保険業法 第318条
クイックジャンプ
第二百四十条の十、第二百四十七条の三又は第二百六十五条の二十一の規定に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第318条は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第318条の条文原文は「第二百四十条の十、第二百四十七条の三又は第二百六十五条の二十一の規定に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 保険業法第318条は第六編に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第318条の前の条は保険業法第317条の3です。
- 保険業法第318条の次の条は保険業法第318条の2です。
- 保険業法第318条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第318条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第318条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/318
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法318条は、240条の10、247条の3、265条の21の守秘義務に違反した者を1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処する。処罰対象は法人ではなく個人である。
Q · 破綻保険会社の処理で知った内情を外で話したら、どうなりますか?
保険業法318条で1年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金
保険業法318条は、240条の10(移転等の調査業務の秘密)、247条の3(承継業務上の秘密)、265条の21(保険契約者保護機構の役職員等の守秘義務)に違反した者を、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処すると定めます。名宛人は「者」であり、保険会社という法人ではなく、業務上その秘密に触れた個人が刑事責任を負います。守秘義務は退職後も継続するため、退職者・外部委託先・保護機構の委員も射程に入ります。
解説
保険会社が経営破綻に向かうとき、あなたの契約は他社へ移されたり、内容を削られたりする。その場面で会社側の人間が何を見聞きしたかは、契約者にとって命綱の情報である。保険業法318条は、その場面で登場する三つの守秘義務違反を一括して処罰する。240条の10(保険契約の包括移転などに関する調査業務の秘密)、247条の3(保険契約の承継に関する業務上の秘密)、265条の21(保険契約者保護機構の役職員等の守秘義務)、この三本に違反した者は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処せられる。あなたが知っておくべきは、処罰対象が「保険会社」という法人ではなく「者」、つまり生身の個人だという点だ。破綻処理の現場にいた職員、保護機構の運営委員、調査を受託した外部の専門家、その一人一人が刑事責任の射程に入る。守秘義務違反は社内処分で終わる話だと思っていた人にとって、この条文は前提そのものを覆す。
法的な位置づけ
保険業法318条は、保険契約の移転等に関する調査業務、保険契約の承継に係る業務、および保険契約者保護機構の業務に関して課される三種の守秘義務の違反行為に対する罰則規定である。法定刑は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金であり、処罰の名宛人は法人ではなく、当該秘密に業務上接した自然人である。
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法318条とは何ですか?
保険契約の移転・承継・保護機構業務に関する三つの守秘義務違反を処罰する罰則規定です。法定刑は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、対象は個人です。
Q2保険業法の守秘義務違反の罰則はいくらですか?
318条により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。拘禁刑は執行猶予が付くこともありますが、有罪判決が確定すれば前科として記録されます。
Q3保険会社の元社員も処罰されますか?
されます。318条が引く265条の21は「その職を退いた後も」義務が続くと明記しており、退職・転職後の発言でも漏洩時点が犯行時点になります。
Q4保険契約者保護機構の役員は守秘義務を負いますか?
負います。265条の21が保護機構の役員・職員・委員等に守秘義務を課し、違反は318条で処罰されます。外部から選任された委員も同じ射程です。
Q5外部委託先のスタッフにも318条は適用されますか?
適用され得ます。240条の10や247条の3は業務の受託者・従事者も名宛人としており、所属ではなく業務上その秘密に触れたかどうかで線が引かれます。
Q6保険業法318条の公訴時効はいつまでですか?
法定刑の上限が1年の拘禁刑であるため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項)。起算点は秘密を漏らした行為の時点で、発覚時ではありません。
Q7会社の指示に従っただけでも違法ですか?
318条の名宛人は「違反した者」であり、行為者個人が処罰対象です。上司の指示は量刑上の情状になり得ますが、構成要件該当性そのものは消えません。
Q8すでに報道された情報を話すのも違反になりますか?
秘密性を失った情報は原則として保護対象外です。ただし報道が触れていない判断過程や数値に踏み込めば、その部分は依然として秘密であり違反になり得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1退職したら守秘義務っていつまで続くんですか?
期限はない。保険業法265条の21は「その職を退いた後も」同様とすると明記しており、240条の10、247条の3も同じ構造である。実務のポイント:転職先の面接で語った業務経験が、前職の内部調査の端緒になるケースは実在する。職務経歴書に書けるのは役割と規模までで、個別案件の判断内容に踏み込んだ瞬間に線を越える。
Q2会社の指示でやったことでも、自分が罰せられるんですか?
318条の名宛人は「違反した者」であり、行為をした個人が処罰対象になる。上司の指示は量刑上の情状にはなりうるが、構成要件該当性は消えない。実務のポイント:指示があった場合は、その指示を書面やチャットの記録で残しておくと、指示者側の共犯・教唆を主張でき、自分だけが立件される構図を崩せる。口頭の指示だけで動くのが最も危険である。
Q3すでにニュースで報道されている内容を話しても、違反になりますか?
秘密性を失った情報は原則として保護の対象外である。ただし報道されているのは結論部分だけで、その前提となった内部の判断過程や数値は依然として秘密であることが多い。実務のポイント:実務では「報道済みだから」という抗弁が通るかは、報道の粒度と話した内容の粒度の差で決まる。報道が触れていない一段深い層に入った時点で、抗弁は効かなくなる。
間違えやすい点 AI による整理
- 守秘義務違反は懲戒処分や損害賠償の問題だと理解している人は多い。だが318条の存在を知らないと、その深刻度を見誤る。社内処分と民事賠償に加えて、前科が付く刑事罰が並んでいる。転職も資格も、有罪判決一つで景色が変わる
- 「自分は保険会社の社員ではないから関係ない」と考えるのは、問いの立て方が誤っている。318条が引く三条文は、保護機構の役職員、調査を委託された者、承継業務に関与した者まで名宛人に含む。所属ではなく、業務上その秘密に触れたかどうかで線が引かれる
- あなたから見れば「もう終わった案件の昔話」でも、法から見れば守秘義務に時間制限はない。この落差が危ない。退職から何年経っていようと、業務上知り得た秘密である限り義務は続き、漏らした時点が新たな犯行時点になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の性質 | 保険業法318条:三つの守秘義務違反に対する罰則 | 保険業法265条の21:保護機構役職員等の守秘義務そのもの(義務規定) 刑法134条:医師・弁護士等の秘密漏示罪(一般類型) |
| 名宛人 | 移転調査・承継業務・保護機構の業務上その秘密に触れた個人 | 保険契約者保護機構の役員・職員・委員等(退職後も継続) 刑法が列挙する特定の専門職(医師、薬剤師、弁護士、公証人等) |
| 法定刑 | 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 | 義務規定のため刑はなく、318条を通じて処罰される 6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金(親告罪) |
| 告訴の要否 | 非親告罪であり、告訴がなくても捜査・起訴が可能 | —(義務規定) 親告罪であり、被害者の告訴が訴訟条件 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険安定基金の関係者に保密義務を課すが、刑事罰の適用範囲は日本の318条より限定的で、行政罰・内部規律に比重がある
韓国は예금보험공사(預金保険公社)が保険会社の破綻処理も担う構造で、同公社の임직원に秘密保持義務と罰則が課される
ドイツは監督機関・保障基金の関係者の守秘義務を VAG で定め、一般の秘密漏示は StGB § 203が受け皿となる二層構造
米国は州法ベースで保証協会の情報保護を定め、違反は主として民事責任・行政措置で処理され、刑事罰化は州により異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 破綻した保険会社の契約移転業務に携わった元職員が、退職後に旧同僚との飲み会で「あの案件、契約者の一部は減額率がもっと厳しかった」と具体名を挙げて話した。守秘義務は退職で消えない。話した場が居酒屋でも、内容が業務上知り得た秘密であれば318条の射程に入る
- 保険契約者保護機構の業務に外部委員として関わったコンサルタントが、自社のセミナー資料に事例を匿名化したつもりで載せた。だが業界関係者が読めば会社が特定できる粒度だった。「匿名化したから大丈夫」という感覚と、法が求める秘密保持の水準は一致しない
- もし、記者から「破綻処理の内部資料を見せてくれ、名前は絶対に出さない」と持ちかけられたら? 記者側に守秘義務はない。漏らした側だけが318条で立件される。取材源の秘匿は記者を守る話であって、あなたを守る話ではない
- 承継業務の受託先で働く派遣スタッフが、作業中のスプレッドシートを個人の USB に入れて自宅に持ち帰った。翌週には転職先の面接で「こういう業務経験がある」と具体例を語った。あと数日で転職先が同業他社だと判明すれば、会社の内部調査と刑事告発が同時に動き出す
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自社または自分の契約情報が外部に漏れた疑いがあれば、漏洩元と経路を時系列で記録し、スクリーンショット・送信記録を確保2. 保険会社または保護機構の監督窓口、必要に応じて金融庁へ情報提供3. 318条は親告罪ではないため、告訴がなくても捜査は可能。ただし端緒の提供が事実上の起点になる4. 経済的損害が生じていれば、刑事とは別軌道で民法709条の損害賠償請求を検討
訴えられた側:1. 社内調査の聴取に応じる前に弁護人を選任し、供述の範囲を詰める2. 争点は「業務上知り得た秘密に当たるか」「漏らしたと言えるか」の二点。すでに公表済みの情報、特定性を欠く一般論であれば秘密性を争える3. 使用した端末・送信記録・持ち出し記録を自分でも保全し、会社側の一方的な主張に対抗できる材料を持つ4. 故意犯であるため、過失による流出であれば構成要件該当性自体を争う余地がある
時効(請求できる期限):法定刑が1年以下の拘禁刑であるため、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は秘密を漏らした行為の時点であり、退職時でも発覚時でもない。なお守秘義務そのものに期間の定めはなく、退職後も継続する(最新の改正状況をご確認ください)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める