保険業法 第331条の2(国外犯)
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- 第三百二十二条から第三百二十四条まで、第三百二十六条、第三百二十七条、第三百二十八条第一項、第三百二十九条第一項及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。
- 2.第三百二十八条第二項、第三百二十九条第二項及び前条第二項から第四項までの罪は、刑法第二条の例に従う。
この条文の基本情報
国外犯とは何ですか?
定義国外犯とは、保険業法第331条の2に定められた規定で、「第三百二十二条から第三百二十四条まで、第三百二十六条、第三百二十七条、第三百二十八条第一項、第三百二十九条第一項及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第331条の2(国外犯)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第331条の2の条文原文は「第三百二十二条から第三百二十四条まで、第三百二十六条、第三百二十七条、第三百二十八条第一項、第三百二十九条第一項及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪…」で始まります。
- 保険業法第331条の2は第六編に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第331条の2の前の条は保険業法第331条です。
- 保険業法第331条の2の次の条は保険業法第332条です。
- 保険業法第331条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第331条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第331条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/331_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法331条の2は、特別背任罪など列挙された罪を国外犯として処罰する規定。1項は国籍を問わず適用され、2項は贈賄側等を刑法2条の例に従わせる。325条・330条は列挙外。
Q · 海外支店でやったことでも、保険業法の罰則で日本の刑事責任を問われるの?
罪名が331条の2に列挙されていれば問われる
刑法は属地主義が原則(刑法1条)で、国外の行為には個別規定がある場合だけ日本法が及びます。保険業法331条の2の1項は、特別背任(322条)から324条まで、326条、327条、328条1項、329条1項、331条1項を国外犯として処罰すると定め、行為者の国籍を限定していません。2項は贈賄側と利益供与の要求・約束・収受側を刑法2条の例に従わせます。逆に325条と330条は列挙外で、国外での行為は処罰できません。
解説
刑法には大原則がある。日本の刑法はまず日本国内で起きた犯罪に適用される(属地主義、刑法1条)。国外の行為に及ぶのは、刑法3条以下や個別の法律が例外として名指しした罪だけだ。保険業法331条の2は、その例外リストを保険業法の中に自前で作った条文である。1項は特別背任(322条)ほか列挙した罪について「日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する」と定める。ここで見るべきは「者」に国籍の限定がない点だ。海外拠点の外国籍役員が現地で日本の保険会社に損害を与えたなら、日本の国土を一度も踏まずに日本の刑法が届く。2項は建て方が違い、贈賄側(328条2項、329条2項)と利益供与の要求・受領側(331条2項から4項)を「刑法2条の例に従う」として、すべての者の国外犯の枠に組み込む。そして本当の要所は、列挙から外れた325条と330条だ。海外コンプライアンスの設計線は、入っている罪名と入っていない罪名の境界に引かれている。
法的な位置づけ
保険業法331条の2は、同法の罰則規定の国外犯処罰範囲を定める条文である。1項は特別背任罪等の列挙された罪について行為者の国籍を問わず国外犯として処罰し、2項は贈賄側および利益供与の要求・約束・収受側について刑法2条の例に従うものとする。属地主義(刑法1条)の例外を罪名単位で限定列挙する構造をとる。
よくある質問 AI による整理
Q1国外犯とは何ですか?
日本国外で行われた行為を日本の刑罰法規で処罰することです。刑法1条の属地主義が原則のため、個別の法律が明示的に定めた罪だけが国外犯として処罰されます。
Q2保険業法331条の2はどの罪が対象ですか?
1項は322条から324条まで、326条、327条、328条1項、329条1項、331条1項。2項は328条2項、329条2項、331条2項から4項です。325条と330条は含まれません。
Q3刑法2条の例に従うとはどういう意味ですか?
刑法2条は「すべての者の国外犯」を定める規定です。2項の罪は国籍も行為地も問わず、日本国外での行為に日本法が適用されることになります。
Q4特別背任罪は国外でも処罰される?
処罰されます。保険業法322条の特別背任罪は331条の2の1項の筆頭に列挙されており、海外拠点で行われた行為にも日本の保険業法が適用されます。
Q5外国人にも日本の保険業法の罰則は適用されますか?
1項は「これらの罪を犯した者」と定めるだけで国籍を限定していません。海外拠点の現地採用役員など外国籍者も条文上は適用対象に含まれます。
Q6国外犯の公訴時効はいつまで?
罪名ごとの法定刑で決まります(刑訴法250条2項)。ただし犯人が国外にいる期間は時効の進行が停止するため(同法255条1項)、海外滞在が長い事案では実質的な期限が延びます。
Q7海外で刑事処分を受けたら日本でも二重に処罰されますか?
刑法5条により、外国で確定裁判を受けた行為でも日本で処罰できますが、外国で刑の全部または一部の執行を受けた場合は刑の執行が減軽・免除されます。
Q8会社法にも同じような国外犯規定がありますか?
会社法971条が同様の構造で特別背任罪等の国外犯を定めています。保険業法331条の2は、金融規制法として同種の立法形式を採った条文です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1海外支店でやったことなのに、本当に日本で逮捕されるんですか?
罪名が331条の2の1項に列挙されていれば、法の適用としては届きます。ただし実際に身柄を確保できるかは別問題で、日本が犯罪人引渡条約を結んでいるのはアメリカと韓国の二か国だけです。実務のポイント:条約がない国でも、相手国の裁量による引渡しや、本人が帰国した瞬間の逮捕はありえます。そして刑事訴訟法255条1項で国外滞在中は公訴時効が止まるため「海外に居続ければ時効で逃げ切れる」は成立しません
Q2外国人の現地採用役員にも日本の刑法が適用されるって本当ですか?
1項は「これらの罪を犯した者」と書くだけで国籍を限定していません。刑法3条の国民の国外犯とは別の建て方で、2項が引く刑法2条も「すべての者」を対象にします。実務のポイント:現地採用の幹部に日本の刑事規範を説明する際、雇用契約や行動規範に条文番号まで明記している会社は少数です。書いておくと、後の故意の認定や社内処分の根拠として実際に効いてきます
Q3リストに入っていない条文があるって、どういう意味があるんですか?
1項は322条から324条まで、326条、327条、328条1項、329条1項、331条1項を列挙します。325条と330条は入っていません。列挙外の罪は属地主義の原則(刑法1条)に戻り、国外での行為は処罰できません。実務のポイント:弁護人が最初に確認するのはこの列挙の内と外です。起訴状の罪名が列挙外なら、行為地が国外である事実だけで無罪の主張が立ちます。検察側も当然承知しているので、列挙内の罪名を選んで組み立ててきます
間違えやすい点 AI による整理
- 「海外での行為に日本法が適用されるか」という問いの立て方自体がずれている。刑法は属地主義(1条)が原則で、国外犯処罰は個別の規定が明示したときだけ発動する。問うべきは「日本法が届くか」ではなく「その罪名が331条の2の列挙に入っているか」。答えは罪名単位で変わる
- 国外犯処罰は日本人だけが対象だと思われがちだが、1項の文言には国籍の限定がない。刑法3条の国民の国外犯とは別の建て方であり、外国籍の役員・従業員も適用対象に入る
- 2項が「刑法2条の例に従う」と書いていることは知られていても、その射程が贈賄側と利益供与の要求・受領側に限られている点は見落とされやすい。1項と2項に条文が振り分けられている事実そのものが、どの立場に立つかで適用ルートが変わることを示している。なお両項の実務上の差異については、いずれも国籍を問わず適用される点で結論は同じと説明されるのが一般だが、条文を二段に分けた理由の説明は実務上、解釈が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用ルート | 331条の2 1項:列挙罪を国外犯として直接適用 | 331条の2 2項:刑法2条の例に従う(すべての者の国外犯) 列挙外(325条・330条):刑法1条の属地主義に戻り国外では不処罰 |
| 対象となる立場 | 特別背任(322条)等の本体犯、収賄側(328条1項、329条1項) | 贈賄側(328条2項、329条2項)、利益供与の要求・約束・収受側(331条2項〜4項) 列挙されなかった罪の行為者 |
| 国籍要件 | 限定なし(「者」とのみ規定) | 限定なし(刑法2条はすべての者が対象) 国外行為は適用対象外 |
| 実務上の確認順序 | まず罪名を特定し1項の列挙内かを照合 | 贈賄・利益供与側なら2項ルートを確認 列挙外なら行為地が国外である事実だけで不可罰を主張できる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は刑法総則側で国外犯の一般則(最重本刑3年超の罪につき国民の国外犯を処罰)を置き、保険法には国外犯の個別規定を設けていない。日本のように特別法で罪名を限定列挙する方式とは構造が異なる
韓国も刑法総則で属地主義と保護主義の枠を定め、金融関連特別法の罰則は総則の適用範囲に委ねる建て方が中心
ドイツは刑法総則の適用範囲規定(§§ 3-7)で属地主義・属人主義・保護主義を体系的に定め、保険監督法(VAG)側に個別の国外犯規定を置かない形式
米国は保険業に関する犯罪を連邦法で独自に類型化し、域外適用は個別法の文言と判例法理(presumption against extraterritoriality)で判断される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 香港法人に出向していたあなたが、現地代理店への手数料を上乗せして一部を還流させるスキームに関与した。帰任して三か月、社内に報告徴求が入る。あなたは「香港での話で日本法は関係ない」と説明する準備をしている。1項が322条を名指ししている限り、その説明は通らない。社内調査の聞き取りは来週、供述の方向を決める時間は五日しかない
- もし、日本の保険会社の海外拠点で、日本国籍を持たない現地採用の取締役が会社の財産を危うくする行為をしたら? 1項の「者」に国籍の限定はない。日本の捜査機関が実際に動くかは別問題だが、法の適用範囲としては確実に届いている
- 現地公務員ではなく、日本の保険会社の役員に海外で現金を渡した。渡した側は328条2項の贈賄。1項ではなく2項の「刑法2条の例に従う」ルートで日本に引き戻される
- 海外拠点の行動規範を英訳する仕事があなたに回ってきた。原文は日本語の保険業法をそのまま引き写している。現地スタッフが真っ先に聞くのは「これは日本国内の話ですか」だ。331条の2を引けば答えは一行で済む。この一行があるかないかで、現地スタッフの判断は変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害が海外拠点で発生したら、まず行為の罪名を特定する。特別背任(322条)なら1項で国外犯の射程内、贈賄側なら2項ルート2. 現地の証拠は現地法の下で保全されるため、日本の刑事告訴と並行して現地弁護士を同時に立てる3. 告訴は被害会社の本店所在地を管轄する警察・検察へ。捜査共助が前提になるので、初動で国外の証拠所在地を一覧化する4. 民事の損害賠償(民法709条、役員の対会社責任)は刑事と別軌道で進める
訴えられた側:1. 「行為地が国外だから日本法は及ばない」という主張は、罪名が331条の2の列挙に入っていれば通らない。列挙の内か外かを最初に確認する2. 列挙外(325条、330条など)であれば、属地主義の原則(刑法1条)に立ち返る無罪主張が成立しうる3. 現地で既に刑事処分を受けている場合、刑法5条により刑の執行が減軽・免除される余地がある。現地手続の記録を全部確保する4. 供述は日本と現地で二重に取られる。齟齬が最大の攻撃材料になるため、弁護人を通じて一本化する
時効(請求できる期限):公訴時効は罪名ごとの法定刑で決まる(刑事訴訟法250条2項)。1項が筆頭に挙げる特別背任(322条、10年以下の拘禁刑)は7年、起算点は犯罪行為が終わった時(同法253条1項)。ただし犯人が国外にいる期間は時効の進行が停止する(同法255条1項)ため、海外滞在が長い事案では実質的な期限が大幅に延びる。各罪名の法定刑は最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:特別法における国外犯規定は罪刑法定主義の要請から限定列挙と解され、列挙外の罪について解釈による域外適用は認められない。保険業法331条の2の1項と2項の振分けは、収賄側・本体犯と贈賄側・利益供与側で適用条文を書き分けた立法技術上の整理と理解される。
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