保険業法 第307条(登録の取消し等)
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- 内閣総理大臣は、特定保険募集人又は保険仲立人が次の各号のいずれかに該当するときは、第二百七十六条若しくは第二百八十六条の登録を取り消し、又は六月以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
- 一特定保険募集人が第二百七十九条第一項第一号から第三号まで、第四号(この法律に相当する外国の法令の規定に係る部分に限る。)、第五号、第七号、第八号(同項第六号に係る部分を除く。)、第九号(同項第六号に係る部分を除く。)、第十号若しくは第十一号のいずれかに該当することとなったとき、又は保険仲立人が第二百八十九条第一項第一号から第三号まで、第四号(この法律に相当する外国の法令の規定に係る部分に限る。)、第五号、第七号、第八号(同項第六号に係る部分を除く。)、第九号(同項第六号に係る部分を除く。)若しくは第十号のいずれかに該当することとなったとき。
- 二不正の手段により第二百七十六条又は第二百八十六条の登録を受けたとき。
- 三この法律又はこの法律に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき、その他保険募集に関し著しく不適当な行為をしたと認められるとき。
- 2.内閣総理大臣は、特定保険募集人若しくは保険仲立人の事務所の所在地を確知できないとき、又は特定保険募集人若しくは保険仲立人の所在(法人である場合にあっては、その法人を代表する役員の所在)を確知できないときは、内閣府令で定めるところにより、その事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該特定保険募集人又は保険仲立人から申出がないときは、当該特定保険募集人又は保険仲立人の登録を取り消すことができる。
- 3.前項の規定による処分については、行政手続法第三章(不利益処分)の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
登録の取消し等とは何ですか?
定義登録の取消し等とは、保険業法第307条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、特定保険募集人又は保険仲立人が次の各号のいずれかに該当するときは、第二百七十六条若しくは第二百八十六条の登録を取り消し、又は六月以内の期間を定め…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第307条(登録の取消し等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第307条の条文原文は「内閣総理大臣は、特定保険募集人又は保険仲立人が次の各号のいずれかに該当するときは、第二百七十六条若しくは第二百八十六条の登録を取り消し、又は六月以内の期間を定め…」で始まります。
- 保険業法第307条は第五章に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第307条の前の条は保険業法第306条です。
- 保険業法第307条の次の条は保険業法第308条です。
- 保険業法第307条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第307条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第307条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/307
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法307条は、金融庁が保険募集人・保険仲立人の登録を取り消し、または六月以内の業務停止を命じうる事由を定める。所在不明時は公告から30日で取消しが可能となる。
Q · 保険の募集人や代理店の登録って、どういうときに取り消されるんですか?
条文違反がなくても「著しく不適当」と認められれば取り消されうる
保険業法307条1項は、①登録拒否事由(279条・289条)に該当することとなったとき、②不正の手段により登録を受けたとき、③この法律または内閣総理大臣の処分に違反したとき、その他保険募集に関し著しく不適当な行為をしたと認められるとき、の三類型で登録取消しまたは六月以内の業務停止を認めます。③後段は個別の法令違反を要件としていません。さらに2項は事務所・代表者の所在を確知できないとき、公告から30日で登録を取り消せるとし、3項はこの処分から聴聞・弁明の機会を外しています。
解説
生命保険の営業職員として働くあなた、あるいは代理店を経営するあなたにとって、登録は「働く資格」そのものである。保険業法307条は、その資格を金融庁(内閣総理大臣)が剥奪できる場面を三つに絞って定めている。過去の登録拒否事由に該当することになったとき、不正な手段で登録を取ったとき、そしてこの法律または金融庁の処分に違反したとき、さらには「保険募集に関し著しく不適当な行為」をしたと認められるときである。注目すべきは三号後段だ。ここには具体的な違反行為が書かれていない。つまり法令の条文を一つも破っていなくても、行為の悪質性次第で登録を失いうる。しかも処分の選択肢は取消しだけでなく「六月以内の業務停止」もある。停止でも代理店手数料は入ってこない。さらに2項は、事務所や代表者の所在が確認できないだけで、公告から30日で登録を消せると定める。そして3項が決定的である。この所在不明ルートには、行政手続法第3章(不利益処分)が適用されない。聴聞も弁明の機会もなく、あなたの資格は消える。
法的な位置づけ
保険業法307条は、特定保険募集人および保険仲立人に対する登録取消し・業務停止処分の根拠規定である。1項は欠格事由該当、不正の手段による登録取得、法令または処分の違反その他保険募集に関し著しく不適当な行為という三類型を定め、2項は所在不明時の公告による取消しを、3項は2項の処分について行政手続法第3章の適用除外を規定する。
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法307条とは?
特定保険募集人・保険仲立人の登録取消しと六月以内の業務停止を定める監督処分の規定です。所在不明時は公告30日で取消しが可能になります。
Q2保険募集人の登録が取り消されるのはどんなとき?
欠格事由に該当したとき、不正の手段で登録を受けたとき、法令や処分に違反したとき、その他保険募集に関し著しく不適当な行為をしたと認められるときです。
Q3保険代理店の業務停止は最長どのくらい?
307条1項は「六月以内の期間を定めて」と規定しています。範囲も業務の全部か一部かを行政庁が指定でき、新規募集のみ停止とする例もあります。
Q4保険業法の登録取消しは誰が決めるの?
条文上は内閣総理大臣ですが、権限は金融庁長官に委任され、実務は金融庁および財務局が行います。処分は行政処分として公表されるのが通例です。
Q5保険募集人の行政処分は公表されますか?
金融庁・財務局は行政処分の内容を報道発表として公表する運用をとっています。所属保険会社の社内共有もあり、業界内で処分歴は把握されます。
Q6行政処分に不服があるときの期限は?
審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条)です。処分通知書の教示欄を確認してください。
Q7事務所を移転したら何を届け出る?
登録事項の変更届出が必要です。届出を怠り通知が届かなくなると、307条2項の公告ルートに乗り、聴聞なしで登録が消えるリスクが生じます。
Q8保険業法307条3項の適用除外とは?
2項の所在不明による取消しには、行政手続法第3章(不利益処分)が適用されません。つまり聴聞も弁明の機会も与えられないという意味です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1業務停止って、既存のお客さんのアフターフォローもできなくなるんですか?
処分の主文次第である。307条1項は「業務の全部若しくは一部の停止」と定めており、金融庁は範囲を限定できる。新規募集のみ停止で、既契約の保全は認める処分例もある。実務のポイント:処分の主文の文言は、聴聞の場での主張によって実質的に動くことがある。「既契約者の保護のために保全業務は継続が必要」という顧客保護の論理で範囲の限定を求めると、行政庁も無視しにくい。停止範囲は争点にできる
Q2所在不明で登録が消されるって、本当に一言も聞かれないんですか?
そのとおりである。307条3項が、2項の処分について行政手続法第3章(不利益処分)の適用を明文で除外している。つまり聴聞も弁明の機会の付与もない。公告から30日で取消しが可能になる。実務のポイント:移転や休業の際に届出(保険業法280条等)を怠ると、このルートに乗るリスクが生まれる。届出を出す作業は数分だが、出さなかった代償は登録そのものである。所属会社の担当者に任せきりにせず、自分で控えを保管すること
Q3登録を取り消されたら、もう二度と保険の仕事はできないんですか?
永久追放ではない。307条による取消しを受けると279条1項の登録拒否事由に該当し、法定の期間は再登録できないが、期間経過後は申請自体は可能である(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:実務上のハードルは法律より所属保険会社側にある。委託先として受け入れるかは各社の内規次第で、処分歴は業界内で共有される。法律上の復帰可能時期と、事業上の復帰可能時期は別物だと最初から計算しておく
Q4具体的にどの条文にも違反してないのに処分されることってあるんですか?
ありうる。307条1項3号後段は「その他保険募集に関し著しく不適当な行為をしたと認められるとき」と定め、個別法令違反を要件としていない。高齢者への不適切な勧誘、顧客に不利益な乗換販売などが典型である。実務のポイント:この一般条項の具体的な線引きは、金融庁の監督指針(保険会社向けの総合的な監督指針)や過去の処分事例の積み重ねで形成されている。条文だけ読んでも線は見えない。監督指針の該当箇所と処分事例を押さえている人だけが、線の位置を知っている
間違えやすい点 AI による整理
- 「法令違反をしなければ登録は安全」と考えている募集人は多い。だが1項3号後段は「その他保険募集に関し著しく不適当な行為をしたと認められるとき」と定め、個別の法令違反を要件にしていない。顧客の利益を害する乗換販売、高齢者への不適切な勧誘、意向確認の形骸化。どれも「この条文に違反した」と一本で特定しにくいが、総体として処分理由になりうる
- 登録取消しのリスクは知っていても、その「後始末」の深刻度を知らない人が多い。取消しを受けると279条1項の欠格事由に該当し、原則として一定期間は再登録ができない。さらに所属保険会社との委託契約は即時解除、既契約の継続手数料の扱いも契約次第で失う。一度の処分が、生活基盤そのものを何年も奪う
- 「処分を受けそうなら、廃業届を出して逃げればいい」という問いの立て方自体が誤っている。金融庁は廃業後も検査・処分の手を緩めるとは限らず、むしろ所在不明になれば2項の公告ルートに乗り、聴聞なしで取消しの記録が残る。自分から手続に乗って弁明する方が、記録上も再起の余地の点でも有利になる場合が多い
- あなたから見れば「業務停止3か月なら、また戻ればいい」と映る。だが所属保険会社から見れば、行政処分歴のある代理店との委託関係は、自社のコンプライアンス評価に直結する。法律上の停止は3か月でも、事業上の復帰は永久に来ないことがある。この落差を読み違えると、処分に対する初動の本気度を誤る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 作動する場面 | 307条:登録後に処分事由が生じたとき(事後的な剥奪) | 279条・289条:登録申請の段階で拒否事由があるとき(入口の遮断) 300条:募集行為そのものが禁止行為に当たるとき(行為規制) |
| 効果 | 登録取消し または 六月以内の業務の全部・一部停止 | 登録の拒否(そもそも登録されない) 違反行為が307条1項3号の処分理由になる/罰則の対象 |
| 手続保障 | 1項は行政手続法の聴聞あり/2項は3項により聴聞・弁明なし | 申請拒否処分として理由提示・審査基準の適用あり 行為規制そのものには処分手続はなく、307条経由で発動 |
| 争う手段 | 聴聞での反論、審査請求3か月・取消訴訟6か月 | 拒否処分に対する審査請求・取消訴訟 違反の有無を307条処分の聴聞・訴訟の中で争う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険代理人・経紀人に執業登錄制を採り、違反に対して罰鍰と許可・登錄の廃止を用意する。行政手続法上の陳述意見の機会は原則として保障される
韓国も보험설계사・대리점・중개사の区分ごとに登録取消しと業務停止を定める。金融委員会・金融監督院が処分主体となる点で日本と構造が近い
ドイツは保険仲介を営業法(GewO)の許可制で規律し、信頼性の欠如を理由とする許可取消し・営業禁止を認める。保険監督法(VAG)とは別系統で処理される点が日本と異なる
米国は州ごとの保険局が producer license を管理し、不実表示・信託資金の流用・不正販売等を列挙して免許の取消し・停止・過料を科す。行政審判(administrative hearing)の保障が原則である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保険代理店を営むあなたが、募集人から乗合契約の乗換販売について「顧客に不利益な乗換をさせた」と苦情を受けた。金融庁への情報提供が入り、報告徴求が来る。この時点であなたが判断すべきは、307条1項3号後段の「著しく不適当な行為」の射程に入るかどうか。具体的な条文違反がなくても、顧客の不利益が明白であれば処分対象になりうる
- 登録申請のとき、過去の懲戒歴を書き漏らしたまま登録が通ってしまった。数年後、別件の検査でそれが発覚したらどうなる? 307条1項2号の「不正の手段により登録を受けたとき」に該当し、その後の営業実績がどれだけ優秀でも登録取消しの対象になる。時間の経過は免罪符にならない
- 代理店を廃業するつもりで事務所を引き払い、廃業届も出さずに転居した。金融庁からの通知が宛先不明で戻り、公告される。あと30日、申出をしなければ登録は自動的に消える。しかもこのルートでは聴聞も弁明の機会も与えられない(3項)。「知らなかった」は通用しない
- 保険仲立人(保険ブローカー)として、あなたが法人の代表を務めている。役員の一人が別会社で金融商品取引法違反に問われた。法人としてのあなたの登録も、289条1項の欠格事由を経由して307条1項1号の射程に入る可能性がある。他人の不祥事が、あなたの資格を消しにくる
- 業務停止3か月の処分を受けた代理店。停止期間中は新規募集ができないが、既契約の保全業務はどうなるのか。処分の主文で「業務の全部」か「一部」かが書き分けられている。ここを読み違えると、停止期間中の行為がさらなる違反になる
取るべき行動
被害を受けた側:不適切な募集の被害を受けた側なら、1. 募集時の資料、設計書、録音、LINE や郵便の記録を日付順に整理する2. まず所属保険会社の苦情窓口に書面で申し立て、回答を文書で得る3. 納得できなければ生命保険協会・日本損害保険協会の指定紛争解決機関(ADR)へ。ここは無料で、訴訟より速い4. 並行して金融庁の金融サービス利用者相談室へ情報提供。307条の処分は金融庁の職権発動なので、あなたが処分を請求する権利はないが、情報の集積が処分の端緒になる5. 金銭的回復は別軌道で、民法709条または保険会社の使用者責任(民法715条)で請求する
訴えられた側:1. 報告徴求・立入検査の段階で弁護士(金融規制に強い者)を入れる。処分通知後では遅い2. 聴聞通知が来たら、行政手続法18条の文書閲覧請求を必ず行い、根拠資料を確認3. 聴聞では事実関係の争いと情状(再発防止体制の構築、被害者への対応)を分けて主張する4. 取消しか停止かは処分の重さの分水嶺。停止で収める余地があるなら、体制整備の実績を聴聞前に作り込む5. 処分が出た場合、行政不服審査法による審査請求(3か月以内)または取消訴訟(6か月以内)を検討。処分通知書の教示欄を必ず確認する
時効(請求できる期限):307条の処分自体に出訴期間の定めはないが、処分を争う側には期限がある。審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は同じく6か月以内(行政事件訴訟法14条)。2項の所在不明ルートは、公告の日から30日を経過すると取消しが可能になる。なお1項の業務停止は「六月以内の期間を定めて」命じられる
学説
一般的理解:3項による行政手続法第3章の適用除外は、相手方が所在不明で聴聞通知が物理的に到達しない場面に限って手続保障を切り下げたものと理解されており、所在が確知できる事案に2項ルートを用いることは許されないと解されている。
実務的理解:1項3号後段の「著しく不適当な行為」は一般条項であり、その具体的な線引きは金融庁の監督指針と過去の行政処分事例の蓄積によって形成される。条文の文言のみからは処分の射程を判断できない構造になっている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)。保険仲立人制度が創設され、募集規制と監督処分の体系が現行の形に整備された。
- 2.平成26年(2014年) 改正:保険募集・販売ルールの整備。意向把握義務や情報提供義務、募集人の体制整備義務が導入され、監督処分の判断材料となる行為規範が拡充された。
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