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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

保険業法 第113条(事業費等の償却)

クイックジャンプ

保険会社は、当該保険会社の成立後の最初の五事業年度の事業費に係る金額その他内閣府令で定める金額を、貸借対照表の資産の部に計上することができる。この場合において、当該保険会社は、定款で定めるところにより、当該計上した金額を当該保険会社の成立後十年以内に償却しなければならない。

この条文の基本情報

事業費等の償却とは何ですか?

定義事業費等の償却とは、保険業法第113条に定められた規定で、「保険会社は、当該保険会社の成立後の最初の五事業年度の事業費に係る金額その他内閣府令で定める金額を、貸借対照表の資産の部に計上することができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 保険業法第113条(事業費等の償却)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
  2. 保険業法第113条の条文原文は「保険会社は、当該保険会社の成立後の最初の五事業年度の事業費に係る金額その他内閣府令で定める金額を、貸借対照表の資産の部に計上することができる。」で始まります。
  3. 保険業法第113条は第五章 経理に置かれています。
  4. 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
  5. 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 保険業法第113条の前の条は保険業法第112条です。
  7. 保険業法第113条の次の条は保険業法第114条です。
  8. 保険業法第113条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式保険業法(平成七年法律第百五号)第113条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105
  • 本サイト収録保険業法(平成七年法律第百五号)第113条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/113

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点保険業法113条は、保険会社が成立後最初の五事業年度の事業費を貸借対照表の資産に計上できると定める。計上した金額は定款の定めに従い、成立後十年以内に償却しなければならない。

Q · 保険会社が開業期の赤字を「資産」に載せられるって本当ですか?

本当です。保険業法113条が認めた合法な会計処理です

保険業法113条により、保険会社は成立後の最初の五事業年度の事業費に係る金額その他内閣府令で定める金額を、貸借対照表の資産の部に計上できます。ただし無条件ではなく、定款で定めるところにより、成立後十年以内に当該金額を償却しなければなりません。繰延できる金額の範囲は内閣府令で画されるため、条文本文だけを読んで事業費全額が対象になると考えると実務では通りません。決算書を読む側は、資産の部の残高と成立年月日から残存償却年数を確認する必要があります。

解説

保険会社を新しく立ち上げると、最初の数年は保険料収入より支出が先に来る。代理店手数料、システム構築費、営業拠点の人件費。普通の会社なら、これらは全部その年の費用として損益計算書に落とし、初年度から巨額の赤字が並ぶ。保険業法113条は、その常識に穴を開けた。成立後最初の五事業年度の事業費を、費用ではなく貸借対照表の「資産」として計上してよい。つまり赤字を資産に化けさせられる。ただし対価がある。定款で定めたところにより、成立後十年以内に必ず償却しなければならない。あなたがこの条文を知っていることの意味は、保険会社の決算書を見るときに「資産の部にこの繰延資産が積まれているか」を確認できる点にある。積まれていれば、その会社の見かけの純資産は、まだ費用化していない過去の支出で水増しされている。十年の砂時計はすでに落ち始めている。

法的な位置づけ

保険業法113条は、保険会社の開業期における事業費の会計処理を定める規定である。保険会社は、成立後の最初の五事業年度の事業費に係る金額その他内閣府令で定める金額を貸借対照表の資産の部に計上することができ、この場合には定款で定めるところにより、成立後十年以内に当該金額を償却する義務を負う。

手順

  1. 1.貸借対照表の資産の部で繰延資産の残高を特定する 有価証券報告書またはディスクロージャー誌を開き、貸借対照表の資産の部から繰延資産(事業費の繰延に係る項目)の残高を読み取る。注記に償却方法と当期償却額が記載されているかも併せて確認する
  2. 2.会社の成立年月日から残存償却年数を算出する 登記事項証明書または会社概要から成立年月日を確認し、基準日までの経過年数を出す。十年から経過年数を引いた残存年数が、残高を消しきるまでに使える期間となる
  3. 3.公表純資産から残高を控除して実質値を出す 公表されている純資産額から繰延資産残高を差し引き、実質的な自己資本を算出する。さらに残高を残存償却年数で割ると、今後毎期最低限必要となる償却額の目安が出る
  4. 4.定款の償却方法の定めと実績の整合を確認する 定款に定められた償却方法と実際の償却実績が一致しているかを確認する。不明点があれば会社の情報開示窓口に償却計画を照会し、残余年数と各期の償却予定額の説明を求める

よくある質問 AI による整理

Q1保険業法113条とは?

保険会社が成立後最初の五事業年度の事業費などを貸借対照表の資産に計上でき、定款の定めに従って成立後十年以内に償却する義務を負うと定める規定です。

Q2保険会社の繰延事業費はいつまでに償却する?

成立後十年以内です。償却の方法は定款で定める必要がありますが、十年という外側の期限は本条が法定しているため延長できません。

Q3内閣府令で定める金額とは何ですか?

繰延できる金額の範囲は条文本文ではなく保険業法施行規則などの下位規範で画されます。条文だけを読んで事業費なら全額繰延できると考えると実務では通りません。最新の改正状況はご確認ください。

Q4繰延資産はソルベンシー・マージン比率に影響する?

繰延資産は売却して回収できる財産ではないため、健全性を見るときは控除後の実質値で評価する必要があります。算入・控除の具体的な扱いは告示および監督指針で確認してください。

Q5保険会社の決算書で繰延資産はどこを見る?

有価証券報告書またはディスクロージャー誌の貸借対照表「資産の部」を確認します。残高と会社の成立年月日が分かれば、十年の期限まで残り何年かを算出できます。

Q6一般の会社も開業費を繰延できる?

会社法・企業会計上の創立費や開業費の繰延は別枠の制度で、対象も期間も異なります。五事業年度分の事業費を十年かけて償却できるのは保険会社に固有の扱いです。

Q7繰延事業費があると配当はできない?

配当が直ちに禁止されるわけではありません。ただし毎期の償却が利益を圧迫するため、剰余金の配当余力は削られます。残存償却年数が短いほど毎期の負担は重くなります。

Q8新設の保険会社は113条を必ず使う?

任意です。繰延を使わず資本金を厚くして正面から損失を計上する設計もあり得ます。設立時の事業計画と定款の定めで、どちらを採るかが実質的に固定されます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1赤字を資産に付け替えられるって、それ粉飾じゃないんですか?

粉飾ではない。保険業法113条が明文で認めた会計処理であり、対象金額の範囲は内閣府令で限定され、償却も定款の定めに従い十年以内と法定されている。恣意的に操作できる余地は制度上狭い。実務のポイント:問題は適法性ではなく開示の読み方にある。繰延の有無で見かけの自己資本が変わるため、複数の保険会社を比較するときは、繰延資産控除後の実質純資産で並べ直さないと同じ土俵の比較にならない

Q2十年以内に償却って、途中で一気に償却してもいいんですか?

定款で定めるところによる、というのが本条の要求である。十年以内であれば償却のペース自体に一律の縛りはないが、その方法は定款に定めておく必要がある。利益が出た年に一括償却する設計も、定款上そう定めてあれば可能性がある。実務のポイント:定款の償却方法の書き方が緩いか厳しいかで、その後十年の利益調整の自由度が決まる。設立時の定款起案は形式書類ではなく、会計戦略の設計図である

Q3契約している保険会社がこれをやっていたら、危ない会社ということですか?

そうとは限らない。開業初期の保険会社が使う制度であり、使っていること自体は異常ではない。ただし成立から年数が経っているのに残高が大きい場合、償却負担が今後の利益を圧迫する。保険業法上、契約者保護の仕組みとしては保険契約者保護機構(同法259条以下)が別に用意されている。実務のポイント:見るべきは残高そのものではなく、残高と残り償却年数の比率だ。八年目で残高が大きいのと、二年目で残高が大きいのは意味が正反対である

間違えやすい点 AI による整理

  • 「貸借対照表の資産の部に載っているのだから、それは会社が持っている財産だ」と読み解く人が多い。だが113条の繰延事業費は、売れる財産ではない。すでに出ていったお金の記録を、費用化のタイミングだけ遅らせて資産の形で置いてあるだけだ。会社が破綻したとき、この項目から回収できるものは何もない
  • この条文が「保険会社を優遇している」と単純に理解されがちだが、深刻度が見えていない。繰延を選んだ瞬間、その会社は十年間、毎期の償却という固定的な利益圧迫要因を背負い込む。開業初期の見栄えを取った代償を、収益が安定してくるはずの中期に支払う構造になっている。優遇ではなく、支払期日の後ろ倒しである
  • 「内閣府令で定める金額」という文言を読み飛ばす人が多いが、そもそも問いの立て方が違う。何を繰延できるかは条文本文ではなく下位規範で決まる。条文だけを読んで「事業費なら何でも繰延できる」と考えると、実務では通らない。金額の範囲は内閣府令のレベルで絞られている(最新の改正状況をご確認ください)
比較の観点この条文ほかの条文
規律の対象保険業法113条:開業期の事業費を資産の部に計上する処理保険業法112条:有価証券等の時価による評価
保険業法115条:価格変動準備金の積立
貸借対照表上の方向資産側を厚くする(費用化を先送りする)資産側の評価額を実勢に合わせる
負債側に備えを積む(利益を留保する)
期間の縛り対象は成立後最初の五事業年度、償却期限は成立後十年以内期間の縛りではなく評価時点の問題
継続的な積立・取崩しの規律
裁量の所在計上は任意、金額範囲は内閣府令、償却方法は定款内閣府令の定める評価方法に従う
内閣府令の定める積立基準に従う

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
保險法第145條、保險業財務報告編製準則

台湾は責任準備金等の積立を法律で規律する一方、開業期事業費の繰延に相当する法律レベルの明文は置かず、会計基準と監督規範に委ねている

韓国
보험업법、보험업감독규정(新契約費の繰延)

韓国は新契約費の繰延・償却を監督規定レベルで規律する。法律本体ではなく監督規範で範囲と期間を画す点が日本と異なる

ドイツ
HGB § 248、VAG

ドイツは創業費・資本調達費の資産計上を禁止し、開業期の損失を正面から計上させる。日本113条と正反対の立法選択である

アメリカ
US GAAP ASC 944(Deferred Acquisition Costs)、NAIC Statutory Accounting Principles

米国は GAAP では取得費の繰延を認めるが、監督目的の法定会計では資産性を否認する。目的別に二重の会計を走らせる構造

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 新しく参入したネット生保の決算短信を見ている。純資産はプラス、ソルベンシー・マージン比率も基準を超えている。だが資産の部に「繰延資産」の行がある。この数字を純資産から引いてみると、実質的な自己資本はどこまで残るか。あなたはその引き算ができる側にいる
  • 少額短期保険業者から本格的な生命保険会社へ、あなたの会社が免許取得を目指している。事業計画を作る段階で、初年度の巨額赤字が金融庁の審査で問題になりそうだ。113条の繰延処理を前提に組むか、資本金を厚くして正面から損失を計上するか。この選択が、その後十年の決算の自由度を決める
  • 保険会社の営業マンが「うちは資産が積み上がっている優良企業です」と説明してきた。その資産の中身が113条の繰延事業費だったら、どう受け止めるべきか。これは将来の利益から必ず差し引かれる、償却待ちの支出である
  • 成立から八年目。まだ繰延資産の残高が大きく残っている。あと二年で全額を償却しきる必要がある。毎期の償却負担が利益を圧迫し、剰余金の配当余力も削られていく。時間切れが近づくほど、経営陣に残された選択肢は狭まる

取るべき行動

被害を受けた側:保険会社の財務状況を検証する立場(契約者、投資家、取引先)なら、まず有価証券報告書またはディスクロージャー誌で資産の部の繰延資産の残高と、その償却スケジュールを確認する。次に成立年月日を調べ、十年の期限まで残り何年かを算出する。純資産からこの残高を控除した実質値を出し、ソルベンシー・マージン比率の分子への影響も併せて確認する。疑問があれば会社の情報開示窓口に償却計画を直接照会できる

訴えられた側:保険会社側として繰延処理の妥当性を問われたら、定款の償却方法の定めと実際の償却実績が一致していることを示す資料を用意する。内閣府令の定める対象金額の範囲内であること、会計監査人の意見が付されていることを併せて説明する。十年以内という法定期限に対する残余年数と各期の償却予定額を明示すれば、恣意的な利益操作ではないことを示せる

時効(請求できる期限):償却期限は保険会社の成立後十年以内(本条後段)。繰延の対象となるのは成立後最初の五事業年度の事業費に係る金額。特定の消滅時効ではなく、法定の会計処理期限である

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法の全部改正により、開業期の事業費の繰延と成立後十年以内の償却義務が現行の条文構成として整備された(個別の改正経緯は e-Gov の改正履歴でご確認ください)

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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