10日。提携スキームの実態を示す資料、引受権限の所在、料率決定の議事録。ここで「実質は当社が引き受けていた」と読める文書が一枚出れば、話は行政指導ではなく登録取消しの検討へ移る
- 友人が名前も聞いたことのない会社のペット保険に入ろうとしている。あなたが確認すべきは二点、保険証券に書かれた引受会社の商号と、金融庁が公表する少額短期保険業者の登録一覧に載っているか。名義貸しスキームの商品は、破綻したときに保険金を払う主体が空洞になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保険証券と重要事項説明書で引受主体の商号を確認し、金融庁が公表する少額短期保険業者の登録一覧と照合する2. 一覧に見つからない、または窓口の会社と引受会社が食い違う場合、両社の関係(募集の代理か、引受の委託か)を書面で問う3. 回答が曖昧なら契約を保留し、金融庁・財務局の相談窓口へ情報提供4. すでに事故が起きているなら請求先は証券記載の引受会社。実質的に運営していた会社にも民法709条で請求する余地がある
訴えられた側:1. 実態を三点で棚卸しする。引受の最終判断、料率と商品設計の決定、保険リスクの最終負担。どれかが無登録側にあるなら名義貸しの疑いは濃い2. 該当するなら契約書・権限規程・システム権限を同時に直し、募集は保険募集人の登録(276条)の枠内へ戻す3. 検査通知前の自主的な是正着手は処分の重さに直結するので着手日を記録する4. 弁護士は保険業法の規制実務を扱う人を選ぶ。一般の企業法務では監督指針の運用感覚が読めない
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。行政処分(業務停止、登録の取消し)には期間の制限がなく、過去に組んだスキームでも実態が判明した時点で対象になる。契約者からの損害賠償請求は民法724条(知った時から3年、行為時から20年)、契約上の請求権は民法166条(権利行使できると知った時から5年、または行使可能時から10年)が基準になる
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)改正、平成18年(2006年)4月施行 根拠法のない共済(無認可共済)への規制導入に伴い少額短期保険業者制度が創設され、本条が新設された。保険会社に対する第8条の名義貸し禁止を、登録制の少額短期保険業者にも及ぼす趣旨
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:根拠法のない共済(無認可共済)への規制導入に伴い少額短期保険業者制度が創設され、本条が新設された。平成18年(2006年)4月施行。保険会社に対する第8条の名義貸し禁止を、登録制の少額短期保険業者にも及ぼす趣旨
- 保険業法 第3条保険業の免許制、無免許営業の禁止の原則
- 保険業法 第8条保険会社に対する同趣旨の名義貸し禁止
- 保険業法 第272条少額短期保険業者の登録、本条の名義の出所
- 保険業法 第276条保険募集人の登録、適法な分業の枠
- 保険業法 第272条の26違反時の業務停止・登録取消し(現行効力を要確認)
- 金融商品取引法 第36条の3金融業横断の同型名義貸し禁止規定
- 銀行法 第9条銀行業における同型名義貸し禁止規定
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