保険業法 第292条(保険仲立人賠償責任保険契約)
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- 保険仲立人は、政令で定めるところにより、保険仲立人賠償責任保険契約を締結し、内閣総理大臣の承認を受けたときは、当該契約の効力の存する間、当該契約の保険金の額に応じて前条第一項の保証金の一部の供託(同条第三項の契約の締結を含む。次項において同じ。)をしないことができる。
- 2.内閣総理大臣は、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、前項の保険仲立人賠償責任保険契約を締結した保険仲立人に対し、前条第一項の保証金につき供託をしないことができるとされた金額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。
- 3.前二項に定めるもののほか、保険仲立人賠償責任保険契約に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
この条文の基本情報
保険仲立人賠償責任保険契約とは何ですか?
定義保険仲立人賠償責任保険契約とは、保険業法第292条に定められた規定で、「保険仲立人は、政令で定めるところにより、保険仲立人賠償責任保険契約を締結し、内閣総理大臣の承認を受けたときは、当該契約の効力の存する間、当該契約の保険金の額に応…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第292条(保険仲立人賠償責任保険契約)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第292条の条文原文は「保険仲立人は、政令で定めるところにより、保険仲立人賠償責任保険契約を締結し、内閣総理大臣の承認を受けたときは、当該契約の効力の存する間、当該契約の保険金の額に応…」で始まります。
- 保険業法第292条は第三章に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第292条の前の条は保険業法第291条です。
- 保険業法第292条の次の条は保険業法第293条です。
- 保険業法第292条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第292条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第292条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/292
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法292条は、保険仲立人が賠償責任保険を締結し内閣総理大臣の承認を受けたとき、契約の効力が存する間、保険金の額に応じて営業保証金の一部の供託を免れると定める。
Q · 保険ブローカーの営業保証金は、賠償責任保険に入れば積まなくていいんですか?
承認を受ければ一部は免除されるが、全部ではない
保険業法292条1項により、保険仲立人が保険仲立人賠償責任保険契約を締結し内閣総理大臣の承認を受けた場合、契約の効力が存する間、保険金の額に応じて291条1項の保証金の「一部」の供託をしないことができます。免除は承認を受けて初めて生じ、保険が失効すれば供託義務が復活します。さらに2項により、保険契約者等の保護のため必要と認められれば、免除された金額の全部又は一部について供託命令が出されます。
解説
保険仲立人(保険ブローカー)として開業するには、まず営業保証金を供託所に積まなければならない。最低4,000万円、手数料収入が増えれば積み増しが必要になる。現金を何千万円も塩漬けにするということだ。開業資金の大半がそこで死ぬ。ところが本条は、その塩漬けを回避する抜け道を正面から用意している。保険仲立人賠償責任保険(いわゆる E&O 保険、専門職業賠償責任保険)に加入し、内閣総理大臣の承認を受ければ、その保険金額に応じて保証金の供託を免れる。つまり、数千万円の現金を寝かせる代わりに、年間数十万円程度の保険料で同じ法的機能を果たせる。ただし条件が二つある。承認が必要であること(勝手に保険に入っただけでは効果は生じない)、そして契約の効力が存する間だけであること。保険を更新し忘れた瞬間、供託義務が復活する。さらに第2項が牙を持っている。保険契約者等の保護のため必要と認めれば、当局は「やはり供託しろ」と命令できる。この命令が出たときの現金需要は、事業の生死を分ける。
法的な位置づけ
保険業法292条は、保険仲立人の営業保証金供託義務に対する代替担保の規定である。保険仲立人賠償責任保険契約を締結し内閣総理大臣の承認を受けた場合、当該契約の効力が存する間、保険金の額に応じて291条1項の保証金の一部の供託を要しないものとし、他方で保険契約者等の保護の必要があるときは供託命令により免除分の供託を求めうる構造をとる。
よくある質問 AI による整理
Q1保険仲立人賠償責任保険とは何ですか?
保険仲立人が媒介業務上の過誤で顧客に与えた損害を填補する専門職業賠償責任保険です。保険業法292条により、承認を受ければ営業保証金の一部供託の代替担保として機能します。
Q2営業保証金はいくら供託するんですか?
供託義務の本体は保険業法291条1項が定め、具体的な額は政令に委任されています。292条の免除を使う場合も、政令が定める範囲を超えて免除されることはありません。
Q3供託免除の承認は誰が出しますか?
内閣総理大臣の承認です(保険業法292条1項)。保険契約を締結しただけでは免除の効果は生じず、承認を受けるまで供託義務は減りません。
Q4供託命令が出たらどうすればいいですか?
保険業法292条2項の命令は免除分の全部又は一部の供託を求めるものです。命令書の金額・期限・根拠を確認し、期限内履行が難しければ早期に当局と協議してください。
Q5賠償責任保険が失効したらどうなりますか?
免除は「当該契約の効力の存する間」に限られるため、失効と同時に供託義務が復活します。更新漏れの日から保証金不足の状態になります。
Q6保険仲立人賠償責任保険の細目はどこに書いてありますか?
保険業法292条3項が内閣府令への委任を定めています。承認申請の手続や契約内容の要件は内閣府令(保険業法施行規則)で規律されます。
Q7保険で代替すれば保証金はゼロにできますか?
できません。条文は「保証金の一部の供託をしないことができる」と規定しており、全部免除は予定されていません。政令の定める範囲内での一部免除です。
Q8保険金額を超える損害が出たらどうなりますか?
超過分は保険では填補されません。免除分について供託がない状態であれば、顧客の回収原資は保険金額と残存保証金の範囲にとどまります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険に入れば供託金は全部いらなくなるんですか?
いいえ。条文は『保証金の一部の供託をしないことができる』と定めており、免除されるのは保険金の額に応じた部分だけです(保険業法292条1項)。基礎となる保証金の枠組みは291条が定め、具体的な範囲は政令・内閣府令に委任されています。実務のポイント:免除額の設計は保険金額の設定次第で変わるため、保険会社との交渉は資金繰り交渉そのものです。保険料を数十万円上げて供託を数千万円減らせるなら、それは保険の話ではなく資本政策の話になる
Q2うっかり保険を更新し忘れたら、どうなるんですか?
契約の効力が存する間だけ免除されるので、失効と同時に供託義務が復活します(292条1項)。供託を怠れば保証金不足の状態となり、業務の適正を欠くとして行政処分の対象になりえます。実務のポイント:保険の更新日と供託義務の復活日は同じ日です。多くの事業者は保険を『経費』として管理していますが、正しくは『登録維持要件』として登記・登録の更新と同じ棚で管理すべきもの。担当者の異動で一番落ちやすいのがここ
Q3第2項の『供託すべき旨を命ずる』って、どんなときに来るんですか?
条文は『保険契約者等の保護のため必要があると認めるとき』とだけ定め、具体的基準は示していません(292条2項)。実務上は財務状況の悪化、苦情・紛争の増加、保険会社側の事情など総合判断とされ、判断基準の外延は解釈が分かれています。実務のポイント:この命令は突然来るものではなく、通常は報告徴求や立入検査が前段にある。当局から資料要求が増えた時点が、資金を用意し始めるべきタイミング。命令が出てから銀行に走るのでは遅い
間違えやすい点 AI による整理
- 「賠償責任保険に入れば供託金はゼロになる」と理解されがちだが、条文は『保証金の一部の供託をしないことができる』と書いている。全部ではなく一部であり、政令が定める範囲内に限られる。保険で置き換えられる金額には天井があり、最低限の供託は残る設計になっている
- 保険加入と供託免除を、多くの人が同じ一つの行為だと思っている。実際は別の二段階だ。保険契約の締結と、内閣総理大臣の承認。承認を受けるまで供託義務は一ミリも減らない。保険証券を持っているだけで供託所に行かなかった期間があれば、その期間は供託義務違反の状態にある
- 供託免除を受けた事業者は「これで安心」と考えるが、本当のリスクは免除の側ではなく第2項にある。当局は保険契約者等の保護のため必要と認めれば、免除分の全部または一部の供託を命じられる。つまりあなたの資金計画には常に、数千万円の即時支出という条件付き債務が潜んでいる。これを見落とした資金繰り表は、危機のときに必ず破綻する
- 顧客の側から見ると「保証金があるから、ブローカーが失敗しても自分は守られる」と映る。だが法律の側から見れば、保証金も E&O 保険も損害の全額を保証する仕組みではない。保険金額の上限、還付手続の順位、他の被害者との按分。この落差を知らずに大型契約をブローカーに任せる企業は、事故が起きてから初めて回収不能額に気付く
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 機能 | 292条:賠償責任保険による保証金一部供託の免除 | 291条:営業保証金の供託義務そのもの 299条:保証金からの権利実行(還付)手続 |
| 発動の条件 | 保険契約の締結 + 内閣総理大臣の承認 + 契約の効力存続 | 保険仲立人としての登録・業務開始 仲立人業務に関する債権の発生と権利実行の申立て |
| 顧客側から見た意味 | 回収原資が保険金と残存保証金の組合せになる | 回収原資が現金として供託所に確保される 確保された原資から実際に回収する入口 |
| 崩れる場面 | 保険失効・承認の範囲外・2項の供託命令 | 供託額不足・追加供託の懈怠 他の債権者との按分、保険金額の上限 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険経紀人に保証金の繳存と専業責任保険の投保を求める。日本と異なり両者を併存的に要求する構成で、保険が供託を置き換える設計ではない点が対照的
韓国も保険仲介士に営業保証金を課し、賠償責任保険による代替を認める枠組みを持つ。具体的な金額・免除範囲は下位法令に委任されている
ドイツは Versicherungsmakler に職業賠償責任保険の加入を許可要件として義務づける。日本のような供託との代替ではなく、保険加入そのものが参入条件
米国は州ごとに surety bond(保証証券)または E&O 保険を求める。bond と保険のいずれかを選ばせる点で、日本の代替構造に近い発想が見られる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが損保代理店から独立し、顧客側に立つブローカーになろうと決めた。事業計画を引いた瞬間、営業保証金4,000万円の壁にぶつかる。ここで本条を知っているかどうかで、開業できるか諦めるかが決まる。E&O 保険で供託の一部を代替する設計を、資金調達の前に組み込めるかが勝負
- 保険仲立人の賠償責任保険の更新手続を、担当者の異動で誰も引き継がなかった。契約が失効した日から、免除されていた供託義務が自動的に復活する。数千万円を即日用意できるか。あと数日で次の契約締結、保証金不足のまま媒介を続ければ登録の効力そのものが問われる
- もし当局が、あなたの会社の財務状況や苦情件数を見て「保険契約者等の保護のため必要」と判断したら? 第2項の供託命令が飛んでくる。保険があるから大丈夫、という前提が一瞬で崩れる。命令に従えなければ業務停止
- 顧客企業が、あなたの媒介ミスで本来受け取れたはずの保険金8,000万円を失った。顧客は賠償を求めてくる。ここで E&O 保険の保険金額が5,000万円しかなければ、差額3,000万円は会社の自己資金で埋めるしかない。供託金と違い、保険には免責事由と支払限度がある
- 取引先からブローカーを紹介された。相手が「保証金は保険で代替しています」と説明する。あなたはそこで、保険金額はいくらか、承認は受けているか、契約期間はいつまでかを聞ける。この三つを聞ける人は、業界にほとんどいない
取るべき行動
被害を受けた側:ブローカーの媒介ミスで損害を受けた側なら、1. まず相手が営業保証金を供託しているか、賠償責任保険で代替しているかを確認(登録情報と当局への照会が入口) 2. 保険代替であれば保険金額の上限を把握、損害額がそれを超えるなら超過分は相手の自己資金頼みになる3. 保証金からの還付には手続と順位があるため、他の被害者より遅れないよう早期に請求の意思を書面化4. 並行して民法709条・415条による直接請求の準備を進める
訴えられた側:供託不足を指摘された、または第2項の供託命令を受けた側なら、1. 保険契約の効力期間と承認の範囲を証憑で確認、免除がいつからいつまで有効だったかを日付で確定2. 命令については金額・期限・根拠の三点を文書で確認し、資金調達の実行可能性を即日試算3. 期限内の履行が困難なら、分割や期限伸長の余地を当局と早期に協議(放置は業務停止に直結) 4. 同時に、内閣府令が定める手続要件の充足状況を洗い直す
時効(請求できる期限):免除の効果は賠償責任保険契約の効力が存する間に限られるため、実質的な期限は保険の満期日である。第2項の供託命令には命令書記載の履行期限が付され、これを徒過すれば業務改善命令・業務停止命令の対象となりうる。行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)に不服がある場合の審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条)
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