保険業法 第300条の2(金融商品取引法の準用)
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金融商品取引法第三章第一節第五款(第三十四条の二第六項から第八項まで(特定投資家が特定投資家以外の顧客とみなされる場合)並びに第三十四条の三第五項及び第六項(特定投資家以外の顧客である法人が特定投資家とみなされる場合)を除く。)(特定投資家)及び第四十五条(第三号及び第四号を除く。)(雑則)の規定は保険会社等若しくは外国保険会社等又は保険仲立人が行う特定保険契約(金利、通貨の価格、同法第二条第十四項(定義)に規定する金融商品市場における相場その他の指標に係る変動により損失が生ずるおそれ(当該保険契約が締結されることにより顧客の支払うこととなる保険料の合計額が、当該保険契約が締結されることにより当該顧客の取得することとなる保険金、返戻金その他の給付金の合計額を上回ることとなるおそれをいう。)がある保険契約として内閣府令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)又は顧客のために特定保険契約の締結の媒介を行うことを内容とする契約の締結について、同章第二節第一款(第三十五条から第三十六条の四まで(第一種金融商品取引業又は投資運用業を行う者の業務の範囲、第二種金融商品取引業又は投資助言・代理業のみを行う者の兼業の範囲、業務管理体制の整備、顧客の利益の保護のための体制整備、標識の掲示等、名義貸しの禁止、社債の管理の禁止等)、第三十七条第一項第二号(広告等の規制)、第三十七条の二(取引態様の事前明示義務)、第三十七条の三第一項第二号及び第六号並びに第三項(契約締結前の情報の提供等)、第三十七条の五から第三十七条の七まで(保証金の受領に係る書面の交付、書面等による解除、指定紛争解決機関との契約締結義務等)、第三十八条第一号、第二号、第七号及び第八号並びに第三十八条の二(禁止行為)、第三十九条第三項ただし書、第四項、第六項及び第七項(損失補塡等の禁止)並びに第四十条の二から第四十条の七まで(最良執行方針等、分別管理が確保されていない場合の売買等の禁止、金銭の流用が行われている場合の募集等の禁止、出資対象事業の状況に係る情報の提供が確保されていない場合の売買等の禁止、出資対象事業の状況に係る情報が提供されていない場合の募集等の禁止、特定投資家向け有価証券の売買等の制限、特定投資家向け有価証券に関する告知義務、のみ行為の禁止、店頭デリバティブ取引に関する電子情報処理組織の使用義務等)を除く。)(通則)の規定は保険会社等、外国保険会社等、保険募集人又は保険仲立人が行う特定保険契約の締結又はその代理若しくは媒介について、それぞれ準用する。この場合において、これらの規定中「金融商品取引契約」とあるのは「特定保険契約等」と、「金融商品取引業」とあるのは「特定保険契約の締結又はその代理若しくは媒介の業務」と、同法第三十四条(特定投資家への告知義務)中「顧客を相手方とし、又は顧客のために金融商品取引行為(第二条第八項各号に掲げる行為をいう。以下同じ。)」とあるのは「特定保険契約(保険業法第三百条の二に規定する特定保険契約をいう。以下同じ。)又は顧客のために特定保険契約の締結の媒介」と、同法第三十七条第二項中「金融商品取引行為」とあるのは「特定保険契約の締結」と、同法第三十七条の三第一項中「締結しようとするとき」とあるのは「締結しようとするとき、又は特定保険契約の締結の代理若しくは媒介を行うとき」と、「掲げる事項」とあるのは「掲げる事項及び保険契約者等(保険業法第五条第一項第三号イに規定する保険契約者等をいう。以下この項において同じ。)の保護に資するための当該特定保険契約の内容その他保険契約者等に参考となるべき事項(次項において「参考事項等」という。)」と、同項第一号中「金融商品取引業者等」とあるのは「特定保険契約等を締結する保険会社等(保険業法第二条の二第一項に規定する保険会社等をいう。)、外国保険会社等(同法第二条第七項に規定する外国保険会社等をいう。)又は保険仲立人(同条第二十五項に規定する保険仲立人をいう。)」と、同項第五号中「金融商品取引行為」とあるのは「特定保険契約の締結」と、同条第二項中「除く。)」とあるのは「除く。)及び参考事項等」と、同項ただし書中「当該事項」とあるのは「これらの事項」と、同法第三十八条中「使用人」とあるのは「使用人(保険募集人(保険業法第二条第二十三項に規定する保険募集人をいう。)を除く。第三十九条第三項において同じ。)」と、同法第三十九条第一項第一号中「有価証券の売買その他の取引(買戻価格があらかじめ定められている買戻条件付売買その他の政令で定める取引を除く。)又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券売買取引等」という。)」とあるのは「特定保険契約の締結」と、「有価証券又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券等」という。)」とあるのは「特定保険契約」と、「顧客(信託会社等(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。以下同じ。)が、信託契約に基づいて信託をする者の計算において、有価証券の売買又はデリバティブ取引を行う場合にあつては、当該信託をする者を含む。以下この条において同じ。)」とあるのは「顧客」と、「損失」とあるのは「損失(当該特定保険契約が締結されることにより顧客の支払う保険料の合計額が当該特定保険契約が締結されることにより当該顧客の取得する保険金、返戻金その他の給付金の合計額を上回る場合における当該保険料の合計額から当該保険金、返戻金その他の給付金の合計額を控除した金額をいう。以下この条において同じ。)」と、「補足するため」とあるのは「補足するため、当該特定保険契約によらないで」と、同項第二号中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定保険契約の締結」と、「有価証券等」とあるのは「特定保険契約」と、「追加するため」とあるのは「追加するため、当該特定保険契約によらないで」と、同項第三号中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定保険契約の締結」と、「有価証券等」とあるのは「特定保険契約」と、「追加するため、」とあるのは「追加するため、当該特定保険契約によらないで」と、同条第二項中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定保険契約の締結」と、同条第三項中「原因となるものとして内閣府令で定めるもの」とあるのは「原因となるもの」と、同法第四十条第一号(適合性の原則等)中「金融商品取引行為」とあるのは「特定保険契約等の締結」と、同法第四十五条第二号中「第三十七条の二から第三十七条の六まで、第四十条の二第四項及び第四十三条の四」とあるのは「第三十七条の三(第一項第一号、第三号から第五号まで及び第七号に係る部分に限り、第三項を除く。)及び第三十七条の四」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
金融商品取引法の準用とは何ですか?
定義金融商品取引法の準用とは、保険業法第300条の2に定められた規定で、「金融商品取引法第三章第一節第五款(第三十四条の二第六項から第八項まで(特定投資家が特定投資家以外の顧客とみなされる場合)並びに第三十四条の三第五項及び第六項(特…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第300条の2(金融商品取引法の準用)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第300条の2の条文原文は「金融商品取引法第三章第一節第五款(第三十四条の二第六項から第八項まで(特定投資家が特定投資家以外の顧客とみなされる場合)並びに第三十四条の三第五項及び第六項(特…」で始まります。
- 保険業法第300条の2は第四章に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第300条の2の前の条は保険業法第300条です。
- 保険業法第300条の2の次の条は保険業法第301条です。
- 保険業法第300条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第300条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第300条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/300_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法300条の2は、元本割れのおそれがある保険を特定保険契約と定め、その募集に金融商品取引法の適合性の原則や情報提供義務を準用する規定である。
Q · 銀行で勧められた外貨建て保険にも、証券会社と同じルールがかかるんですか?
元本割れしうる保険には金商法の行為規制がかかります
保険業法300条の2は、支払う保険料の合計が受け取る保険金・返戻金等の合計を上回るおそれがある保険を「特定保険契約」と定義し、その締結・代理・媒介に金融商品取引法の行為規制を準用します。準用されるのは適合性の原則(金商法40条1号)、広告等の規制、契約締結前の情報の提供、損失補塡等の禁止などで、外貨建て保険や変額保険が典型例です。売り手は「これは保険ですから」という理由で説明の粒度を下げることができません。
解説
退職金が入った口座に、銀行の担当者から電話が来る。「元本保証ではありませんが、今の金利水準なら」と勧められたのが外貨建て一時払終身保険だった。この商品は、法律の目から見るとただの保険ではない。払い込む保険料の合計が、受け取る保険金・解約返戻金・給付金の合計を上回るおそれがある保険、つまり元本割れしうる保険を「特定保険契約」と呼び、本条は金融商品取引法の行為規制をまるごと引っ張ってきて適用する。適合性の原則、広告規制、契約締結前の情報提供義務、損失補塡の禁止、特定投資家制度。あなたが握っておくべき事実はひとつ、売り手は「これは保険ですから」と言い訳できないということだ。判断力の落ちた高齢の親に為替リスク商品を売った、リスク説明を口頭で流した、それらは保険の業界常識ではなく金商法の物差しで測られる。
法的な位置づけ
保険業法300条の2にいう特定保険契約とは、金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動により、顧客が支払うこととなる保険料の合計額が、取得することとなる保険金、返戻金その他の給付金の合計額を上回るおそれがある保険契約として内閣府令で定めるものをいい、その募集には金融商品取引法の行為規制が準用される。
手順
- 1.勧誘中に「特定保険契約か」を口頭で確認する 契約前の面談で「これは特定保険契約ですか、適合性の確認はどう記録されますか」と尋ねる。担当者はその場で記録を残さざるを得なくなり、この一言が後日の説明義務違反の立証の起点になる
- 2.契約締結前に提供された情報と実際の説明のズレを記録する 準用される金商法37条の3に基づいて提供された情報(元本割れの可能性、為替リスク、手数料)と、担当者が口頭で述べた内容を突き合わせ、ズレがある箇所に印を付けて日付入りでメモを残す
- 3.元本割れに気付いたら証拠をその夜のうちに一か所に集める 設計書、意向確認書面、契約締結前に提供された情報、担当者とのメール・LINE・訪問メモ、解約返戻金通知をすべて一つのファイルにまとめる。誰がいつ何と言ったかを時系列で一枚に起こす
- 4.社内窓口と並行して指定紛争解決機関に申し立てる 生命保険協会またはそんぽ ADR センターに申し立てる。保険会社は手続実施基本契約により手続応諾義務と資料提出義務を負うため、社内で止まっていた説明が第三者の面前に引き出される
- 5.争点を適合性原則違反と説明義務違反の二本に絞る 元本割れという結果自体ではなく勧誘プロセスを争う。顧客の知識・経験・財産状況・契約目的の四つの物差しで不適当だったか、リスク説明が足りていたかを主張の柱にする。時効は不法行為構成なら知った時から3年
よくある質問 AI による整理
Q1特定保険契約とは何ですか?
払い込む保険料の合計額が、受け取る保険金・返戻金その他の給付金の合計額を上回るおそれがある保険契約として内閣府令で定めるものです。保険業法300条の2が定義し、外貨建て保険や変額保険が典型例です。
Q2外貨建て保険は特定保険契約にあたりますか?
為替変動により解約返戻金が払込保険料を下回るおそれがある以上、通常は特定保険契約にあたります。結果として、募集の場面で金融商品取引法の適合性の原則や情報提供義務が準用されます。
Q3変額保険にも適合性の原則は適用されますか?
適用されます。変額保険は運用実績次第で元本割れするため特定保険契約の代表格で、保険業法300条の2により金商法40条1号(適合性の原則)が準用されます。
Q4保険会社が損失を補塡してくれることはありますか?
原則できません。準用される金商法39条により、特定保険契約で生じた損失(払込保険料の合計から給付の合計を控除した額)を当該契約によらないで補塡する行為は禁止されています。
Q5特定投資家になると何が変わりますか?
金商法第3章第1節第5款が準用され、特定投資家に対しては一部の行為規制が適用除外になります。ただし特定投資家が一般顧客とみなされる一部規定は準用から除外されています。
Q6特定保険契約の広告にはどんな規制がありますか?
金商法37条(広告等の規制)が準用されます。ただし同条1項2号は準用から除かれており、表示事項の一部は保険業法側のルールで処理されます。
Q7契約締結前に何を渡されるべきですか?
準用される金商法37条の3により、契約締結前の情報の提供が必要です。加えて読替えにより、保険契約者等の保護に資する契約内容など「参考事項等」も提供対象になります。
Q8保険募集人個人も責任を負いますか?
準用される金商法38条の「使用人」から保険募集人は除かれていますが、保険業法283条により所属保険会社等が賠償責任を負い、募集人自身も登録上の不利益を受けます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1銀行で買った外貨建て保険で元本割れしました。これって取り返せるんですか?
元本割れという結果それ自体は違法ではない。争えるのは勧誘のプロセスだ。本条が準用する金融商品取引法40条1号(適合性の原則)に著しく反する勧誘や、リスクの説明義務違反があれば損害賠償の対象になる。実務のポイント:説明義務違反が認められると、元本欠損額がそのまま損害額と推定される規定がある。損害額を自分で積み上げて立証しなくてよいこの推定を使うかどうかで、案件の重さがまるで変わる(根拠法は名称と条番号の改正が続いているため、最新の改正状況をご確認ください)
Q2保険の話なのに、なんで金商法が出てくるんですか?
元本割れリスクを負う保険は、経済実態として投資商品だからだ。ただし本条は金商法をまるごと持ち込むわけではない。虚偽告知と断定的判断の提供(金商法38条1号・2号)は準用から外れているが、それは保険業法300条1項1号・2号が同じ禁止をすでに持っているからで、規制が緩いという意味ではない。実務のポイント:どちらの条文で主張を組むかで、行政処分の根拠も立証の組み立ても変わる。代理人が保険業法側で組むか金商法側で組むかを見れば、その分野の経験量が透ける
Q3担当者が「必ず増える」と言ったんですが、録音してません。もう無理ですよね?
録音がなくても詰められる。設計書に元本割れの記載があるか、意向確認書面にリスク許容度がどう記録されているか、準用される金商法37条の3に基づいて契約締結前に提供された情報と実際の説明のズレが争点になる。実務のポイント:高齢者への募集については、複数回訪問、親族同席、役席者による意向確認といった社内ルールを定めている会社が多い。そのルールを踏んだ記録が会社側に残っていなければ、個々のやり取りを争うまでもなく募集態勢の不備として不利になる
Q4苦情を言っても銀行がまともに取り合ってくれません。どうすれば?
指定紛争解決機関(生命保険協会、そんぽ ADR センター)に直接申し立てる。保険会社は手続実施基本契約により手続応諾義務と資料提出義務を負うため、社内で止まっていた話が第三者の場に出てくる。実務のポイント:金商法側の ADR 規定(37条の7)は本条の準用から除外されているが、保険業法自身が指定紛争解決機関との契約締結を義務づけているので抜け穴にはならない。除外=守られないと早合点して諦める人が実際にいる
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険は元本保証、投資信託は元本割れ」という線引きで理解している人が多い。だが特定保険契約とは、定義上「払い込む保険料の合計が受け取る給付の合計を上回るおそれがある保険」のことだ。元本割れが想定外の事故なのではなく、元本割れしうることが概念の中身そのものである
- 「クーリングオフの8日を過ぎたから、もう何もできない」という問いの立て方自体が誤っている。金商法の書面等による解除(37条の6)は本条の準用から明示的に除外されており、そもそも別の土俵の話。争うべきは解除ではなく、適合性原則違反・説明義務違反に基づく損害賠償であり、こちらは8日ではなく時効の時間軸で動く
- あなたから見れば「銀行の担当者が親身に勧めてくれた商品」、法律から見れば「金融商品取引業者が投資商品を勧誘するのとほぼ同じ規制対象行為」。この落差が牙を剥くのは紛争になった後だ。裁判や ADR で問われるのは担当者が親切だったかどうかではなく、顧客の知識・経験・財産状況・契約目的に照らして適合していたかという、感情の入り込まない四つの物差しである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 保険業法300条の2:特定保険契約(元本割れのおそれがある保険)の締結・代理・媒介 | 保険業法300条:保険募集一般の禁止行為(虚偽告知、断定的判断の提供等) 保険業法309条:保険契約の申込みの撤回等(クーリングオフ) |
| ルールの出所 | 金融商品取引法の特定投資家制度・行為規制を条項単位で準用+読替え | 保険業法固有の禁止行為規定(金商法38条1号・2号が準用除外される理由) 保険業法固有の解除制度(金商法37条の6は準用除外) |
| 時間の縛り | 固有の期間制限なし。損害賠償構成の時効の時間軸で動く | 固有の期間制限なし。行政処分・損害賠償の根拠として機能 申込書面の交付日か申込日のいずれか遅い日から8日 |
| 典型的な使いどころ | 外貨建て保険・変額保険の勧誘が適合性原則や情報提供義務に反するとき | 「必ず増える」といった断定的判断の提供を争うとき 契約直後に気が変わったが、元本割れに気付く前に期間が切れるのが通例 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も投資型保険を独立のカテゴリーとして扱い、適合度調査と説明義務を金融消費者保護法で横断的に課す。日本が金商法を準用する形をとるのに対し、台湾は消費者保護法制の側から一本化している
韓国は2021年施行の金融消費者保護法により、適合性原則・説明義務を業態横断で統一した。変額保険等の投資性商品には資本市場法の規律も及ぶ点で日本と構造が似る
EU の IDD を国内法化し、保険ベースの投資商品について適合性・妥当性の判断義務と情報提供義務を保険契約法の中に組み込んだ。日本のように証券規制を準用する形ではなく、保険法内部に規定を置く
米国は年金商品の適合性を州ごとのモデル規則で、変額年金は連邦証券法で規律する二層構造。商品の法的性質決定によって管轄が分かれる点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 実家に帰ったら、母の机の上に見慣れない証券が置いてあった。外貨建て一時払終身保険、一千万円。母は「銀行の人が、元本は大丈夫だと言っていた」と繰り返す。円高に振れれば解約返戻金は払込額を割る。顧客の知識・経験・財産状況・契約目的に照らして著しく不適当な勧誘であれば、本条が準用する適合性の原則(金融商品取引法40条1号)の問題になり、それ自体が損害賠償の根拠になりうる
- 職場の資産形成セミナーで、個人加入の変額保険を勧められたらどうなる? 変額保険は特定保険契約の代表格で、運用実績次第で解約返戻金が払込保険料を下回る。勧誘の場で「必ず増えます」と言われたなら、それは保険業法300条1項2号(断定的判断の提供)の世界に入る。金商法38条1号・2号は本条の準用から外れているが、保険業法自身が同じ禁止を持っているため、逃げ道にはならない
- あなたが保険代理店の募集人で、十年来の付き合いがある顧客に外貨建て年金を提案する場面。意向把握(保険業法294条の2)を済ませただけでは足りない。顧客の投資経験と財産状況に照らして不適当な勧誘は、準用される適合性の原則違反として、所属保険会社への業務改善命令や登録取消しの端緒になる
- 解約返戻金の通知を見て、初めて元本割れに気付いた。クーリングオフ(保険業法309条)は申込書面の交付日か申込日のいずれか遅い日から8日、とうに過ぎている。残された道は説明義務違反を理由とする損害賠償と、指定紛争解決機関への申立てだ。設計書・意向確認書面・担当者とのやり取りが手元にあるうちに、今夜すべて一か所に集める
- 友人から「親が銀行で保険を勧められている」と相談された。聞き返すべき質問はひとつ、「それは元本割れしますか」だ。答えが「する可能性がある」なら、その商品は特定保険契約として金商法の行為規制がかぶさっていると伝えればいい
取るべき行動
被害を受けた側:1. 勧誘時の紙をすべて集める:設計書、意向確認書面、契約締結前に交付された情報、担当者とのメールやメモ2. 誰が、いつ、何と言ったかを時系列で一枚に起こす3. 会社の窓口と並行して指定紛争解決機関(生命保険協会、そんぽ ADR センター)に申し立て、手続応諾義務を使って第三者の場に出す4. 争点は適合性原則違反と説明義務違反の二本。説明義務違反が認められれば元本欠損額が損害額と推定される仕組みがあり、立証負担が大きく軽くなる
訴えられた側:1. 勧誘記録・意向把握記録・高齢者募集ルールの履行記録を直ちに保全する。後から整える行為は致命傷になる2. 適合性は結果論ではなく勧誘時点の顧客属性で判定される。知識・経験・財産状況・契約目的の把握記録こそが防御の本体3. 所属保険会社等の賠償責任(保険業法283条)が連動するため、会社法務と初期段階で情報を揃える4. 当局対応では個別案件の弁明より、募集態勢の不備と見られない説明の組み立てを優先する
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間制限はない。不法行為構成なら損害および加害者を知った時から3年、生命・身体侵害は5年、行為時から20年(民法724条、724条の2)。契約責任構成なら権利を行使できることを知った時から5年または行使可能時から10年(民法166条)。説明義務違反に基づく請求の時効の性質は実務上、解釈が分かれている。クーリングオフ(保険業法309条)は申込書面の交付日か申込日のいずれか遅い日から8日で、元本割れに気付く前に切れるのが通例
学説
通説(横断的規制説):規制対象を「保険か投資か」という商品の看板ではなく「元本割れのおそれがあるか」という経済実態で切る点に本条の意義があるとする。同じリスクには同じルールを、という金融商品取引法制の横断性の思想の保険分野への接続とみる。
二重規制回避説(準用範囲限定の説明):準用対象から金商法38条1号・2号、37条の6、37条の7等が細かく削られているのは、保険業法が300条、309条、指定紛争解決機関の仕組みをすでに備えているためであり、規制の緩和ではなく重複の除去であると説明する。
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)金融商品取引法制の整備 証券取引法の金融商品取引法への改組に伴う整備法により新設。元本割れリスクを有する保険を特定保険契約と定義し、投資性金融商品の横断的行為規制を保険分野に導入した。施行は平成19年(2007年)
- 令和5年(2023年)金融商品取引法改正への追随 準用先である金商法37条の3が「契約締結前の書面の交付」から「契約締結前の情報の提供等」へ改められたことに伴い、本条の引用と読替えが調整された。書面交付を前提とした従来の解説書は現行条文と一致しない
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:証券取引法の金融商品取引法への改組に伴う整備法により新設。元本割れリスクを有する保険を特定保険契約と定義し、投資性金融商品の横断的行為規制を保険分野に導入した。施行は平成19年(2007年)
- 2.令和5年(2023年) 改正:準用先である金商法37条の3が「契約締結前の書面の交付」から「契約締結前の情報の提供等」へ改められたことに伴い、本条の引用と読替えが調整された。書面交付を前提とした従来の解説書は現行条文と一致しない
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