保険業法 第308条の9(暴力団員等の使用の禁止)
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指定紛争解決機関は、暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号(定義)に規定する暴力団員(以下この条において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者をいう。)を紛争解決等業務に従事させ、又は紛争解決等業務の補助者として使用してはならない。
この条文の基本情報
暴力団員等の使用の禁止とは何ですか?
定義暴力団員等の使用の禁止とは、保険業法第308条の9に定められた規定で、「指定紛争解決機関は、暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号(定義)に規定する暴力団員(以下この条において「暴力団員」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第308条の9(暴力団員等の使用の禁止)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第308条の9の条文原文は「指定紛争解決機関は、暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号(定義)に規定する暴力団員(以下この条において「暴力団員」という。」で始まります。
- 保険業法第308条の9は第二章に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第308条の9の前の条は保険業法第308条の8です。
- 保険業法第308条の9の次の条は保険業法第308条の10です。
- 保険業法第308条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第308条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第308条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/308_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法第308条の9は、指定紛争解決機関が暴力団員等を紛争解決等業務に従事させ、又は補助者として使用することを禁じる。暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者も対象となる。
Q · 保険のADRに申し立てるとき、担当する人の中立性はどう担保されているの?
暴力団員と離脱五年未満の者は、補助業務にも就けません
保険業法第308条の9により、指定紛争解決機関は、暴力団員および暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者を、紛争解決等業務に従事させることも、その補助者として使用することもできません。紛争解決委員や役職員だけでなく、書類整理や電話の取次ぎといった補助的な関与も禁止の対象です。雇用・派遣・業務委託という契約形式を変えても逃げられず、違反があれば金融庁による報告の徴求、業務改善命令、重い場合は指定の取消しにつながります。ADRの中立性は、手続のルールではなく、そこに座る人の入口を絞ることで支えられています。
解説
保険金の不払いであなたがもめたとき、裁判以外にもう一本の道がある。生命保険協会や日本損害保険協会(そんぽADRセンター)のように、金融庁から指定を受けた紛争解決機関へ申し立てる道だ。費用は無料または低額で、保険会社の側は正当な理由なくこの手続を拒めない。ただしこの仕組みは、机の向こうに座る人間が中立であるという一点にすべてを賭けている。だから本条は、暴力団員と、暴力団を抜けてまだ五年を経過していない者を、紛争解決等業務に従事させることも、補助者として使用することも禁じた。「役員にするな」ではない。記録の整理や電話の取次ぎといった補助の立場すら認めていない。あなたが申立人として向き合う席は、法律が人の入口そのものを絞った席なのである。
法的な位置づけ
保険業法第308条の9は、指定紛争解決機関における人的排除を定める規定である。暴力団員、及び暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者を、紛争解決等業務に従事させること、並びに紛争解決等業務の補助者として使用することを禁じる。雇用・派遣・業務委託といった契約形式を問わず、業務への関与自体が禁止の対象となる。
手順
- 1.禁止の射程に入る人の範囲を先に確定する 役職員と紛争解決委員だけを対象にしない。派遣、業務委託、アルバイト、委託先の再委託先まで、紛争解決等業務および付随事務に触れる全員をリスト化し、契約形式ごとの確認責任者を決める
- 2.採用時・契約更新時の確認を記録として残す 確認したという事実は、記録がなければ証明できない。確認日、確認者、確認方法、確認資料を定型フォームで保存し、保存期間を内規で定める。空白期間のある経歴について追加確認した経緯も残す
- 3.委託契約に暴力団排除条項と再委託制限を入れる 委託先の先まで遡れない体制は、監督当局への説明で最も崩れやすい。暴力団排除条項、再委託の事前承諾義務、違反時の無催告解除権を契約に明記し、委託先からの年次確認書を取得する
- 4.疑義が生じたら、事実確認より先に業務から外す 調査の結論を待つ間も違反状態は続き、その日数がそのまま監督上のリスクとして積み上がる。まず紛争解決等業務および付随事務から離脱させ、その後に事実確認と記録化を行う
- 5.定期点検と報告用の証跡を平時から積む 金融庁から体制について報告を求められた時点から資料を作ることはできない。年次で従事者名簿、委託先確認記録、暴力団排除条項の整備状況を棚卸しし、いつでも提出できる形式で保管する
よくある質問 AI による整理
Q1指定紛争解決機関とは何ですか?
金融庁の指定を受け、金融分野の苦情処理と紛争解決を担う民間機関です。保険分野では生命保険協会や日本損害保険協会(そんぽADRセンター)が指定を受けています。
Q2保険金でもめたらどこに申し立てるの?
まず保険会社の苦情窓口へ。解決しなければ、その保険会社が手続実施基本契約を結んでいる指定紛争解決機関に申し立てます。機関名は約款や公式サイトに明記されています。
Q3暴力団員等の「等」には誰が含まれますか?
暴力団員のほか、暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者が含まれます。暴力団員の定義は、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条を借用しています。
Q4五年の起算日はいつですか?
暴力団員でなくなった日から数えます。ただし脱退届の提出日と見るか実質的に関係を絶った日と見るかで実務上の解釈が分かれ、離脱を裏づける客観的資料の有無が判断を左右します。
Q5紛争解決等業務の範囲はどこまでですか?
紛争解決手続の実施だけでなく、苦情処理手続やこれらに付随する事務まで及びます。判断に直接関わらない事務補助でも「補助者として使用」に当たると考えるべきです。
Q6ADRの申立費用はいくらですか?
多くの指定紛争解決機関で申立人の費用は無料または低額です。事業者側が負担金を拠出する仕組みのため、契約者が高額の手数料を負担することは通常ありません。
Q7指定紛争解決機関の処分歴は確認できますか?
金融庁が監督上の処分や指定に関する情報を公表しています。申立て先を選ぶ前に公表資料を確認しておくと、自分の手続が途中で宙に浮くリスクを下げられます。
Q8保険会社はADRを拒否できますか?
原則できません。手続実施基本契約により、正当な理由なく手続への応諾や資料提出を拒めない義務を負っています。拒否した事実は監督上の評価にも影響します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社ともめたとき、ADRって本当に使えるんですか?裁判より弱い気がして
使える。保険会社は指定紛争解決機関と手続実施基本契約を結んでおり、正当な理由なく手続への応諾や資料提出を拒めない。申立費用も無料または低額である。実務のポイント:金融ADRには、一定の要件下で事業者側だけが調停案に拘束される片面的な仕組みがある。つまり契約者にとっては片道切符ではなく、結論に納得できなければ訴訟の道が残る。使わない理由の方が少ない。
Q2元暴力団員でも、五年経てば働けるんですよね?
条文上はそうなる。禁じられるのは暴力団員と、暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者である。ただし起算点となる「暴力団員でなくなった日」の認定が形式的な脱退届だけで決まるとは限らず、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:金融機関側の内部チェック基準は、この五年ルールより広く網をかけていることが多い。法律上セーフでも実務の入口で落ちる層があり、この差を知らずに転職計画を立てると行き止まりに入る。
Q3アルバイトに書類整理を頼むだけでもダメなんですか?
だめである。本条は紛争解決等業務に「従事させ」ることに加えて、「紛争解決等業務の補助者として使用」することも禁じている。雇用か派遣か業務委託かという契約形式は問わない。実務のポイント:実務で最も抜け落ちるのは委託先の再委託である。自社の採用審査は厳格でも、外注先のさらに先まで見ている機関は少ない。監督当局に説明を求められたとき、再委託先まで遡れる記録があるかどうかで評価が割れる。
Q4違反したらどうなるんですか、罰金ですか?
まず飛んでくるのは行政のルートである。金融庁による報告の徴求、業務改善命令、重ければ指定の取消し(役所がその機関に直接下す具体的な決定)につながり、係属中の手続の扱いにも影響が及びうる。実務のポイント:申立人にとっての本当のリスクは罰則の有無ではなく、自分の手続が宙に浮くことだ。だから機関を選ぶ段階で、過去に監督上の処分を受けていないかを金融庁の公表資料で確認しておく価値がある。
間違えやすい点 AI による整理
- あなたの目から見れば「反社会的勢力を雇うな」という当たり前の話に見える。だが法律の目から見ると、これは民間の団体に対して、行政処分(役所がその団体に直接下す具体的な決定、例:業務改善命令、指定の取消し)の対象となる人事上の制約を課す条文である。この落差が意味するのは、指定紛争解決機関は民間でありながら、採用の自由度は普通の民間企業と同じではないということだ。
- 暴力団員を排除する条文だと知っている人は多いが、その射程の深さまで知る人は少ない。禁じられているのは紛争解決等業務に従事させることだけではなく、「補助者として使用」することも含まれる。コピー、ファイリング、電話の取次ぎ、その程度の関与でも線を越える。関与の濃さではなく、業務に触れること自体が線引きになっている。
- 「五年経てば自動的にセーフ」という理解は、問いの立て方が半分ずれている。条文が数えるのは「暴力団員でなくなった日」からの五年であり、その日をいつと認定するかが本当の争点になる。脱退届を出した日なのか、実質的に組織との関係を絶った日なのか、実務上、解釈が分かれている論点である。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律のタイミング | 第308条の9:運営中、継続的に人を選別する義務 | 第308条の2・3:入口、機関そのものの指定と欠格事由の審査 第308条の24:事後、違反が起きた後の監督上の処分 |
| 規律の名宛人 | 指定紛争解決機関(採用・使用の主体として) | 指定を申請する法人および金融庁 金融庁(処分権者) |
| 射程に入る人 | 紛争解決等業務に従事する者と、その補助者の全員 | 法人の役員等(欠格事由の審査対象) 機関そのもの(指定の取消しまで) |
| 違反したときに飛んでくるもの | 報告の徴求、業務改善命令、重ければ指定の取消し | 指定の拒否(そもそも機関になれない) 処分の根拠規定そのもの |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も金融ADRを法律で制度化し評議委員の資格を規律するが、日本のように暴力団員等を名指しして補助者まで排除する条文構成は採っていない
韓国は金融紛争調停委員会の委員資格を法律で定めるが、組織犯罪関係者の排除は個別法に分散しており、業務補助者まで一律に及ぶ規定形式ではない
ドイツは保険分野の紛争解決機関を承認制とし、調停人の独立性と適格性を要件とする。反社会的勢力という属性による一律排除ではなく、独立性審査で担保する設計
米国は仲裁人名簿への登録審査と開示義務、忌避手続で中立性を担保する。属性による法律上の一律排除ではなく、手続的なチェックに重心がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保険金三百万円の支払いを拒まれ、そんぽADRセンターに申し立てた。担当する紛争解決委員が誰なのか、あなたは一度も考えたことがなかった。その席の入口には、法律の網が張ってある。
- もし、紛争解決の担当者が相手方の保険会社と見えない線でつながっていたとしたら? 本条が名指しで狙うのは反社会的勢力だが、立法の発想はもっと広い。紛争解決機関の人的構成がひとたび汚染されれば、出てきた結論の正しさを誰も検証できなくなる。だから最も汚染リスクの高い属性を、法律のレベルで先に排除した。
- あなたが指定紛争解決機関の総務担当で、申立件数が急増し、事務補助を派遣で三名増やすことになった。履歴書に四年の空白がある応募者が一人いる。「補助者として使用してはならない」という文言は、雇用か派遣か業務委託かという形式で逃げられない。紛争解決等業務に触れさせた事実があれば、契約の名前が何であろうと違反になる。
- 金融庁から体制についての報告を求められ、提出期限は二週間後。過去の従事者名簿、委託先の確認記録、暴力団排除条項の整備状況を出せと言われる。日頃から記録を積んでいなかった機関にとって、この二週間は作れる時間ではない。体制の有無は、求められた日ではなくその前の数年で決まっている。
- 組を抜けて四年目、あなたは事務職への転職を目指している。金融ADRの事務補助の求人に応募したが、本条により、あと一年はその席に就けない。しかも起算点となる「暴力団員でなくなった日」をいつと見るかで、その一年は前にも後ろにも動く。離脱を裏づける資料を今から揃えるかどうかで、五年目の入口の広さが変わる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保険会社の苦情窓口で解決しなければ、その保険会社が契約している指定紛争解決機関を確認する(約款や公式サイトに明記されている) 2. 申立時に、紛争解決委員の選任基準と利害関係がある場合の取扱いを書面で確認し、回答を保存する3. 手続中に中立性への具体的な疑いが生じたら、その場で機関へ申し出て記録に残し、並行して金融庁の相談窓口へ情報提供する4. ADRの結論に納得できなくても訴訟の道は閉じない。先にADRを試すこと自体のリスクは小さい
訴えられた側:1. 射程は役職員だけではない。派遣、業務委託、アルバイト、名目を問わず紛争解決等業務に触れる全員が対象になると考える2. 採用時と契約更新時の確認を記録として残す。記録がなければ「確認した」は証明できない3. 委託先には暴力団排除条項と再委託の制限を入れ、違反時の即時解除権を確保する4. 疑義が生じたら、まず当該者を業務から外し、その後で事実確認を行う。違反状態を続けた日数がそのまま監督上のリスクとして積み上がる
時効(請求できる期限):本条自体に請求権の時効はない。数えるべき期間は「暴力団員でなくなった日から五年」であり、その起算日を脱退届の提出日で見るか実質的な離脱日で見るかは実務上、解釈が分かれている。契約者側が損害賠償を検討する場合は、特定の時効はないが一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年または権利を行使できる時から10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
実務上の解釈対立(五年の起算点):暴力団員でなくなった日を、脱退届の提出という形式的事実で認定するか、組織との関係を実質的に絶った日で認定するかについて、実務上の理解が分かれている。離脱を裏づける客観的資料の有無が認定を左右する。
改正沿革 AI による整理
- 平成21年(2009年)公布、平成22年(2010年)10月1日施行 金融商品取引法等の一部を改正する法律により金融ADR制度が創設され、保険業法に指定紛争解決機関に関する規定群が新設された。本条もこのとき新設され、紛争解決等業務からの暴力団員等の排除が法律上の禁止として明文化された
改正の年表
- 1.平成21年(2009年)公布・平成22年(2010年)10月1日施行 新設:金融商品取引法等の一部を改正する法律により金融ADR制度が創設され、保険業法に指定紛争解決機関に関する規定群が置かれた。本条もこのとき新設され、紛争解決等業務からの暴力団員等の排除が法律上の禁止として明文化された
- 保険業法 第308条の2指定紛争解決機関の指定の根拠(現行効力を要確認)
- 保険業法 第308条の3指定の申請と欠格事由の審査(現行効力を要確認)
- 保険業法 第308条の13紛争解決手続と紛争解決委員の選任(現行効力を要確認)
- 保険業法 第308条の24監督上の処分と指定の取消し(現行効力を要確認)
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 第2条本条が借用する暴力団員の定義の出典
- 銀行法 第52条の62銀行分野の同趣旨の金融ADR規律(現行効力を要確認)
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