保険業法 第334条
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- 保険金信託業務を行う生命保険会社の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役若しくは清算人、第百四十四条第一項に規定する受託会社、保険管理人、会社法第五百二十七条第一項(第百八十四条において準用する場合を含む。)の規定により選任された清算株式会社若しくは清算相互会社の監督委員、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された株式会社若しくは相互会社の取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を代行する者、同条に規定する仮処分命令により選任された清算株式会社若しくは清算相互会社の清算人若しくは代表清算人の職務を代行する者、会社法第三百四十六条第二項(同法第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時役員の職務を行うべき者若しくは一時清算人の職務を行うべき者、同法第四百一条第三項(同法第四百三条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時委員の職務を行うべき者若しくは一時執行役の職務を行うべき者、第五十三条の十二第二項(第百八十条の五第四項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時役員の職務を行うべき者若しくは一時清算人の職務を行うべき者、第五十三条の二十五第二項(第五十三条の二十七第三項において準用する場合を含む。)において準用する同法第四百一条第三項の規定により選任された一時委員の職務を行うべき者若しくは一時執行役の職務を行うべき者若しくは支配人又は保険金信託業務を行う外国生命保険会社等の日本における代表者、清算人、第二百十一条において準用する第百四十四条第一項に規定する受託会社、保険管理人若しくは支配人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。
- 一第九十九条第七項前段(第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、認可を受けないで保険金信託業務を行ったとき。
- 二第九十九条第七項後段(第百九十九条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による認可を受けないで同項後段に規定する保険金信託業務の方法を変更したとき。
- 三第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第六条の規定に基づく命令に違反して信託につき補てん又は補足の契約を行ったとき。
- 四信託法(平成十八年法律第百八号)第三十四条の規定に違反して、同条の規定により行うべき信託財産の管理を行わないとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第334条は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第334条の条文原文は「保険金信託業務を行う生命保険会社の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役若しくは清算人、第百四十四条第一項に規定する受託会社、保険管理人…」で始まります。
- 保険業法第334条は第六編に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第334条の前の条は保険業法第333条の2です。
- 保険業法第334条の次の条は保険業法第335条です。
- 保険業法第334条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第334条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第334条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/334
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法334条は、無認可での保険金信託業務、無認可の方法変更、損失補填契約、信託財産の分別管理義務違反について、生命保険会社の役員等個人に100万円以下の過料を科す規定である。
Q · 認可を取らずに保険金信託を始めたら、誰がいくら払うことになるんですか?
会社ではなく役員個人が100万円以下の過料を負う
保険業法334条により、無認可での保険金信託業務の実施(1号)、無認可の業務方法変更(2号)、損失補填契約(3号)、信託財産の分別管理義務違反(4号)のいずれかがあった場合、100万円以下の過料が科されます。名宛人は生命保険会社の取締役、執行役、会計参与、監査役、清算人、144条1項の受託会社、保険管理人、仮処分命令で選任された職務代行者、一時役員の職務を行うべき者、支配人、外国生命保険会社等の日本における代表者です。会社への行政処分とは別軌道で、個人の名前で決定が出ます。
解説
保険金信託業務。生命保険会社が「保険金を一括で渡すのではなく、信託して分割で遺族に届ける」サービスを行うには、内閣総理大臣の認可が要る(保険業法99条7項)。認可なしにこれを始めたとき、過料を科されるのは会社ではない。取締役、執行役、監査役、清算人、そして支配人といった「その職にあった自然人」である。上限100万円。会社の経費で払える性質のものではなく、本人の財布から出る。あなたが生保の役員や支店長クラスとしてこの業務ラインに名前を連ねているなら、条文が列挙する長大な人的リストのどこかに自分がいる可能性がある。仮処分で選任された職務代行者、一時役員の職務を行うべき者まで名指しされている点に注意してほしい。「正規の取締役ではないから関係ない」という逃げ道を、この条文は最初から塞いでいる。
法的な位置づけ
保険業法334条は、保険金信託業務に関する役員等の過料を定める規定である。生命保険会社の取締役、執行役、監査役、清算人、受託会社、保険管理人、支配人および外国生命保険会社等の日本における代表者を名宛人とし、99条7項の認可違反、兼営法6条に基づく命令違反、信託法34条の分別管理義務違反について、100万円以下の過料を科す。法人処罰ではなく自然人に対する行政上の秩序罰である。
よくある質問 AI による整理
Q1保険金信託とは何ですか?
死亡保険金を一括交付せず、信託して遺族へ分割で届ける仕組みです。生命保険会社が自ら行うには保険業法99条7項の内閣総理大臣の認可が必要です。
Q2保険業法334条の過料はいくらですか?
100万円以下です。4つの号のいずれかに該当した場合、裁判所が非訟事件手続により過料の額を決定します。刑事罰ではなく行政上の秩序罰です。
Q3過料は会社が払うのですか?
本条の名宛人は取締役、執行役、監査役、清算人、支配人などの自然人です。会社ではなくその職にあった個人が負担する建て付けになっています。
Q4支配人も保険業法334条の対象になりますか?
なります。条文は支配人を明記しています。支配人は登記される使用人で、支店長クラスが該当することがあるため役員名簿だけでは判断できません。
Q5保険金信託の方法を変更するとき認可は必要?
99条7項後段の認可対象となる「保険金信託業務の方法」の変更であれば必要です。認可なく変更すると本条2号に該当します。
Q6信託の元本を補填する約束は違法ですか?
兼営法6条に基づく命令により原則禁止され、これに違反して補てん・補足の契約を行うと本条3号の過料事由になります。
Q7信託財産の分別管理をしないとどうなる?
信託法34条の分別管理を行わないと本条4号に該当します。認可を得て適法に営業していても、運営中の不作為が過料の対象になります。
Q8外国の生命保険会社も対象ですか?
対象です。保険金信託業務を行う外国生命保険会社等の日本における代表者、清算人、受託会社、保険管理人、支配人が名宛人に含まれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1過料を払ったら、履歴書に書かないといけないんですか?
過料は行政上の秩序罰で刑事罰ではないため、前科として犯罪人名簿に載ることはなく、賞罰欄への記載義務も生じません。実務のポイント:ただし金融業界では別の経路で追跡されます。金融庁は役員の適格性審査で過去の法令違反歴を確認し、他社への転籍時に主要株主変更や役員変更の届出で照会が入ります。「記録に残らない」と「誰も知らない」は全く違う
Q2会社が過料を払ってくれるという話になっているんですが、大丈夫ですか?
本条の過料は役員個人の行為を対象とした制裁であり、会社が全額負担すると制度趣旨が空洞化するため、会社法上の利益供与や善管注意義務との関係で問題となりうると指摘されています。実務のポイント:この点は実務上、解釈が分かれている論点です。会社補償契約(会社法430条の2)で罰金・過料をどこまでカバーできるかは同条2項に制限があり、契約書の文言を確認せずに「会社が払う」と口頭で処理すると、後から株主代表訴訟の材料になる
Q3運用方法をちょっと変えただけでも認可が要るんですか?
本条2号が対象とするのは99条7項後段の「保険金信託業務の方法」の変更で、認可申請時に提出した方法書の記載事項に及ぶ変更が対象です。軽微な事務手続の変更まで含むかは、実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:判断に迷う案件は、監督当局への事前相談(ノーアクションレターや非公式照会)の記録を残すのが定石です。照会した事実そのものが、後に「認可不要と誤認した合理的理由」の証拠になる
間違えやすい点 AI による整理
- 過料と罰金を同じものだと思っている人は多い。過料は行政上の秩序罰で、前科はつかず、刑事手続ではなく非訟事件手続法に基づき裁判所が決定する。ただし「前科がつかないから軽い」と読むのは前提錯誤である。金融庁の検査・監督の文脈では、過料の事実そのものが役員の適格性評価に使われる。刑事罰ではないことと、キャリアに響かないことは別問題だ
- 本条は「認可を取らずに業務を始めた場合」の規定だと理解されがちだが、4号は認可を取った後の話である。認可を得て適法に営業している会社でも、信託財産の管理を怠れば同じ100万円の射程に入る。参入の入口だけでなく、運営の全期間が監視下にあると読むべきだ
- 「自分は登記上の取締役ではないから対象外」という整理は危険である。条文は仮処分命令で選任された職務代行者、会社法346条2項の一時役員の職務を行うべき者、そして支配人まで列挙している。支配人は登記される使用人であり、支店長クラスがこれに当たることがある。役員名簿を見て安心するのではなく、自分の登記上の肩書を確認すべきだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 保険業法334条:保険金信託業務に関する役員等の過料 | 保険業法99条:保険金信託業務の認可という行為規範そのもの 保険業法333条:役員等に対する過料の一般規定 |
| 名宛人 | 取締役・執行役・監査役・清算人・受託会社・保険管理人・支配人・外国会社の日本代表者 | 生命保険会社(認可を受ける主体) 保険会社等の役員等(広範な違反類型に対応) |
| 制裁の性質と額 | 行政上の秩序罰、100万円以下の過料 | 認可制そのもの(違反は本条および行政処分で担保) 行政上の秩序罰、過料(該当号により額が定まる) |
| 認可後も適用されるか | される(3号・4号は運営段階の違反) | 認可の取得・変更認可の局面が中心 違反類型により参入・運営の双方 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険業・信託業の違反について会社への罰則と負責人(責任者)への責任を併置する構造をとる。ただし日本の過料のように「その職にあった自然人」を長大に列挙する立法技術は薄い
韓国も保険業法に過怠料(과태료)規定を置き、分別管理義務は信託法に置く二層構造。日本と規律の配置がほぼ並行している
ドイツは保険監督法の秩序違反金(Bußgeld)として構成し、OWiG(秩序違反法)の一般則が適用される。日本の過料が非訟事件手続法に乗るのと同様、刑事手続とは別系統
米国は州ごとの保険法で役員個人への civil penalty を定め、額も州により大きく異なる。連邦の統一規定は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 生保の商品企画部が「保険金を遺族に分割交付する新サービス」を設計し、信託部門と組んで走り出した。認可申請は法務が並行で進めていたが、認可前に第一号契約を締結。99条7項前段違反で、決裁した取締役個人に過料の可能性が生じる。会社への行政処分とは別軌道で、個人が名指しされる
- 認可済みの保険金信託を運用中、受益者への交付タイミングを「年1回」から「毎月」へ運用変更した。社内では軽微な運用改善という扱いだったが、これが「保険金信託業務の方法の変更」に当たるなら後段の認可が必要(本条2号)。認可を取らずに変更した時点で、変更を承認した役員が対象になる
- 運用成績が想定を下回り、受益者から苦情が来た。営業担当が「元本は当社が補填します」と口頭で約束し、覚書を交わした。信託の元本補填契約は兼営法6条により原則禁止で、これに基づく命令違反は本条3号の過料事由になる。顧客を安心させるつもりの一筆が、役員個人の過料に直結する
- もし、信託財産の管理を担当していた部署が人員削減で実質的に機能停止していたとしたら? 信託法34条が求める分別管理を行っていない状態が続けば、本条4号に該当する。「不正をした」のではなく「やるべきことをやらなかった」ことが処罰される点が、この条文の怖さである
- 保険会社が破綻し、保険管理人が業務を引き継いだ。保険管理人も本条の名宛人に明記されている。前任経営陣の尻拭いをする立場でも、就任後に信託財産の管理を怠れば自分の名前で過料を受ける
取るべき行動
被害を受けた側:保険金信託の受益者として、約束された交付が滞ったり、信託財産が他の資産と混ざっている疑いがある場合、まず信託契約書と受託者からの報告書を保全する。信託法36条・37条に基づく報告請求と帳簿閲覧を書面で求め、応じない場合は金融庁または金融サービス利用者相談室へ情報提供する。本条の過料は制裁であって、あなたの損失を回復するものではない。損失回復は信託法40条の損失てん補請求または民法709条で別に組む必要がある
訴えられた側:1. 過料は非訟事件手続法に基づく裁判所の手続であり、意見陳述の機会がある。呼出しを無視しないこと2. 争点は「自分がその時点でその職にあったか」と「各号の違反事実があったか」の二点に絞られる。議事録・稟議書・認可書の日付で自分の関与範囲を特定する3. 認可方法書の記載範囲内だったという主張(2号事案)は解釈が分かれうる論点であり、金融庁への事前照会記録があれば強い材料になる4. 会社が過料を肩代わりする合意は、役員個人への制裁という制度趣旨との関係で問題となりうる。安易に会社負担で処理しないこと
時効(請求できる期限):過料には特定の時効規定が本条に置かれていない。行政上の秩序罰としての過料は、違反の事実が判明した後に裁判所が決定する。認可申請や変更認可の手続そのものには行政手続法上の標準処理期間が設定されており、業務開始予定日から逆算した申請が必要である(最新の改正状況および金融庁の事務ガイドラインをご確認ください)
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