保険業法 第335条
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。
- 一第七条第二項の規定に違反した者
- 二第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第十一条第四項の規定による命令に違反して、供託を行わなかった者
- 三第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第二十九条の二の規定に違反して、重要な信託の変更又は信託の併合若しくは信託の分割を行った者
- 四第二百七十二条の八第一項又は第二項の規定に違反した者
- 五第二百七十二条の八第三項の規定に違反して、同条第一項の規定による標識又はこれに類似する標識を掲示した者
- 六第二百七十二条の三十二第一項の承認申請書又は同条第二項の書類に虚偽の記載をして提出した者
- 七第三百八条の十六の規定に違反した者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第335条は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第335条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 保険業法第335条は第六編に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第335条の前の条は保険業法第334条です。
- 保険業法第335条の次の条は保険業法第336条です。
- 保険業法第335条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第335条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第335条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/335
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法335条は、少額短期保険業者の標識掲示義務違反や承認申請書への虚偽記載など7類型の行為に、刑罰ではなく百万円以下の過料を科す秩序罰規定である。
Q · 保険業法335条の過料って、罰金とどう違うんですか?
刑罰ではない行政上の秩序罰で、前科はつきません
保険業法335条は、各号に掲げる行為をした者に百万円以下の過料を科す規定です。過料は刑罰(懲役・罰金)ではなく行政上の秩序罰であるため前科にはなりませんが、非訟事件手続法に基づき裁判所が決定で科すもので、検察官の起訴裁量というクッションがありません。対象は商号の文字使用制限(7条2項)、信託業法準用の供託命令違反・信託手続違反、少額短期保険業者の標識掲示義務違反(272条の8)、承認申請書等への虚偽記載(272条の32)などです。
解説
保険業法の罰則を眺めていくと、懲役や罰金が並ぶ条文の後ろに、この335条だけが異質な姿で立っている。刑罰ではなく「過料」、つまり前科のつかない行政上の秩序罰である。だがあなたが保険会社の役員や少額短期保険業者、あるいは保険募集人の管理者であるなら、この違いは安心材料ではなく、逆に警戒すべき点になる。刑罰なら刑事訴訟手続を経て検察官が起訴するかを判断するが、過料は非訟事件手続法に基づき裁判所が決定するだけで、検察官の起訴裁量というクッションがない。しかも100万円以下という金額は、少額短期保険業者にとって決して小さくない。特に4号と5号、少額短期保険業者の標識掲示義務違反は、事務所の入口に紙一枚貼り忘れるだけ、あるいは業務を廃止した後に標識を剥がし忘れるだけで成立する。あなたが日々「これは形式的な手続だ」と思って後回しにしている作業の一部が、100万円の値札を付けてそこに置かれている。
法的な位置づけ
保険業法335条は、同法上の一定の手続的義務違反に対して百万円以下の過料を科す秩序罰規定である。商号中の文字使用制限、信託業法準用規定に基づく供託命令及び重要な信託の変更等の手続、少額短期保険業者の標識掲示義務、承認申請書等の記載の真実性を対象とし、刑罰を伴わない制裁により規制の実効性を確保する。
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法335条とは何ですか?
保険業法上の手続的義務違反に百万円以下の過料を科す規定です。商号の文字制限、供託命令、信託手続、標識掲示、虚偽記載の7類型が対象です。
Q2過料と罰金の違いは何ですか?
罰金は刑罰で前科がつき刑事手続を経ますが、過料は行政上の秩序罰で前科がつかず、非訟事件手続法に基づき裁判所が決定で科します。
Q3少額短期保険業者の標識はどこに掲示しますか?
保険業法272条の8第1項により、営業所または事務所ごとに公衆の見やすい場所へ掲示します。違反は335条4号の過料対象です。
Q4業者でない者が保険の標識を掲示すると違法ですか?
272条の8第3項が禁止しており、同項の標識または類似標識を掲示した者は335条5号により百万円以下の過料の対象になります。
Q5承認申請書の記載ミスは過料になりますか?
272条の32の承認申請書・添付書類に虚偽の記載をして提出した者が6号の対象です。単純誤記との境界は実務上、解釈が分かれています。
Q6過料は会社と個人どちらに科されますか?
条文は「者」と定めており、違反行為の主体により法人・代表者・業務執行責任者のいずれもが名宛人となりうる構造です。
Q7過料の決定に不服がある場合はどうしますか?
過料は非訟事件手続法に基づく裁判所の決定で科されるため、決定に対しては即時抗告による不服申立てが問題となります。期間制限にご注意ください。
Q8行政処分を受けなければ過料は科されませんか?
別ルートです。行政処分がなくても過料は独立して科されえますし、行政処分を受けた事案に過料が併科されることもあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1過料って、前科になるんですか?
なりません。過料は刑罰ではなく行政上の秩序罰で、前科調書にも載りません。ただし金融庁の監督下にある業者にとっては、過料の対象となった事実そのものが監督上の評価材料として残ります。実務のポイント:前科にならないという理由で社内報告を軽くすると、後日の立入検査で「認識していたのに是正記録がない」という形で別の問題に転化します。前科の有無より、是正記録の有無のほうが実務上の影響は大きい。
Q2標識を貼り忘れただけで、本当に100万円取られるんですか?
条文上は100万円以下の過料の対象であり(272条の8第1項・第2項、335条4号)、実際の額は違反の態様や期間を踏まえて裁判所が定めます。即座に満額というわけではありません。実務のポイント:この種の形式違反は、多くの場合まず監督当局の指摘や報告徴求という形で表面化します。その最初の照会にどう答え、どれだけ早く是正の記録を作るかが、その後の展開を大きく分けます。
Q3申請書の数字を間違えただけでも「虚偽の記載」になりますか?
272条の32の承認申請書や添付書類について、記載が真実に反する場合が6号の対象です。単純な誤記と虚偽記載の境界は、実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:提出後に誤りに気付いた場合、自主的に訂正の届出を行い、その経緯を書面で残すことが実務上の標準対応です。指摘される前に自ら訂正したという記録は、後の評価で決定的に効いてきます。
間違えやすい点 AI による整理
- 「過料は罰金より軽いから、実質的にはお咎めなし」と受け止められがちだが、深刻なのは金額ではなく手続の構造である。過料は非訟事件手続法に基づき裁判所が決定で科すもので、刑事裁判のような公開の法廷も、検察官による起訴猶予の判断も介在しない。前科がつかない代わりに、事実上の抵抗の場も乏しい。
- 「行政処分(金融庁による業務改善命令や登録取消し)を受けなければセーフ」という前提で考える人が多いが、問いの立て方が違う。過料は行政処分とは別ルートで、行政処分がなくても独立して科されうるし、逆に行政処分を受けた事案で過料も併科されることがある。「金融庁と話がついた」ことは過料の免除を意味しない。
- 経営層から見れば標識の掲示や申請書の記載は「事務方の作業」に見えるが、法律から見れば過料の名宛人は違反行為をした者であり、法人の代表者や業務執行の責任者が個人として対象になりうる構造である。この落差が、現場に丸投げしていた経営層を直撃する。
- 「虚偽の記載」は嘘をつく意図がなければ成立しないと考えられがちだが、6号が問うのは提出された書面の記載内容が真実に反するかどうかであり、故意の程度に関する評価は実務上争点になる(実務上、解釈が分かれている)。少なくとも「うっかりだから対象外」と即断できる条文ではない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制裁の性質 | 保険業法335条:過料(行政上の秩序罰、前科なし) | 保険業法272条の8:標識掲示義務そのもの(義務規定、制裁なし) 保険業法272条の32:承認申請書提出義務(義務規定、制裁なし) |
| 手続 | 非訟事件手続法に基づき裁判所が決定 | 監督当局の検査・報告徴求・行政処分 金融庁の承認審査手続 |
| 名宛人 | 違反行為をした「者」(法人・個人の双方がありうる) | 少額短期保険業者 承認を申請する保険会社等 |
| 金額・効果 | 百万円以下の過料(額は裁判所が違反態様に応じ決定) | 義務違反自体は335条4号へ接続 虚偽記載は335条6号へ接続 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保険業の手続違反を行政罰法の枠組みで主管機関(金融監督管理委員会)が罰鍰を科す。日本のように裁判所が決定する構造ではなく、行政機関が直接科す点が最大の相違
韓国も保険業法に過料規定を置き、金融委員会が賦課する。日本の裁判所決定方式と異なり行政庁賦課方式であり、異議申立てにより非訟手続へ移行する構造
ドイツは保険監督法上の義務違反を秩序違反(Ordnungswidrigkeit)とし、BaFin が過料(Bußgeld)を科す。OWiG の枠組みで準刑事的な手続保障が及ぶ点が日本より手厚い
米国は州ごとに保険監督が分かれ、州保険局長が civil penalty を賦課する。連邦統一の過料制度はなく、行政審判(administrative hearing)を経る点が特徴
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 少額短期保険業者として開業し、営業所を増やした。本店には標識を掲示したが、新設した営業所は内装工事の都合で掲示が一か月遅れた。272条の8第1項は各営業所での掲示を求めており、この一か月が4号の違反期間になりうる。「本店に貼ってあるから大丈夫」という感覚が、そのまま過料事件の記録になる。
- もし、少額短期保険業の登録を取り消された後も、以前の標識をそのまま剥がさずにいたらどうなるか? 272条の8第3項は、業者でない者が同種の標識またはこれに類似する標識を掲示することを禁じており、5号の対象になる。「ただの看板の外し忘れ」が、消費者に無登録業者を登録業者と誤認させる行為として評価される。
- 保険会社の子会社化の承認申請で、担当者が申請書の添付書類に前年度の数値をそのまま流用し、更新し忘れた。272条の32の承認申請書や添付書類の虚偽記載は6号の対象。ここで問われるのは「騙すつもりがあったか」より、提出した書面の記載が真実と異なっていたという事実であり、担当者個人と法人の双方に目が向く。
- 保険会社が信託業務を兼営し、信託財産に係る供託命令を受けた。経理部門は「行政からの要請」と理解して社内稟議に回し、決裁が二週間止まった。2号の供託命令違反は、その遅滞そのものが対象になりうる。残された時間は命令に定められた期限までで、稟議の速度は法律の関心事ではない。
- 重要な信託の変更、信託の併合や分割を進める案件で、受益者への手続を省略して実行した。3号が準用する信託業法29条の2の手続違反である。案件の締切まであと数日という圧力の中で「後から書面を整えればいい」と判断した瞬間、100万円以下の過料の射程に入る。
取るべき行動
被害を受けた側:この条文で保護されるのは、無登録業者を登録業者と誤認しかねない消費者の側である。1. 契約しようとしている業者の標識を撮影し、金融庁の登録業者一覧(免許・登録等を受けている業者の一覧)と照合する2. 標識がない、または記載内容が一覧と食い違う場合、契約前に金融庁または財務局の相談窓口へ照会する3. 既に契約してしまった場合は、契約書・パンフレット・標識の写真を保全したうえで、消費生活センターまたは弁護士へ相談する。
訴えられた側:1. まず何号に該当すると指摘されているかを特定する。標識(4号・5号)、供託命令(2号)、信託手続(3号)、申請書の記載(6号)では、争点も是正方法も全く異なる2. 直ちに是正し、是正日時と措置内容を記録に残す3. 該当行為の主体が法人なのか個人なのかを整理し、名宛人となりうる者を確定する4. 過料は非訟事件手続で裁判所が決定するため、決定前の意見陳述の機会と、決定後の即時抗告の可否を金融規制に詳しい弁護士と確認する。
時効(請求できる期限):過料には刑事の公訴時効は適用されない。手続は非訟事件手続法に基づき裁判所が行い、決定に不服がある場合は即時抗告の期間制限がある(同法の定めによる。最新の改正状況をご確認ください)。行政としての対応は監督当局の検査・報告徴求の時点から動き始めるため、実務上の時間圧は指摘を受けた日から始まる。
学説
通説:過料は行政上の秩序罰であり刑罰ではないため、刑法総則および刑事訴訟法は適用されず、非訟事件手続法に基づく裁判所の決定手続による。行政処分とは制裁系統を異にし、併科も妨げられないと解されている。
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