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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

保険業法 第30条の5(引受けの無効又は取消しの制限等)

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  1. 設立時に募集をする基金の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第二十六条第二項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用を支払わなければならない。
  2. 2.民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十三条第一項ただし書(心裡留保)及び第九十四条第一項(虚偽表示)の規定は、設立時に募集をする基金の拠出の申込み及び割当て並びに第三十条の契約に係る意思表示については、適用しない。
  3. 3.設立時に募集をする基金の引受人は、相互会社の成立後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時に募集をする基金の拠出の取消しをすることができない。

この条文の基本情報

引受けの無効又は取消しの制限等とは何ですか?

定義引受けの無効又は取消しの制限等とは、保険業法第30条の5に定められた規定で、「設立時に募集をする基金の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第二十六条第二項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 保険業法第30条の5(引受けの無効又は取消しの制限等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
  2. 保険業法第30条の5の条文原文は「設立時に募集をする基金の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第二十六条第二項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求…」で始まります。
  3. 保険業法第30条の5は第二款 設立に置かれています。
  4. 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
  5. 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 保険業法第30条の5の前の条は保険業法第30条の4です。
  7. 保険業法第30条の5の次の条は保険業法第30条の6です。
  8. 保険業法第30条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式保険業法(平成七年法律第百五号)第30条の5
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105
  • 本サイト収録保険業法(平成七年法律第百五号)第30条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/30_5

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点保険業法30条の5は、相互会社の成立後は錯誤・詐欺・強迫を理由に基金の拠出を取り消せないと定める。心裡留保・虚偽表示の規定も適用されず、取消しが可能なのは成立登記までに限られる。

Q · 詐欺で基金を出資させられたら、あとから取り消せるんですか?

相互会社の成立後は取り消せません。期限は設立登記です

保険業法30条の5第3項により、設立時に募集をする基金の引受人は、相互会社の成立後は錯誤・詐欺・強迫を理由として拠出を取り消すことができません。取消しの窓が開いているのは成立登記までの間だけです。また同条2項により、心裡留保(民法93条1項ただし書)や通謀虚偽表示(同94条1項)を理由に「本気ではなかった」と主張することもできません。ただし封じられるのは取消しだけで、発起人個人に対する損害賠償請求(民法709条)は成立後も残ります。

解説

日本の大手生命保険会社の多くは株式会社ではなく相互会社であり、その元手は株式ではなく「基金」と呼ばれる。設立時にこの基金を引き受けると、あなたの意思表示は民法の一般ルールから切り離される。心裡留保のただし書(民法93条1項、本心ではない発言でも相手が知っていれば無効になる規定)も、通謀虚偽表示(同94条1項、当事者がグルで作った見せかけの契約は無効という規定)も、拠出の申込み・割当て・第30条の契約には適用されない。「本気ではなかった」「形だけの約束だった」という主張は入口で封じられている。さらに決定的なのが3項だ。相互会社が成立した後は、錯誤でも詐欺でも強迫でも、引受けを取り消せない。取消しの窓が開いているのは成立登記までの間だけである。1項は逆にあなたの武器で、発起人が定めた時間内ならいつでも定款の閲覧等を請求できる。ただし謄本の交付(保険業法26条2項2号・4号)は費用が要る。閲覧は無料、写しは有料、この差が調査コストを決める。

法的な位置づけ

保険業法30条の5は、相互会社の設立時に募集される基金の引受けに関する特則である。1項は引受人に定款等の閲覧・謄本交付の請求権を与え、2項は心裡留保および通謀虚偽表示の規定の適用を排除し、3項は相互会社の成立後における錯誤・詐欺・強迫を理由とする拠出の取消しを禁ずる。団体法上の法律関係の安定を個人の救済に優先させる規律である。

よくある質問 AI による整理

Q1相互会社とは?

保険業法上の会社形態で、保険契約者が「社員」として構成員になる非株式会社の組織。日本の大手生命保険会社に多く、元手は株式ではなく基金と呼ばれる資金で調達されます。

Q2保険会社の基金とは?

相互会社が設立時などに外部から調達する元手資金です。会計上は純資産に計上されますが議決権は伴わず、償却の対象となり、償却額に相当する基金償却積立金の積立てが求められます(保険業法56条)。

Q3基金の引受けはいつまで取り消せる?

相互会社の成立、すなわち設立登記までです。成立後は錯誤・詐欺・強迫を理由とする取消しが保険業法30条の5第3項で封じられ、残るのは損害賠償請求のみになります。

Q4相互会社の成立日はいつですか?

設立登記がされた日です。この一点が取消しの可否を分ける分水嶺になるため、疑義を持った時点で登記の予定日と完了の有無を真っ先に確認する必要があります。

Q5心裡留保とは?

本心ではないと分かりながら行う意思表示のことです。民法93条1項ただし書は相手方が本心でないと知っていた場合を無効としますが、基金拠出の申込み・割当てには適用されません。

Q6基金の拠出で「形だけの約束だった」は通用する?

通用しません。保険業法30条の5第2項が心裡留保と通謀虚偽表示の規定の適用を除外しているため、当事者の内心や見せかけの合意を理由に拠出の効力を否定することはできません。

Q7相互会社と株式会社の違いは?

相互会社は保険契約者が社員として構成員になり総代会で意思決定します。株式会社は株主が出資し株主総会で決定します。基金の拠出者は相互会社の構成員にはなりません。

Q8発起人への損害賠償はいつまで請求できる?

不法行為なら損害および加害者を知った時から3年・行為時から20年(民法724条)、契約上の責任なら権利を行使できると知った時から5年・行使できる時から10年(民法166条)です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1相互会社の基金を出したら、その保険会社のオーナーになれるんですか?

なれない。相互会社でオーナーに当たる「社員」は保険契約者であり、基金の拠出者に議決権は付かない。基金は償却の対象で、償却額に相当する基金償却積立金を積み立てる仕組みになっている(保険業法56条)。実務のポイント:基金は会計上は純資産に計上され自己資本として扱われるが、支配権は一切ついてこない。ここに最初に線を引ける人だけが、支配権ではなく利回りと償却条件の交渉に集中できる。

Q2詐欺されたのに取り消せないなんて、そんなことが通るんですか?

本条3項は、相互会社の成立後は錯誤・詐欺・強迫を理由とする取消しを認めない。多数の保険契約者と債権者が乗る器を、後から一人の意思表示の瑕疵で崩さないためである。ただし封じられるのは取消しだけで、発起人個人に対する損害賠償請求(民法709条)は残る。実務のポイント:取消し不可と聞いた時点で降りる人が多いが、実務は賠償ルートへの切替えが定石。時効も取消しとは別枠(民法724条)で動く。

Q3定款のコピーを頼んだら費用を請求されました。断れませんか?

断れない。本条1項ただし書が、保険業法26条2項2号(謄本・抄本の交付)と4号(電磁的方法による提供等)の請求には発起人が定めた費用の支払いを要すると定めている。逆に同項1号の閲覧と3号の表示事項の閲覧には費用がかからない。実務のポイント:まず無料の閲覧で全体を通読し、争点になりそうな条項だけ謄本請求する。この順番にするだけで調査費用は目に見えて下がる。

間違えやすい点 AI による整理

  • あなたから見れば基金の拠出は出資であり、金を出せば会社のオーナー側に回る話に見える。法律から見れば相互会社のオーナーに当たる「社員」は保険契約者であって、基金の拠出者ではない。この落差に気付かないまま支配権を期待して条件を詰めると、払い込んだ後で自分に議決権が一切ないことに直面する
  • 「成立後は取り消せない」という結論だけは知っている人が多い。だがその深刻度、つまり分水嶺が『成立』という一点であり、設立登記は当事者の体感よりはるかに早く入るという事実まで降りている人は少ない。数日の判断の遅れが、権利の全損に直結する
  • 詐欺に遭えば民法96条で取り消せる、という一般ルールは本条3項が正面から遮断する。ただし遮断されるのは取消しだけで、損害賠償請求までは遮断されていない。「取り消せない=泣き寝入り」ではなく、攻める条文を差し替える場面である
比較の観点この条文ほかの条文
規律の対象保険業法30条の5:引受人の情報請求権と意思表示の瑕疵の扱い保険業法26条:定款等の備置き・閲覧等の請求内容そのもの
保険業法30条:基金の引受けに係る契約の締結
行使できる時期1項の請求は発起人が定めた時間内、3項の取消しは相互会社の成立まで設立中および成立後を通じた備置き期間内
設立手続中の募集・割当ての段階
費用負担1項ただし書:26条2項2号・4号の請求は発起人が定めた費用が必要閲覧(1号・3号)は無料、謄本・電磁的提供(2号・4号)は有料
契約条件として拠出額・償却条件を定める
違反・瑕疵の効果成立後は取消し不可、残るのは損害賠償請求(民法709条)備置き・閲覧拒否は過料等の制裁対象
契約の効力は30条の5第2項により民法の一般則から切り離される

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法第153條、保險法第136條

台湾では保険業の組織形態が株式会社と協同組合に限られ、相互会社制度そのものが存在しない。機能的に近いのは、創立会終結後の認股撤回を禁じる公司法153条である

韓国
대한민국 상법 제320조

韓国商法320条は、会社成立後の株式引受けについて錯誤・詐欺・強迫を理由とする取消しを認めない。本条3項とほぼ同型の規律であり、団体法上の安定を優先する発想を共有する

ドイツ
VAG §§ 171 ff.、AktG § 185

ドイツは相互保険会社(VVaG)と Gründungsstock を保険監督法で規律する。日本の相互会社・基金制度の淵源にあたり、引受けの意思表示の効力制限は株式法の規律と並行して理解される

アメリカ
Model Business Corporation Act § 6.20(a)

米国は設立前の株式引受けを原則6か月間撤回不可とする形で法律関係の安定を図る。相互保険会社の規律は連邦法ではなく州保険法に委ねられ、州ごとに扱いが分かれる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 発起人の説明の前提が事実と違うと分かったのが、設立登記の三日前だとしたら? 登記が入る前に取消しの意思表示を到達させれば争える余地が残るが、登記の翌日には3項の壁が立ち上がる。内容証明を今日出すか明日出すかで、結論が正反対になる
  • あなたは発起人の側にいる。引受人の一人が「あれは形式だけの約束で、拠出する気はなかった」と言い出した。2項がある以上、その主張は法的に立たない。
  • 機関投資家として基金の一部を引き受けたが、成立後に募集資料の数値が誇張だったと判明した。取消しの扉は3項で閉じているが、発起人個人に対する損害賠償(民法709条)という別の扉は開いたままだ。どちらの扉を叩くかで、集める証拠がまるごと変わる
  • 定款を確認したいと深夜にメールで謄本を求めたが、返事がない。1項の請求権は「発起人が定めた時間内」という枠が付いており、その枠外の請求に応じる義務はない。加えて謄本には費用が発生する。請求できる権利があることと、いつでもタダで手に入ることは別である

取るべき行動

被害を受けた側:1. 相互会社が成立済みか(設立登記の有無)を最初に確認する、これで戦う条文が決まる2. 未成立なら、錯誤・詐欺・強迫を理由とする取消しの意思表示を内容証明郵便で発起人に到達させる、到達日が命3. 成立済みなら取消しは断念し、発起人個人への損害賠償(民法709条)へ切り替える4. いずれの場合も、募集資料・メール・面談メモ・定款の謄本(保険業法26条2項2号)を確保し、説明内容と定款の齟齬を時系列で並べる

訴えられた側:1. 引受人から「本気ではなかった」「形だけだった」と言われた場合、本条2項により民法93条1項ただし書・94条1項は適用されず、その主張は成り立たないと明示する2. 錯誤・詐欺・強迫の主張には、相互会社の成立日を提示して3項による遮断を主張する3. ただし取消しが封じられても損害賠償は残るため、募集時の説明資料と実際の定款・財務内容の整合性を自ら検証しておく4. 説明経緯の記録を保存し、発起人としての任務遂行を証跡で示せる状態にする

時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。決定的なのは時効ではなく「相互会社の成立(設立登記)」という一点で、これを過ぎると錯誤・詐欺・強迫による取消しは一切できなくなる。取消しに代わる損害賠償請求は、不法行為なら損害および加害者を知った時から3年・行為時から20年(民法724条)、契約上の責任なら権利を行使できることを知った時から5年・行使できる時から10年(民法166条)

学説

通説:本条2項・3項は、多数の保険契約者や債権者が積み重なる団体法上の法律関係を、後から一個の意思表示の瑕疵によって覆させないための規律と解される。救済を完全に否定するのではなく、成立という明確な時点で取消しの窓を閉じ、以後は損害賠償に受け皿を移す構造と理解される。

改正沿革 AI による整理

  • 平成17年(2005年)会社法制定に伴う整備 会社法の制定に合わせて相互会社の設立規定が再編され、株式会社の設立時募集株式に関する規律(会社法102条)と平仄を合わせる形で本条が新設された。基金引受けの意思表示について民法の一般則を切り離す構造が明文化された
  • 平成29年(2017年)民法(債権関係)改正の整備 民法改正で錯誤の効果が無効から取消しに改められたことに伴い、3項の文言が「無効の主張」から「取消し」を制限する形に整えられた。制限の射程そのものに実質的変更はない

改正の年表

  1. 1.平成17年(2005年) 新設:会社法の制定に伴う整備により、相互会社の設立規定が再編され、株式会社の設立時募集株式に関する規律(会社法102条)と平仄を合わせる形で本条が新設された
  2. 2.平成29年(2017年) 改正:民法(債権関係)改正で錯誤の効果が無効から取消しに改められたことに伴い、3項の文言が整備された。制限の射程そのものに実質的変更はない

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保険業法の全文を見る所属する編章節を開く:第二款 設立

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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