保険業法 第301条
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- 保険会社等又は外国保険会社等は、その特定関係者(第百条の三に規定する特定関係者(保険業を行う者に限る。)をいい、外国保険会社等の場合にあっては、第百九十四条に規定する特殊関係者(保険業を行う者に限る。)をいう。以下この条において同じ。)が行う保険契約の締結又はその特定関係者に係る保険募集に関して、次に掲げる行為又は取引をしてはならない。
- 一当該特定関係者を保険者とする保険契約の保険契約者若しくは被保険者又はこれらの者と内閣府令で定める密接な関係を有する者に対して、特別の利益の提供を約し、又は提供する行為
- 二当該特定関係者との間又は当該特定関係者を保険者とする保険契約の保険契約者若しくは被保険者若しくはこれらの者と内閣府令で定める密接な関係を有する者との間で行う行為又は取引のうち前号に掲げるものに準ずる行為又は取引で、保険募集の公正を害するおそれのあるものとして内閣府令で定める行為又は取引
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第301条は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第301条の条文原文は「保険会社等又は外国保険会社等は、その特定関係者(第百条の三に規定する特定関係者(保険業を行う者に限る。」で始まります。
- 保険業法第301条は第四章に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第301条の前の条は保険業法第300条の2です。
- 保険業法第301条の次の条は保険業法第301条の2です。
- 保険業法第301条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第301条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第301条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/301
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法301条は、保険会社等が特定関係者を保険者とする契約の契約者・被保険者等に特別の利益を提供することを禁じる。自社契約を規制する300条のグループ迂回を塞ぐ規定である。
Q · グループ会社の保険に入った人だけに商品券を配ったら、うちは保険者じゃないからセーフ?
セーフではありません。保険業法301条が正面から禁じています
保険業法301条は、自社が保険者でなくても、特定関係者(第100条の3、外国保険会社等は第194条の特殊関係者。いずれも保険業を行う者に限る)を保険者とする保険契約の契約者・被保険者、およびこれらと密接な関係を有する者(内閣府令)に対する特別の利益の提供を禁じます。300条が自社契約を規制し、301条がグループという迂回路を塞ぐ構造です。しかも「約し、又は提供する」と規定されているため、提案書を提示した時点で既に該当し得ます。
解説
グループ横断の販促キャンペーンが法務で止まる理由は、たいていこの一条にある。300条1項は自社の保険契約について特別の利益を提供することを禁じる。では自社ではなくグループの生保や損保の契約ならば自由か。301条がその迂回路を正面から塞いでいる。名宛人は保険会社等と外国保険会社等、対象となるのは第100条の3に規定する特定関係者(外国保険会社等の場合は第194条の特殊関係者)のうち保険業を行う者。その関係者が保険者となる契約の保険契約者・被保険者、さらに内閣府令が定める「密接な関係を有する者」に対して、特別の利益を約すること、提供することが禁じられる。2号はこれに準ずる行為・取引のうち保険募集の公正を害するおそれのあるものを内閣府令で指定して拾う。つまり判断軸は「誰の契約か」ではなく「グループ全体として募集の公正が歪むか」である。
法的な位置づけ
保険業法301条は、保険会社等および外国保険会社等について、その特定関係者(保険業を行う者に限る)が行う保険契約の締結または保険募集に関し、当該特定関係者を保険者とする契約の保険契約者・被保険者または内閣府令で定める密接な関係を有する者に対する特別の利益の提供および、これに準ずる行為・取引のうち保険募集の公正を害するおそれがあるものとして内閣府令で定めるものを禁止する規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法301条とは何ですか?
保険会社等がグループ内の特定関係者(保険業を行う者)を保険者とする契約の契約者等に特別の利益を提供することを禁じる規定です。300条の自社契約規制を補完します。
Q2保険業法300条と301条の違いは?
300条は自社が保険者となる契約の募集行為を規制し、301条は特定関係者が保険者となる契約に規制を延長します。名宛人は同じ保険会社等ですが、対象契約の帰属先が異なります。
Q3特定関係者はどこまで含まれますか?
第100条の3に規定する特定関係者のうち保険業を行う者に限られます。外国保険会社等の場合は第194条の特殊関係者です。保険業を行わないグループ会社は301条の対象外です。
Q4特別の利益の提供は違法ですか?
301条1号が明文で禁じています。金銭・物品に限らず、融資条件の優遇やポイント還元など経済的価値のある便益全般が評価対象になり得ます。
Q5グループ保険のキャンペーンで景品を配るのは違反?
対象者を特定関係者の保険契約者に限定した特別の利益であれば301条1号に該当し得ます。社会相当性の範囲内の少額ノベルティは実務上許容されてきました。
Q6銀行窓販で金利優遇するのは大丈夫?
グループ生損保の契約者だけに融資条件を優遇すると、保険契約者に対する特別の利益と評価される余地があります。保険非加入者にも同条件が開放されているかが分かれ目です。
Q7301条違反の罰則はどうなりますか?
実務では第132条の業務改善命令・業務停止命令など行政処分が先に来ます。募集人側は第307条の登録取消し等が問題となります。罰則の最新の改正状況はご確認ください。
Q8密接な関係を有する者とは誰のことですか?
保険契約者・被保険者と一定の関係にある者として内閣府令が定める範囲で、契約者本人を迂回した利益供与を捕捉するための規定です。具体的範囲は施行規則をご確認ください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ノベルティのボールペンやカレンダーも全部ダメなんですか?
社会相当性の範囲内の少額なノベルティは実務上許容されている。境界線は金額と対象者の絞り方で、グループ会社の契約者だけに限定した瞬間に301条1号の「特別の利益」評価へ近づく。実務のポイント:多くの保険会社は社内規程で景品単価の上限を自主的に定めている。検査で効くのは条文の文言ではなく、その自社基準を守った記録のほうだ
Q2特定関係者って、結局どこまでの会社が入るんですか?
第100条の3に規定する特定関係者のうち保険業を行う者に限られ、外国保険会社等の場合は第194条の特殊関係者である。親会社・子会社・同一持株会社の下の兄弟保険会社が典型で、保険業を行わないグループ会社は301条の対象外。実務のポイント:対象外=自由ではない。その場合も300条1項や独占禁止法の抱き合わせ規制という別の線が残っている
Q3顧客が得をしているのに、どうして違反になるんですか?
守られているのは個々の顧客の財布ではなく、保険募集の公正そのものである。2号が「保険募集の公正を害するおそれのあるもの」を内閣府令で指定して拾う構造が、その趣旨を示している。実務のポイント:この種の案件は顧客の苦情より、競合他社や元従業員からの情報提供が端緒になることが多い。顧客が喜んでいる企画ほど、社内で誰も止めずに外から持ち込まれる
Q4違反したら罰金ですか、それとも業務停止ですか?
実務で先に来るのは行政処分で、第132条の業務改善命令・業務停止命令、募集人側なら第307条の登録取消しが軸になる(罰則の最新の改正状況はご確認ください)。実務のポイント:処分の公表文は金融庁サイトに残り続け、提携審査や入札の場で後年まで引かれる。効いてくるのは金額ではなく、その記録の寿命の長さである
間違えやすい点 AI による整理
- 「自社が保険者の契約ではないから300条の規制外」という社内整理は、301条の存在でそのまま崩れる。特定関係者のうち保険業を行う者が保険者となる契約についても、その契約者・被保険者への特別の利益の提供は禁じられている
- 「特別の利益の提供は禁止」と知っている人は多いが、禁止対象が提供だけではないという深刻さを見落としている。条文は「約し、又は提供する」と書く。約束した時点、つまり提案書を顧客に提示した時点で既に該当する。まだ渡していない、という弁解は構成要件の外にある
- 社内から見れば「顧客サービスの上乗せ」だが、法令から見れば「保険募集の公正を害するおそれ」という公益侵害である。この落差が厄介なのは、顧客が一人も損をしていない案件でも処分理由として成立する点にある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる契約 | 301条:特定関係者(保険業を行う者)を保険者とする契約 | 300条:自社が保険者となる保険契約 100条の3:特定関係者との取引一般 |
| 規制の狙い | グループ経由の迂回による募集の公正の歪みを封じる | 自社募集行為の公正確保(虚偽告知・特別利益提供等) 特定関係者との不当な取引によるアームズレングス違反防止 |
| 禁止される行為の時点 | 特別の利益を「約し、又は提供する」時点(提案時点で該当し得る) | 特別の利益の約束・提供のほか、募集時の各種禁止行為 通常の取引条件と異なる取引の実行 |
| 違反時の帰結 | 第132条の業務改善命令等、募集人は第307条 | 第132条の業務改善命令等、募集人は第307条 第132条の業務改善命令等 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険料の割戻しや特別利益による招攬を禁じるが、グループ内迂回に特化した独立条文は置かず、募集人規制と併せて処理される
韓国は特別利益の提供禁止を一条で包括的に規定し、金品・保険料割引・融資便宜等を列挙する。列挙型である点が日本の府令委任型と対照的
ドイツは Sondervergütungsverbot(特別報酬禁止)として、保険者・仲介者いずれによる契約者への経済的利益供与も原則禁止する
米国は州法ベースで rebating を不公正取引として禁じるが、近年は少額のバリューアップ・サービスを許容する州が増え、規制緩和の方向にある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 代理店研修で配られた販促案:グループ損保の自動車保険を同時契約した顧客に5,000円分のギフト券。企画者は「うちが保険者の契約じゃないからセーフ」と説明した。301条1号の直撃である
- 銀行窓販で、グループ生保の年金保険に加入した顧客だけ住宅ローン金利を優遇したらどうなる? 融資条件の優遇も、保険契約者に対する「特別の利益」になりうる。検査で最初に問われるのは、その優遇が保険に入らない顧客にも同条件で開放されていたかどうかだ
- 金融庁から報告徴求(第128条)の文書が届き、提出期限まであと10日。過去3年のキャンペーン一覧、景品の単価根拠、グループ各社の契約データとの突合、この三点が揃わないまま提出すると、次に来るのは業務改善命令である
- 顧客側に立つとこう見える。グループ保険をセットで契約したところ、担当者から「社内の裁量で」と保険料の一部戻しを提案された。提案を受けた顧客本人が処罰されることはないが、その保険会社は行政処分の射程に入り、契約の扱いにも後から影響が及ぶ
- 契約者本人ではなく、その代表者の配偶者が経営する会社に広告発注という形で資金を流した。1号の「密接な関係を有する者」と2号の「準ずる行為又は取引」が、この種の迂回を両側から押さえている
取るべき行動
被害を受けた側:不公正な募集で顧客を奪われた競合側、または社内で発見した側の手順。(1)現物を残す:チラシ、提案書、画面のスクリーンショット、景品の単価が分かる資料 (2)その利益が誰の契約に紐づくかを特定する。301条は特定関係者のうち保険業を行う者が保険者となる契約が対象 (3)社内通報窓口と金融庁の情報提供窓口は並行して使える。顧客自身に実損がなくても、募集の公正を害するおそれで申告は成立する
訴えられた側:(1)「約し」の時点を先に確定する。提案書の配布日、口頭提示の記録、社内承認の日付を押さえる (2)提供した便益が社会相当性の範囲か、相手が契約者・被保険者・内閣府令の密接関係者に当たるかを分けて検証する (3)企画停止、顧客への説明、再発防止策までを検査が入る前に自主的に完了させる。行政処分の軽重は、発覚後に自社がどこまで動いたかで明確に変わる
時効(請求できる期限):特定の時効はない。行政処分(第132条の業務改善命令等)に期間制限の定めはなく、数年前のキャンペーンも検査対象になる。顧客への返金や民事請求が絡む場合は一般消滅時効(民法166条、債権は権利を行使できることを知った時から5年または行使できる時から10年)、不法行為構成なら民法724条。報告徴求命令への回答期限は命令書記載の日付が絶対である
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