保険業法 第30条の7(入社の申込み)
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- 発起人は、前条第一項の募集に応じて入社の申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
- 一定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名
- 二第二十三条第一項各号及び第二十四条第一項各号に掲げる事項
- 三基金の拠出者(基金の引受人を含む。)の氏名又は名称及び住所並びに当該各拠出者が拠出した金額(拠出すべき額を含む。)
- 四設立の時に募集をしようとする社員の数
- 五第百十三条後段(第二百七十二条の十八において準用する場合を含む。)の定款の定めがあるときは、その定め
- 六前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
- 2.前条第一項の募集に応じて入社の申込みをする者は、次に掲げる事項を記載して署名した書面を二通作成し、発起人に交付しなければならない。
- 一申込みをする者の氏名又は名称及び住所
- 二相互会社との間で締結しようとする保険契約に係る保険の種類
- 3.前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。
- 4.第三十条の五第二項の規定は、相互会社の成立前における入社の申込みに係る意思表示について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
入社の申込みとは何ですか?
定義入社の申込みとは、保険業法第30条の7に定められた規定で、「発起人は、前条第一項の募集に応じて入社の申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第30条の7(入社の申込み)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第30条の7の条文原文は「発起人は、前条第一項の募集に応じて入社の申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。」で始まります。
- 保険業法第30条の7は第二款 設立に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第30条の7の前の条は保険業法第30条の6です。
- 保険業法第30条の7の次の条は保険業法第30条の8です。
- 保険業法第30条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第30条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第30条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/30_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法30条の7は、相互会社の設立時に発起人が入社申込希望者へ基金拠出者や定款記載事項など六項目を通知する義務と、申込者が署名した書面を二通作成して交付する手続を定める。
Q · 相互会社の設立で入社を申し込むとき、発起人から何を教えてもらえるの?
通知は六項目、申込書面は署名して二通交付します
保険業法30条の7第1項により、発起人は入社を申し込もうとする者へ、定款認証の年月日と公証人の氏名、23条1項・24条1項の定款記載事項、基金拠出者の氏名・名称と住所および拠出額、設立時に募集する社員の数、113条後段の定款の定め、内閣府令で定める事項の六項目を通知しなければなりません。申込者側は氏名・住所と締結しようとする保険の種類を記載し署名した書面を二通作成して交付します(2項)。発起人の承諾があれば電磁的方法での提供も認められます(3項)。
解説
相互会社の設立に手を挙げる、つまり保険契約者として最初の社員になる。その瞬間、あなたは単なる顧客ではなく、会社の構成員になる。保険業法30条の7は、その入口で発起人があなたに何を開示しなければならないかを列挙している。定款認証の年月日と公証人の氏名、23条1項・24条1項の定款記載事項、基金の拠出者の氏名と拠出額、設立時に募集する社員の数、そして113条後段の定款の定めがあるときはその内容。特に見落とされるのが三号と五号だ。誰がいくら基金を出したかは、実質的な支配構造そのもの。113条後段は繰延資産(設立費用等の資産計上)に関する定款の定めで、それがあるということは、その会社は初年度から実質的な欠損を抱えて出発する設計だという意味になる。通知されなかった項目があれば、あなたの入社の意思表示の基礎が崩れる。そして4項が30条の5第2項を準用し、心裡留保・虚偽表示の規定を排除している。「冗談のつもりだった」は、成立前の入社申込みでは通用しない。
法的な位置づけ
保険業法30条の7は、相互会社の募集設立における入社の申込手続を定める規定である。1項は発起人に対し、定款認証の年月日と公証人の氏名、定款の記載事項、基金拠出者の氏名・住所および拠出額、募集する社員の数、113条後段の定款の定め、内閣府令で定める事項の通知を義務づける。2項は申込者に署名書面二通の作成・交付を求め、3項は政令の定めに従い発起人の承諾を得た電磁的方法による提供を認める。4項は30条の5第2項を準用する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.受け取った資料を1項一号〜六号に突き合わせる 渡された設立関係書類を、定款認証の年月日と公証人氏名、定款記載事項、基金拠出者の氏名・住所と拠出額、募集する社員の数、113条後段の定め、内閣府令事項の六つに分類し、欠落項目をリスト化する
- 2.基金拠出者一覧と113条後段の定めを読み込む 誰がいくら基金を拠出したかで実質的な支配構造が読める。113条後段の定めがあれば繰延資産計上、すなわち初年度から欠損を抱える設計であることを意味するため、その有無と内容を必ず確認する
- 3.欠落項目を書面で通知請求し記録を残す 不足があれば「1項各号の通知書面を一括で交付してください」と書面またはメールで請求する。請求と回答の記録自体が、後に判断材料を与えられなかったことを示す証拠になる
- 4.署名書面を二通作成し一通を自分の控えにする 氏名または名称・住所と、締結しようとする保険契約に係る保険の種類を記載して署名し、二通作成する。交付時に一通を日付入りで自分の控えとして保管し、保険の種類の記載内容を撮影・複写しておく
- 5.電磁的方法を使うなら承諾の事実を保存する オンラインで提供する場合は、政令の定めに従い発起人の承諾を得る必要がある。電子申込みを受け付ける旨の案内文、同意画面、送信完了画面をスクリーンショットとログで保存し、承諾の存在を立証できる状態にする
よくある質問 AI による整理
Q1相互会社の入社の申込みとは何ですか?
相互会社の社員(構成員)になるための申込みです。保険契約の申込みと社員たる地位の取得が一体化しており、保険業法30条の7が発起人の通知義務と申込書面の方式を定めています。
Q2保険業法30条の7の通知事項は何項目ですか?
六項目です。定款認証の年月日と公証人の氏名、23条1項・24条1項の定款記載事項、基金拠出者の氏名・住所と拠出額、募集する社員の数、113条後段の定款の定め、内閣府令で定める事項です。
Q3入社申込書面はなぜ二通作成するのですか?
2項が二通作成して発起人に交付すると定めているためです。実務上は一通を発起人に渡し、もう一通の存在が後日の保険の種類や申込範囲の争いで事実認定の材料になります。
Q4発起人が通知を怠るとどうなりますか?
1項は「通知しなければならない」と義務を課す規定であり、省略の余地はありません。通知漏れは発起人の任務懈怠と評価され、後の損害賠償責任の追及につながりうる点が問題となります。
Q5113条後段の定款の定めとは何ですか?
設立費用等を資産に計上する繰延資産に関する定款の定めです。この定めがあるということは、設立初年度から実質的な欠損を抱えた財務設計であることを示すため、通知対象とされています。
Q6設立時に募集する社員の数はなぜ通知されるのですか?
社員数は相互会社の成立要件と収支構造の前提だからです。予定数に届かなければ設立自体が進まず、申込者にとっては自分の申込みが成立に至るかどうかの判断材料になります。
Q7入社の申込みは後から撤回できますか?
本条に撤回の規定はありません。4項が30条の5第2項を準用し、心裡留保・虚偽表示を理由とする無効主張が排除されるため、内心の事情での後戻りは想定されていません。個別事案は弁護士にご確認ください。
Q8内閣府令で定める事項とは何ですか?
1項六号が内閣府令に委任する追加の通知事項で、保険業法施行規則に定められます。具体的な項目は改正されることがあるため、申込み時点の施行規則の条文を必ず確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相互会社の保険に入ると、株主みたいなものになるんですか?
株主ではなく「社員」になる。株式会社の株主に近い議決権(総代会)と剰余金分配の権利を持つが、株式のような譲渡や売却はできず、保険契約が終われば社員の地位も失う。実務のポイント:相互会社の総代は実質的に会社側の推薦で決まる構造になっていることが多い。議決権があると聞いて経営に関与できると期待すると、実態との落差に驚く
Q2基金の拠出者って誰のことですか、社員とは違うんですか?
基金は相互会社の元手であり、拠出者は外部の金融機関や関係企業であることが多い(30条の7第1項三号で氏名・名称と金額の通知が義務づけられている)。拠出者は社員ではなく、議決権を持たない代わりに返済を受ける立場にある。実務のポイント:基金拠出者の顔ぶれを見れば、その相互会社が実質的にどこの系列で動くのかが読める。名簿は形式的な開示項目に見えて、最も情報量が多い一号である
Q3オンラインで申し込んだ場合も書面二通が必要なんですか?
3項により、政令で定めるところに従い発起人の承諾を得れば、電磁的方法での提供で書面を交付したものとみなされる。ただし承諾が前提であり、発起人が承諾していない電子送付は要件を満たさない。実務のポイント:承諾の有無は後で争点になりやすい。申込者側は、電子申込みを受け付ける旨の案内文自体をスクリーンショットで保存しておくと、承諾の存在を示す材料になる
間違えやすい点 AI による整理
- 保険に入るだけだと思って申込書に署名する人が大半だが、相互会社への入社申込みは保険契約の申込みと社員たる地位の取得が一体化している。あなたが得るのは補償だけでなく、社員総会(総代会)での議決権と、剰余金分配の権利、そして会社が破綻したときの立場でもある
- 「通知事項に基金拠出者の氏名がある」ことは条文を読めば分かる。だが見落とされるのはその深刻度だ。基金は株式会社でいう資本金に近い機能を持ちながら、拠出者は社員ではない。つまり金を出した者と議決権を持つ者が分離している。誰がいくら出したかを知らずに入社することは、支配構造の見えない会社に加わることと同義である
- 「間違って署名しても、真意でなかったと言えば取り消せる」という前提そのものが誤っている。4項が準用する30条の5第2項により、心裡留保および虚偽表示の規定は入社の意思表示に適用されない。多数の社員を基礎に成立する団体法上の行為だから、個別の内心事情で覆すことを許さない設計になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律している場面 | 30条の7:入社の申込みに際しての通知と申込書面の方式 | 30条の6:設立時社員の募集そのものの手続 30条の5:基金の引受けに関する手続と意思表示規定の扱い |
| 主たる義務者 | 発起人(通知義務)+申込者(書面二通の作成・交付) | 発起人(募集の実施) 発起人および基金の引受人 |
| 方式要件 | 署名した書面二通、発起人の承諾があれば電磁的方法で代替可(3項) | 募集手続の枠組みを定め、個別の書面方式は30条の7に委ねる 基金の引受けに係る書面・電磁的方法の定めに従う |
| 意思表示規定の適用 | 4項が30条の5第2項を準用し、心裡留保・虚偽表示の規定を排除 | 本条自体には意思表示の特則なし 2項が心裡留保等の適用を排除する準用元の規定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保険業の組織を株式有限公司または合作社に限り、相互会社形態を採用していない。募集設立の認股書記載事項が機能的に最も近い対応規定となる
韓国の保険業法も相互会社の章を置き、設立時の入社청약手続を規律する。日本法の構造に近いが、具体的な記載事項は各条文の確認が必要
相互会社制度の源流。社員(Mitglied)たる地位と保険契約が一体である点、定款(Satzung)が社員関係を規律する点が日本法と共通する
米国は州法ごとに mutual insurance company の設立要件と policyholder の議決権を定める。連邦統一法はなく、州により発起人の開示義務の範囲が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 少額短期保険業者からスタートした事業体が相互会社形態での本格展開を目指し、あなたのところに設立時社員の勧誘が来た。渡された資料に基金拠出者の一覧がない。それは30条の7第1項三号違反であり、誰が実質的にこの会社を握るのかをあなたに見せない状態で判断させようとしている、ということだ
- 共済団体の保険業法適用に伴う相互会社化。あなたは既存の共済加入者として入社申込書に署名を求められた。書面は二通作成して発起人に交付する必要があるが(2項)、一通しか渡されず控えを持たされなかった。後で「そんな種類の保険で申し込んだ覚えはない」と争うとき、あなたの手元に証拠がない
- もし発起人が「定款の細かい話は成立後に説明します」と言って通知を省いたら、どうなる? 1項は「通知しなければならない」と義務を課す規定であり、省略の余地はない。通知漏れは発起人の任務懈怠として、後の損害賠償責任(保険業法53条の4以下、会社法の準用構造)に直結する
- あなたが発起人側に立つケース。オンラインで入社申込みを受け付けたい。3項は電磁的方法による提供を認めるが、条件が二つある。政令の定めに従うことと、発起人の承諾を得ること。承諾の記録を残さないまま電子受付だけ回すと、その申込みが書面交付とみなされない可能性が残る
- 募集期間の締切まであと5日。発起人から「今週中に署名書面を出してくれれば設立時社員に入れる」と連絡が来た。焦って署名する前に、1項六号の内閣府令事項まで含めて全通知を受けたか確認する。締切圧力は、通知漏れを飲み込ませる最も古典的な手口だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受け取った資料を1項一号から六号に照らして突き合わせ、欠けている項目をリスト化する2. 欠落があれば書面またはメールで通知を請求し、その記録を残す。この記録自体が後の証拠になる3. すでに署名済みなら、2項の書面の控えを直ちに請求する4. 通知漏れによって誤った判断をさせられたと考える場合、発起人個人の任務懈怠責任の追及余地があるため、保険法務に明るい弁護士に相談する
訴えられた側:1. 発起人側であれば、1項各号と内閣府令事項のチェックリストを作り、通知の到達記録(配達証明・メール受信記録)を全申込者分保存する2. 電磁的方法を使うなら、政令の要件充足と、承諾を得た事実の記録を必ず残す3. 2項の書面は二通作成が法定要件であり、一通しか回収していない運用は直ちに是正する4. 113条後段の定款の定めがある場合、その通知を省くと財務実態の不開示と評価されうるため、明示する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限はない。ただし通知漏れを理由とする損害賠償請求は、一般の消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年または権利を行使できる時から10年)に服する。設立無効の訴えについては会社法の準用構造上、成立の日から2年という短期の制限がかかる点に注意(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:相互会社は多数の社員を基礎に成立する団体であるため、個別の申込者の内心の事情によって入社の意思表示が事後的に覆ると、社員数要件や資本構成が崩れ設立全体が不安定になる。そこで意思表示規定の準用を排除する一方、1項の通知義務で判断材料を事前に強制開示させ、均衡を図ったと理解されている
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